【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

おめでとう伊藤英成さん 旭日重光章 唯一閣僚経験のない政調会長経験者として民主党の礎つくる

2012年05月03日 11時20分52秒 | 人物

[写真]1998年8月11日、第143臨時国会の冒頭で、小渕恵三新首相の所信表明に対する代表質問に登壇した伊藤英成・民主党政調会長、民主党ホームページから。

 2012年4月29日の新聞で、元衆議院安全保障委員長の伊藤英成(いとう・えいせい)さん70歳への旭日重光章(きょくじつじゅうこうしょう)の受章が発表されました。民主党初代政調会長でありながら、歴代政調会長経験者でただ一人閣僚経験がない英成さん。しかし、奇しくも、小選挙区・中選挙区のライバルだった自民党の世襲議員、浦野烋興・元国務大臣(科学技術庁長官)70歳も同時に旭日重光章。いわば、閣僚級の政治家だったと歴史に残ることになりました。正しい時代認識だと思います。5月8日(火)に皇居で伝達式。

 私もかつて新党友愛幹事長時代に日経新聞の番記者としてお仕えした身であり、心から英成さんの叙勲をうれしく思います。おめでとうございます!

 民主党初代政調会長として、「政策新人類民主党」の基盤をつくりました。2003年の第43回衆院選(マニフェスト選挙)で「働く仲間が60歳定年を迎えた」ことから、愛知11区の地盤をトヨタ自動車の後輩社員である古本伸一郎さんにゆずり、政界引退。

 官職は「衆議院安全保障委員長」だけでも、「初代民主党政調会長」は歴史に残る金字塔。伊藤英成会長、岡田克也会長代理、枝野幸男筆頭副会長による初代民主党政調会の政策すりあわせは、現在のマニフェストにも多く受け継がれており、アメリカ合衆国憲法を書いたワシントン・アダムズ・ジェファーソンのトリオのように、英成・岡田・枝野トリオは歴史に名を残すでしょう。

 愛知県の渥美半島・田原市出身で、名古屋大学経済学部からトヨタ自動車に入社。これは、地元では、大蔵省に入るよりももてはやされたことでしょう。

 モーレツ社員の英成さんは、「ニューヨークトヨタ自動車」で課長に。幹部候補生ですが、労使協調のトヨタですから、トヨタ自動車労働組合(全トヨタ労連?)の副委員長(非専従)を5年間やったそうです。それがその後、思わぬ運命につながります。ニューヨーク帰りで、豊田市の本社で課長代理として働いていた英成さん。サラリーマン人生でもイチバン楽しかった時期だそうですが、ある日、人生は暗転(笑)します。

 直属の上司である課長から呼び出しを受けました。課長はいつもと様子が違い、何か浮かぬ顔。

 「先日うちの出身で地元選出の衆院議員が亡くなったのは知っていると思うけど、その後継者の件だけど・・・伊藤君、君に決まったから」。

 腰を抜かしそうになった英成さんはすぐに課長に断ります。でも、課長は「私に言われても困る。これは豊田章一郎社長と労組委員長が話し合って決定したことだから。私は今、君の上司としてではなく、社長と委員長の伝令として君に伝えているんだから」。

 英成さんは社宅に帰ります。ちなみに隣室は、世界のTOYOTAにとって海外進出第1号である米ケンタッキー工場を運営するの法人の社長を務めあげて、本社に帰ったきたライバル。奥さんは「選挙に出るんて反対よ。すぐに断って!」。英成さんも「もちろん断る。ただ、どうやって断ったらいいのか」。

 これは実に難しい話です。伊藤課長代理がいきなり社長室に「豊田章一郎社長と2人で会いたい」「要件は社長は分かると思う」と言っても相手にされないでしょう。そもそも社長と委員長に同時に伝えないといけない性質の話です。伊藤課長代理・組合員が豊田章一郎社長、労組委員長と鼎談する場の設定は容易ではありません。

