ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記

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平成23年度本予算は年度内成立 民主党は13年連続、野党・自民党は2年連続

2011年03月31日 22時33分58秒 | 第177常会(2011年1月)大震災・3党合意

[写真]平成23年度本予算の編成・審議でがんばったみなさん。左上から時計回りに、菅直人首相、野田佳彦財務相、櫻井充・財務副大臣(歳出)、尾立源幸・財務大臣政務官(歳出)、五十嵐文彦・財務副大臣(歳入)、吉田泉・財務大臣政務官(歳入)、玄葉光一郎・民主党政調会長大臣、細川律夫厚労相、平野達男・内閣府副大臣、中井洽・衆院予算委員長、中川正春・衆院予算委筆頭理事、前田武志・参院予算委員長。

 さて、年度末の夜です。私は月曜日に年度末にやらなければいけないタスクをやり終えて、この4日間はゆっくりしていました。何となく気が向かなく、3月10日に国会に行って、いろいろ取材して、あと、1つだけごあいさつ(おわび関係)を済ませて、民主党本部に行って、岡田さんの会見に出て、その後は、国会に何となく足が向きません。記者仲間はへとへとに疲れているだろうから、睡眠は十分にとれている僕のことをむかつくかもしれないし、イライラしている人も多い。なるべく出ない方がいい。もちろん、国会づとめで仲の良い人の親戚らが無事かどうかは確認していないのが気がかりですが、なんとか、自分のやるべきことをやろうと思います。

 一般会計で92兆4116億円の歳入見込みと歳出の限度額を計上した平成23年度本予算(一般会計、特別会計、政府関係機関)が2011年(平成23年)3月29日(火)、成立した。衆院で可決、参院で否決されたので、日本国憲法第60条により、衆議院の議決が国会の議決となりました。これに先立ち、先日のエントリーでもふれたとおり、両院協議会が開かれました。

 3月29日(火)の午後5時12分から、衆議院本会議が再開され、両院協議会の結果が報告されました。ちなみに、何度も書きますが、両院協議会はインターネット中継もないし、記者もアタマ撮りだけで傍聴は許されていません。この点については、当ブログとしては、その問題点を3月末に広く世論に呼びかけたい意向を持っておりましたが、ネット上などでその世論への高まりはありませんでした。それは当然のことですが、ねじれ国会はむこう2年以上続くわけですから、またの機会にしようと思います。

 再開された衆議院本会議では、中井洽さんが登壇し、休憩前に指名された衆院側の10人による互選で、「私、中井洽が両院協議会協議議長、中川正春君が副議長に選出された」としました。中井・中川コンビは、予算委員長と与党筆頭理事のコンビですから適任だし、また、三重県第1区、同県第2区のコンビでもあります。まあ、誰でも気付くでしょうが、菅総理(代表)から、国会・党運営をほぼ一任に近い形で任されている岡田克也幹事長と選挙区も国会事務所も近い議員を重要所に配置していたことが分かります。


[画像]両院協議会の結果を報告する中井洽さん、2011年3月29日午後5時過ぎの衆院本会議

 中井さんは「両院の一致をみず、成案を得るに至らなかった」と両院協議会の結果を報告しました。

 横路孝弘・衆議院議長は、「ただいま両院協議会協議委員議長の報告のとおり、平成23年度本予算は両院の意見が一致しませんでしたので、憲法第60条第2項により、本院の議決が国会の議決となりました」と宣言し、ひな壇の菅内閣がアタマを下げました。


[画像]本予算成立で頭を下げる菅内閣、衆院本会議

 この後、参議院本会議が再開し、自民党の林芳正さんが登壇しました。


[画像]林芳正さん、参院本会議、参議院インターネット審議中継

 林さんは、参院側の協議委員は「林芳正議長、岩城光英副議長で、衆院側は中井洽議長、中川正春副議長で、くじ引きの結果、両院協議会の議長には中井洽さんがつきました」と報告しました。この内容については衆院本会議での報告には入っていなかった情報です。衆院側(民主党側)が議長をとったから、両院協議会が早く終わったのであって、参院側(自民党側)が議長をとっていたら、もっと長引いたはずです。

 林さんは「衆院側からは、『平成23年度本予算は成長と雇用を重視する新成長戦略を盛り込んでおり、震災対策のためにも速やかな成立が必要だ』との意見があった。一方、参院側からは『震災があったのに、マニフェストを修正していない。また公共事業が減り、地方に冷たい予算だ』との意見が述べられた。その後、懇談となり、議事が終了し、成案(すりあわせ案)が見られなかった」としました。ちなみに、成案を可決するには、3分の2以上の賛成が必要です。衆参から10人ずつ協議委員が出て、3分の2なんてあり得ません。第23回参院選(2013年夏)の前までに、国会法改正が必要です。

 西岡武夫議長は、「憲法60条2項による衆院の議決が国会の議決になります」と宣言しました。なお、参院本会議には閣僚はひな壇に出席していませんでした。 

 これにより、統一会派「民主友愛太陽国民連合」が民主党を結党した第142回通常国会(1998年1月12日召集)から第177通常国会まで、13回の本予算審査があったわけですが、すべて年度内に翌年度予算を採決し、成立しました。当たり前のようですが、55年体制で、日本社会党で「成田3原則」の成田知巳委員長-「改良主義」の江田三郎書記長のコンビが失脚した後から、社会党が抵抗野党化し、予算が人質に取られ、4月以降に予算成立が遅れ、暫定予算となることが続きました。また、自民党も第1次野党期最初の本予算審査となった第129通常国会(1994年1月31日召集)では、衆院での受理が3月4日、可決が6月8日、参院での可決・成立が6月23日となり、細川・羽田内閣の政治改革への圧倒的な世論は「村山自・社・さ闇討ち内閣」に倒され、自民党は連立パートナーを入れ替えながら、国民は自民党に2009年夏まで第2次与党期を与えました。そして、自民党の第2次野党期最初の第174通常国会では、 「3月24日」という極めて早いタイミングで、参院でも予算が可決しましたが、この自民党の対応については党内で批判があり、舛添要一・予算委筆頭理事が離党してしまうという後味の悪いものとなってしまいました。同時に、第1次与党期の民主党は、「細川内閣のトラウマ」から解消されましたが、会期終了後の第22回参院選で惨敗し、ふたたびねじれ国会となり、予算編成・審査を迎えました。

 政権交代ある二大政党デモクラシーのために、まずは、参院自民党の予算委理事が離党しないこと。これを期待したい。健全野党の第一歩です。

 そして、この予算は4月には補正案が提出される見通しです。とはいえ、やはり本予算をしっかり通しておかないと、議論の骨組みができませんから、マスコミなどの関心が低いとはいえ、平成23年度当初予算が、意義の少ないものである、などということはありません。

 訓政期にあるニッポン。2月17日の衆院予算委員会では、自民党の1年生議員とはいえ高岡市長の経験がある橘慶一郎さんが、「建設国債というのは設備資金、設備を導入するための資金、それでいろいろなインフラストラクチャーをつくるということであります。赤字国債は言ってみれば運転資金、資金繰りがつらいからそれを借りていく」としたのに対し、野田佳彦財務大臣が「赤字国債も建設国債も、借金としてはやはり積もっていくものでございますから(略)できるだけ抑制していかなければいけないのではないか」との答弁があり、橘さんは「私はそうは思いません。やはりそれぞれ目的が違う、そして、抑制するものはその目的によって抑制をしていかなければいけない、ここはぜひ指摘をさせていただきたいと思います」としています。私は橘さんの意見に賛成です。また2月28日(月)の集中審議では伊吹文明さんが「歳入と歳出の違い」について「歳出というのは『その金額まで「税金」と、そして将来の国民の税金である「国債」を使って良いよ』という権限を国会が政府に与えるものだが、歳入は見積もりに過ぎない」と述べていて、これも全く伊吹さんのいう通りだと思います。

 こういう予算を組む作業を、何度もできることは、訓政期にあって民主党にとっては幸運です。衆参予算委、財金委、本会議を見ていて、野田佳彦さんというのは相当に体力と精神力にすぐれたたくましい人のようですから、ぜひ、しっかり勉強して欲しいと思います。

 ところで、予算の年度内成立が新記録更新だ・・・と書いていますが、当たり前のことですよね。当たり前のことが当たり前でないのが、自民党長期政権であり、社会党が野党第1党だった55年体制だったわけです。

 民主党・国民新党が参議院で少数をしめるねじれ国会ということで、当ブログでも第177通常国会の「3月危機」を指摘してきましたが、なんとか乗り切ることができました。もちろん、3月11日午後2時46分、菅民主党の3月危機をはるかに上回る3月危機が、日本を国難に突き落としました。そして、福島第一原子力発電所の事故は、政権交代のない政治による癒着のずぶずぶのヘドロがもたらした人災だと私は考えています。小沢一郎氏が新進党を解党していなければ、もっと早く政権交代ができたのに。モノ言えぬムラ社会で横に習えで生きていく田舎者の知恵は、長年の長時間労働に培った付加価値と日本の信頼を欠損し世界に迷惑をかける最悪の結果となりました。慚愧に堪えません。




[画像]下半分のバナー(ワッペン)は、自民党の機関紙「週刊自由民主」からキャプチャーさせていただきました。


子ども手当つなぎ法が成立 昨年と同額で6月10月支給が確定 年長の市田議員、寺田議員が協力

2011年03月31日 17時16分12秒 | 第177常会(2011年1月)大震災・3党合意

[写真]子ども手当つなぎ法に賛成した市田忠義、寺田典城両参院議員、参議院ホームページの所属議員一覧から

 参議院は3月31日(木)午後4時から本会議を開き、午後4時45分から午後5時10分にかけて、「子ども手当つなぎ法案」(衆院民主党の城島光力さんら提出)を審議。押しボタン式ではなく、自民党の愛知治郎さんら82人の発議で、記名投票採決(堂々巡り)をしました。

 この結果、投票総数240、賛成(白色票)120、反対(青色票)120の可否同数となりました。このため、西岡武夫議長は「可否同数のときは、憲法56条第2項により、議長が決するものとします」として、「議長の判断は可であります」として、議長の決定により、子ども手当つなぎ法は可決・成立しました。

