異教の地「日本」 ~二つの愛する”J”のために!

言論宗教の自由が保障され、ひとりひとりの人権が尊ばれ、共に生きることを喜ぶ、愛すべき日本の地であることを願う。

教会・国家・平和・人権―とくに若い人々のために⑨ 大正デモクラシー

2015-05-07 11:36:54 | キリスト教 歴史・国家・社会

木下裕也先生の「教会・国家・平和・人権―とくに若い人々のために」記事を連載しています。

木下裕也木下裕也(プロテスタント 日本キリスト改革派教会牧師、神戸改革派神学校教師)

 

教会・国家・平和・人権―とくに若い人々のために⑨
 

 大正デモクラシー


明治の時代には、何はともあれ第一の関心事は国家でした。明治維新という大きな転換点を経験した人々にとっては、新しい国家をどのように築いていくのかということこそが共通の課題であったのです。

しかし大正の時代になると、あきらかな変化が生じます。アジアにあって西欧の国々にもわたりあっていける強い国をつくるという目的は、ある程度果たされました。日清戦争、日露戦争に勝利し、朝鮮を植民地とし、大正期の日本は一方では帝国主義国家への道をさらに先へと進んでいくことになります。

...

他方、明治国家のさまざまなほころびがあらわれてくるということもあり、人々はようやく個人の意識に目覚め、個人の権利や個人的な幸せをもとめるようになります。そして大正デモクラシーと呼ばれる民主主義運動が起こり、国民ひとりひとりが政治に参加していこうとする機運がたかまっていきます。

 

国民のひとりひとりが自分の権利を守り、生活を安定したものとし、幸福を得るためには、自分も政治に参加し、政治をよくしなければなりません。そのために大切なのは選挙権です。けれども大日本帝国憲法のもとでは基本的人権は保障されておらず、国民の自由や権利もおおはばに制限され、選挙権も限られた人々にしか与えられていませんでした。それゆえ、大正デモクラシー運動はまず普通選挙【注1】権を獲得する運動として始まりました。だれもが政治に参加できる権利を得ることにより、明治の専制政治【注2】に抵抗し、政党が政治を運営していく仕組みを確立することを目標としたのです。

当時デモクラシーは世界的な風潮でした。そのことも追い風となって、大正デモクラシーはさまざまな民衆運動もまきこんだ大運動となり、1918年には日本最初の政党内閣【注3】を誕生させ、1925年には日本最初の男子普通選挙法【注4】を成立させる等の成果をもたらします。

 

大正デモクラシーの立役者となったのは、当時東京帝国大学法科大学教授であった吉野作造【注5】です。吉野がとなえた民本主義という学説が、この運動を支えました。大日本帝国憲法の枠の中で、できるかぎり民主主義的な政治のありかたをもとめようとしたもの【注6】で、注目すべき学説です。ただ、この時期にはすでに天皇主権の国家のかたちが固まってしまっていましたから、そのありかた自体をくつがえすものとはならなかったのです。

 

【注1】身分や性別、教育や財産のちがいによって制限されない選挙。

【注2】君主や身分の高い支配者が思うままに民を統治する政治のありかた。大日本帝国憲法では、国会は貴族院(皇族、華族、税金を多く納めている者や学者たちから天皇によって任命された議員からなる)と衆議院により構成されており、衆議院に持ち込まれた国民の思いや願いが貴族院によってしりぞけられてしまうことがしばしばでした。貴族院は普通選挙にも反対していました。

【注3】首相は原敬(はら・たかし)(1856~1921)。

【注4】それまで選挙権は一定額以上の税金を納めている満25歳以上の男子にかぎられていましたが、ここで満25歳以上の男子すべてに選挙権が与えられました。しかしこのときにも女性の選挙権は認められませんでした。

【注5】1878~1933。東京帝国大学法科大学教授。

【注6】同じような学説に美濃部達吉(1873~1948、東京帝国大学法科大学教授)の天皇機関説があります。

 

 


【お知らせ】安倍晋三事務所ホームページに掲載されている記事に対する削除要請について

2015-05-07 03:46:27 | 報道

※安倍首相のネトウヨ体質がよくわかる記事ですね。

 ~自分の都合のいいように平気で改ざんする、しかもホームページで!

