【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

安保法公布 改悪労働者派遣法施行 暗黒の「9・30」

2015年09月30日 08時32分10秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

[写真]第47回衆院選直後の自民党本部、東京都千代田区永田町、2014年12月17日、筆者(宮崎信行)写す。

 暗黒の「9・30」。

 午前8時30分インターネット官報が更新(リンク先=ただし1か月後に「過去分はこちら」に移ります」)

 官報号外224号(号外の号数は平成27年1月からカウント)に「我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律」「国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する諸外国の軍隊等に対する協力支援活動等に関する法律」が公布されてしまいました。

 ちなみに、参議院で修正されたと勘違いしている人もいるようですが、附帯決議は法律ではないので公布されません。施行はきょうから6か月以内。存立危機事態を盛り込む改正武力攻撃事態法、周辺事態の地理的制約を取り払った重要影響事態法などです。

 改悪労働者派遣法はきょう施行されました。法律の「30日施行」は極めて異例。民主党による2012年改正法の「違法派遣のみなし労働契約」の施行を前日に阻止(法文上の骨抜き)するために、参議院厚生労働委員会で自民党の大沼瑞穂(大沼みずほ) 理事が「9月30日に施行」とする修正案を提出し(いわゆる「大沼修正」)、自公の賛成多数で可決・成立し、早々と施行されました。派遣労働者の期間制限を撤廃し、生涯ハケンとするのがねらい。

 まさに、日本デモクラシーの暗黒の日、9・30となりました。

 きょうに前後する1年間に有権者になる「新18歳」は119万人。山一・拓銀ショック後に生まれました。育ったのは「失われた18年」。それが当たり前なので、デートはウォーキングが当たり前の世代。

 希望の世代です。119万人なので、比較的職は得やすい。また、50歳代半ばから、高齢者が、人口に占める割合では減少に転じます。新18歳が、職業生活の仕上げに入り、人によっては指導的立場になる頃には、社会保障の重しが減ってきます。まさに希望の世代です。

 改悪労働者派遣法により貧困者が増え、安保関連法により貧困者が地球の裏側に送られます。

 防衛策としては、高校生・大学生の親世代(現40歳から60歳)は学費が足りなければ親の名義で、日本政策金融公庫などから教育ローンで調達すべし。無利子でも子ども名義の奨学金はなりません。親名義の教育ローンが組めなければ、進学をあきらめるべきです(きっぱり)。

 そして、1100兆円の政府債務の存在。絶海の孤島であり人口の社会的流出入がない日本で、貧すれば鈍するで、若者を貧困層に突き落とし、地球の裏側に送る法律。このまま、日本銀行の異次元の金融緩和を続ければ、通貨が無価値になり(流動性の罠)、金融資産も負債も国債も無価値になります。そのとき、新18歳の浮かぶ目ができます。そして、それより年上の1億人は、その新18歳に自分のお墓を掃除してもらうにはどうすればいいか考えるべきです。

 国会ウォッチャーも増えてきました。大先輩、西川重則さんの名前は、けさの天声人語に載っています。

 文献としては2つお勧めします。

 「新・国会事典 第3版」浅野一郎・河野久編著・有斐閣発行、3600円プラス消費税

 「国会議員要覧 平成27年8月版」国政情報センター編・発行、2619円プラス消費税

 この2冊があれば、国会ウォッチは事足ります。しめて6717円となりますが、良い物を厳選して傍らに置く。

 「9・30」(きゅーてんさんぜろ)から始めようではありませんか。

 私は日本の将来に楽観しております。前途洋々たり。

このエントリー記事の本文は以上です。

(C)宮崎信行 Nobuyuki Miyazaki 
(http://miyazakinobuyuki.net/)

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