 そこで、気のおけない同期入社社員に折り入って相談。経緯を説明し、「ついては断りたいんだけど、いったいどういう方法で断ったらいいのだろう?」。ところが同期はキョトン。「お前なあ。豊田社長と委員長が話し合って決めたことなんだろう。ということは、断るという選択肢はないんだよ。選挙に出るか、それとも会社を辞めるか。その2者択一しかないんだよ」と諭します。私が知る限り、トヨタマンはアクセルを踏むか、ブレーキを踏むかの2者択一を迫られると、必ずアクセルを踏みます。政治家の場合はブレーキを踏む決断も大事ですが、トヨタマンのDNAは必ずアクセスを踏みます。トヨタマンである英成さんは当然のことながらアクセルを踏む決断をしました。

 衆議院議員5期生と脂がのった頃、政権交代をめざした新進党が小沢一郎党首の独断で解党してしまいました。新党友愛(現・民社協会)の幹事長となった英成さん。民主党統一大会を前に、獅子奮迅の動きを見せます。まず連合の第3代鷲尾悦也会長・笹森清事務局長を民主党最強応援団に引っ張り込みました。愛知県および民社協会といえば、「春日一幸委員長・塚本幸一委員長」のイメージからも分かる通り、「民公協力」の選挙協力の本家本元で、創価学会の秋谷栄之助会長とも会って協力を要請します。

 そして、自民党最大応援団にも、切り込みます。言うまでもなく「経団連」です。英成さんは、政権交代可能な二大政党政治のために、自民党だけでなく民主党も応援するよう経団連会長に迫ります。経団連会長の名前は、「豊田章一郎」。政治家伊藤英成の産みの親でした。

 「経団連会長にイチバン早く会える政治家は自民党にいないんだよ。この僕なんだよ」「連合会長と創価学会会長と経団連会長に会える日本の政治家はこの僕だけなんだよ」。

 長年、愛知県の尾張地方の企業から中部経済団体連合会(中経連)の会長が出ており、三河地方のトヨタ自動車はなかなか中経連会長になれませんでした。そこで、豊田章一郎さんは名古屋を飛び越えて東京の経団連会長になりました。月曜早朝から情報交換を兼ねたテニスをしているというので、「疲れませんか?」と尋ねたら「全然!」と返されました。ネクスト外相時代には、米国人脈がある前原誠司・ネクスト外務副大臣とともに、ワシントンの国務省を訪れました。しかし、「働く仲間が60歳定年」ということで、2003年の総選挙に出馬せず、引退。最近まで、東証1部上場の1兆円企業「トヨタ車体」の監査役を務めていました。

 ただ、創価学会は小渕恵三首相(自民党総裁)からの呼びかけで自公連立に加わり、今日に至ります。経団連は皮肉なことに、トヨタの後継社長で非豊田家の奥田さんの会長就任後、自民党政権に近くなりました。それを考えると、新進党解党により、日本の政治的資源が大分裂してしまったことが、日本の世論をいびつにしたことが、よく分かります。

 国会での演説やNHK日曜討論などでは、原稿の「突破口」を「とっぱぐち」と読んだり、何を聞かれても「解散総選挙に追い込む」としか答えなかったりとあまり目立つタイプではありませんでした。第1回の民主党政調役員会終了後に、ブリーフィングを求めて、数人の記者と一緒に会議室に入っていくと、「ああそうか!」と驚いた表情がありました。野党第1党(政権準備政党)の政調会長(ネクスト官房長官)として、政調役員会後にいちいち記者から内容の取材を受けるというのは、トヨタでも民社党でも経験がなかったのでしょう。後輩ながら新生党や日本新党で政権交代の修羅場をくぐった、岡田克也会長代理と枝野幸男筆頭副会長は淡々としていたのが記憶に残っています。