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http://uesugitakashi.com/?p=10722

【お知らせ】安倍晋三事務所ホームページに掲載されている記事に対する削除要請について

内閣総理大臣・安倍晋三衆議院議員の公式ホームページに掲載されている記事に対し、下記の通り、削除要請を致しました。

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安倍晋三事務所 御中

 平成27年4月28日

 

冠省 貴ホームページに掲載されている記事の削除要請

 

内閣総理大臣・安倍晋三衆議院議員の公式ホームページにおきまして、ジャーナリスト・上杉隆についての事実誤認に基づく記事が数年間にわたり掲載されており、多大なる迷惑を被っておりますので、記事の削除を要請致します。

貴サイトのメニュー「トピックス」に「週刊誌問題」という項目があり、2009年7月3日更新の「変わらぬ上杉 隆氏の本性」という記事があります。

以下、事実関係を記します。

 

〈2段落目〉

「しかし、これまで上杉氏から何の回答もありませんでした。「責任ある回答は、必ず、届ける」という文言も結局は、真っ赤な嘘だったということです。」

→安倍事務所からの質問状は「週刊文春編集部」に送られており、返答も当然のことながら「週刊文春編集部」から行っております。

したがって、上杉個人名で返答が無かったというのは当たり前のことです。

よって、明らかな事実誤認です。

 

〈3段落目〉

「自称「ジャーナリスト」の上杉氏の署名記事が捏造であることは明白ですが、」

→捏造だったという事実を具体的にご提示願います。

 

「上杉氏は週刊文春編集部と弁護士の陰に隠れ、記事内容の証明さえ一切行なわず、責任を回避してきました。」

→前述の通り、安倍事務所が週刊文春編集部宛に質問状を送っている以上、返答は編集部からとなります。

なお、上杉は2001年以来これまで幾度となく、安倍晋三議員及び事務所に対して直接連絡を行い、取材依頼を申し込んでおり、「陰に隠れている」との指摘は全く逆であると考えます。

〈4段落目〉

「安倍晋三議員、当事務所に取材の申し込みもなければ、事実関係の確認も全くありませんでした。」

→安倍晋三議員に対しては、取材依頼をこれまで何度も申し込んでおります。

 

〈7段落目〉

「かつて上杉氏がある週刊誌に掲載した署名記事をめぐって法廷で争われ、最高裁が原告側の「捏造記事」との主張を認めた判決を下した事実」

→週刊新潮に掲載された平沢勝栄議員のパチンコ業界との関係を書いた記事の件ですが、この裁判での判決は「記事タイトルは名誉毀損に当たる」というもので、内容自体は正しかったという判決が下されています(タイトル事案の被告は週刊新潮編集長です)。

ここでの記述は事実をねじ曲げて印象操作する悪質なものです。

 

〈8段落目〉

「上杉氏のような自称「ジャーナリスト」が」

→原則、世界中のジャーナリストは全員「自称」です。

 

以上のように、当該の記事には多数の事実誤認が含まれているばかりでなく、明白な「名誉毀損」もなされています。

内閣総理大臣という、日本のみならず世界中から注目を集める政治リーダーが、一介のジャーナリストを自身の公式ホームページで誹謗中傷し続けるというのは、安倍晋三議員のみならず日本の言論界にとっても大きな損失ではないでしょうか。

速やかに、当該記事をホームページ上から削除することを求めます。

国の「最高権力」として誠意あるご対応を頂きますよう、宜しくお願い申し上げます。

なお、今月中には対応頂くようお願い致します。

 

上杉隆事務所


世界の歴史学者ら声明 安倍首相に歴史の直視訴える

2015-05-07 03:32:36 | 歴史  歴史歪曲

http://japanese.yonhapnews.co.kr/society/2015/05/06/0800000000AJP20150506000600882.HTML

世界の歴史学者ら声明 安倍首相に歴史の直視訴える

2015/05/06 11:01 

【ワシントン聯合ニュース】世界的に著名な日本学、歴史学などの学者187人が米東部時間の5日、安倍晋三首相に対し旧日本軍慰安婦問題とこれに関連した歴史的な事実をねじ曲げることなく、そのまま認めるよう求める声明を共同で発表した。

世界の歴史学者らが発表した声明の一部=(聯合ニュース)世界の歴史学者らが発表した声明の一部=(聯合ニュース)