 このほか、賛成多数で、国税つなぎ法、地方税つなぎ法、思いやり予算協定、金融円滑化法(亀井法)の延長、改正関税定率法、改正IMF・IBRD加盟法、改正内閣府設置法(地域自主戦略交付金=地方一括交付金)、改正地方交付税法、改正港湾法、改正踏み切り道改良促進法、「国会議員の歳費の3割削減法」も成立しました。

 これに先立つ厚生労働委員会でも、可否同数のため、国会法50条後段にもとづき、津田弥太郎委員長が「可」としました。衆議院は両院協議会や3分の2議決にそなえて、午後12時に始まった本会議を休憩にしていましたが、参議院でイッパツで決まりました。

 
[画像]挙手による採決で、可否同数となったため、委員長として「可決」を宣言した津田弥太郎・参院厚生労働委員長。津田さんの隣には、ボードを持った参院事務局職員の姿が。


[画像]子ども手当つなぎ法の委員会可決を参院本会議に報告する津田弥太郎委員長、2011年3月31日、午後4時45分ごろ。参議院インターネット審議中継からキャプチャ。


[画像]記名投票採決で、白色票(賛成票)を投じ拍手を浴びた寺田典城・参議院議員=オレンジ色の丸囲み。


[画像]集計する参議院参事たち。白色票と青色票がまったく同じ120票ずつなのが、画像からもうかがえます。

 これにより、4月~9月支給分の子ども手当は昨年と同様の金額が支給されることが確定しました。

 このほかにも、重要な歳入関連法案のつなぎ法や、歳出関連法(日切れ法案)が可決・成立し、「3月危機」と言われた、ねじれ国会での予算関連法案をめぐる攻防は一段落しました。今後は、まずは、歳入では、赤字国債の発行に関する臨時特例法案、歳出で間に合わなかった在外公館などの給与法案、そして、4月補正予算案、さらに6月末につなぎが切れる、国税、地方税それぞれの改正法案があります。そして9月末には子ども手当つなぎ法も切れます。また、税と社会保障の改革(消費税アップ)もけっして、政治スケジュールから吹っ飛んだわけではありません。

 私は6月22日(水)の会期末などありえない。秋の臨時国会を8月に前倒すというアイディアもないと思う。第177通常国会を100日間以上延長して、9月過ぎまで、いつでも政府からの緊急の提案に応じたり、質疑を通じて、与野党・衆参・政府内外がいろいろな情報を速やかに共有できるシステムを整えておく。それが危機管理だと思います。

 なお、3月29日(火)の午後4時過ぎ、衆院厚労委での審議で、厚労委理事および議運・国対の経験が長い、自民党の田村憲久さんがスピード質疑のなかで、法案提出者である、民主党政調会長代理で政務三役の経験がまだない、城島光力さんが答弁席で長広舌だったとして、「前段後段が長いというのは、問題がありますよ」と指摘しました。この自民党の国会運営の中堅エース格が「問題がありますよ」といった意味がどういうことか、民主党の政府外議員には、受け止めて、よく考えて欲しいと思います。

 
[画像]法案提出者として答弁した城島光力・民主党政調会長、2011年3月29日、衆院厚労委員会、衆議院インターネット審議中継からキャプチャ。
 
 また、3月31日(木)の参院本会議での討論では、自民党の石井準一さんが平成23年度における子ども手当支払い法案(閣法)と、子ども手当つなぎ法案(衆法)に関して、「一つの国会のなかで、政府と与党で異なる法案が出たことは問題だ」と指摘したうえで、「ぶれる政府が現在の国難に対応できるわけがない」としたのも、説得力がある話でした。もちろん、「走りながら考える」(岡田克也幹事長)なかで、市田忠義さんや、寺田典城さんら人生経験のある70歳以上の議員、市田さんは満68歳ですが、戦前・戦中生まれでもある年長議員が助けてくれたわけです。なぜ困難なときに、57歳の岡田さんを、ギリギリのところで年長議員が助けてくれるのか。前に進む岡田さんの道がひらけるのか。まあ答えは言葉で書けば、これはカンタンです。カンタン過ぎるからあえて書きません。映画で、俳優が態度で表現しようとすると、これはとても難しいでしょう。民主党内に岡田幹事長の背中を全速力で追いかけながら、言葉でなく態度で示せるようになった議員が民主党内に数人だけでも、出てくれば、国難は乗り切れると思います。

 国会はノンストップで知恵を出すしかありません。前に進むしかありません。



[画像]下半分のバナー(ワッペン)は、自民党の機関紙「週刊自由民主」からキャプチャーさせていただきました。


つなぎ3法案が審議入り 

2011年03月29日 15時17分52秒 | 第177常会(2011年1月)大震災・3党合意

(初エントリー日時は2011年3月29日(火)午後3時20分)

【2011年3月29日(火) 衆院財務金融、総務、厚生労働各委員会】

 自民党の責任政党ぶりはさすがです。

 先週、3つのつなぎ法案が議員立法で提出されました。

 国税つなぎ法案、地方税つなぎ法案、子ども手当つなぎ法案がそれぞれ、予定通り午後2時50分から、衆院の財金委、総務委、厚労委でそれぞれ審議入りしました。

 正式な法律名は
 国税つなぎ法案は「国民生活等の混乱を回避するための租税特別措置法等の一部を改正する法律案」(177衆法4号)
 地方税つなぎ法案は「国民生活等の混乱を回避するための地方税法の一部を改正する法律案」(177衆法5号)
 子ども手当つなぎ法案は「国民生活等の混乱を回避するための平成二十二年度における子ども手当の支給に関する法律の一部を改正する法律案」(177衆法3号)です。

 国税つなぎ法案は、野田毅さん、地方税つなぎ法案は、石田真敏さんら自民党と公明党議員の議員立法。子ども手当つなぎ法案は、城島光力さんら民主党と国民新党の議員立法として提出されています。

 審議のもようなどは追って、このエントリーに追記するか、更新するかっこうで、お伝えします。


本予算が参院で否決 両院協議会へ 参・世耕、林、丸川 vs 衆・中井洽、下地ら武闘派【追記あり】

2011年03月29日 13時41分35秒 | 第177常会(2011年1月)大震災・3党合意

[2011年3月29日(火) 参院本会議]

 午後1時から参院本会議が開かれ、前田武志・予算委員長が、本予算3案について、審査の結果を報告しました。この後、討論では、水戸将史さん(神奈川、民社協会、2009年代表選では岡田陣営)が民主党・新緑風会を代表して「賛成」しました。自民党からは予算委筆頭理事の衛藤晟一さんが「反対」しました。

 午後1時25分から、採決。参議院本会議場には、1997年から押しボタン式投票システムがありますが、予算案では記名投票採決(堂々めぐり)をします。

 午後1時35分、本予算3案は、投票総数241、賛成109、反対132の大差で否決されました。

 西岡武夫議長は「衆議院から両院協議会を求められることになります」と発言しました。なお、両院協議会は国会法の定めで非公開。また、国会議事堂中央部分の「委員長室」(与野党幹事長・書記局長会談のアタマ撮りでおなじみ)という狭い控え室で開かれる関係上、インターネット、国会内ケーブルテレビなどでの生中継は一切無い、閉鎖的な環境で議事が進みます。さらに国会法、両院協議会規程では、両院のすりあわせ案を議決するためには、「3分の2以上の賛成」が求められるため、衆院10人、参院10人の合計20人の協議委員の14人以上が、党利党略を越えて、一つのすりあわせ案に賛同することは極めてあり得ないルールで、両院協議会のルール改定は待ったなしの状況にあると考えられます。

【追記 2011年3月29日 午後2時30分】

 衆院は本会議を開き、参院から予算案が返付されたことから、両院協議会協議委員を選挙しました。ちなみに協議委員10人は、連記式で投票することになっています。ただし、議事進行係の動議により省略され、議長が指名しました。協議委員は、中井洽さん、中川正春さん、武正公一さん、手塚仁雄さん、若泉征三さん、城井崇さん、後藤斎さん、三日月大造さん、津島恭一さん=以上9人は民主党、下地幹郎さん=国民新党です。さて、両院協議会での議論はどうなるでしょうか?

【追記おわり】

【追記 2011年3月29日 午後3時】

 参院は本会議を再開し、両院協議会協議委員を選挙=議決により議長が指名=しました。協議委員は自民党から岩城光英・元官房副長官、衛藤晟一さん、世耕弘成さん(議場内からえーというどよめきが)、林芳正(元経財相・防衛相)さん、丸川珠代さん、山本順三さん=以上6人は自民党、加藤修一さん、長沢広明さん=以上2人は公明党、水野賢一さん=みんなの党、井上哲士さん~日本共産党という武闘派中心の10人になりました。衆院の協議委員には中井さん、三日月さん、下地さんら武闘派が多いです。かなり白熱した両院協議会になるのではないでしょうか。ぜひネット中継をしてほしいものですが、両院協議会はアタマ撮り以外は、マスコミにも非公開です。ぜひ、次回からはネット中継をしてほしいものです。

【追記おわり】


参院予算委員会が予算審査を終了

2011年03月29日 12時38分20秒 | 第177常会(2011年1月)大震災・3党合意

[写真]参院予算委員長をつとめた民主党(全国比例)の前田武志さん

【参院予算委員会 2011年3月29日(火)】

 参議院予算委員会(前田武志委員長)は、2011年3月29日、平成23年度総予算(一般会計予算、特別会計予算、政府関係機関予算)の審査を終えました。

 参・予算委員は45人ですから、起立採決の結果、賛成少数で否決されました。委員数からして、前田委員長を除き、「賛成21 vs 反対23」ということになったのかと思います。

 3月4日(金)から審議がスタートし、初日から手ぐすねを引いていた自民党スター陣がヒットを連発。とくに、西田昌司さんが前原誠司外相(当時)の京都市の焼肉店主の女性からの献金について、「在日(外国籍)の方です」との答弁を引き出し、政治資金規正法違反の可能性を指摘しました。金曜日の夕方に菅総理の隣のナンバー2の席に座っていた閣僚が、月曜日の午前9時にはいないという「政界は一寸先は闇」を感じさせる「恐い」光景の中の、3月7日(月)の基本的質疑では、民主党が質問。とくに吉川沙織さんの「今、世の中には、体感不安がある」と指摘したうえでの、若年雇用者対策事業の充実には、TV中継を見た人から激励の電話が殺到しました。とはいえ、この「体感不安」というキーワード、与党では最年少の参院議員だけにハッキリと物を言ったわけですが、その4日後の、東北、日本、世界を襲う未曾有のピンチを暗示していたようにもなんとなく感じます。

