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2015-09-07 | 投資
【2015.09.07(mon)】
創薬ベンチャーに賭ける?

***新薬の開発には多大な資金と長い開発期間が必要とされていますが、その具体的な事例についてお話しを聞く機会がありました。***

・鳥取では珍しいことですが、某企業の<IR説明会>が開催されることに…

<4875 メディシノバ MediciNova,Inc>さんは、米国カリフォルニア州を本拠地とする創薬ベンチャー企業。講師はその東京事務所代表の副社長 岡島正恒氏でした。

・創業した米国での上場前に、先に日本での上場(2005.2 JASDAQ)を果たした初めての企業だとのこと。
その後2006.12に米国NASDAQにも上場。

・医薬品業界の中でも新薬の開発のみに特化した企業です。
未だ治療法が確立していない難病で苦しむ人々に、
より良い治療を提供し社会貢献するのが企業の理念とされています。
それを達成する為の、自社のビジネスモデルと直近のポートフォリオの解説がありました。

・開発に着手した新薬が最終的に世の中にでる確率は1~3万分の1とのこと。
動物を用いた非臨床試験から、人による試験のフェーズ1~3、最終段階である承認申請をクリアするまで
薬剤開発にかかる年数は短くて10年、長い場合は15年以上も必要らしい。
又その間の総費用は80~500億円にも上るそうです。幅はありますがいずれにしても巨額ですね。

・総費用が大きい為、開発途中での開発販売権利の売買も行われている。
新薬販売による多大な利益は得られないかわりに、契約時の一時収入、ロイヤリティ収入があり
大規模な治験費用が発生しないなどの利点があるので、メディシノバさんも一つのビジネスモデルとされているようです。

・さて世界の各国に比べて日本の薬が安いのは有名な話。
日本は公定薬価制度である為、薬価の算定を製薬会社が行うことはできないのです。
薬価算定は殆ど類似薬効比較方式で行われる為、
現行の薬価からかけ離れた価格になることはありません。

・一方、米国は市場規模が1位であるのに加えて自由薬価制度が採用されています。
製薬会社は需給関係による市場原理に基づいて、各社で薬価を設定することができます。
薬効が画期的で多大な需要が見込める新薬が開発できたら、価格をかなり高く設定して売ることが出来るわけですね。
特許が切れると速やかにジェネリックに移行しますから、製薬会社は短期に開発費用を回収しなければなりません。

・投資に見合った回収が早期に見込める為、米国が新薬開発の開始国となることは多く、
メディシノバさんが米国市場をターゲットに進出した理由もそこにあるようです。

・このIR説明会の内容は納得のいくものでした。
又、メディシノバさんのhpにある 【2014年12月期決算説明会/2015年3月13日(金)東京】 も参考になりました。

・主要な開発化合物はMN-166、MN-001の2つに絞り込まれたとのこと。
新薬の開発に成功すれば日本で2~3位の規模の製薬会社になり得るというのも頷けます。
ここで語られたビジョンが順次実現していけば、株価にも確実に反映され投資家も潤うはず。
但し開発に失敗すれば…。正に1か0、ハイリスクハイリターンの典型的な形です。

・創薬ベンチャーとしての性格上、新薬が未だ世に出ていない段階ゆえ、創業以来利益がずっと水面下なのは仕方ありません。当然ながら無配でもあります。株主の方は将来を読んで投資している訳ですね。
ちなみに、モーニングスター社のレポートによれば当面の資金繰りに問題はなさそうとされていました。
現在の<株価>ですと最低単位の100株を4万円以下で購入可。

・副社長は個人の所感と前置きして『NISAの枠を残しておられるようであれば、このタイミングで買って頂き、5年後の当社の姿に期待して頂けないでしょうか?』との呼び掛け。

・元証券マンとのこと。上手に締めくくられました。
若干冗談っぽい感じにも聞こえましたが、おそらく実際の処は本心かと…
応援したい気持ちになりました。

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・鳥取は雨模様、台風が近づき今週はずっとこんな天気が続くようです。
今年は残暑を感じる間もなく、もう本格的な秋へと移り行くようです。



See you.

I.O

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