 ピュリツァー賞受賞者で米ニューヨーク州立大教授のハーバート・ビックス氏をはじめ、ジョン・ダワー氏(米マサチューセッツ工科大教授)、エズラ・ボーゲル氏(米ハーバード大教授)、ブルース・カミングス氏(米シカゴ大教授)ら米国や欧州、オーストラリアで活動する学者たちが、韓国の聯合ニュースと聯合ニュースTVを通じ「日本の歴史家を支持する公開書簡」と題する声明を公開した。外交ルートを通じ安倍首相にも伝えられた。

 声明は「アジアで第2次世界大戦に対する正確かつ公正な歴史を追い求める日本の勇気ある歴史学者たちとの連帯を表する」とし、日本の歴史解釈の問題が、戦後の日本の民主主義や自衛隊の文民統制(シビリアンコントロール)、科学への寄与、他国への援助などの成果を評価する上で障害になっていると指摘した。

 最も先鋭的な歴史問題の一つに慰安婦問題を挙げ、「慰安婦にされた女性らの苦しみを被害国で民族主義的な目的に悪用することは国際的な問題解決を難しくし、被害女性の尊厳を冒涜(ぼうとく)することだ。被害者らに起きたことを否定したり無視したりすることもまた、受け入れることができない」と批判した。

 さらに「20世紀にあった数多くの戦時の性暴力と軍主導による性売買の事例の中でも、慰安婦制度は膨大な規模と軍レベルの組織的な管理、日本に占領されたか植民地支配を受けた地域の若く貧しい、弱い女性を搾取したという点で特に際立っている」と強調した。旧日本軍の記録の多くが廃棄されたが、歴史学者たちは旧日本軍が女性の移送や慰安所管理に関与したことを証明する多くの資料を発掘してきたと説明。また、被害者の証言は重要な証拠であり、記憶があいまいな部分があるものの、総体的な記録として説得力を持っているとした。公式文書やほかの証言によっても裏づけられているという。

 一方、旧日本軍が慰安婦を強制的に集めた事実を安倍政権が否定していることに対し、「大勢の女性たちが自らの意思に反してとらえられ、むごい野蛮行為のいけにえにされた証拠は明らかだ」と強調。被害者の証言を疑問視したり、特定の用語や個別の文書だけを取り上げ法律的な論争を展開したりすれば、本質を逃すことになると指摘した。

 声明は「今年は日本政府が言葉と行動を通じて植民地支配と戦時の侵略行為を取り上げることで、日本の指導力を示す機会になる」とする。安倍首相の4月の米上下両院合同会議演説に触れ、「安倍首相は人権という普遍的な価値と人道的な安全の重要性、そして日本が他国に与えた苦しみに直面する問題について言及したが、これらすべてにおいて思い切った行動を取ることを願う」と促した。

 声明発表を主導した米コネティカット大のアレクシス・ダデン教授は聯合ニュース、聯合ニュースTVとのインタビューに、「安倍政権がかつての河野談話の時のように過去の過ちに対する責任を認め、歴史歪曲(わいきょく)や政争に用いることをやめるよう訴えかけるもの」と趣旨を説明した。また、安倍首相の米上下両院合同演説を「むしろ過去に対する責任を否定することにきゅうきゅうとした」と批判した。

 大勢の歴史家らによる声明発表が、安倍首相が今夏発表する戦後70年談話に影響を与えることになるか注目される。

mgk1202@yna.co.kr

 

 


沖縄を忘れない 落合恵子さんが詩で訴え 【詩全文掲載】

2015-05-07 03:14:24 | 沖縄

沖縄タイムスhttp://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=114330

【詩全文掲載】沖縄を忘れない 落合恵子さんが詩で訴え

2015年5月5日 08:05
沖縄への思いを詩にした作家の落合恵子さん。「基地をオーガニック野菜の菜園にできないかな」と笑顔で話した(自身が主宰する都内の「クレヨンハウスで)」

沖縄への思いを詩にした作家の落合恵子さん。「基地をオーガニック野菜の菜園にできないかな」と笑顔で話した(自身が主宰する都内の「クレヨンハウスで)」

 
 
【東京】「新基地はいらないと、沖縄が声を大にして訴えている」「本土との溝を共感で乗り越えたい」-。長年、沖縄に通い続ける東京在住の作家落合恵子さん(70)が、そんな思いを詩にした。戦後と同じ年月を生きてきた落合さんは、詩について「平和な日本を守るための自分との約束」と語り、「共に歩かせてください」と覚悟を込めた。(東京支社・宮城栄作)