 2月の衆院予算委員会での予算審査は前半は「子ども手当のマニフェスト1・6万円→2・6万円引き上げの経緯」、終盤は「厚生年金から国民年金への切り替え漏れによる運用3号」が議題となりましたが、参院では違った方向からスポットライトを充てるという、両院制(二院制)にふさわしい審議の兆しがありました。3月8日(火)には、日程闘争のかけひきに使われやすい「中央公聴会」の日程を早々に議決することができました。

 3月9日(水)は一般的質疑が10時スタートで、その前の午前9時から衆院側の委員会が大臣の所信聴取をしたり、夕方の午後5時過ぎから衆院・財務金融委員会で予算関連法案の「居残り授業」が始まるなど、ねじれ国会による予算関連法案の衆院残留による、積み木細工のような国会日程となりました。

 3月10日(木)も午前9時から衆・総務委員会で、予算関連法案第1号として、公害財特法が可決し、午後1時からは、参院予算委員会でTV入り集中審議となるなど慌ただしい日程が続きました。

 そして、翌3月11日(金)は参院の第1委員会室を使って、決算委員会が開かれているさいちゅうに「3・11大震災」が起きました。

 その後、3月22日(火)から、参・予算委員会は再開し、副大臣や政務官が答弁するという異例の事態となりました。また質問もほとんどが震災関係に集中しました。感極まったり、いつもよりも低いトーンの議員が数人いました。

 そして、きょう3月29日(火)、18日ぶりに参院予算委員会に登場した菅総理は、冒頭に発言を求め、「柔軟な対応に感謝します。特に野党のみなさま」と述べました。しめくくり総括質疑のなかで、みんなの党の小野次郎・理事の質問にこたえて、中野寛成・国家公安委員長は、「センセイの後輩である警察官はがんばっている」としたうえで、通行証の発行について、「臨機応変というよりも、むしろギリギリのなかでチャレンジした日々だった」として、報道されないなか、各府省の官僚たちの不眠不休の努力があったことを明かしました。社民党党首の福島瑞穂さんに対して菅首相は「補正は4月中に組む」「法人税引き下げの取り止めを考える」と答弁しました。また福島さんの「福島市議会が『福島第1原発の廃炉を要求』する決議をした、廃炉をしてください」と促すと、菅首相も「一定の期間を経て、安定したうえで、その可能性(廃炉)は高い」としっかり答弁し、評価できると思います。

 正午過ぎに質疑は終わり、討論に入りました。

 自民党の猪口邦子理事は、「反対」。ちなみに参院自民党はこの3月に「解散に追い込む」としていましたが、これが不発になったのは「3・11」ではなく、そもそもの作戦にムリがあったからです。まだ2年以上衆院任期が残っているこのタイミングで、参院自民党が追い込めば追い込むほど、民主党は解散できなくなります。「西田砲」の一発ホームランで、前原外相を辞任させただけで尻すぼみとなりましたが、まだまだ健全野党になりきれていないと言わざるを得なく、ある意味、先方にとっても良かったんじゃないかと思います。

 民主党・新緑風会の水戸将史理事は「賛成」し、「未曾有の国難では私たち国会議員は党派を越えて、予算を成立させるべきだ」とし、「予算関連法案の早期成立」も同様だとし、野党に頭を下げました。

 公明党は長沢広明さんが「反対」。震災復興のために、本予算の「見直し」が必要だとしました。とくに「すでに破綻した」マニフェストの歳出を被災者・被災地支援と復興に回すべきだとしました。

 みんなの党の桜内文城さんは「反対」。衆院でみんなの党の予算組み替え動議を出したことを踏まえて、「震災のため審議には協力してきた」けれども、改めて同党の案を使うべきだと主張しました。

 日本共産党の大門実紀史(だいもん・みきし)さんは「反対」。とくに震災と原子力災害による補償の予算を求めたりするなど、公明党に次ぐ地域政党として組織からボトムアップで情報が集まっていることを伺わせました。

 「たちあがれ日本・新党改革」(両党の統一会派)の片山虎之助さんも「反対」。とくに歳入と歳出のバランスから「欠陥予算」と断じるなど、自治官僚として毎年、いろいろな政府予算を見てきた経験を感じさせました。

 社民党党首の福島みずほさんは「反対」。「社民党は国会で唯一の脱原子力の政党として、長年原発に反対してきました。力及ばずこのような原子力災害が起きたことは慚愧に堪えません」といつもとは違ったトーンでの演説でした。

 討論が終局し、午後12時37分。採決。起立少数。よって、否決されました。

 ◇ 

 前田委員長は、28日付の議員としてのメルマガで「当委員会においても挙国一致でこの国難に当たり、国権の最高機関としての国会の責任を果たそうという意思があって、二十二日から予算委員会を再開させました。委員会質疑では被災地に直接間接に関係する議員も多く、的確かつ前向きの真剣な議論がなされました。厳しい指摘を含めて実行部隊の政府にとって意義深い質疑とあった確信しております」と振り返っています。

 予算案はこの後、午後1時から予定されている参院本会議で、賛成少数で否決します。否決ですので、参院は衆院に「返付(へんぷ」します。その後、日本国憲法第60条第2項にもとづき、衆院の議決が国会の議決となります。

 全体的に、編成のしかたがていねいだったことと、答弁での安全運転があり、衆参とも審議がノンストップで続き、いい審査ができたと思います。お疲れ様でした。

 で、エントリーの最後にひとつ申し上げますが、西田昌司さんはあまりにもヤジが酷すぎます。当選1回生ながら、「西田国会」となった第177通常国会の本予算審査でした。


こういうときこそ泰然自若 後半国会フル稼働も、公明党高木陽介さんが民主党1年生に苦言

2011年03月25日 23時34分51秒 | 第177常会(2011年1月)大震災・3党合意

 与党とか野党とか、衆議院とか参議院とか、そう言うのに関係なく、遅々として進まなかった第177通常国会がようやくスピードを増し、法律工場としてフル稼働し出しました。やればできるじゃんという感じです。

【参院本会議 2011-3-25(金)】

 参院本会議では、前国会から積み残しの「展覧会における美術品損害の補償法」(第176国会閣法14号)、「海外の美術品に関するわが国における公開の促進に関する法律」(177衆1)の2本が可決、成立しました。

 ◇

【衆院本会議 2011-3-25(金)】

 衆院本会議では、予算関連法案のうち、関税定率法改正案、IMF加盟法改正案、中小企業などの金融円滑化法(亀井法)延長案を議題にしました。石田勝之・財務金融委員長が報告し、採決の結果、「全会一致」(だと思います、諸政党は不明)で、可決しました。年度内成立の可能性が見えてきました。


[画像]衆院本会議で、予算関連3法案の審議結果を報告する石田勝之・財務金融委員長、2011年3月25日、同ネット中継。

 ◇

【衆院財務金融委員会 2011-3-25(金)】

 この後の、衆院・財務金融委員会では、平成23年度の赤字国債の発行の特例に関する法案(177閣1号)、所得税法など(粗特法含む)の改正法案(177閣2号)の提案理由説明に続き、各党の質疑もできました。このうち、所得税法など改正法案は、自民党らから議員立法(筆頭発議者・自民党の野田毅さん)で、「国税つなぎ法案」こと、「国民生活などの混乱を回避するための租税特別措置法などの改正案」(177衆4号)が提出されており、来週中(年度中)に審議入りかつ速やかに可決、参院送付、成立すると思われます。

 ◇

 さて、成立した「展覧会における美術品損害の補償法」は、海外、なかんずく欧米の美術品を借りて、日本国内での特別展示をやりやすくなります。公明党などが主導してきました。一方の、「海外の美術品に関するわが国における公開の促進に関する法律」は例えば、台湾・台北の「故宮博物院」にある、「清王朝」など歴代中国王朝の美術品の展覧会を日本でやることができます。これは報道によると、自民党の古屋圭司さんががんばってきたそうです。ちなみに、与野党修正があったので、衆院・文部科学委員長の田中眞紀子さんが出し直す格好の議員立法となりました。言うまでもなく、田中眞紀子さんは日華断交(日台断交)をした田中角栄首相の長女ですから、これは奇妙な歴史の巡り合わせとなります。

 ここ数年は、例えば「ピカソ展」とか、「モネ展」ではなく、改装中の「ドイツ・ドレスデン美術館展」とか、「ルーブル美術館展」(正確に言うとルーブル美術館の中のごく一部の展示品の展覧会」など、一つの美術館から丸ごと借りる格好の展覧会が主流でした。これは手間暇かからないですからね。一人の画家をテーマにして、世界中・日本中の複数の美術館から、借り集めるいう展覧会は、学芸員はやりたいのでしょうが、日本の国力衰退、主催者の各新聞社の経費節減もあり、数が少なくなりました。今後はもっと厳しいでしょう。しかし、東京という街に住んでいてつくづく感じるのは、なぜ東京に人が集まるのか? 仕事があるから、物があるから。それ以上に情報があるから。国立西洋美術館のように、東京に集まる美術品というのも、これは情報であって、そこに人が集まり、モノが集まり、マネーが流れる。あるいは現代ベトナム美術などもかなり水準は高いですから、これからも、なんとか上野公園だけは、「希望の灯」を日本に灯し続け、アジア各国からの留学・就学もやりやすくして、アジアの交差点であり続けて欲しいと思います。

【衆院国土交通委員会 2011-3-25(金)】

 ところで、きょうの衆院・国土交通委員会で残念なことがありました。古賀一成委員長が、冒頭に、「本日の審議に、~~君、~~君を政府参考人として出席を求めることにご異議ありませんか? 異議無しと認めます」としたうえで、質疑者として民主党の三村和也さん(神奈川2区比例)を指名しました。ちなみに、三村さんというと、従妹の広末涼子さんのご出産が報じられ、3・11後では数少ないおめでたいニュースとなりました。三村さんや広末さんは、なんだかふんわり異次元にいるような感じがして、僕はとても好感を持っています。

