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ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。

安保法案でさしかえ委員も悔いを残さないように議論 大詰めにさしかかる きょうの国会

2015年09月09日 18時31分21秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

【平成27年2015年9月9日(水)法律公布】

 改正マイナンバー法および改正個人情報保護法(平成27年9月9日法律65号)が公布されました。2年以内の政令で定める日に施行。

【同日 参議院本会議】

 「公認心理師法」(189衆法38号)が投票総数236、賛成236、反対0の全会一致で可決しました。

 「労働者派遣法改悪法案」(189閣法43号)が投票総数236、賛成143、反対93で、修正可決し、衆議院に回付されました。

 「同一労働同一賃金推進法」(189衆法22号)は、投票総数236、賛成160、反対75の賛成多数で可決し、成立しました。

【同日 参・議院運営委員会】

 民主党と維新の党が共同提出した「領域警備法案」の平和安全特別委への付託が多数決で決まりました。

 このほか、本会議の手はずなどを確認しました。

【同日 参・わが国および国際社会の平和安全法制に関する特別委員会】

 「2015年日米防衛協力ガイドラインの国内実施の安保2法案」(189閣法72号、189閣法73号)と、維新の党の対案合計7法案(189参法16~20号、23・24号)が議題になりました。

 民主党の藤末健三さんがこの委員会では初登場。「まず私の立場を申し上げます」と切り出し、自身の憲法、安全保障観を説明。戦後最大の法案とされる安保法案の審査で悔いを残さないようにしている姿を垣間見ました。

このエントリー記事の本文は以上です。
(C)宮崎信行 Nobuyuki Miyazaki 
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労働者派遣法改悪法案が参議院で修正可決、衆へ回付、成立へ

2015年09月09日 10時51分02秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

[画像]参議院本会議、2015年9月9日、参議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

 労働者派遣法改悪法案(189閣法43号)が平成27年2015年9月9日(水)の参議院本会議で採決され、修正可決しました。

 投票総数236、賛成143、反対93の賛成多数で「修正議決」。衆議院に回付され、次の衆・本会議で成立します。9月30日施行。

 討論では民主党の石橋通宏さんが「2012年改正は自民党と公明党も賛成し、法律の運用が始まったばかりだ」とし派遣元会社の都合で、将来不安が高まるとしました。 

 修正が入ったので、衆に回付され、次の衆・本会議で回付案の同意をはかり、認められ、成立するはこび。

 維新の党対案の「同一労働同一賃金推進法案」(189衆法22号)は民共の反対、自公維の賛成多数で可決し、成立しました。

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公認心理師法が成立

2015年09月09日 10時05分12秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

[画像]公認心理師法の採決の結果を表示する参議院本会議場、2015年9月9日、参議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

 参議院は平成27年2015年9月9日(水)、本会議を開き、「公認心理師法」(189衆法38号)について、水落敏栄文教科学委員長から審査報告を聞きました。

 この後、採決。

 押しボタン式投票で、

 投票総数236、賛成236、反対0

 の全会一致でで可決し、午前10時3分ごろ、成立しました。

 来週、公布され、2年以内に、政令で施行日を定めることになります。

 公布日は、来週火曜日か金曜日になると思われます。

 法律番号は平成27年法律68号が付番される可能性が高いですが、ご確認いただきたいと思います。

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これで3人目、元内閣法制局長官「7月1日の閣議決定は無効であり安保法案は認められない」 きょうの国会

2015年09月08日 17時26分06秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

【平成27年2015年9月8日(火)参議院わが国および国際社会の平和安全法制に関する特別委員会】

 引き続き、「2015日米防衛ガイドライン国内実施2法案」(189閣法72~73号)と「維新の党対案」(189参法16~20号)が議題になりました。

 参考人質疑。

 元内閣法制局長官の大森政輔さんが登場しました。

 大森さんは日本国憲法第9条について「個別的自衛権と集団的自衛権は本質的な差異がある」とし、「両者は別次元であり、憲法9条により集団的自衛権は認められない」としました。

 きょねん、2014年7月1日の閣議決定(国の存立を全うし、国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備について)については、

 「本件閣議決定は、内閣が閣議決定できる範囲を超えており、無効である。これにもとづく自衛隊法(などの)改正は認められない」と断言しました。

 衆議院の参考人質疑での、阪田雅裕さん、宮崎礼壱さんについで、元長官の「違憲」発言はこれで合計3人目。

 大森さんは与党協議会(高村座長、北側座長代理)のとりまとめ文書に言及し、「おそれ(虞)という言葉を使っているが、法的に不確実性があることでば、主観的判断によって大きな差異が生じる」として、その時の為政者の判断に左右される法的安定性のない言葉だとしました。

