【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

サッチャー・レーガン・細川・・・8議席日本共産党衆議院議員団長「政治改革20年今検証すべき」

2013年04月10日 06時52分28秒 | 第183通常国会(2013年1~6月)附則・附帯決議

【2013年4月9日(火) 衆院予算委 平成25年度本予算(案)集中審議「統治機構など」】

 何度も指摘していますが、今の任期から、日本社会党が1955年の左右統一以来初めて、衆議院の予算委員会で議席を失いました。

 ただ、社民党は参議院予算委員会では議席を持っており、民主党など野党6党が進める本予算修正実務者協議会の修正案で社民党の参院賛成が見込める場合は、委員外質問を認める。そういうアイディアもあるでしょう。とはいえ、自民党が過半数ですので衆院では不可能で、55年体制以来歴史的な国会となりそうです。

 無産政党ではもう一つ、日本共産党も8議席となっており、ここ40年間で最低の議席になっています。

 8日、マーガレット・バロネス・サッチャー元英首相(元保守党党首)が亡くなりました。87歳。レーガン米大統領とともに、ソビエト社会主義共和国連邦を崩壊させた功労者です。しかし、残念なことに、「西側諸国の一員だったはずの我が国では、いまだに日本共産党が残っています。平和の配当を受けられないのです。「決められる政治」「民意の集約」を実現するため導入した小選挙区比例代表制において、日本共産党は比例で議席をとり続けています。それが「決められない日本」の現実です。

 日本共産党衆議院議員団長が生き残りをかけて質問に立ち、「1993年細川内閣の政治改革から20年。今検証すべきときが来ている」と語りました。

 

 細川内閣での政治改革4法のポイントは(1)衆議院小選挙区比例代表並立制(2)区割り審設置(3)政党助成法による政党交付金新設(4)政治資金規正法強化ーーです。

 その一つ、政党助成金の総額について質問。新藤総務大臣は、自民党が2566億円受け取ったとしました。民主党は1712億円。ですから、細川内閣に参加しなかった自民党が結果的に、5割弱の交付を受けたことになります。

 

 日本共産党衆議院議員団長は、政党助成金依存率を計算し、総務省に提出している各党の政治資金収支報告書をもとに、自民党の依存率が72・5%、民主党が83・2%だとしました。これを仮に、総支部長の政治資金管理団体まで含めたトータルにすると、民主党財政の自立性は自民党に圧倒的に劣っているでしょう。それはさておき、私がこのグラフでイチバン驚いたのは、みんなの党96・8%。幹部や地方議員らの個人商店的な色彩が強いのでしょう。

 日本共産党衆議院議員団長は、「各党の財政に占める割合が自民党では72・5%に上っている。自立していない政党であり、官営政党ともいえる状況だ。政党が堕落したのは政党助成金だ」と決めつけました。日本共産党衆議院議員団長は、20年間のデフレや不況には言及しませんでした。

 中選挙区最後の第40回衆院選で、日本共産党は15議席を獲得し、議席占有率2・9%でした。しかし、小選挙区比例代表並立制の第41回衆院選では小選挙区で2議席を含む26議席となり、議席占有率8・1%と大躍進しています。京都1区には5人が立候補し、自民党の伊吹文明さんが当選。日本共産党衆議院議員団長も惜敗率95%の高率で比例復活当選しました。3位は新進党の公認の竹内譲さん(現・公明党衆院議員)、4位は第1次民主党の福山哲郎さん(現・第2次民主党参院議員)。自由主義3党は、それぞれ伊吹衆院議長、竹内財務政務官、福山元官房長官として国会、官邸、財務省で活躍しました。日本共産党衆議院議員団長が連続して議席を得ているのは、現行制度のたまものです。

 政権交代可能な2大政党勢力のうち民主党の議員・総支部長は9割が無産階級者です。なので、衆議院における日本共産党の存在意義は完全になくなりました。

 日本共産党は佐藤栄作首相が沖縄本土並み復帰に合意して帰国した直後に解散した師走の第32回総選挙による低投票率で、社会党が議席を半減する中、組織力で14議席に増やしました。それ以降、8議席は最低とはいえ、比例ブロックがあるのでしぶとい。これで公設秘書を入れて32人が国庫から歳費を受け取っているのです。あってはならないことです。

 日本の常識、世界の非常識。2007年参院選では発行部数500万部を誇るアメリカ最大かつ国際的なニュース週刊誌「TIME」が1ページを使って、日本共産党がいまだに日本にはびこる理由を特集しました。あろうことか、日本共産党党首は、テレビ番組で「TIMEも日本共産党を特集している」と喜色満面。やはり、こういうのを信じてしまう方々が一定以上いる。それが世間。これを理解しないと選挙は戦えません。

 小選挙区導入時に、まさか新進党が日本共産党より先に壊れてしまうとは思いませんでした。痛恨の極み。

 このブログのアクセス解析でも「税制改正法の年度内成立」「民法の連帯保証人制度廃止」「平成25年度予算の成立時期」と比べると、選挙制度改革に関しては関心が薄いようです。しかし、民主主義のルール作りはそれ自体が民主主義の最大のテーマ。

 私も20年前、「政治改革ばかりやっているけど、経済の議論とかは良いのかな」と感じていました。しかし、細川内閣でイチバンきついときを乗り越えたら、きょうまで選挙制度に関する議論に多くの時間を割かれることはなくスムーズにきました。だから、関心が薄ければ、勝手に決めさせてもらおうと考えています。20年経って、震災が起きて、より「決められる政治」へ。国会への関心が高まっている今だからこそ、より透明でシンプルな衆議院へ。そのための定数削減による民意の集約です。

 宮澤解散20年。改革テコ入れ国会は中盤を迎えています。

 日本共産党は、日本人の心の弱さの裏返し。

 日本国民全員の総力を結集して、日本共産党を倒しましょう!

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