 名護市辺野古沿岸で進む新基地建設の作業。政治家が使う言葉「粛々と」が気になっていた。菅義偉官房長官が4月、翁長雄志知事と会って使った。沖縄の人の歴史文脈に置くと違った意味になるその言葉に落合さんはこだわった。「民意を無視して政治に何が可能なの。民意を聞こうよと語り、書き続けないといけない」

 大学生時代に初来県してから、毎年のように訪れている。悲惨な沖縄戦を経てなお過重な基地負担に苦しむ沖縄と向き合い、国のあり方、平和について考えを深めてきた。

 ただ、出会っても自分には帰れる場所が東京にあり、沖縄の人はそのまま暮らす。そこに自責の念がある。「沖縄を忘れてはならないと自分に確認し、約束するしかない」

 新基地建設反対の沖縄の民意は、本土では理解がなかなか広がらない。「傷め続けられてきた沖縄を防波堤にして、日本の安全や安定があるというのに」。多くの無関心がもどかしい。

 どうすれば突破できるか-。「だれしも屈辱を感じたり、弱い立場にいて足を踏まれた体験はある。それを掘り返すと、地下水脈でつながっていく」。人の想像力、共感力で、地理的距離を乗り越えられる、と望みをつなぐ。「当事者になれなくても、当事者性は得られる」とも。湧き出る思いをつづった詩は、4月10日付の毎日新聞夕刊に掲載された。読者から「共感することは大事」などの反響が寄せられたという。

 脱原発も訴え、福島にも通う。「沖縄や福島の問題は、私たちの民主主義の問題。未来の子どもたちの人生を考えてみて。人ごとではないでしょ」。一緒に考え、動くことの大事さを繰り返した。

 

◇沖縄の辞書

あなたよ

世界中でもっとも愛いとおしいひとを考えよう

それはわが子? いつの間にか老いた親? つれあい?

半年前からあなたの心に住みついたあのひと?

 

わたしよ

心の奥に降り積もった 憤り 屈辱 慟哭どうこく

過ぎた日々に受けた差別の記憶を掻かき集めよ

それらすべてが 沖縄のひとりびとりに

いまもなお 存在するのだ

彼女はあなたかもしれない 彼はわたしかもしれない

沖縄の辞書を開こう

 

2015年4月5日 ようやくやってきたひとが

何度も使った「粛々と」

沖縄の辞書に倣って 広辞苑も国語辞典も

その意味を書きかえなければならない

「民意を踏みにじって」、「痛みへの想像力を欠如させたまま」、「上から目線で」と

 

はじめて沖縄を訪れたのは ヒカンザクラが咲く季節

土産代わりに持ち帰ったのは

市場のおばあが教えてくれた あのことば

「なんくるないさー」

なんとかなるさーという意味だ と とびきりの笑顔

そのあと ぽつりとつぶやいた

そうとでも思わないと生きてこれなかった

何度目かの沖縄 きれいな貝がらと共に贈られたことば「ぬちどぅ たから」

官邸近くの抗議行動

名護から駆けつけた女たちは

福島への連帯を同じことばで表した

「ぬちどぅ たから、いのちこそ宝!」

 

「想像してごらん、ですよ」

まつげの長い 島の高校生は

レノンの歌のように静かに言った

「国土面積の0・6%しかない沖縄県に

在日米軍専用施設の74%があるんですよ

わが家が勝手に占領され 自分たちは使えないなんて

選挙の結果を踏みにじるのが 民主主義ですか?

本土にとって沖縄とは?

本土にとって わたしたちって何なんですか?」

真っ直すぐな瞳に 突然盛り上がった涙

息苦しくなって わたしは海に目を逃がす

しかし 心は逃げられない

 

2015年4月5日 知事は言った

「沖縄県が自ら基地を提供したことはない」

そこで 「どくん!」と本土のわたしがうめく

ひとつ屋根の下で暮らす家族のひとりに隠れて

他の家族みんなで うまいもんを食らう

その卑しさが その醜悪さが わたしをうちのめす

沖縄の辞書にはあって 

本土の辞書には載っていないことばが 他にはないか?

 

だからわたしは 自分と約束する

あの島の子どもたちに

若者にも おばあにもおじいにも

共に歩かせてください 祈りと抵抗の時を

平和にかかわるひとつひとつが

「粛々と」切り崩されていく現在いま

立ちはだかるのだ わたしよ

まっとうに抗あらがうことに ためらいはいらない