 寄り合い所帯の民主党に限らず、選挙で選ばれる国会議員である党役員と、選挙がなく専門知識がある党職員の関係は党を動かしていく上で重要ながらも、難しい面があります。とくに政調事務局はどうにも気むずかしい人が多いのですが、伊藤英成初代会長は、最初の国会演説の後、夕焼けを見ながら、政調職員と一緒に夕焼けの国会議事堂を見ながら事務局に帰っていくうちに、何か一体感を持ったとうれしそうに話していました。まさに労使協調のトヨタマインドが民主党に一本の芯を通したのでしょう。

 トヨタ自動車社員・民社党・新進党・民主党国会議員・民主党政調会長経験者としてもすべて後輩にあたる直嶋正行さんが民主党政権の初代経済産業大臣を経て、現在は党綱領策定委員長。

 初代政調会の会長代理で後輩政調会長の岡田克也さんは外相を経て副総理。同じく初代政調会の筆頭副会長で、「政策新人類」と呼ばれ後輩会長になった枝野幸男さんは官房長官を経て経済産業大臣。ともに与党幹事長も経験しました。その他の会長経験者である、菅直人さん、仙谷由人さん、松本剛明さん、海江田万里さんも閣僚を経験しました。政調会長辞退歴のある野田佳彦さんも閣僚を経て総理になりました。このメンバーが政調会で鍛錬して与党でも仕える人材になったことがよく分かります。与党になった直後に政策調査会が一時的に存在しなかったのは、与党内における権力闘争だったと考えるべきです。その民主党の原動力である政調会の初代会長だけ政務三役経験がないとは皮肉。政権交代ある二大政党政治には時としてこういうことも起きるでしょうが、その礎は、伊藤英成さんであることをしっかり記憶に残しておきたいところです。

 ところで、旭日大授章は、自民党の島村宜伸元農相76歳が授章しました。大学学友であった天皇陛下の親授式に臨みます。叙勲に前後し、島村さんが東京16区からの衆院返り咲きを断念し、政界を引退することが報じられました。東京16区(江戸川区の大部分)の自民党支部長については、東京都連会長を兼ねる石原伸晃党本部幹事長の悩みの種でした。幹事長がお膝元で島村さんの自民党支部長返り咲きや無所属強行出馬を許すと、福岡2区、長崎2区、香川2区などでもベテラン元職が「幹事長が自分の地元もまとめられない」と次々と第46回衆院選に出馬表明する懸念がありました。河村建夫・自民党選対総局長も同様の悩みの種を持っていたと考えられます。一体改革法の今国会成立と、衆参ねじれの解消のための中期的な自民党との大連立路線を描く今の首相官邸から石原さん、河村さんへのアシストという見方もできなくもありません。

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細田博之さん「0増5減しかない」 定数是正 野田さんは「樽床切り」もカードにすべきだ

2012年05月03日 08時44分02秒 | 第46回衆院選(2012年12月)大惨敗

 政権交代選挙時の自民党幹事長であり、グッドルーザーだった細田博之さん(島根1区)が2012年5月3日(木・祝日)憲法記念日の午前7時過ぎにこのようにツイートしました。

 「今日は憲法記念日です。昨年3月に衆議院の小選挙区人口較差につき違憲判決が出て一年以上経つのに法律改正出来ないのは国会の怠慢です。私の0増5減案しか現実的な案はありません。早く新区割を決めてその後比例定数の削減を合意すべきです

 まったくその通りです。ちなみに、定数是正と選挙制度改革についての各党協議会では、「0増5減」は「細田案」と呼ばれました。現時点ではすでに議論の遡上にはありませんが、6増6減は石井案、5増9減は平岡案と呼ばれました。石井案は石井一元自治相の案。これには味噌があり、6増6減を仮に7増7減にすると、岩手県が1減になるという計算。言葉の問題ですが「岩手4区廃止」という意味合いにもなり、ピンさんが小沢一郎さんを牽制しながら恩を売るという政治的意味合いもありました。5増9減は、平岡秀夫さんが総務副大臣のときに、衆院議員として出した案です。 

