【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

解釈改憲をしでかした礒崎陽輔氏、左遷色強く行政監視委員長として低調に審議【4月4日(月)】

2016年04月04日 18時25分16秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

 日本国憲法第13条の、「包括的な人権」により、日本国政府には集団的自衛権を行使する権利が無制限に付与されているという、天地倒錯なとんでも解釈を主導した、元首相補佐官、礒崎陽輔さんが、参議院行政監視委員長としてデビュー=画像、参議院インターネット審議中継からスクリーンショット=。いかにも左遷色が強い人事で、審議も風采が上がらず低調でした。しかし、解釈改憲(壊憲)、国の存立を全うし切れ目のない安全保障法制の再整備が、自民党と公明党のすべての組織員に共有されていることは、100年後の歴史に残ります。

【平成28年2016年4月4日(月)参議院行政監視委員会】

 礒崎陽輔委員長が立ち上がり、「公正かつ円満な運営につとめてまいります」と発言。

 参議院にしかない常任委員会です。もともと、橋下行革こと中央省庁再編法施行時に、4号館の「総務庁行政監察局」が1号館の「総務省行政評価局」に移行する際に、参議院の決議により、対応する常任委員会がつくられました。4号館時代は、名実ともに、大蔵省主計局と廊下がつながっていましたが、1号館に移るにあたって、その存在意義を保つために、参議院を利用したというのが実態のようです。

 私は総務庁行政監察局には恩があります。ただ、当時の監察官(課長に相当)が、総務省の別の局の局長になった後、私を見て、逃げだしました。私は十数年ぶりですが、名前を覚えていたので、どうしたのかと追いかけると、「いやあ、国家公務員給与7・8%削減法案が臨時国会で成立しないですいません」と謝るので、なんだかわからないが、なにかやましいことでもあるのかという心象を持ち続けています。

 ただ、行政評価「局」にはお世話になったので、がんばってほしいのですが、こちらの「委員会」の方です。

 礒崎陽輔さんは、総務省出身ですが、旧自治省であり、2007年初当選なので、この委員会ができた経緯は知らないと思います。

 自民党はまず、渡辺美樹さんが質問「経営の観点が必要だ」とし、「KPIを上げることは日本再興戦略の実効が上がる」としました。

 これについて、内閣官房は「136ある再興戦略のKPIは年1回しかできない経済統計が多い」と語り、アベノミクスの進捗をなかなか明示できないとのもどかしさを暗示。さらに「実際のKPIも私の着任前に決まっており、経緯はよく分からない」とし、やる気の無さを浮き彫りにしました。

 その点、総務省行政評価局の答弁は準備されていて、「参議院決議をふまえた適切な指標を活用していきたい」とし、内閣官房とのやる気の違いを判然とし、その存在意義をうかがわせました。 

 野党からは、昨年7月にこの委員会で指摘した議員がそのフォローアップを求めるなど、各々の専門領域を踏まえたやりとりをしていたようです。

 まあ、こんな委員会要らない。

【同日 参議院決算委員会】

 まず、国会法105条にもとづく、会計検査報告を会計検査院長が報告しました。

 続いて、平成26年度決算の省別審査2回目。

 社民党の又市征治さんが、この委員会で、原発事故を避けられた指摘を、3・11前に合計7回していることは、以前書きました。きょうは又市さんは「世界一安全な再稼働基準は、なんの根拠もない。福島原発の廃炉まで40年かかるのに、第2の安全神話を振りまいている」と語りました。

 このエントリー記事の本文は以上です。

(C)宮崎信行 Nobuyuki Miyazaki 
(http://miyazakinobuyuki.net/)

[お知らせはじめ]

宮崎信行の今後の政治日程(有料版)を発行しています。

「国会傍聴取材支援基金」の創設とご協力のお願い 

なお、Twitterアカウントは「一時凍結」が続いておりますので、ツイッターはしていません。 

このブログは以下のウェブサイトを活用して、エントリー(記事)を作成しています。

衆議院インターネット審議中継(衆議院TV)

参議院インターネット審議中継

国会会議録検索システム(国立国会図書館ウェブサイト)

衆議院議案(衆議院ウェブサイト

今国会情報(参議院ウェブサイト)

各省庁の国会提出法案(閣法、各府省庁リンク)

日本法令索引(国立国会図書館)

予算書・決算書データベース(財務省ウェブサイト)

インターネット版官報

[お知らせ終わり]



最新の画像もっと見る

コメントを投稿