こつなぎの写真ノート

身近な自然の彩りを楽しみながら

玉原湿原、ブナ林(ブナ平)散策、2013年6月

2013-07-05 | 湿原

玉原湿原周辺の森には、ブナの自然林がある。湿原を歩いた後、私達はこのブナ林の中を散策した。新緑の爽快な雰囲気が、林には満ちていた。6月29日午後。

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太平洋戦争の前に(1929-1944年)、ブナ林で伐採が行われ、数多くの大径木が切り倒された(宮前俊夫監修、玉原の植物、(財)森林文化協会、2000年)。しかし、何本かの大木がまだ残っている。画像の古木では、コケ類や地衣類などが幹に着生し繁茂している。

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林内では、何種類かの高木(トチノキ、ホウノキなど)や亜高木(ハウチワカエデ、ヤマモミジなど)などが多く生えている(森林浴を楽しみながらにて)。

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この日の天候は薄曇りであったが、ときに陽射しがあった。そして、ツクバネソウやギンリョウソウなどが、スポットライトのような木漏れ日を浴びることがあった。私達にとって、願ってもない撮影チャンスの到来。ストックを三脚の代わりにして、急いでレンズを向けた。

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ツクバネソウ(衝羽根草): ユリ目シュロソウ科ツクバネ属の高さ20-30 cm程度の多年草(以前は、ユリ科)。葉は4個(枚)が輪生する。淡黄緑色の花を茎頂につける。雄しべは8個、雌しべの柱頭は4つに裂ける。日本固有種。このものの仲間に、クルマバツクバネソウがある(車葉衝羽根草、葉は6-8個が輪生する。日本固有種ではない)。


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これから盛りとなる個体を見つけて(木漏れ日が消える直前)。

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ギンリョウソウ(銀竜草): ツツジ目ツツジ科ギンリョウソウ属。このものは葉緑素を持たない腐生植物とされているが、腐葉土からは栄養物を得ていないと言われている。共生している菌類を経由して、 周囲の樹木から栄養物(有機物)を得ているとのことだ。

光合成の仕組みを持たずに、この合成ができるものから間接的に栄養を得るとのプロセスは、マメ科の植物と根瘤バクテリアとの共生関係を彷彿させる。ちなみに、根瘤バクテリアは空気中の窒素を硝酸塩 (栄養物)に変えるとの凄い能力を持っている。

 

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林内および林縁で、他の草花を探してみた。目が緑の世界に慣れてくるにつれて、私達はこのような多年草をあちらこちらで見つけた。

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このものの花が咲くときが楽しみだ(名を書かないが)。

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林内は明るく、植生が豊かだ。そのため、私達は散策で時が経つのを無視してしまった。

 

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