 関連エントリー)“樽床違法状態”に突入

 例年5月3日付けの新聞は憲法特集になります。連休がネタ枯れという背景もあります。あまり好きではありません。私は学生時代(1992年~1997年)は、憲法改正(自主憲法制定)という持論を述べるだけで、「好戦論者」と決めつけられた苦い経験もあります。しかし、今思えば、私は正しかったし、周りは遅すぎた。

 朝日新聞は、一面トップで「一票の格差 違憲状態のままなら 総選挙反対53% 本社世論調査」で見出しを取り、ワキに論説主幹が「投票ボイコットさせる気か」と寄せました。私には、「樽床辞めろ!」という見出しに見えてきます。昨年3月の平成22年(行ツ)129 選挙無効請求事件 平成23年3月23日(水) 集民 第236号249頁によると、内閣府衆議院選挙区画定審議会設置法の第3条(とくに第2項)に定めた「47都道府県に1議席ずつを基礎配分する1人別枠方式をとった上で、300小選挙区を1票の格差2割以内にする」という条文そのものが憲法違反(第14条、特に第1項の法の下の平等)だと断定して言います。これは第44回総選挙の判決文にはなく、踏み込んだ判決です。私は衆議院解散は日本国憲法第7条天皇の国事行為なので、いかなる場合でも、「統治行為論」により違憲にはならないと考えます。しかし、選挙が全体ないしは選挙区ごとに無効になる可能性があると考えています。

 日経新聞28面では東大教授という素晴らしくも肩が凝りそうな肩書きを持つ長谷部恭男さんが「訴訟が提起された選挙区ごとの選挙を無効にするかどうか。これまでは事情判決の法理を用いて無効にしなかった。今回は同じ判断をすると決めてかからない方がよい」と警告しています。

 最高裁判決の原告(あくまでも裁判上は敗訴)は、山口邦明さん、森徹さん、三竿径彦さんが原告およびその代理人弁護士、それと野々山哲郎さんが原告として名を連ねています。全員弁護士でしょう。そして、第45回衆院選における、東京2区、東京5区、東京6区、東京8区、東京9区、東京11区、東京12区、東京18区の開票結果を無効とするように求めています。ここで、上に書いた長谷部教授らコメントを求められる司法・学識経験者がおそらく念頭においていないことを書きます。第46回衆院選では、これらの選挙区の当選人は、あくまでも仮定として例えば、菅直人さん、石原伸晃さん、太田昭宏さんらになる可能性があります。その時点で、民自公の党首経験者である可能性ああります。さらにあくまでも仮定として、第一党の党首が当選無効の判断を待たなければいけないことになるかもしれません。石原さんのことです。政治的に、首班指名選挙をする衆参本会議の設定が難航します。公明党では、太田さんが返り咲いたのに、当選無効に関する審査になると、支持者内で動揺が広がるでしょう。中には「第45期衆議院の与党による差し金だ」という人もいるでしょうが、「いや、冷静に司法判断を待つべきだ。そもそも太田さんは現党首ではない」などと創価学会内でも意見が割れる。要するに、ぐちゃぐちゃになるということです。定数是正問題は憲政のかすり傷ですが、ばい菌が入って全身に毒が回りかねません。

 この問題に関しては、定数是正と選挙制度の抜本改革を同時に審議する各党協議会の自民党代表者・細田博之さんの意見に、私は全面的に同意しています。公明党の東順治さんの「抜本改革を同時にすべきだ」という駆け引きもいい加減に旗を降ろさないと、北九州出身の東さんは「国会の工藤会」と呼ばれてしまうでしょう。そして、何よりも、自分の落選を危惧して解散を先延ばししているとされる大阪12区(寝屋川市、大東市、四条畷市の3自治体)選出の樽床伸二さん。彼は現時点で政治家失格。彼の第46回衆院選の新区割りでの落選は当然としても、後半国会での一体改革関連法案の審議での衆参・与野党・党内外を問わず、野田総理(民主党代表)の求心力が下がることを危惧します。野田佳彦さんは樽床さんを解任すべし。

