【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

「官僚が書いた物をよく理解しないで出しているのではないか」自民党国対を批判 岡田克也代表

2015年09月25日 17時11分57秒 | 岡田克也、旅の途中

 平成27年2015年1月26日(月)から9月27日(日)までの245日間続いた、第189回通常国会「安保国会」を振り返り、民主党の岡田克也代表は、

 「官僚が書いた物をよく理解しないで出しているのではないか」
 
 と第3次安倍内閣自民党の、内閣、国対、政調を批判しました。

 25日(金)に国会内で開いた、民主党代表としての定例記者会見で語りました。 

 第189回通常国会は、本予算が年度内に成立せず、閣法提出本数がわずか75本なのに成立率が9割以下にとどまり、衆参の、法務委、厚労委で会期がまるっきりはまらないなどのちぐはぐな国会対策が目立ちました。

 一方の民主党も、年次税制改正法に対して、衆議院で古川元久税調会長らが民主党単独で包括的な対案を提出し、審議入り。参議院では、大久保勉さんが野党全会派をまとめて、法人税部分に絞って共同提出するなど気を吐きました。

 その一方で、憲法で政府に独占的に編成権が認められている、本予算では、衆参とも組み替え動議や修正案を出しませんでした。これは、結党以来、野党期としては初めて。

 税こそ政治なり、という与党らしさが浸透しているという見方もできるかもしれません。

 閣法成立率が低かった背景には、参考人質疑が多かったことも挙げられます。対決法案となった農協法改正案では、まず参考人質疑から審議入り。大蔵官僚出身の岸本周平さんが「官僚のレクシャーは良いことは言うけど、悪いことは話していないこともある」として参考人質疑が有用性を説きました。法務委員会では、山尾志桜里筆頭理事が、法案のテーマを分割したうえで、法案審査→参考人質疑→法案審査を繰り返す「サンドウィッチ方式」を構築。山尾さんの「大臣は、前回の参考人質疑の議事録を読みましたか」とのお決まりの切り出しに、「インターネット中継で見ました」と返す上川陽子法務大臣のしたたかさが定着しました。

 一方、修正協議にはあまり応じず、附帯決議もやや減少傾向にありました。しかし、労働者派遣法改悪法の参厚労委可決後には、津田弥太郎筆頭理事が憲政史に残る「25分間の附帯決議」をつけ、2012年改正、2015年改正に続く、次の改正につなげ、運用での改善を図りました。 

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(C)宮崎信行 Nobuyuki Miyazaki 
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第190回国会は刑事訴訟法案、社会福祉法案など異例の8本が前会からの継続調査で参先議に

2015年09月25日 17時05分23秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

 第189回国会の会期末処理で、参議院で継続調査となり、当然にして、第190回国会で参議院先議となる法案が多く出ました。

 対象は、法務委、厚労委、内科委。ただし召集日に付託しなおす形式です。

 「刑事訴訟法改正案」(189閣法42号)は衆議院修正が入って状態で、参法である「ヘイトスピーチ規制法案」(189参法7号)とともに参継続調査となり、法務委員会はかなりのバトルが続きそうです。

 「社会福祉法改正案」(189閣法67号)、「確定拠出年金法改正案」(189閣法70号)、「戦没者遺骨収集推進法案」(189衆法40号)、 「臨床研究推進法案」(189参法2号)、「ブラック企業取り締まりの労働基準法改正案」(189参法6号)が、厚生労働委で継続調査となりました。このうち、社福に関しては既成団体に厳しい法案なので、来夏の参院選をひかえた動きも考えられます。戦没者遺骨収集法案は、全党派の一致で、衆から送付されています。

 「国の重要機関上空のドローン規制法案」(189衆法24号)も参内閣委で継続調査となりました。これについては、閣法がまもなく施行されますので、これも踏まえた、ドローンと航空法をめぐる改正論議が進みそうです。

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第189回「安保」国会が閉会 民法債権編、労基法、カジノ、社福、戦没者遺骨など閉会中審査

2015年09月25日 16時36分45秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

 第189回国会(安保国会)は平成27年2015年1月26日(月)から9月27日(日)までの245日間の会期を終えて、閉会しました。

 25日(金)は会期末処理が行われました。

【平成27年2015年9月25日(金)衆議院各委員会】

 「民法債権編抜本改悪法案」(189閣法62号・63号)

 「残業代ゼロ労働基準法改正案」(189閣法69号)が閉会中審査となりました。この2本は、民自の紳士協定で「本会議登壇案件」に指定されていましたが、衆議院本会議で代表質問することなく、前日に、議長(議院運営委員会)から法務委、厚労委に付託されていました。

 付託は第190回国会召集日に再度やり直す形式になります。

 「外国人実習生機構法案」(189閣法30号)は内閣総務官室が日切れ指定にしていましたが、衆で閉会中審査となりました。

 このほか、

 「介護人材を確保するための入国管理法改正案」(189閣法31号)

 「法テラスをすべての被災者に拡大する法案」(189閣法57号)も衆で閉会中審査となりました。

 議員立法では、次の衆法が衆議院で閉会中審査となりました。

 「IRカジノ施設法案」(細田博之さんら提出、189衆法20号)

 「歳入庁設置法案」(今井雅人さんら提出、189衆法21号)

 「TPP情報開示法案」(岸本周平さんら提出、189衆法19号)

 「放送法改正案」(逢坂誠二さんら提出、189衆法10号)

 「原子力災害対策特別措置法改正案」(田嶋要さんら提出、189衆法30号)

 「35人学級法案」(平野博文さんら提出、189衆法34号)
 
