【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

食料・農業・農村基本法案で舟山康江「人口減のせいだとする条項を削除」通らずに、あす成立へ、立憲は「基本法だから国民のみなさんに読んで分かりやすく」

2024年05月28日 20時18分37秒 | 第213回通常国会 令和6年2024年1月召集
 今月上旬からの太陽の「フレア」で天候・農業機械GPS・送配電・体調などへの悪影響が懸念されています。来年はより活発となり、平成5年冷害以来の収穫減となるかもしれません。食料・農業・農村基本法はあすの本会議で改正が決まるはこび。

【衆議院・政治改革特別委員会の理事懇談会 きょう令和6年2024年5月28日(火)】
 理事懇の場が、修正協議会場となり、「213衆法13・14・15・16号及び208衆法48号」の自公などの協議案があすにもまとまりそうです。

【参議院農林水産委員会 同日】
 重要広範議案「食料・農業・農村基本法改正案」(213閣法26号衆議院修正)は自公維教の衆議院修正通りに可決すべきだと決まりました。
 まず、総理入り質疑では、野村哲郎元農相が「総理のご決意を」質問しました。
 この後、舟山康江さんが修正案を提出しました。国会には「一時不再議の原則」があり明文化されていませんが、その原則を前提とした国会法の条文が存在します。共同会派「立憲・社民」は衆で所得向上などの修正案を出して否決されています。そのため、立憲・社民は修正案を出せませんが、舟山さん主導で、立憲・国民・教育・社民の修正案ということで原則を突破したようです。修正案は、農業の担い手の減少を人口動態による人口減少のせいにしている条文を削除するのが柱だったようです。

 採決では、自民、公明、寺田静委員らの賛成多数で可決しました。
 審議の中では、立憲の横沢高徳さんが「基本法だから、国民のみなさんに読んで分かりやすいのが基本だ」と語りました。事実上「普通の言葉が伝わる政治」(2回農相をつとめた羽田孜さんの言葉)の再実現を求めたかっこう。

 今後の農政は、基本法にもとづく基本計画の作成と、所得アップの法制化の検討に移ります。また、第27回参院選の自民党公認全国比例で、JA全中事務局職員の現職から、「ホクレン」の職員に候補が変わります。北海道の農林議員からは与野党問わずけん制されそうなことを書きますが、「ホクレン」は北海道最大の資本主義企業だと悪い文脈でいう人もいます。今回の審議で、資材高は北海道から九州までの全品目共有のようですが、農業者所得には濃淡があるように感じました。ホクレンの企業スピリッツが農政の触媒になるでしょうか。

【衆・本会議】
 「温対法改正案」(213閣法42号)と「海洋再生エネルギーの発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律の改正法案」(213閣法53号)が賛成多数で可決し、参議院に送られました。

【衆・総務委】
 有事の事態で国の指示権を定めた「地方自治法改正案」(213閣法31号)。自公維教が既に提出した「施行後に、各府省庁に国会への事後報告を求めて、それを基に今後個別法の改定も検討する」という趣旨の修正案で可決しました。

【衆・拉致問題特別委】参考人質疑。
●衆の議院運営委員会と、法務・消費者特別・原子力調査特別の委員会の理事懇会も開かれました。

●参・財政金融委で「動産担保融資法案」(213閣法57号)が審議入りしました。
●参・国土交通委で「建設業法改正案」(213閣法51号)が審議入り。
●参・法務委で「育成就労の入管法改正2法案」(213閣法58号政府原案・59号衆議院修正)について、小泉龍司大臣と米山隆一衆議院議員から趣旨説明されました。さっそく6時間の質疑。委員派遣のてはずも議決しました。
●参・内閣・厚生労働連合審査会 「子ども子育て支援法改正案」(213閣法22号衆議院修正)
●参・総務委 一般質疑のみ。
●参・経済産業委 「産業競争力強化法案」(213閣法23号)の参考人質疑。筆者は「月刊誌の論壇」の崩壊で、他分野の参考人が全然知らない人だとの感想を続けていますが、きょうの参考人に、フェイスブックで友人の友人が出ていました。どのような論陣を張っている人かは分かりません。諸外国にも「論壇」はないから、それでもいいのかなと思います。

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