 ところで、衆参に設置されている倫選特の幹部は、村松岐夫会長ら7人からなる内閣府区割り審は2010年国勢調査と0増5減にもとづく新区割りをすぐに発表できるよう準備しているのではないかとの見通しをもっています。区割り審設置法第3条の削除と公職選挙法の0増5減修正の2法案を衆参で可決・成立させたら、そこから2ヶ月間で解散可能になるのではないかとの展望をもっているようです。ただ、そうだとしても、連休明けすぐに法改正しても、一体改革関連法案の衆院採決時には間に合わない可能性あるでしょう。やむを得ず、野田さんは「樽床切り捨て」をカードとしてちらつかせる時期が近づいています。私は野田さんの背中を押します。私は自宅で朝ご飯と新聞さえ摂れれば、一日中、国益の方を向いています。藤井裕久さんや、自民党の細田さんも賛同するでしょう。また公明党幹部も黙認するでしょう。

 第45回衆院選(2009年8月30日)の各党の幹事長は、細田博之さん、岡田克也さん、江田憲司さんと、バブル期に通商産業省(経済産業省に改称)に務めていた経験者が3人もいました。やはり、お金に対して適切な距離感をとれる人物が多いのかなあと感じます。通産官僚というのは、22歳にして大企業の社長から深々と頭を下げられるそうです。さらに特許、外交、防衛などに関連する仕事もできる。そして何より比較的帰宅が早い。そのため国士が生まれやすいとされ、大分県知事だった平松守彦さんの「一村一品運動」はタイの国策にも取り入れられ、その後、自治省出身者をしのぐ勢いで経産省出身知事(元地区の経産局長が中心)が続出したこともあります。

 選挙博士の異名を持ち、現在も自民党政治制度改革実行本部長である細田さんの提案。定数削減は第47回衆院選に持ち越すべき。まずは0増5減です。憲政のかすり傷を放置していると、化膿して、体全体が壊死するかもしれません。樽床問題をもっと深刻に考えるべきです。

 戦中生まれの細田さんのつぶやきは、ことし7つ目。現在細田さんのTwitterをフォローしている人は、450人ほど。官房長官として仕えた首相の福田康夫さんの群馬4区の対抗馬で1期生の三宅雪子さんの50分の1。その細田さんの憲法記念日早朝のつぶやき。細田さんは衆議院本会議場の演壇の演説するとき、やたらテンションが高くて意外性を持たれることがあります。私は大演説以上に、細田さんのつぶやきを重く受け止めたい。

 なお、0増5減は、山梨、福井、徳島、高知、佐賀の各県で定数が1つずつ減ります。偶然の一致ですが、5県とも全2区になります。このうち、山梨、徳島は民主党が強く、福井、高知は自民党が強い。佐賀は博多よりの佐賀市などでは民主党が堅調ながら、唐津・東松浦半島では逆に民主党が候補者擁立すら出来ない状態が続いており、民主党と自民党が痛み分けの良い案です。これにより、300のうち47を占める「基礎配分・1人別枠」は廃止され、300を1票の価値2倍以内で、2010年国政調査(平成の大合併による自治体再編含む)に基づき、区割りを変更します。

 「定数是正」と「定数削減」はまったく別の話です。あろうことか、政治家、新聞記者、オピニオン・リーダー層にも「定数是正」と「定数削減」を混同している人がいる現状は極めて遺憾です。例えば、「TPPに賛成か反対か」という議論よりも区割りの問題は100%優先すべき議論です。なぜなら、国論を決めるルール作りにおける議論ができない人に、国際社会におけるルール作りに関する議論を組み立てられるわけがありません。ワールドカップで「ルールが分からなかった」と敗因を語れば、その選手は成田空港で水をぶっかけられるでしょう。それとまったく同じことで、もっと真剣に取り組むべきです。私は定数80削減にはまったく反対で、歳費の恒久2割削減をすべき、との公明党代表の山口那津男さんの意見に賛同しています。

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