【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【11/1】「SNS炎上の片山さつき大臣更迭を」→首相「その発言を知らないので判断できない」→「とても私の口から言えないのでSNSで検索して」

2018年11月05日 17時19分08秒 | 第197回臨時国会2018年12月までの「定例日無視延長なしのひどい国会」」

 一兆円弱を追加する、平成30年度第1次補正予算案の審議は参議院に移りました。

 「賛成するので早く執行してほしい」と表明した、国民民主党の徳永エリさんは、唯一の女性閣僚、片山さつき地方創生大臣の資質をターゲットに。片山さんがたびたびTwitterなどSNSで炎上してきたとし、「宗文洲さん」らの批判を紹介しました。安倍晋三首相は「私の判断に問題があるというが、そのもとになる発言を紹介されていないので、答弁のしようがない」としました。これに対して徳永さんは「とても私の口からは言えない」と語り、「SNSで検索してほしい」と、次の質問に移りました。

【参議院予算委員会 平成30年2018年11月5日(月)】

 上述の通り、「平成30年度第1次補正予算案」の1日目の質疑がありました。

 自民党、公明党に続き、第3会派(野党第1会派)が立憲民主党に交代しましたので、立憲から質問が始まりました。基本的質疑の割り当て時間は、自77分、公38分、立42分、国48分、共34分、維22分、希望の会(自由・社民)11分、無所属クラブ7分となりました。8会派に整理されました。

 立憲の蓮舫さんは、まず、杉田水脈・自民党衆議院議員の「LGBTは子供を産まないから生産性が無い」という発言について。その後は、NHKが「外国人材拡大法案」という表現もしている、「出入国管理法及び法務省設置法改正案」(197閣法1号、先週金曜日提出)にターゲットを定めました。蓮舫さんは、毎月の人材不足数のデータを出すよう、厚労相に求めました。東京オリパラの予算総額については、桜田義孝五輪相があいまいな答弁をしました。

 自民党の山本一太さんは「自民が強い群馬県でも4割が支持していない」としながらも、首相への箴言はひかえめ。同じ世襲議員をほめたたえる「自民党貴族」のシーンがあり、「中東外交は河野太郎外相の真骨頂。河野外相のパーティーで(他派閥だけれども)挨拶してほしい、と言われて言ったら、(自派閥領袖の)麻生太郎副総理(元外相)が常識が無いとあいさつして、選挙区のみなさんが大いに盛り上がっていた」と社交界をアピール。その後は、引退でもするかのように、参議院の同僚を順々にほめたたえました。

 自民党の高橋克法さんに対して、茂木俊充経財相は「高橋先生は高根沢町という必ずしも大きいとは言えない自治体で町長をされた」と紹介し、高橋さんは「たんたんたんぼの高根沢町だ」とアピールしました。ともに栃木県連所属。

 建設事務次官出身の佐藤信秋さんに対して、省では後輩にあたる、石井啓一大臣が「建設業は新3K産業に。給料が良い、休日をとれる、希望が持てるという新3Kだ」と佐藤さんのホームページの冒頭にあるフレーズを強調して答弁しました。

 やはり自民党は来夏の参院選は厳しいようで、改選組(選挙番)のアピールが目立ちました。

 立憲と国民は非改選組で、上述の徳永エリさんは、北海道地震全道停電ブラックアウトに言及。世耕経産相は、北海道と本州を連携する送電線について「北海道はそれでなくても料金が高いのに誰がコストを負担するのか」と語り、消極的な姿勢を示しました。北海道の2025年改選組では立憲の鉢呂吉雄さんがSNSで北電に厳しい姿勢を見せていますが、国民の徳永さんは、北電社員の奮闘ぶりをたたえました。

 徳永さんは「漁業法改正案」(197閣法 号、未提出)について必要が無いとしました。

 新閣僚では、先週も書きましたが、石田真便総務相と、吉川貴盛農相が安定していました。石田さんは「税調ライター」という、実際には閣僚複数経験者よりも権力があるポジションを持っていました。吉川さんは、当選から1年まもなく1997年に橋本内閣で、北海道開発政務次官をつとめていました。合同庁舎4号館というところで、吉川政務次官が午後5時ぴったりに退庁するさまを、それから8時間働かなければならない私はうらやましく見ていました。そのときから21年後の入閣ですが、自民党はしぶとい人材を良い配置をしているように感じます。全体的には地味な顔触れなので、それが、どう参院選につながっていくのか、まったりと目が離せません。

 山下貴司法相は、あいかわらず長広舌で、地元岡山の災害復興にまで言及。全閣僚の前でよくできたものだと思いますが、正直、他人なのに心配になってしまうレベルに感じます。

【衆議院 同日】

 ありません。

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