 ところが、三村和也さんが質問に立ったところで、同委員会の公明党理事の高木陽介さんが委員長に声をかけました。

 衆・国交委は定数45です。予算委員会(定数50人)に次ぐ大所帯です。国会法49条により、委員会は半数以上の出席がないと会議が成立しないことになっています。高木理事は、定足数に足りていないのに、古賀委員長が会議を始めて、政府参考人出席要求の採決をしてしまったのではないかと指摘したようです。

 
[画像]衆・国交委員会の出席議員数を指で数える古賀一成委員長、2011年3月25日、衆議院インターネット審議中継からキャプチャ

 古賀委員長は、指で委員数を数えて、「足りているよな・・・23人・・・いるよな」と定足数23人に足りていることを確認した上で、再度、三村さんを指名し、質疑をスタートしました。三村さんは、「震災発生後、私どもの会派(民主党・無所属クラブ)としては初めての質問になります」として、国交省を所管する委員会で、与党政府外議員として最初に発言することの重みを感じているようでした。なお、この日の審議は、日切れ法案「港湾法改正案」の審議でしたので、第1の開国の地、横浜みなとみらい(MM)21地区を選挙区にかかえる三村さんが登場したのでしょう。


[写真]民主党の三村和也さん、2011年3月25日、衆・国土交通委員会、同中継から

 この後、公明党の質疑者として高木さんが登板。大要、次のように述べました。

 「質問にあたる前にヒトコト、与党のみなさんに申し上げたい。(委員会開会の)冒頭、定足数のことで発言させていただきました。今回の委員会、まさに震災のときに行われている委員会であります。しかも、日切れ法案ということで与党の方から要請がありました。私どもは本来震災(に関する審議の)いっぽんでやらないといけないんですが、この法案(港湾法改正案)を審議しましょう、ということでこの委員会が開かれています。にもかかわらず、与党のとくに1年生の議員が多いと思うんですけど、欠席者が多い。委員会というのは、(各党の)国会対策委員会と理事がやるだけではなくて、委員一人一人が何が今審議されているのかを理解しなければならない。委員は採決要員ではないと思うんです。採決のときだけ来ればいいという発想があれば改めて欲しい。委員会における委員の役割をしっかり認識して欲しいと思います」と述べました。

 もちろん、高木さんは公明党でもっとも広報が上手い人で、長年、田原さんの「朝まで生テレビ」に出ていますし、毎日新聞記者としての感覚をいまでももっていて、党の記者会見なども後ろから見て、テレビ映り・新聞の見出しなどの報道ぶりをチェックして、リップマン・ギャップ(イメージ・ギャップ)が生じていないか、確認しています。まして、きょう3月25日、公明党にとっては衆院選に勝とも劣らず大事な第17回統一地方選がスタートしていますから、与党の隙を突いたのでしょう、さすがです。


[写真]公明党の高木陽介さん、2011年3月25日、衆・国交委、衆院インターネット審議中継

 やはり、民主党国会議員というのは、民主党の教育が悪いと言うよりも、育った時代の教育の関係だと思うのですが、泰山鳴動しやすく、また異物を排除しようという意識が強い。そのため、私が民主党のリーダーとして期待していた国会議員、例えば、松沢成文さん、上田清司(上田きよし)さん、河村たかしさん、スーパーサブ・官房長官候補だと思っていた北橋健治さんらが、次々首長に転出してしまいました。ホントウに民主党は田舎者ムラ社会です。そのため、党勢が傾いたときに、自民党のハマコーのように、党内野党、別働隊として側面から党を助けられる人がいない。

 国交委員名簿をみると、民主党の2人の議員(2回生と1回生)は被災地ど真ん中の人ですから、自分が質問に建てない限りは他の仕事を優先するのはやむを得ない。だったら、手持ちぶさたの政府外議員は、国対の班割りにかかわらず、委員の差し替えを自分から持ちかける、という貢献をすべきです。

 というのは、やはり、国会議事堂内は照明が暗いことをのぞけば、いつもと変わりない。福島第一原子力発電所から漏れだしたことが確実な放射性物質が、野菜や水道から検出されている中、そこから300キロの国会議事堂がいつもの様子で、ネット中継されれば、国民の安心感につながると思うんです。国会議事堂というのは、石造建築で、ヒジョーに密閉性が高く、かつ議員会館は地下通路でつながっているので、外に出なくても仕事できます。とはいえ、いつも通り、国会でたくさんの議員が集まったネット中継された本会議・委員会がいつも通り、行われているいうのが、国民への安心のメッセージです。

 もともと、委員会の出席者は、政権交代前は、自民党は半分以下、民主党はほぼ8割以上が出席、公明党、日本共産党、社民党は、委員が1人だけなので全出席というのがありふれた光景でした。ところが政権交代しても、民主党は相変わらず出席率が高く、野党になって暇なハズの自民党は依然として出席率が低い。これは自民党政調が「内閣提出法案の事前審査制」をとっていたため、国会への法案提出前に政策形成のプロセスのクライマックスが来てしまい、国会審議が形骸化したことが原因だと思います。そして、自民党議員は、その変化にまだ気付いていない。自民党の事前審査制システムによる国会形骸化は、とくだんの悪意があったわけではないでしょうが、憲政史における大罪といえます。

 そこで、民主党政調は名前は似ていますが、あくまでも提言機関にとどめられています。言ってみれば、政府の審議会と同等かあるいはそれ以下の存在でしかない。後は若手の勉強・育成、政府外議員のストレス発散・ガス抜きでしかない。それなのに、民主党政調には様々な「ワーキングチーム」(WT)と称するちまちました会議体が屋上屋を重ねて九龍城のようにできてしまい、「3・11」前日の2011年3月10日の政調役員会では、WTを整理することについて、政調会長の玄葉光一郎さんらがコンセンサスを持ったばかりでした。

 例えば、ここに出た、三村和也さんは、経産省から防衛省防衛政策課に出向して、弾道ミサイル防衛(BMD)の担当をしていたことがありますから、自衛隊や原子力安全・保安院の情報を知ることもできるでしょう。古賀一成さんは東大法学部卒で、建設省出身ですから、旧内務省系の警察庁にも知り合いがいるでしょう。高木陽介さんは、新聞記者出身で与党を10年間やった人です。官房長官会見やNHKニュースが隠している重大な情報があるならば、東京から脱出しているでしょう。立場上、いざるを得なくても、恐怖心が顔に出るハズです。こういう人が間違いなく国会議事堂の中で、かつ政府外なので、スーツ姿で議論をしている。これが安全と日本復興へのメッセージなのではないでしょうか。

 ちょっとチェルノブイリのときの新聞記事を調べてみましたが、あのソ連(ウクライナ共和国)ですら、避難している人に、各種医療チームのうち、精神科チームも派遣していて、日本からの特派員は、「避難者たちは精神的な疲労がピークである。また、それは高度な緊張感に起因しているケースが多く、必ずしも精神疾患でない“患者”も多い」と伝えました。「3・11」でも、津波で被害を受けた方の中にも、避難所の校庭などで吐いていて、NHK記者・アナウンサーが何か病気があるのかと聞くとそうではなく精神的な者だったり、50歳代の人が避難所を徘徊しはじている、という情報がNHK記者・アナから寄せられているという話をNHKの解説委員がNHKラジオ第一でしていました。おそらくこういうのはテレビでは言わないですね。これは別段、NHKが情報を隠しているのではなく、テレビジョンとラジオの特性を使い分けているだけであって、私たち情報の受け手はテレビ・ラジオのベストミックスが必要です。日本人の現状から言えば、テレビを見る時間を必要最小限(おはよう日本、お昼のNHKニュース、ニュース7)に絞るとか、ニュース7は見ないで、同時間帯のラジオの「NHKきょうのニュース」を聞くなどといったことをオススメします。こんな状況が続いたら、九州・沖縄の人も精神的にやられてしまいかねないでしょう。

 これは、昨日の福島県庁が置かれている福島自治会館を訪れた北澤俊美・防衛大臣と、佐藤雄平・福島県知事の写真。もともと、民主党・新緑風会の役付きの参院議員仲間でしたし、党内的にも志を共有する同志でしたから、こうやって笑顔でお互いをねぎらう。こういうことができてこそ政治家です。言葉より態度で示す。民、信なくんば立たず。

 
[写真]福島県知事の佐藤雄平さんをねぎらう、防衛大臣の北澤俊美さん、2011年3月24日、福島市、時事通信さんの配信写真をお借りしました。

 こういうときこそ、人間は見られています。また、一つの失言で政治生命を失い可能性が極めて高い。だったら、何をしていいか分からない議員は、ホントウに足手まといにならないでほしい。Think different! ほぼ確実に4月に審議入りする補正予算について、どうやって減額できるかを調べたり、公明党さんが発表した児童手当法改正案について、幼年扶養控除と支給額・所得制限額に関する具体的な実質負担額を調べたり。なんなら、「復興庁」設置法案を自分で書いてみたらどうでしょうか。要するに、出来ない人は余計なことをするな、「私も現地入りしたい」などと、余計なことをするな。国難だから、ハッキリ、実名で言えば、三宅雪子さん辺りは、ホントウに黙ってろ、という感じがします。

 きょうは、米国誌「TIME」(アジア版)を久しぶりに購読しました。また、久しぶりに山手線に乗りましたが、成田空港と接続している駅では、おそらく海外から日本に帰国した日本人をけっこう見ました。3月25日ですからね。海外での駐在を終えて、帰国。こちら下町は古い家、世帯主が高齢の家が多いですから、一刻も早く親元に顔を出したいという方もいるのではないでしょうか。そうやって、東京入りするのが、彼ら彼女らの安心、ということなのかもしれません。まあ、さすがの私も、今は電車内で話しかけるというような気力は出てきませんが。関西地方の古い友だちからのメールの最後に「どうか無理はしないでね」と書いてあったことにきょう、気づき、やはり持つべき友だと思いました。僕の性格をよく分かってくれているんだと。

