【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

補正予算案は、立希無共は反対で一致、自公維の賛成多数で可決、麻生財務大臣、忖度職員「みよし」「いけだ」の明言拒み止まる

2018年01月30日 17時15分19秒 | 第196回通常国会(2018年1月召集)働き方 カジノ

 補正後の今年度一般会計を99兆円とする、平成29年度第1次補正予算案は、きょう、平成30年2018年1月30日(火)の衆議院本会議で、立希無共の反対、自公維の賛成多数で可決し、参議院に送付。今週末成立のはこび。

 また今国会法案第1号として「東日本大震災事業者再生支援機構法を3年強延長する法案」(196衆法1号)も衆議院で可決し、参送付。

【衆議院本会議 平成30年2018年1月30日(火)】

 「平成29年度第1次補正予算案」が可決。

 続いて、

 「東日本大震災再生事業機構法改正案」(196衆法1号)が採決され、全会一致で可決しました。二重ローン買い取り機構を、2021年3月31日まで延ばす改正法案。

 冒頭、渡部一郎・元公明党国会対策委員長への弔詞が朗読されました。

【衆議院予算委員会 平成30年2018年1月30日(火)】

 平成29年度第1次補正予算案の審議3日目、そのうち基本的質疑2日目。

 午前中は、前日の続きで、無所属の会、共産党、維新の3野党の今年初の第一委員室審議が国会中継されました。

 この後、昼の理事会で採決に合意したとみられます。

 平成29年度第1次補正予算案の締めくくり質疑は、15分前後遅れで、始まりました。後述の原口一博さんの、「みよし」「いけだ」の首相夫妻「忖度」職員の名前を出すよう求めた問答で、十数分審議が止まりました。

 午後3時35分頃に質疑終局。討論では、自公が「全世代型の社会保障だ」と賛成、立憲民主党が「補正の趣旨に沿わない」と反対しました。この後、明治維新150周年の国会にのぞむ、希望の党の小熊慎司さんは「佐川国税庁長官の国会出席を求める。仮に国会に出席しないなら辞任すべし」と同じ福島県出身の佐川さんに求めました。討論は反対。無所属の会も反対。共産党の藤野保史さんは防衛費の債務負担行為の補正で「新規の後年度負担は(総額で?)2・3兆円になる」との試算を発表して、反対。維新は賛成しました。

 この後、3時55分前後に可決しました。次回は公報。散会。

 午前中のテレビ入り質疑で、原口さんは改憲について質問。安倍首相は9条2項の「芦田修正論」を歴代政府はとっていないとの従来の見解を強調。「2項削除論」を安倍さん本人はとっていない、と明言しました。

 赤嶺政賢さんは、松本文明内閣府副大臣の発言について、在日本沖縄米軍のヘリ飛行について。松本発言については、総理はすでに何度も謝っています。共産党はその後初登場とはいえ、場数を踏んでいる赤嶺さんは、総理への再度の謝罪要求はもちろんせず、個別論に。日米地位協定を実施する航空法特例法が適用され、国内の航空法が使われないことを、石井啓一国土交通大臣からの答弁で明らかにしました。日米地位協定について、首相は答弁にイライラしたようで、午後の基本的質疑で、立憲民主党の本多平直さんに対して「いろいろと居丈高なことをおっしゃっているが、(民主党よりも)安倍政権の方がよっぽど基地負担の軽減を進めており、気に入らないのでしょうが!」と挑発的に言い返す場面がありました。本多さんは安倍首相が就任後7回訪沖しながら、一度も、辺野古、普天間に行っていないことを指摘していました。

 午後の締めくくり質疑。昼の理事会で、会計検査院が存在を明らかにした、財務省の近畿財務局内で、森友国有地をめぐって、安倍晋三首相夫妻と理事長の近さを忖度する職員同士のやりとりに登場する財務省職員が「みよし」「いけだ」という名前だと、財務省理財局総務課長らが明らかにしたようです。

 これを受けた、午後の締めくくり質疑で、原口一博さんが、委員会の場で名前を明かすよう問いました。これに対して、麻生太郎財務大臣は、担当の理財局長が政府参考人として出席しておらず、麻生氏本人は名前を知らないとしました。また、麻生さんは財務省が理財局長の政府参考人出席を、原口さんが断ったと、麻生さんは語りました。

 6分ほどの中断の後、河村建夫委員長が、「質問通告が無かった」としながらも、麻生大臣に答えるよう促しました。

 麻生大臣は「みよし、いけだ、と言う名前だと聞いている」としながらも、当該文書に登場する人物かどうか確認できない、としました。

 立民の本多平直さんは、上述の沖縄をめぐる問答のほか、茂木敏充・経済再生相が地元で線香、手帳を配った件について。野田聖子総務相が前日の答弁で、公選法の「氏名を類推するような形で配ってはいけない」という部分を、わざと読まなかったのではないかとただしました。本多さんの質疑で、小野寺五典防衛相が「概算要求の前倒しも入っている」と答弁。北朝鮮有事で概算要求を前倒しても、数週間の発注前倒しに過ぎず、こういう答弁を平然としてしまうところに、閣僚・防衛省の驕りを感じました。

 麻生太郎財務大臣は、希望の党の稲富修二さんに対してのっけから、「たしか、(私と同じ)福岡だったよね?」とお得意のいじめを展開。吉田茂はねっから嫌な奴だったので、こういうことはしなかったでしょう。お坊ちゃまギャングの馬脚をあらわしたように感じます。

 希望の柚木道義さんはきょうはフリージャーナリストの伊藤詩織さんが傍聴しているとし、著書「ブラック・ボックス」で指弾した、元TBS記者のフリージャーナリスト山口敬之氏による準強姦行為を、北村格・警察官僚がもみ消した件に関して。さらに、ペジー・コンピューティング社が、キャピタル東京レジデンスの月200万円の家賃の資金提供下ではないか、と質しました。

 2度目の登場の原口さんは、ペジー・コンピューティングをめぐって、NEDOの古川一夫理事長に質問。


[画像]古川一夫・NEDO理事長、2018年1月30日の衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

 NEDOの副理事長は経産官僚のようですが、古川理事長は、日立製作所の出身のようです。このため、答弁はなれていないようです。さいきんでは、民間出身のNHK会長、日本年金機構理事長らがターゲットになったことがあります。衆参とも野党の会派が分かれているので、古川さんがターゲットにされるかもしれません。世耕弘成・経産省の後フォロー答弁も、少し、納得いかない雰囲気がありました。

 この後、上述の「みよし」「いけだ」をめぐる問答があり、33分前後遅れで、共産党の藤野保史さんの質疑が始まりました。この後、維新の質疑者し、質疑終局。討論。採決。次回の日程は公報で知らせることにして、3時55分頃に散会しました。

【参議院議院運営委員会 平成30年2018年1月30日(火)】

 国会同意人事をめぐり、続投が政府から提案された、会計検査院の森田検査官(公認会計士)と公正取引委員会の杉本和行委員長の所信を聴取しました。

【衆議院議院運営委員会 同日】

 本会議の段取り。

このエントリーの本文記事は以上です。

(C)2018年、宮崎信行。

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