 「租税特別措置法改正案」(江田憲司さんら提出、188衆法4号)

 「農業者戸別所得補償法案とふるさと支払い3法案」(岸本周平さんら提出、189衆法13~16号)

 「旧林野特会の自律的労使関係法案」(岸本周平さんら提出、189衆法32・33号)

 「公職選挙法と区割り審設置法改正案」(江田憲司さんら提出、188衆法1号)

 「新有権者の3か月以内の転居に伴う有権者台帳見直しのための公職選挙法改正案」(逢沢一郎さんら提出、189衆法23号)

 「公職選挙法および国民投票法改正案」(黒岩宇洋さんら提出、189衆法41号)
 
 「政党助成法廃止法案」(穀田恵二さんら提出、189衆法1号)

 「政治資金規正法改正案」(江田憲司さんら提出、189衆法3号)

 「政治資金規正法改正案」(穀田恵二さんら提出、189衆法17号)
 
 「政治資金規正法改正案」(黒岩宇洋さんら提出、189衆法18号)

 条約では、
 「日本カンボジア航空協定条約」(189条約13号)

 「日本ラオス航空協定条約」(189条約14号)

 「日本イラン受刑者相互移送協定条約」(189条約15号)が閉会中審査となりました。

 「平成24・25年度決算ほか」も閉会中審査となりました。

●経産委では民主5法案、維新4法案が採決のうえ廃案に決定ーー

 一方、衆議院経済産業委員会では、9法案が採決の結果、「閉会中審査とせず廃案」になりました。廃案になったのは、「分散型エネルギー法案」(奥野総一郎さんら提出、189衆法29号)、「省エネ法改正案」(田島一成さんら提出、189衆法36号)、「再生可能エネルギー法案」(中根康浩さん提出、189衆法37号)、「雇用保険料などの一部を国が補助する法案」(中根康浩さんら提出、189衆法39号)。それときのう提出された「原発関連4法案」(足立康史さんら提出、189衆法42号~46号)も廃案になりました。

【同日 衆議院本会議】

●瀬戸内海環境保全法が成立

 「瀬戸内海環境保全法」(189参法22号)が可決し、成立しました。

 この後、「法務省職員増を求める請願」などを採択し、上の法案の閉会中審査、すべての国政調査の閉会中審査を議決。大島理森議長からとくにあいさつなく、散会しました。

【同日 参議院各委員会】

 「社会福祉法改正案」(189閣法67号)
 
 「確定拠出年金法改正案」(189閣法70号)

 「戦没者遺骨収集推進法案」(189衆法40号)

 「臨床研究推進法案」(川田龍平さんら提出、189参法2号)

 「ブラック企業取締りの労働基準法改正案」(小池晃さんら提出、189参法6号)が継続調査となりました。当然第190回国会では参議院先議となります。

 「刑事訴訟法改正案」(189閣法42号=衆修正)

 「ヘイトスピーチ規制法案」(189参法7号)が継続調査となりました。

 「国の重要施設上空のドローン規制法案」(189衆法24号)も継続調査となりました。

 一方、大久保勉さんら民維共生改無が提出した、おそらく初めての野党全会派共通の年次税制改正法の対案である「法人税法改正案」(189参法3号)は財金委議題になりましたが、残念ながら廃案になりました。

【同日 参議院本会議】

 法案の閉会中審査手続き、北方領土返還の請願などを採択しました。

 山崎正昭議長は会期末にあたり、起立してあいさつ。「今常会はわが国の安保、雇用(労働契約)の在り方、農業のあり方など国のあり方について真剣な協議がなされました。また参の選挙制度についても一定の成果が出ました。内外の多難ゆえご自愛のうえ、ご活躍を祈ります」という趣旨のあいさつをしました。

 ◆

 衆参とも我が国および国際社会の平和安全法制に関する特別委員会は開かれませんでした。

 これにともない、安保対案である、衆の「領域警備法案」(民維共同提出、189衆法27号)、参の「領域警備法案」(民維共同提出、189参法25号)と、維新対案(189参法16~20号、23・24号)はすべて会期末処理はされなかったため、当然にして、審議未了廃案となりました。 

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●「連帯保証の公正証書化」をもくろむ民法債権編抜本改悪法案阻止も、闘いは続く

2015年09月25日 09時26分11秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

 融資の連帯保証で公正証書化を義務付ける、許しがたい改正条文が入った、「民法債権編抜本改悪法案」(189閣法63・64号)の第189回通常国会での成立は阻止できました。

 廃案にすべきですが、きょう平成27年2015年9月25日(金)の法務委員会で会期末処理され、ぬけぬけと全会一致で閉会中審査となりました。

 午後1時からの本会議で正式に衆議院の議決。

 平成27年2015年3月31日(火)に提出された同法案は、本会議で代表質問をしてから、委員会で審議することで与野党が合意。

 しかし、245日間という最も長い通常国会でありながら、本会議で審議入りせず、衆議院議長(議院運営委員会)は、きのう9月24日(木)に法務委員会に付託。

 筆者が今国会で最も問題のある法案に位置付けていた民法債権編抜本改悪法案は、今国会での成立は阻止できたものの、闘いは続くことになりました。

 江戸経済の「手形」の裏書保証から発展した、融資の連帯保証ですが、世界中で日本にしかない金融慣行であり、個人経営の法人への社長の保証をのぞけば、速やかに廃止すべきです。

 閉会中審査といっても、実際に閉会中に審議が行われることはなく、次の国会の召集日に自動的に議案となります。まず間違いなく、今と同じ両院の構成のまま迎えることになります。一安心とはいえ、何が何でも阻止しなければなりません。闘いは続きます。

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