 ところで、岡田克也さんは、5歳の時に伊勢湾台風(阪神・淡路大震災まで戦後の死者数は最多だった)を経験し、大阪の高校時代は、70年安保の学生運動の過激派のせいで、入学後から授業が受けられない状態になり、最後は、機動隊が突入してきて、授業がスタート、22歳で通産省に入ると、オイルショックでガソリンと灯油の配給切符を町村信孝さんらとつくり起きして、米国東海岸留学中は、国威をかけたスペースシャトルの爆発で、共和党員・民主党員関係なく、ロナルド・レーガン大統領のもとに「こんなときこそまとまらなければ」と団結するベスト&ブライテストを見てきている。修羅場をしっている。そして、通産省では、資源エネルギー庁(エネ庁)が長い。その彼が落ち着いているのが、私にはイチバンの信頼だし、東京都の放射線に関する情報もネットで見ていますが、岡田さんが東京にいるなら、東京にいて大丈夫だと。ただ、昨日の記者会見では、最後に、「都内、水のペットボトルがなかなか入手できない状態ですが、ぜひ赤ちゃん・お子さん、あるいはそのご家庭以外の人は、水はしばらく控えて他の飲料にしていただきたいことをこの場でも申し上げておきたいと思います」と発言しました。このときは少し心配そうでした。やはり子ども3人を育てた子煩悩な姿、岡田さんはもう3人とも大学まで育て上げたわけですが、これからは日本の父として、少し心配しているような表情でした。なお、その後、東京都は、金町浄水場の水質は雨が止んで、安全な基準に回復したことを発表しています。ちなみに、ある中堅議員の政策秘書によると、伊勢湾台風のときは、近鉄四日市駅前の小売業者が毛布2000枚を提供する社会貢献をしたことを知っているとのことです。これはその小売業者の「私の履歴書」を調べたら、年表に出ていました。この小売業者はその後、大阪に進出した後、日本最大手の5兆円企業となり、現在に至ります。やはりこういうときこそ、人は見られています。

 与党政府外議員は、こういうときこそ、泰然自若で、いつも通り、国会議事堂のぞうきん掛けをしなければなりません。

 


「復興のエンジン=財政」の地ならしで前進 地方交付税法が参院へ、IMF法・関税法・亀井法も衆本へ。

2011年03月22日 21時17分28秒 | 第177常会(2011年1月)大震災・3党合意

[写真]防災服姿で審議に臨む野田佳彦・財務大臣と、中小企業など金融円滑化法延長案(亀井法)の可決で一礼する自見庄三郎・金融担当大臣=2011年3月22日午後8時15分ごろ、衆院財務金融委員会、衆議院インターネット審議中継からキャプチャ・トリミング

 衆議院は22日の本会議で、地方交付税法などの改正案(177閣法5号)、家畜伝染病予防法改正案(177閣30号)を可決し、参院に送りました。

  ◇

 参院予算委員会は、一般的質疑を1週間ぶりに再開。

  ◇

 野田佳彦財務大臣と自見庄三郎金融担当大臣が出席した、衆院財務金融委員会も午後3時半~午後8時20分過ぎまで、177通常国会では恒例となった居残り授業を開催しました。

 財金委は午後8時15分過ぎ、関税定率法一部改正案(177閣7号)、中小企業などへの金融円滑化法延長案(亀井リスケ法、177閣3号)、そして、IMF加盟法(国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律等の一部を改正する法律案、177閣8号)の3法案を可決しました。「亀井法」延長案は全会一致で、引き続き、法案名は「中小企業など」ですが、むしろ「零細企業」「住宅オーナー」がフルに活用したい法律として延長されそうです。例え、リスケジュール(融資条件の変更、とくに返済期限の繰り延べ)をしてでも、ナントカ資金繰りをよくすることが、すべての経済活動の根本です。このうち、亀井法は全会一致でした。次の衆院本会議にかかります。なんとか成果は出ています。

 政権交代前から財金委の理事を務める野党理事は「日切れ法案3本を同時に審議する3階建てで、短時間に審議するのは、異例で、(委員会運びの)前例(先例)にすべきではない」としながらも、「震災時なので、やむを得ない」としました。「備えあれば憂い無し」といいます。3月にずれ込んでから、連日の居残り授業で、予算関連法案を審議するという情けない事態は、これは与党も野党も関係なく、「国会」として褒められたことではありません。例えば、与党は、「参院開会前の朝練(~午前10時)」、「参院昼休みの補習(午後0時過ぎ~午後1時前)」、「休日特訓」も野党に呼びかけたとしていますが、もう、ここは与党だろうが、野党だろうが、反省すべきだし、その上で、立ち止まらずに歳入関連法案(所得税法など改正案、赤字国債発行の臨時特例法案)をやっていかなければいけません」。

 今国会では、衆・予算委での「子ども手当の月1・6万円→月2・6万円のマニフェスト変更の経緯」に続き、衆・財金委でも大活躍している公明党の竹内譲さんが、「みなさんもあんまり見たことないでしょう」として、IMF・世銀グループの一つである、「国際開発協会(IDA)」のバランスシート(BS、貸借対照表)について質問しました。IDAは、我が国の東海道新幹線建設の費用を貸してくれた、日本人にとって頭が上がらない国際金融機関です。竹内さんも最近、気になって読んでみた、という風情でした。竹内さんの質疑からすると、IDAには我が国は2兆円程度の出資金があるようだ、という趣旨の質問だったと思います。この辺のIMF・世銀グループへの出資金はどうなっているのでしょうか。日本は外為特会あるいは財投特会からIMFへ10兆円以上を貸し付けていると思うのですが、どうなのでしょうか。

 財務大臣の野田さんは、先週の審議でも歳入費目をそらんじたら2兆円ずれていたなど、ここに来て、「にわか財政通」の仮面が取れつつあります。きょうの質問も竹内さん自身、「質問通告していなかったので申し訳ない」と断った上でのこととは言え、相変わらずすぐに答えられませんでした。東京では冷たい雨が降るなか、「IMF」という言葉が何となく身近なものになりつつある気配を感じた、震災時の財務金融委員会でした。復興のエンジンは財政です。野田さんも、「平成の高橋是清だ」という心構えでしっかりやってほしいと思います。正直、野田さんより財政通はかなり民主党内にはいます。名前を挙げろと言われれば、挙げられます。しかし、財務大臣というか、大蔵大臣となると、他省をおさえつける「格」というものが必要です。当面、野田さんにやってもらうしかありません。野田さんが泰然自若として、平然と落ち着いていることは頼もしいと思います。


現地入りの1年生議員・橘秀徳さん「かなりショック」「国会から見て思いも寄らなかった現実が」

2011年03月22日 21時15分55秒 | 第177常会(2011年1月)大震災・3党合意

[写真]民主党1年生議員の橘秀徳さん

 昨日のエントリー「民主党1年生が班ごとに被災地入り できることだけ、ひたむきに。」の続編で、橘秀徳さんが民主党幹事長室が設けた国会内対策本部への報告を書き上げた後、さっそくブログを更新し、「東京に戻り、宮城県被災地 現地視察調査の報告をまとめました。百聞は一見に如かず。自身ひどくショックを受けました」と報告してくれています。以下に全編コピー&ペーストさせていただきます。

 民主党の1年生議員、政権交代チルドレンは、一昨年9月以来、はじめはがんじがらめにされて、その後は、日中は「議員連盟」「ワーキングチーム」「勉強会」、夜は打ち合わせ、誕生会と称したグループ飲み会など先輩議員(ただし与党経験はおなじ日数)の「悪い大人たち」の誘惑にそそのかされて気の毒な状態。その中でも、気が強い人は、飲み会を一切断り、議員会館で夜なべで、衆議院事務局や国会図書館も活用して勉強しています。昔は、田中角栄さんは飲み会は必ず1次会までで、自宅(青年代議士時代から目白台住まい)に帰り、眠った後に起きて勉強、渡辺美智雄さんは議員宿舎に午後7時に帰り、岡田克也さんも議員宿舎住まいのころは、午後9時には必ず帰っていた、などいろいろ勉強していたようです。とある1年生議員がだいぶお腹が出ているので、「ストレスじゃないのか?」と問い質したら、「いやいや」と言いながらも、「それもあるかもしれない」と僕だけに話してくれました。まあ、小沢幹事長から岡田幹事長になって、岡田さんなりの厳しさもあるけど、だいぶ良くなったということでしたが、今度は与党政府外議員として最大の試練が天から降ってきました。まさに訓政期(政治を訓練する時期)です。

 そういったなかで、議員秘書出身&松下政経塾の橘さんは、どうしても断り切れないことが多かったようですが、まさに与党議員としてすさまじい経験をしたようです。同行した宮崎岳志さんも、小説を何冊か出版している感性の強い人で、上毛新聞県警記者クラブキャップの経験もありますが、これは経済事犯のシフトだったようで、そんなに修羅場を見ているタイプの人でありません。橘さんも、宮崎さんも対抗馬は閣僚経験者で、厳しいたたかいが予想されます。地元のためには、役立っていないかもしれないけど、インターネットが発達した時代ですから、2011年の「3・11」以降は、橘さんや宮崎さんのこういう選挙区外での活動ということもしっかり評価することが訓政期(政治を鍛える時期)にある日本国民に必要だと思います。

 少ない資源を最大限活用して、身の丈にあった生活と美しい自然が共生する日本をつくるために。二大政党の切磋琢磨による政治の復興が日本の復興に求められます。その責任者はすべて有権者です。

[橘秀徳さんのブログから全文引用はじめ]

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2011-03-22 09:17:00

救援物資を積んで宮城に行って参りました

テーマ:ブログ

おはようございます。
たちばな秀徳です。

国会内対策本部を出て、救援物資を積んで、宮城に向かいました。
情報を本部で受けていて、一番混乱と錯綜が激しい地域です。
現地現場がどうなっていて、何が必要か、見て参りました。

福島県に入ってから、道路がデコボコですが、
トラックは順調に走ることができました。
無事に仙台まで辿り着くことが出来ました。

現地では車中泊の予定でしたが運良くホテル泊に。
ガスが使えないためで水シャワーで頭洗いました。
余りに冷たく、頭痛がします。

車中で長島昭久代議士からSOS情報を受け、対策本部へすぐに連絡し、
対応していただきました。
24時間体制で対応が続いています。

宮城県災害対策本部と政府現地対策本部を訪問。
普段仕事をしている国会内幹事長室から、
行田邦子副幹事長作成文書がきちんと届いていました。
県警から必要な情報を得て、早々に辞しました。

