【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

岡田克也さんが「ラストチャンス」と史上初発言「政権交代可能な政治としては次の選挙はラストチャンスだ」「連合の30年前の志はなんだったのか」と異例の連合批判も

2020年06月24日 21時31分00秒 | 第49回衆院選(2021年10月 岸田続投 枝野辞任)
[写真]岡田克也さん、4年前の2016年2月、宮崎信行撮影。

●政権交代可能な政治はラストチャンスで負けたら再建が難しくなる

 岡田克也さんは「政権交代可能な政治としてはラストチャンスだ」と語り、第49回衆院選で野党が議席を減らした場合は「再建が難しくなる」との認識を示しました。きょう令和2年2020年6月24日(水)国会内で筆者を含む記者団に語りました。

 岡田さんが政権交代可能な政治に関して「ラストチャンス」と語ったのはこれが初めて。

 岡田さんは「国会は不条理にも(先週)終わった」とし、「8月のお盆明けから9月にかけて、または、来年3月末の予算(成立)明けに解散がある。(来年6月の)都議選から前後3か月明けてほしいというのが公明党の希望だから、それ以外は考えられない」と予想しました。

 岡田さんは「今月中に少し動きが出てこないと、大きな塊の合流は次の選挙までに難しくなるのではないか」と述べました。4年前の参院選直後の都知事選のさいちゅうに、岡田さんは、増子輝彦さんの心無い発言や党幹部の「つまらない男」批判などがあり、最大野党代表を自らの意思で任期いっぱいで退任しました。

 岡田さんは「立憲民主党と国民民主党のリーダーには、有為な人材を一人でも多く当選させることが最大の責務だ」として「私が(民主党)代表、幹事長時代から携わってきた(2004年から2016年までの)およそ20年間の人材があちこちで(これ以上)討ち死にすることは絶対避けたい」と危機感をつのらせました。

●異例の連合批判ーー「30年前の志はなんだったのか」

 岡田さんには珍しく連合を批判。本部執行部が9月までの政策すり合わせを求めていることを3年前の希望の党騒動も念頭に「遅い」と批判。

 「連合は産別ごとに意見が違う。30年前の連合をつくったときの志はなんだったのか。労働運動の政治分野の統一のために連合をつくり、小選挙区制となり、民主党ができた」と語り、山岸章初代会長が「労働戦線の統一」を実現し、細川護熙内閣7党1会派をまとめあげ、公明党は自民党と組みましたが、1998年民主党ができた経緯をなぞらえました。


[画像]1989年の連合統一大会であいさつする山岸章・初代会長、DVD「友愛会から連合へ 日本労働運動の100年」からスクリーンショット。


[写真]現在の連合会長の神津里季生さん(左)、おととし2018年4月、東京・代々木公園で宮崎信行撮影。

 岡田さんは次の選挙で野党が負けた場合の、政権交代ある政治の回復については、「10年から15年かかる」とも語りました。

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Ⓒ2020年、宮崎信行 Miyazaki Nobuyuki

「電通」が槍玉に、衆議院経済産業委員会が閉会中審査

2020年06月24日 09時18分14秒 | 第201回通常国会(2020年1月から6月)「コロナ感染症」
(初公開は午前9時20分頃、21時半ごろ最終更新)

[写真]左手前から経済産業省、財務省、内閣法制局などが入る庁舎、奥の中央が衆議院第二議員会館、今月2020年6月、宮崎信行撮影。

 与野党が合意した週に2回の閉会中審査マンスリーが続きます。

【衆議院経済産業委員会 令和2年2020年6月24日(水)】

 1億人を超える人口がある日本の均質性を利活用し、世界に類を見ない年商2兆円の広告会社「電通」。持続化給付金、GoToキャンペーン、家賃支援をめぐって、中抜きや下請け圧力の疑惑が浮上。野党ヒアリングでも連日問題となっており、嘘の説明をした省職員が今週更迭されました。

 午前9時から3時間コースで、一般質疑。午前9時12分頃開会。政府参考人は経済産業省や厚生労働省官房審議官ほか、公務員倫理審査会や公正取引委員会も呼ばれました。

 自民党経産部会長の武藤容治さんは「経産委員会12年ぶりの質問だが、閉会中審査ですが、こういうことになり感謝したい。まずは持続化給付金だが、公金を、事業資金なんでも利用してもらえる初めての資金ではないか。電子申請など、私の感覚では役所仕事が遅いという認識を覆し、迅速だ。熟慮の結果が批判を招いていて残念だ」と語りながら、2次補正予算も電通を選定するよう働きかけましあ。中小企業庁は「第2次補正予算の持続化給付金の事務局運営費は800億円。批判があったので、(電通主導の)サービスデザイン推進協議会に限らず公募する」としました。

 川内博史さんがきょうも登場。電力・ガスの不正の内部通報窓口を経産省本館から移すべきだとの提案を方向づけた斉木武志さんらも質問しました。

【参議院 同日】
●明日の予定


 きょうはありませんでした。

 あすは参議院経済産業委員会で3時間コースの一般質疑。第2次補正予算の「家賃支援金」について、博報堂にとられることを恐れた電通が、持続化給付金での下請けに対して、博報堂からの依頼を断るよう圧力をかけた問題では、公正取引委員会審査局長に対する質問通告が出ており、与党が呼ぶかどうかも注目されそうです。公取事務総長もきょうの記者会見で、積極的に取り組む姿勢を見せました。私もマスコミ勤務なのでこれまで公私とも「某広告代理店」という言い方をしてきましたが、大ごとになるかもしれません。私の流儀に反しますが、私もきょうから電通批判に同調して加わります。

【衆議院安全保障委員会の委員長や野党理事ら 同日】

 安保委野党理事らは西銘恒三郎委員長に直接会い、同日のNSC国家安全保障会議で「イージス・アショア計画を停止し、代替のミサイル防衛構想がまとまり次第、計画を廃止する」との決定に前後して、後日、閉会中審査を開くべきだと申し入れました。自民党は柔軟に対応するかもしれません。

【野党国対委員長会談 同日】

 閉会中ですが、「野国」が精力的に開かれ、河井克行・河井案里夫妻(公職選挙法違反で勾留中)の選挙等資金に自民党本部への政党交付金が混ざっているのではないかとのプロジェクトチームを設け、座長に共同会派、副座長に共産党議員を充てることを決め、同日発足しました。「持続化給付金」をめぐる野党ヒアリングも続いており、経産省によって虚偽と思われる説明をした官僚が一人異動させられたもようです。

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