 大森さんは「砂川判決が集団的自衛権を認めているとする論は、法律の基本的理論からして、まったく暴論です。ここでいうボウロンは、傍論ではなく暴論です」と批判しました。

 そのうえで、「集団的自衛権の行使が国策として必要なのならば、憲法改正手続きに乗せるべきだ」としました。

 大森さんは民主党の広田一さんの質疑で、現在の内閣法制局について、

 「私が長く在職した職場であり、旧友がいるので言いにくいのだが、数日前の朝日新聞で元最高裁判所長官(山口繁さん)まで厳しい意見を言っていて、私だけでないのだと感じた。本来ならば顔を上げて、(元内閣法制局長官として)最高裁長官の姿を見られない内心を持っている。我々先輩としてどうしたらいいのか考えるが、最後はその任にある者(横畠裕介・現内閣法制局長官)が責任をもって、脱却するしかないのだと思う。(ここにいる国会議員も)陰ながら応援してやってください」と語りました。

 参考人質疑の後、維新の党対案の「PKO協力法改正案」(189参法23号)と「船舶検査法改正案」(189参法24号)が小野次郎さんから趣旨説明されました。

これで維新対案は合計7法案(参法16~20号、23・24号)となりました。

 中央公聴会を15日(火)午後1時から開くことを多数決で決め、散会しました。

【同日 厚生労働委員会】

別エントリーに書きましたが、「労働者派遣法改悪法案」(189閣法43号)が修正可決しました。

 この日は2時間コースで各会派が一巡。野党議員は「きょうの朝の理事会で与党から採決に関する提案そのものがなかった」と語りました。

 ところが、最後の福島みずほさんの質問が終了したとたんに、自民党の羽生田俊理事がなんらかの動議を提出。野党が抗議し、委員長が休憩を宣言しました。このときの顛末については、もう一つ別のエントリーに書いてあります。

 そして、午後3時28分に再開。動議は採決されていないと思いますが、丸川珠代委員長はここで「質疑の終局」を宣言。ただちに自公の修正案として「9月30日施行」へ修正しました。

 採決の結果、民維共社の反対、自公の賛成多数で修正可決しました。

【同日 参議院文教科学委員会】

 まず一般質疑がありました。民主党からは斎藤嘉隆さん、神本美恵子副代表が質疑に立ち、「会期末の日教組」の勢いが出てきたようです。

 この後、別エントリーにも書きましたが、「公認心理師法案」(189衆法38号)が福井照・衆議院文部科学委員長から趣旨説明。共産党の田村智子さんが質疑した後、採決され、共も含む全会一致で可決しました。

【同日 参議院外交防衛委員会】

 岸田外相が条約5件、「189条約8~12号」を趣旨説明し、散会しました。

 条約5件は、日本とカザフスタン、ウクライナ、ウルグアイ各国との投資協定、カタールとの租税協定、ルクセンブルクとの社会保障協定の合計5条約です。

【同日 参議院内閣委員会】

 「PFI法改正案」(189閣法55号)が担当大臣の甘利明さんから趣旨説明され、きょうは散会しました。

【同日 参議院農林水産委員会】

 まず一般質疑。この後、「6独法を2独法に統合する、農林水産省設置法など改正案」(189閣法32号)が趣旨説明され、散会しました。

【同日 参議院国土交通委員会】

 一般質疑だけなされました。

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野党力尽きる 労働者派遣法改悪法案「9月30日施行」に修正し可決 週内に成立へ 参議院厚生労働委員会

2015年09月08日 16時34分31秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

(午後12時過ぎに投稿した「【速報】労働者派遣法改悪法案、自民党強行採決を意図か、羽生田俊議員が動議提出も、途中阻止、休憩に」を改題して、情報を加えて再投稿します)

 労働者派遣法改悪法案(189閣法43号)が、2度の廃案、参に回ってから81日間の激闘の末、野党が力尽き、可決しました。9月30日施行へ。

 ◇

 当初2時間コースで質疑。

 福島みずほさんの質疑時間終了とともに、自民党の羽生田俊(はにゅうだ・たかし)さんが何らかの動議を提出しようとしたところ、野党理事らが事前の理事会合意がない行為だとして、阻止し、休憩に入りました。

 羽生田議員は質疑の打ち切り動議を出そうとしたものとみられます。


[画像]議題にない、何らかの動議を、突如提出し始めた羽生田俊・自民党議員を阻止する、民主党の石橋通宏さん(左)、牧山弘恵さん(右)ら、2015年9月8日(火)午後12時7分ごろ、参議院インターネット審議中継からスクリーンショット。 