仙台市宮城野区では、生活物資を求める人々の行列、ガソリンを求める数kmの車の行列。
皆さん、行儀良く整然と並んでいます。
そこへ、ちょうどタンクローリーが到着しました。
本当に良かったです。

翌日は石巻市へ向かいました。
津波被害の跡でドラゴンボールの子ども鞄、子ども達の写真を見つけ、
涙が止まらなくなりました。
昨日、久々に帰った自宅で我が子達とちょうどドラゴンボールを一緒に見たばかりでした。
災害対策本部の副市長に鞄と写真を託しました。

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世帯の7割が壊滅した南三陸町。筆舌に尽くし難い状況です。

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被災地で、首長さん達や、市民の方々から、
たくさんのご要望、ご意見、政策提言、思いをいただきました。

東京に戻り、宮城県被災地 現地視察調査の報告をまとめました。
百聞は一見に如かず。
自身ひどくショックを受けました。

国会の幹事長室で情報を受けていた際に思いもよらなかった現実が現地にはありました。


たちばな秀徳

[橘秀徳さんのブログから全文引用おわり]

民主党1年生が班ごとに被災地入り できることだけ、ひたむきに。

2011年03月21日 05時17分12秒 | 第177常会(2011年1月)大震災・3党合意

[画像]民主党1年生議員の高橋昭一さんのツイッターより

 民主党1年生議員が現地に向かいました。

 高橋昭一議員のツイッターによると、宮城県を中心とする被災地に向かっているのは、橘秀徳さん、宮崎岳志さん、高橋昭一さん、高邑勉さん、平山泰朗さん、坂口岳洋さん、神山洋介さんらで、5班に分けて向かっているようです。各々の選出は群馬、神奈川、東京、山梨、兵庫(神戸)、山口の各県で、国会議事堂内に置かれた民主党対策本部(岡田克也本部長)の指示で、クルマで物資を届けることと、主に宮城県内で情報の混乱がみられることから、避難所との情報連絡体制を目で確認することが目的のようです。

 民主党1年生議員の高橋昭一さん、橘秀徳さんらのツイッター、宮崎岳志さんのブログから分かりました。なお、このエントリーの情報は、現在進行中かつ未確認の情報も多いので、他への転載、リンク先の貼り付けなどの「情報の拡散」は、震災時なので、読者のみなさんには控えていただきますようお願いします。 



[画像]高橋昭一さんのツイッター。

 「橘・宮崎班」はすでに仙台に到着し、ホテル泊後、夜明けとともに、宮城・東松島経由で、石巻に行き、南三陸町に回る予定。高橋・高邑班は、21日午前1時5分に首都高速・芝公園ランプから高速に入り、先行している橘・宮崎班の東北自動車道の状況に関する情報をもらいながら、北上中。福島県相馬市をめざしています。平山班は、宮城県気仙沼市へ。坂口班は、地元・山梨から出発し、岩手県山田町へ。神山班はすでに仙台に到着しているそうです。


[画像]橘秀徳さんのツイッター


[画像]宮崎岳志さんのブログ。


[写真]左から、平山泰朗さん、神山洋介さん、高邑勉さん、坂口岳洋さんの各民主党1年生議員。

 このメンバーのうち、高橋昭一さんは、兵庫県選出で、阪神・淡路大震災経験者。ユースストリームの民主党チャンネルなど広報で実績を残しています。

 橘秀徳さんの地元は米海軍の厚木航空基地があり、騒音と米空母間の飛行機の入れ替え作業などの危険性から民度が高い選挙区だとされています。秘書出身の人脈から、先輩議員からさまざまな議員連盟の実務を頼まれるので、「ミスター事務局長」ともいわれています。

 宮崎岳志さんは横山秀夫原作の映画「クライマーズ・ハイ」で有名な上毛新聞社の記者出身で、御巣鷹山に登るなど危機管理への意識は潜在的に高い人です。

 平山泰朗さんは選挙区内に東北道につながる高速の入り口があり、長崎・壱岐での生活の経験もあり、津波は他人事ではないのでしょう。神山さんは神奈川県で松下政経塾人脈がありますし、坂口さんは山梨県選出のベンチャー経営者、高邑さんは山口県選出で衆院予算委員です。

 各々が与党政府外議員として、できることだけ、ひたむきにやっています。まさに民主党の第1次与党期「訓政期」における最も高い山を前に、前に進んでいます。

 「3・11」東日本大震災発生後、「チーム3000」(国会・地方議員が全国に3000人)の公明党のネットワーク(国と地方の縦のネットワーク、地方と地方の横のネットワーク)がしっかりと機能し、とくに、福島県双葉町から埼玉県さいたま市への集団疎開では、疎開先のさいたまスーパーアリーナを地元選出の西田実仁・参院議員と地方議員らが事前に視察するなど、地域政党・組織政党としての公明党のネットワーク力、チーム力が光っています。これについては、すでに情報を集めて、まとめていますが、エントリーのアップは、後にします。

 底堅い地方議員がボトムアップで政策をつくる公明党と違って、国会議員中心の「議員政党」である民主党は、公明党のような横のネットワークはないに等しく、だからこそ事業仕分けのようなしがらみのない政策作りができるわけですが、「それぞれの立場でできること」として、民主党の政府外議員の1期生議員が班をつくり、復旧した東北自動車道を北上して、仙台経由で、被災地入りして、物資を届け、情報を集めているようです。

 あくまでも、できる人が自己完結型で、正しい情報にもとづき行動するときです。
 同期議員どうしの嫉妬など、もってのほか。

 「こういう時こそ人は見られている」ーーこの問題に関して向いていない議員は、身の程をわきまえて静かにする。これも「行動」のひとつ、「被災地支援」の一つです。

 「救援」「復旧」は、政府・自治体の仕事ですが、「復興」は、国会議員をふくむ国民全員の仕事です。


【追記 2011-3-22 午後9時過ぎ】

 橘秀徳さんが民主党幹事長室・国会内対策本部への活動報告を書き上げた後にブログで写真などをアップしてくれました。

現地入りの1年生議員・橘秀徳さん「かなりショック」「国会では思いも寄らなかった現実が」

【追記おわり】


松本龍・防災担当大臣が福島県庁を訪問

2011年03月18日 23時59分59秒 | 第177常会(2011年1月)大震災・3党合意

[写真]松本龍・防災担当大臣

 2011年3月18日の午前11時から参院本会議が開かれ、「地震防災対策特別措置法改正法案(177国会衆2)」と「平成23年東北地方太平洋沖地震に伴う地方公共団体議会議員・長の選挙期日等臨時特例法案(177国会閣38)」が可決、成立しました。

 ◇

 2011年3月18日、松本龍・防災担当大臣が福島県庁を訪れ、福島県知事の佐藤雄平さんと会いました。同地は、東京電力福島第一原子力発電所からおよそ50キロメートル(およそ30マイル)。

 ところで、米国連邦議会(Capital Hill)の国会中継をケーブルテレビで放送しているC-SPAN(シースパン)のホームページ(下記にリンク先)によると、米国のオバマ大統領が、福島第一原発に関する包括的な報告をホワイトハウスで受け、まだ、同国への影響はないとして、同国の将来にとって原子力が必要であることを国内的に強調しました。

 そのうえで、次のような記事があります。

[C-SPANのホームページから引用はじめ]

President Obama also defended the Nuclear Regulatory Commission’s recommendation for U.S. citizens within 50 miles of the complex to evacuate. "This decision was based on a careful scientific evaluation," the President said.

[C-SPANのホームページから引用おわり]

 これは、アメリカ当局が、同国民に福島第一原発から80キロメートル(50マイル)以上への避難を勧めたことについて、オバマ大統領は「科学的かつ慎重な予報に基づく決定だ」と語った、という趣旨の記事です。

 ちなみに、福島第一原発から東京までの直線距離は、およそ300キロメートル(およそ180マイル)。

 とはいえ、危機管理は、最悪の事態を想定して、そこから逆算するのが要諦です。何が何でも鎮圧しないといけない重大な事態は続いています。そういう意味では、自治体、集落ごとのコミュニティによる県外への丸ごと疎開が、適当な判断だ、と私は考えています。

「正確な情報を迅速に」福島知事、防災相に苦言(読売新聞) - goo ニュース

 福島県の佐藤雄平知事は18日、被災地視察に訪れた松本防災相と福島市で会談し、「原発事故を一刻も早く収束しないとだめだ」と述べ、東京電力福島第一原子力発電所の事故に関する早期の事態収拾を強く求めた。

 また、風評被害が広がっていることに関連し、「政府は正確な情報を迅速に発表してもらわないと困る」と苦言を呈した。

 会談後、佐藤知事は報道陣に、「40年間、福島県は首都圏に電力を供給してきた。日本中がこの事故に 真摯 ( しんし ) に向き合うことを国民の皆さんに申し上げたい」と感情をあらわにした。

 一方、松本防災相は報道陣に「見たこと、被災者と話したことを心に刻み、これからの対応に努めたい」と語った。

U.S. to Review Safety of Nuclear Reactors | C-SPAN

Japanese Ambassador to speak on crisis in Japan
Television images of helicopters dropping water on the Fukushima Dai-ichi complex
Video Playlist Japanese Amb. to the U.S.: Live at 2pm (ET) on
Pres. Obama Remarks on Nuclear Review
White House Briefing with NCR Chairman Jaczko
Washington, DC
Friday, March 18, 2011

President Obama yesterday called for a complete review of U.S. nuclear plants as Japanese authorities struggle to gain control over the Fukushima Dai-ichi nuclear complex damaged by last Friday’s earthquake and tsunami.

Speaking at the White House, the President said no harmful levels of radiation have reached the U.S. However, he ordered the review because "Nuclear energy is an important part of our own energy future."

President Obama also defended the Nuclear Regulatory Commission’s recommendation for U.S. citizens within 50 miles of the complex to evacuate. "This decision was based on a careful scientific evaluation," the President said.

Gregory Jaczko, Chairman of the Nuclear Regulatory Commission, told reporters during yesterday’s White House press briefing that the 50-mile evacuation zone was based on an evaluation of how a similar situation would be handled in the U.S. He called the  recommendation “a prudent and a precautionary measure to take.”

