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時代劇が衰退した理由

2011-07-22 13:51:00 | ドラマ、時代劇、歴史
質問&回答ページ

komasaram

7月28日号の「週刊文春」を買ったら里見浩太朗のインタビュー記事がありました。
雑誌の聞き手の分析は「時代劇は制作費がかさむとされ、視聴率や不景気にはかなわなかった」としています。
一方、里見浩太朗自身はバラエティ番組がテレビの主流になったことを視聴率低下の理由だと考えているようです。タレントやお笑い芸人がテレビの中で楽しんでいるのを視聴者が見て同じ立場で笑ったり怒ったりする。またスタッフもハプニングで視聴者を引き付けようとして内容をエスカレートさせる。一方ドラマはテレビの前でどっしり構えて見る物で、よほど心に響く物がないと視聴者はテレビの世界に入っていかないという分析です。

確かに最近のテレビは時事ニュースや歴史の教養の番組でもやたらスタジオにお笑いの人を呼んで、その人たちの表情を映して数字を集めようとしている傾向があり、やたらカメラが切り替わり、中継やビデオの映像でもスタジオのタレントの表情が小窓みたいな画面に映って、見ていて気が散ります。

また「暴れん坊将軍」「遠山の金さん」など時代劇がたくさんあった時代は黄金時代であっても、里見浩太朗によると視聴率がよかったから粗製乱造となり、その後、視聴者の目も肥えてきてどんどん淘汰され、残ったものが「水戸黄門」だったということのようです。

里見浩太朗によると時代劇で映画が主流だったころは、テレビは紙芝居のような物としてさげすまれていたそうです。
一方、日本の時代劇は、映画になると海外でも評価されるようになっており、その意味では映画時代劇の時代が戻ってきて、時代劇を見せる「電気紙芝居」としてのテレビは半世紀たって役目を終えつつあるということでしょうか。
映画はまさしく「どっしり構えて見る物」ですから。

今後、「水戸黄門」「遠山の金さん」のような時代劇は、かつて月形龍之介や片岡千恵蔵が演じたように映画の時代に戻るのかも知れません。

テレビの「大岡越前」「暴れん坊将軍」「遠山の金さん」の場合、それぞれ加藤剛、松平健、松方弘樹が長く演じて「卒業」した後、適役がいなくなってしまったのでしょう。北大路欣也の「越前」も、松平健の「金さん」も俳優のイメージが強すぎてすぐに終わってしまいました。

また、将軍やその親戚が他の藩の内政に口出ししたり、奉行自身が自分で街を歩いて捜査するなど、名君でも名奉行でもないと思う人が増えたのでしょう。幕府にも奉行所にもろくな人材がいないからこういうことになるという見方もできます。

もっと人間ドラマを主体にした時代劇が増えて新たなファンを獲得すればいいのですが、70年代、80年代のチャンバラ時代劇や「奉行や徳川家が身分を隠して庶民と触れあう時代劇」を見慣れた人たちがまだ視聴率を左右していて、そういう人たちは「水戸黄門」でも細かいキャスト変更だけで拒絶反応を示して、地上波や衛星放送の再放送に流れているのでしょう。

回答日時:2011/7/22 06:37:32
編集日時:2011/7/22 06:56:27
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テレビで時代劇はなぜなくなっていったんでしょうか?

komasaram

時代劇を年寄りだけの物だと思っているのが誤解の元です。
1970年代、80年代、90年代は時代劇が各局でそろっていましたが、あの時は若者も時代劇を見ていたのです。
早い人は小学校高学年か中学生くらいから時代劇を見始めていました。
1980年代の仕事人ブームのときは中学生も必殺シリーズの再放送と本放送を見ていました。

水戸黄門の映画は月形龍之介時代にはたくさん作られていましたがテレビの東野英治郎の水戸黄門の映画化は1本だけ。
それが必殺シリーズはテレビ時代劇の映画化としては初めてシリーズ化されました。さらに主題歌やBGMを集めたレコードが出たのも必殺シリーズの特徴でしょう。
当時、時代劇関係者は水戸黄門を時代劇の代表と考えていたのでこれを予想できませんでした。
必殺シリーズのファンには、10代、20代のアニメ・特撮ファンが大量に入っていたのです。

その必殺で育った三田村邦彦、村上弘明が他の時代劇、さらに大河ドラマにも抜擢されていったわけです。

また水戸黄門でも西村晃の時代にお銀、飛猿が加わると東映の戦隊ヒーローに近くなって、結構、若者にも受けたと思います。
時代劇が年寄りだけの娯楽になったら未来は期待できません。

水戸黄門という番組がなくなるということで嘆く人も「お年寄りが可哀相」などと言うのは所詮は部外者、傍観者の無責任な感想で、自分が観たいなら「終わってほしくない」と直接言えばいいのです。

産経電子版によるとTBS広報部は「テレビ業界全体に言えることですが、家族で楽しまなくなったり、衛星放送が登場したりと、テレビの視聴形態が大きく変わり、そうした時代の趨勢に合わせた番組の提供が求められている」と分析していますが、そういう変化を生んだのは自分たちテレビマン自身のはずで、これまた傍観者的ですね。
若返り、秘話披露も…「水戸黄門」低迷 時代の変化“紋所”の威光陰り
2011.7.17 14:56 (3/3ページ)


また時代劇のウソを指摘する人が前から本を出していて、水戸黄門は関東からほとんど出ていない、副将軍ではなかったということも知れ渡っており、忍び旅なのに毎回印籠を出すのはおかしい、立ち回りの前に印籠を出さないのはなぜかといった疑問を持つ人がどんどん増えて、前からの熱心なファンは変わらぬ単純さを求める反面、時々見るだけの人たちは水戸黄門のパターンに飽きて去ってゆき、さらに新たなファンを獲得できなくなっていると思いますね。

製作費の問題で言うと、テレビが唯一の映像の娯楽だったときは視聴率も高かったでしょうが、パソコンやDVDやビデオが普及するとそれも無理になり、視聴率中心の番組作り、スポンサー頼みの体制といった旧態依然としたテレビのあり方が無理になっているのです。
今後、TBSもネット配信や衛星放送で新作を出して視聴率が良くても悪くても収益が入るようなシステムを考えるべきでしょうね。
また大型時代劇は映画で観ることになるでしょう。すると結局、東野英治郎より前の月形龍之介の時代に戻ることになります。

編集日時:2011/7/19 14:11:35
回答日時:2011/7/19 14:07:11


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