両手を広げて(5)

2015-01-26 21:12:17 | 童話
よし、今度は一番遅い乗り物に乗る夢をみよう。

そして、僕はカタツムリに乗って世界を旅行している夢を見た。

ゆっくり、ゆっくりと広い所を旅行していて楽しかった。

この夢が一番楽しかった。

               おしまい

両手を広げて(4)

2015-01-25 10:45:42 | 童話
『お母さん、僕ね、また夢の中で空を飛んでいたよ。
今度はね、何にも乗らなくて、行きたい所を考えただけで、その場所に行けたんだよ。』
『あらっ、すごいわね。』

お父さんが
『昔からそんな空想小説があるが、現実的には不可能だよ。』
と言った。

『お母さん、今度はね、僕が行きたい場所を考えると、その場所が僕の所にやって来たんだよ。』
『あらっ、すごいわね。』

お父さんが
『なんだそれは、そんな事は絶対に無いよ。』
と言った。

僕が飛んで行くより、僕が行きたい所が来るのが一番速いと思った。

そして、一番速い方法になったので、その日から夢は見なくなってしまったので残念だ。

両手を広げて(3)

2015-01-24 13:44:15 | 童話
『お母さん、僕ね、また夢の中で空を飛んでいたよ。
今度はね、ロケットに乗って宇宙旅行していたんだよ。』
『あらっ、すごいわね。』
お父さんが
『もっともっと努力しないとなれないよ。』
と言って、ガンバレ、ガンバレと言った。

僕はもっともっと努力してロケットに乗ろうと思った。

『お母さん、僕ね、また夢の中で空を飛んでいたよ。
今度はね、携帯電話に乗って飛んでいたんだよ。』
『あらっ、すごいわね。』
お父さんが
『なんだそれは、携帯電話の電波に乗って飛んでいたのかい?今の技術ではできないよ。』
と言った。

僕は、携帯電話で声が届くのだから僕も飛んで行けると思う。

両手を広げて(2)

2015-01-23 22:17:16 | 童話
『お母さん、僕ね、また夢の中で空を飛んでいたよ。
今度はね、ヘリコプターを操縦していたんだよ』
『あらっ、今度はすごいわね。』

お父さんは
『そうだなぁ、努力すれば可能性のある夢だな。』
と言ったが、すごいねとは言わなかった。

僕は大きくなったらヘリコプターに乗ろうと思った。

『お母さん、僕ね、また夢の中で空を飛んでいたよ。
今度はね、ジェット旅客機を操縦していたんだよ。』
『あらっ、すごいわね。』

お父さんが
『いっぱい努力しないとなれないよ。』
と言って、ガンバレと言った。

僕は努力してジェット旅客機を操縦しようと思った。

僕は段々とスピードの速い乗り物になっているのに気が付いた。
次はどんなに速い乗り物になるのかなぁ。

両手を広げて(1)

2015-01-22 21:27:02 | 童話
『お母さん、僕ね、夢の中で空を飛んでいたんだよ。』
『あらっ、すごいわね。』
『両手を広げて、ビューンと飛んでいたんだよ。』

お父さんは
『夢は何でもできるけれど、本当は飛べないよ。』
と言いました。

だけど、僕は飛べると思う、夢の中で飛んでいたから飛べるんだ。

『お母さん、僕ね、また夢の中で空を飛んでいたよ。今度はね、パラグライダーを付け飛んでいたんだよ。』
『あらっ、すごいわね。』

お父さんは
『少し現実味のある夢になったな。』
と言ったが、すごいねとは言わなかった。

僕はできそうな気がする。
そして、今晩はどのようにして空を飛ぶのか楽しみだ。