The Japanese government is only recommending a 12-mile evacuation zone.

Also yesterday, Homeland Security Secretary Janet Napolitano said that passengers and cargo returning from Japan are now being screened for radiation. No harmful levels have been detected, though low levels have, Sec. Napolitano said.


がんばれ!負けるな!雄平さん!


枝野幸男さんに岡田さんが「子どもさんの顔でも見れば、もっと元気出るのにねえ」とアドバイス

2011年03月17日 19時44分58秒 | 第177常会(2011年1月)大震災・3党合意

[画像]第1次野党期に民主党理事として予算委員会で質問する枝野幸男さん

 民主党幹事長の岡田克也さんは17日の定例記者会見で、同日、首相官邸に、首相の菅直人さん、内閣官房長官の枝野幸男さんと会った際に、「子どもさんの顔でも見れば、もっと元気出るのにねえ」と言ったことを明らかにしました。「3・11」以降、総理は公邸に帰っていないもようで、枝野さんも敷地内の官房長官公邸に1泊しただけ。枝野さんの自宅は、公用車で10分弱の衆議院議員宿舎で、奥さんとお子さんが住んでおられるようです。

 また、第2次オイルショック時も含めて、経産省の資源エネルギー庁部署での勤務経験が長い岡田幹事長は、「枝野官房長官の記者会見は、正確に隠さずに言っておられますから、国民に評価されていると思っています」と述べました。

 枝野さんは子煩悩で知られます。第165臨時国会の2006年10月6日の衆院予算委員会で、安倍晋三首相(自民党総裁)に対する質問の中で次のように語っています。

 「一件だけ、経済政策に入る前に、実は、きょうの新聞あるいはニュースでちょっと気になるものがありましたので、法務大臣にお尋ねをしておきたいと思います。日本で初めて海外の女性に代理出産をしていただいた御夫妻の出生届が日本では不受理になって、これが裁判になりました。みずからも記者会見されているので名前を隠さなくていいと思いますが、タレントの向井亜紀さんと元プロレスラーの高田延彦さんの御夫妻。これは、東京高裁で、出生届を受理するようにという至極真っ当な決定が出たと私は思っていますが、報道によると、法務省は抗告をするという方向で検討に入ったという報道がなされております。現行法の、法のある意味ではエアポケットだと思います。代理出産ということは現行法は想定をしていなかった。ただ、実は私も不妊治療で、私がというより私の妻が大分苦労をいたしまして、幸いことしの七月(2006年7月)に、うちは体外受精でありますが、出産ができましたが、それでも生まれなくて、それでもわらにもすがる思いで代理出産という方法をとられたというこのお二人の思いというものは大変重いものだというふうに思っています」。

 民主党の第1次野党期の名物の一つだった、衆・予算委員会での枝野さんの歯切れのいい早口(マシンガン・トーク)を聞くことはできなくなりました。ただ、第1次与党期の最大の重荷にあたる枝野さんの国民の生命を守ろうとする使命感は人一倍のように、その背中から、感じます。

 ◇

 17日の衆院本会議で、
 
 「地震防災対策特別措置法改正法案(177国会衆2)
 
 「平成23年東北地方太平洋沖地震に伴う地方公共団体議会議員・長の選挙期日等臨時特例法案(177国会閣38)」

 の2つの法案が速やかに可決し、参院に送られました。

 


国会あす(17日)再開 

2011年03月16日 19時23分04秒 | 第177常会(2011年1月)大震災・3党合意

[写真]秋の高い空と紅葉に映える国会議事堂、正門寄り・衆院側から、2010年11月24日、宮崎信行撮影

 さあいよいよ、国会があす(2011年3月17日)、再開することになりました。3月11日の地震発生以来6日ぶり。

 あすは、衆院で午前8時50分から、災害対策特別委員会(災害特)が開かれ、その後、午前10時から、「政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会」(臨選特)が開かれます。臨選特委には、閣法として「統一地方選の被災地域での延期に関する臨時特例法案」が趣旨説明され、審議、採決の結果、可決。この後、午後1時の衆院本会議に緊急上程され、可決し、参院に送られる見通し。

 参院では、午後3時から、参院の倫選特(政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会)が開かれ、趣旨説明、審議のうえ、採決し、可決する見通し。参院では午後3時から、災害特も開かれます。法案はあさって3月18日(金)の午前10時(予定)からの参院本会議で可決、成立する見通し。

 統一地方選の延期に関しては、デモクラシーという劇場をつくる最大のルール・オブ・ザ・ゲームであることから、各党の話し合いによる、議員立法での法案成立を民主党の岡田克也幹事長は呼びかけましたが、各政党の思惑が一致せず、また、参加自治体についても、各地方議会の各議員ごとに置かれた事情が違うことから、内閣提出法案に切り替えた物とみられます。行政府による選挙のルール変更は好ましいことではなく、国会で出来れば全会一致が望ましいことです。まずは、岡田さんがルールの変更を「各党の議員立法による各党の全会一致による国会の議決によるものにすること」を各党幹事長会談で提案したことは、災害時でありながら、冷静にデモクラシーの基本原理を守ろうとするよい先例になる、と考えています。とはいえ、地方議会での議決は時間的にも、心理的にも重荷になるし、議員ごとの事情に左右されかねないので、震災復旧を急ぐため、閣法を成立させ、さらに政令という、ともに内閣の判断&責任にゆだねた(あるいは押しつけた)ことは、被災自治体の重荷を少しでも軽くする妥当な政治判断だと、私は評価したいと思います。

 国会は先週の金曜日(3月11日)、参院決算委員会のTV入り質疑が行われ、自民党参院議員で元水戸市長の岡田広さんが、厚労相の細川律夫さんに対して「運用3号」などについて質疑・答弁していたさいちゅうに「3・11」地震が起き、鶴保庸介・決算委員長が「この際、暫時休憩します」と宣言し、その後、流会しました。3月11日の午後5時10分からは、予算関連法案に関する、この週3日目の異例の「残業居残り審議」となる衆院財務金融委員会は開会できませんでした。ちなみに、決算委員会での「平成21年度決算に関する審議」は、ここ数年の慣例から半年近い遅れ、毎年の予算関連法案の審議も例年の半月遅れとなっていました。

 ここ数年、国会では積み残し法案(宿題)が積み上がり、審議が後手後手になる状態が続いていました。「3・11」をきっかけに、日程闘争の排除、両院協議会の改革、早朝、昼休み、夕方などの時間帯を活用したの大臣の委員会かけもちを可能にするといった審議のスピードアップが、被災者の生活再建を早め、心の重荷を軽くことにつながります。そしてそれがまた、お亡くなりなった方への、ちょっと遅いけど、せめてものご供養にもつながるのではないでしょうか。





ガンバレ!負けるな!雄平さん!(TBS・JNNから)

asahi.com(朝日新聞社):被災地の統一選、2~6カ月延長の特例法案を閣議決定 - 政治

 菅内閣は16日、東日本大震災の被災自治体に限って4月の統一地方選を延期する臨時特例法案を閣議決定した。2カ月から6カ月の範囲内で首長選・議員選を延長する。被災自治体ごとに被害状況は異なるため、特例法案では延期幅は一律には定めず、政令で別途定めるとした。

 また、どの被災自治体に適用するかについても、被災自治体の選挙管理委員会の意見を踏まえ、総務大臣が別途指定することも明記。被害が甚大な岩手、宮城、福島3県内の自治体が中心となる見通し。首長や議員の任期は、延期された「選挙期日の前日まで」とした。

 自民、公明両党は特例法案に賛成する方針で、同法案は17日に衆院を通過、18日には成立する見通し。


公明党代表「本予算の自然成立」を首相に言及 

2011年03月15日 16時58分48秒 | 第177常会(2011年1月)大震災・3党合意

 政府、公共企業、報道をはじめ、情報が混乱しています。そういう中では、確度の高い情報を取捨選択することが必要です。とくにテレビジョンは、もともと「遠くが見える」という語源を持つ言葉ですから、遠くの物が近くに見え、ひどく不安になる特徴があります。これはシステムの問題であって、どのような放送者(ブロードキャスター)であっても、多かれ少なかれそういう状況があります。私もあまりテレビも、ラジオも、インターネットも付けずに、節電に協力し、震災復興のために力を温存したいと思っています。

 さて、きのう14日の公明党の山口那津男代表と菅直人首相との党首会談について、あまり報道されていない内容がありました。15日付の公明新聞が伝えています。

 公明新聞によると、14日午前11時から、代表の山口さんと、幹事長代行の斉藤鉄夫さんは、菅総理に会い、東北太平洋沖大震災の災害対策に関する2011年度(平成23年度)補正予算(案)の編成を急ぐように要望。席上、山口代表は「(平成23年度)本予算の自然成立後、不要不急のところを最大限削って、補正予算の財源に充て、その内容を早く決めるべきだ」と主張したそうです。

 参院議員でもある山口さんが、日本国憲法第60条2項による、予算の自然成立(衆院の議決を優先すること)を認めたことで、参院では、民主党・国民新党と公明党の3党で、過半数(121)を4議席上回る125議席になります。自民党の参院予算委員会理事の礒崎陽輔さんはツイッターで、「ただ今、予算委員会理事懇に出席。(略)今週中の委員会開会は困難との認識で一致。しかるべき時期に、理事会で、政府から災害状況を聴くこととしました」としています。今週の委員会審議はなく、理事会で政府から状況をきいた上で、最終的には、採決なしに、予算が3月30日に成立するかの可能性が高まりました。

 一方、民主党の岡田克也幹事長はきのう14日の与野党幹事長・国対委員長会談で、年度内成立に向けて各党の協力を要請するペーパーを配りました。災害時なので、あえてペーパーの入手にはこだわらずに、報道から引用すると、法案は次の通りで、赤字国債発行臨時特例法案は入っていません。

 歳入関連法案では、国税つなぎ法案、地方税つなぎ法案。

 歳出関連法案では、関税定率法案、国際通過基金(IMF)加盟法案、中小企業金融円滑化法延長案、地方交付税法改正案、公害財特法案(衆院通過済み)、NHK予算(案)、内閣府設置法案、在日米軍駐留経費の日本側負担協定、在外公館法案、教職員定数法案、家畜伝染病予防法案(衆院自民党が修正案を提案中)、踏切道法案、港湾法案、そして、子ども手当つなぎ法案です。