 ただし、政府原案は「9月1日施行」となっており、すでにその期間を過ぎていることから、与党による修正が必須となっており、修正案に関する動議だったのかもしれません。

 理事会には、民主党の津田弥太郎理事、維新の党の川田龍平理事、共産党の小池晃理事(党本部政策責任者)、社民党の福島みずほ理事らが、与党・自民党の福岡高麿理事、公明党の長沢広明理事(参国対委員長兼務)が、丸川珠代委員長(自民党)をまじえて協議することになります。

 質疑での、川田さん、福島さんらの発言によると、自民党は同日朝の理事会では、採決に関する提案そのものをしていないとのことです。 

 仮に自民党が強行採決を図ろうとした場合、その途中で阻止され、休憩し、理事会に入るパターンは異例。

【追記 2015年9月8日午後4時】

 午後3時28分に再開しました。

 動議は採決されなかったと思いますが、丸川珠代委員長が自ら「質疑は終局しました」と宣言しました。

 自民党の大沼みずほさんが自公の修正案を提出。

 施行日を「9月1日」から「9月30日」に修正。さらに、違法派遣による見なし雇用(労働契約見なし規定)の対象者になっているかどうかを本人に開示するとともに、派遣先は過半数労働組合に説明し、派遣元事業者は派遣先事業者に対して説明するといった、運用上の念押しにすぎない内容です。

 この後、討論。

 民主党は白真勲さんが反対し、「厚生労働省は業者の意見を受け入れて法改正することで魂を捨てた」としました。

 維新の党の川田さんは「理事会で提案がなかった」と採決に抗議し、反対しました。同党対案である「同一労働同一賃金推進法案」(189衆法22号)については「衆院での修正は不十分だが、均等の文字が入ったことは評価できる」と賛成しました。

 共産党の小池さんは採決そのものに反対し、「この法案は常用代替(派遣社員を事実上正社員の仕事をさせ続けられる、いわゆる正社員ゼロ)であり、修正案も1時間前に示されたもので、理不尽で、これほど企業側にべったりした法案は見たことがない。どこをとっても矛盾欠陥ばかりだ」と主張しました。

 社民党の福島みずほさんも「修正案は1時間前に提示されたものだし、先週与党理事から説明があったものより後退している」「この法案は将来必ず禍根を生む」としました。

 午後3時55分、採決。修正案、政府原案とも、民・維・共・社・行田邦子委員・薬師寺みちよ委員の反対、自公の賛成多数で修正可決しました。

 おそらくあす9日の本会議で可決し、衆に回付され、10日ないし11日の本会議で成立するはこび。9月30日(水)施行。

 津田弥太郎さんは附帯決議案で、朗読に25分間ほどかけるすさまじい項目数の附帯決議をつけ、最後まで気を吐きました。附帯決議は50項目だったそうです。

 この後、「同一労働同一賃金推進法案」(189衆法22号)は、民共社反対、自公維賛成多数で可決しました。

 牧山弘恵さんが附帯決議案を朗読しました。牧山さんも7分くらいかけました。

 ◇

 専門26業務派遣労働者が、派遣先で、「お茶くみ」などの違法な扱いを受けていた場合は、10月1日にみなし雇用(みなし労働契約)され、正社員に転換することを義務付けていた、2012年改正を無力化するのがねらい。2012年改正は当時野党の自公も賛成していました。

 短期的には10・1みなし雇用プログラムの無力化ですが、中期的には正社員ゼロ法案と言えます。

 派遣労働者をかえれば、会社内の特定の職を2年でどんどんかえることがなり、正社員を派遣労働者におきかえる、常用代替が可能になります。

 3度目の提出となったこの法案は5月12日(火)に衆議院本会議で審議入り。6月19日(金)に衆委員会で可決し、緊急上程され、本会議で可決。参では7月8日(水)に審議が始まりましたが、「漏れた年金」集中審議を続けるなど、民主党、維新の党、共産党、社民党などの必至の抵抗で、「9月1日施行」を過ぎるところまで、健闘しました。

 しかし、数の力のもと、野党は力尽きました。

 筆者も2年1か月前のエントリー記事からいっかんして反対し続けてきましたので無念です。

このエントリー記事の本文は以上です。

(C)宮崎信行 Nobuyuki Miyazaki 
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涙する派遣社員を自民党議員が「早く追い出せ!」「騒ぐな!」 労働者派遣法改悪法案の傍聴席【再追記有】

2015年09月08日 14時35分52秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

[画像]2015年9月8日の参議院厚生労働委員会、参議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

 さきほどの労働者派遣法改悪法案の強行採決「未遂」の際、傍聴席で涙する派遣労働者を見た複数の自民党議員が「早く追い出せ!」「騒ぐな!」と発言していたことが分かりました。

