【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【追記あり】参院本会議、「答弁漏れ」で3分間ストップ 自民党猛抗議で

2009年10月30日 17時40分11秒 | 第173臨時会(2009年10~12月)政治主導
【2009-10-30 参院本会議 鳩山総理所信表明に対する各党代表質問②日目】

 30日の参院本会議で、自民党の島尻議員の代表質問に対する福島みずほ国務大臣の答弁で、質問項目に対する「答弁漏れ」があったもようです。

 福島大臣が答弁を終え、自席に戻った際、どうやら自ら答弁漏れに気付いたように見受けられました。江田五月議長に再答弁を求めました。しかし、これに先立ち、議長席から見て右の交渉スペースで、参院自民党と参院民主党の「議場内交渉係」、正確には衆院と違い参院には「議場内交渉係」はいませんので、議院運営委員会の理事ということになりますが、理事らが協議をしており、江田議長は「しばらくお待ちください」と宣言。福島大臣をいったん自席に戻しました。

 この後、“交渉係”が事務総長を通じて、議長に協議結果を伝え、江田議長は福島大臣を再度指名し、福島大臣が再答弁しました。この答弁内容にも参院自民党は納得しなかったようで、なおも協議が続きましたが、結局、ここで終わりました。

 これにより、再答弁も含めて、およそ3分間、本会議がストップするという、TV入りの各党代表質問では異例の事態となりました。

 今後も自民党は民主党が単独過半数を占めていない参院で答弁ミスなどをねらってくるものと思われます。

 自民党政権末期には、答弁漏れを防ぐため、衆参本会議でそれぞれの院の官房副長官がひな壇末席に座り、野党の質問を聞きながらチェックし、質問が終わる頃合いに総理の後ろまで歩いていき、一声かけるのが慣例化していました。

 臨時国会はいいのですが、来年の通常国会もほぼ同じ構成で参院が進みますが、答弁漏れがあると予算審議がタイトになり、年度内成立に赤信号がともる可能性があります。

 衆議院解散を挟んだ第4次~第5次吉田内閣の例を除いて、現行憲法下で本予算の成立が最も遅れたのは、細川内閣です。第129通常国会で衆院提出が平成6年(1994年)3月4日と1ヶ月半遅れ、さらに衆院可決まで3ヶ月を要する異例の展開となりました。4月から暫定予算で対応し、本予算は衆院可決が6月8日、参院での可決・成立が6月23日と大幅にずれ込みました。これが細川・羽田内閣退陣にボディーブローのように効き、政権交代を持続できなかった最大といってもいい要因になりました。

【追記 2009-11-2】

 識者からのご指摘があり、「衆議院解散を挟んだ第4次~第5次吉田内閣の例を除いて、」の一文を挿入しました。【追記終わり】

 しっかり点検、安全運行を心がけて欲しいと思いますが、まずは予算案を1月にしっかり出すことが何より重要です。

 ◇

 参院本会議は答弁時間の長さなどから、大幅に延長され、ずれ込んだ後の午後4時過ぎに「緊急地震速報」が出て、TV画面の2分の1がふさがれた状態になりました。NHKラジオ総合は、国会中継が中断されました。

 乱世を感じます。こういうときこそ、国民の代表は毅然とした態度を示さないといけないと思います。


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