 このうち、最後の子ども手当つなぎ法案は各党の意見が分かれる対立法案で、参院で民主党・国民新党・日本共産党・社民党の4党の賛成が得られる見通し。ただ、この4党では、議席数は「119」で、「革新共闘」無所属の糸数慶子さんを入れても、120議席。まだ、過半数まで1議席足りません。この辺の、「落とし所がまだ決定していない政策」を、ミックスしてしまうのは、岡田さんの特徴的なことで、こういった面も後見人的存在の渡部恒三・元衆院副議長ですら苦言を呈することがあります。私としては、「「岡田さんは改革のスピードが速すぎて、玄葉さんら一部の議員以外は付いてこられない」「岡田さんは公明党をあまりにも信頼しすぎている」という2点を挙げたいと思いますが、たしかに若干乱暴かもしれません。

 それにしても、注水作業の途中で、ポンプから目を離したとされる東京電力関係者には言葉を失います。あのような状況で、持ち場を離れられる神経が理解できません。本社であろうと関連会社であろうと正規雇用だろうと非正規雇用だろうと、当人や東電の責任はまぬがれません。しかし、東電ないしは関係会社も、採用するのは成人けです。そういった物事を最初から最後まで見届けることが体に染みこんでいない人間を育てた環境は何だったのでしょうか。それが家庭の躾をないがしろにする経済優先主義の代償ならば、それはあまりにも大きかったとしか言いようがありません。

 15日付朝日新聞の天声人語は谷川俊太郎さんの詩を引用しながら、次のようにまとめています。

[2011年3月15日付朝日新聞「天声人語」から引用はじめ]

(前略)

 子どもはなおもひとつの喜び あらゆる恐怖のただなかにさえ。

 谷川俊太郎さんの詩の一節を思い浮かべた。

 命の微笑を、力に変えたい。

[引用おわり]


岡田幹事長、23年度第1次補正予算(案)で「不要不急」の事業を減額して財源捻出へ

2011年03月14日 17時59分39秒 | 第177常会(2011年1月)大震災・3党合意


 民主党の岡田克也幹事長は3月14日(月)の定例記者会見で、与野党の幹事長・国対委員長会談で、来年度(平成23年度)予算案と関連法案の年度内成立をお願いし、「賛否の違いはあるが、審議には協力してもらえる」との理解を得られたと明らかにしました。そのうえで、平成23年度第1次補正予算(案)で、「不要不急」の歳出を減額補正し、(歳入も同額分の減額補正)する考えを各党に示した、と明かしました。これに先立ち公明党代表の山口那津男さんが首相官邸に菅直人首相(民主党代表)を訪ね、このアイディアを提案していた(岡田さんは所要により同席できず)ことも説明しました。

 岡田幹事長の定例記者会見は、「3・11」東北太平洋沖大震災発生以来、初めて。きょう3月14日(月)の取引では、国債が買われましたが、これはリスク資産の株から安定資産の国債にマネーがシフトしただけと考えられ、今後も国債市場の安定という「危機管理」が復興のエンジンとして絶対的に必要になってきます。

 広辞苑によると、「不要不急」とは「どうしても必要というわけでもなく、急いでする必要もないこと」という意味です。

 ただ、減額補正とはいっても、平成23年度の総予算の歳入・歳出の総額を減額するという意味ではなく、一部の事業を削ったり、次年度以降に先送りしたりしたうえで、復旧・復興の事業を計上するということになりますから、総予算の歳入歳出総額は増えると思われます。要はメリハリをしっかりきかす、ということ。自民党の谷垣禎一シャドウキャビネット首相(総裁)が提案している増税や、国債増発を完全に否定したわけではありません。

 まずは、参議院にある平成23年度予算(案)、衆議院にある予算関連法案とくに歳入関連法案の年度内成立が必要です。

 ところで、2月14日(月)の記者会見は、終了後に、番記者を代表した女性からバレンタインデーの贈り物を渡されそうになり、「いえ、困ります、困ります」と照れながら断る出来事がありました。もちろん善意だったわけですが、それから1ヶ月経ったホワイトデーのきょうは、時間的にも大変慌ただしいので、照れながらも断ったことが結果的に時間的な余裕につながったことになります。2月14日の会見は私は党本部の記者会見室で聞きましたが、きょうは自宅が計画停電の対象地域となり(結果として停電せず)ましたので、ネット中継で見ました。

 統一地方選の実施時期に関する質問のなかで、「節電は今後も続く」として、夏になっても節電が続くとの見通しを示しました。東京電力の福島第一原子力発電所の1号機などへの海水の処理については、「塩水(えんすい)を注入したので再開は難しいかもしれない」「苦渋の決断だったと思う」として、電力安定供給と原子力安全確保の双方のバランスを考えた、東電や政府の判断に一定の理解を示しました。

 「三つ子の魂百まで」という言葉がありますが、岡田さんはぜいたくをきらう、薄利多売の流通業者の家に育ち、そして、22歳で通産省に入ったときは、オイルショックで石油の配給切符をつくる仕事を町村信孝・元官房長官らと経験していました。配給切符は運良く、日の目を見ることがありませんでした。これは秘密の仕事だったようです。岡田さんは15年間の通産省勤めのおよそ半分をこのような資源エネルギー関係の部署で過ごしています。通産省(旧経産省)・資源エネルギー庁の後輩は、ぜひ、ディスクロージャー(情報という重荷を解くこと)で、国民の信頼を得られるようにして欲しいと思います。

 今はまさに、孫文が言う「訓政期」(くんせいき、政治を鍛える時期)です。岡田さんは「自分の意見は最後に言うようにしている」として、まず野党幹部や与党内政府外議員の声に耳を傾けることにしていると会見の中で強調しました。記者会見は昨年9月の幹事長復帰後もっとも短い、15分ほどで終わりました。


[画像]記者会見する民主党幹事長の岡田克也さん、2011年3月14日午後5時30分ごろ、民主党ホームページのインターネット中継からキャプチャ

 


総理、「戦後65年間で最も厳しい危機」「乗り越えられると確信」

2011年03月13日 23時32分13秒 | 第177常会(2011年1月)大震災・3党合意

 3月13日(日曜日)、「3・11」東北太平洋沖大震災のマグニチュードは「9・0」と気象庁が修正しました。また、政府は同日未明の持ち回り閣議で激甚災害に指定しました。

 NHKなどで見ていると、総じて口が重いとされる東北人のみなさんが、ハッキリとマイクにしゃべり、そこに重要な情報が含まれていることが多々あります。例えば、避難所で、家族が助かったかどうかという被災の格差があった近隣住民同士がハッキリとした言葉で、自分が目で見た光景を避難所にいない被災者の家族に話した上で、「がんばれよ」と抱き合う姿もありました。また、津波を見ながら、泣き出すお子さんや、驚きの声を挙げる大人の男性など、感情面もしっかり発露しているようです。

 NHKスペシャルでは、東大地震研究所の准教授が、今回の震災(特に津波)について、「(自然の脅威に)やられた」とし、事前の防災計画の想定を超えている、宮城県牡鹿郡女川町に関して、「町を捨て、全員で高台に移住した方がいいのでは」という具体的な個人的提案が出ました。この准教授は、2004年のスマトラ島沖地震(インド洋大津波)の現地視察のときに、「生命と財産のうち、時と場合によっては生命だけを守る決断をしなければならないときがあるな、と感じた」ことも明かしました。

 国民の意識が変わってきたような気がします。

 午後7時51分過ぎから、菅直人総理が記者会見し、「地震発生から3日目の夜を迎えました」、「国民のみなさまの冷静な行動に感謝と敬意を表します」とし、「約1万2000名を救うことができ」、「自衛隊は陸海空で5万人」、「警察官は全国から2500人」、「消防は1100隊」、「災害派遣医療チーム」が現地入りして救援にあたっており、「食料、毛布などの物資を空路で搬送し、海路で輸送することも検討している」としました。

 福島第一原発で運転中だった1、2、3号機のうち、1号機の原子炉に海水を注入するなどして、廃炉も含めた安全確保策が続き、そのプロセスでわずかとはいえ放射性物質が大気に出ることについて、「福島原発は憂慮すべき状態が続いています」とし、東京電力・東北電力の電力不足について、「国民のみなさんにご理解をいただきたい、ご協力をいただきたいことがあります」、「私は東京電力にあすから計画停電(輪番停電)をすることを了承しました」としました。

 青い防災服にゆっくりとしっかりとした、噛んで含める口調でメッセージを発する総理には安定感を感じます。総理は、わが国の現状を「戦後65年間で最も厳しい危機だと考えております」としたうえで、「この危機を私たち日本人が乗り越えていけるかどうか、一人一人すべての日本人に問われています」としました。

 そして、「私は国民のみなさんが力を合わせることで、必ずや、この危機を乗り越えることができると確信しております」として、国民には「一人一人の(復興にかける)覚悟」を求め、「より良い日本を改めて作りあげようではありませんか」と呼びかけました。

 これに先立ち、総理は、蓮舫・節電相を任命し、災害ボランティア受け入れ体制構築担当の総理補佐官に、「民主党・無所属クラブ」衆院議員である辻元清美・前国交副大臣を充てました。

 私は、多くの方から、最近の国会状況が第2次世界大戦の前に似ているとの指摘を受けていました。しかし、幸か不幸か、私たちは、身の丈を超えて、日本列島から飛び出していった先の大戦とは違い、日本列島の内側で、先の大戦以来の危機的な災害にみまわれました。今は、グローバリゼーションの時代です。CNNなど24時間ニュースチャンネルも、外国の新聞も、ツイッターも、フェースブックでも、多くの人が日本(JAPAN)に関心と祈り(pray)をくれています。太平洋沖には、わが国の運命共同体であるアメリカの浮沈原子力空母「ロナルド・レーガン」もやってきて、海自の護衛艦とともに救援にあたってくれています。頼もしい限りです。期せずして、早まった第3の開国で、私たちは、この日本列島を再生させていきましょう。

 元気な日本を復活させましょう。

 まさに、日本国民一人一人にとっての、正念場です。