 民主党の牧山弘恵さん=上の画像の右側=がSNSで証言しました。

 参議院議長が定める「参議院傍聴規則」では、拍手をしたり、野次を飛ばしたり、食べ物を食べたり、プラカードを掲げたりする行為は禁じられていますが、傍聴席で涙することは禁じられていません。 

【追記 同年同月9日午後9時半】

 涙した派遣社員の傍聴者の方が、民主党議員に寄せた証言が明らかになりました。

 Wさんは「周囲の多くの傍聴者が私を守ってくれました。そして衛視さんも私を追い出そうとはしませんでした」としました。

 Wさんは「自民党議員が私を追い出せと言ったのは知らなかった」としました。

【追記おわり】

 午後4時前に法案は可決しました。週内に成立し、9月30日施行。

 きょう一日の参議院厚生労働委員会の審議は別のエントリーにまとめました=この下に全文掲載します。

[当ブログ内エントリーから全文引用はじめ]

野党力尽きる 労働者派遣法改悪法案「9月30日施行」に修正し可決 週内に成立へ 参議院厚生労働委員会

2015年09月08日 16時34分31秒 | 第189回通常国会2015年1月

(午後12時過ぎに投稿した「【速報】労働者派遣法改悪法案、自民党強行採決を意図か、羽生田俊議員が動議提出も、途中阻止、休憩に」を改題して、情報を加えて再投稿します)

 労働者派遣法改悪法案(189閣法43号)が、2度の廃案、参に回ってから81日間の激闘の末、野党が力尽き、可決しました。9月30日施行へ。

 ◇

 当初2時間コースで質疑。

 福島みずほさんの質疑時間終了とともに、自民党の羽生田俊(はにゅうだ・たかし)さんが何らかの動議を提出しようとしたところ、野党理事らが事前の理事会合意がない行為だとして、阻止し、休憩に入りました。

 羽生田議員は質疑の打ち切り動議を出そうとしたものとみられます。


[画像]議題にない、何らかの動議を、突如提出し始めた羽生田俊・自民党議員を阻止する、民主党の石橋通宏さん(左)、牧山弘恵さん(右)ら、2015年9月8日(火)午後12時7分ごろ、参議院インターネット審議中継からスクリーンショット。 

 ただし、政府原案は「9月1日施行」となっており、すでにその期間を過ぎていることから、与党による修正が必須となっており、修正案に関する動議だったのかもしれません。

 理事会には、民主党の津田弥太郎理事、維新の党の川田龍平理事、共産党の小池晃理事(党本部政策責任者)、社民党の福島みずほ理事らが、与党・自民党の福岡高麿理事、公明党の長沢広明理事(参国対委員長兼務)が、丸川珠代委員長(自民党)をまじえて協議することになります。

 質疑での、川田さん、福島さんらの発言によると、自民党は同日朝の理事会では、採決に関する提案そのものをしていないとのことです。 

 仮に自民党が強行採決を図ろうとした場合、その途中で阻止され、休憩し、理事会に入るパターンは異例。

【追記 2015年9月8日午後4時】

 午後3時28分に再開しました。

 動議は採決されなかったと思いますが、丸川珠代委員長が自ら「質疑は終局しました」と宣言しました。

 自民党の大沼みずほ(大沼瑞穂)さんが自公の修正案を提出。

 施行日を「9月1日」から「9月30日」に修正。さらに、違法派遣による見なし雇用(労働契約見なし規定)の対象者になっているかどうかを本人に開示するとともに、派遣先は過半数労働組合に説明し、派遣元事業者は派遣先事業者に対して説明するといった、運用上の念押しにすぎない内容です。

 この後、討論。

 民主党は白真勲さんが反対し、「厚生労働省は業者の意見を受け入れて法改正することで魂を捨てた」としました。

 維新の党の川田さんは「理事会で提案がなかった」と採決に抗議し、反対しました。同党対案である「同一労働同一賃金推進法案」(189衆法22号)については「衆院での修正は不十分だが、均等の文字が入ったことは評価できる」と賛成しました。

 共産党の小池さんは採決そのものに反対し、「この法案は常用代替(派遣社員を事実上正社員の仕事をさせ続けられる、いわゆる正社員ゼロ)であり、修正案も1時間前に示されたもので、理不尽で、これほど企業側にべったりした法案は見たことがない。どこをとっても矛盾欠陥ばかりだ」と主張しました。

 社民党の福島みずほさんも「修正案は1時間前に提示されたものだし、先週与党理事から説明があったものより後退している」「この法案は将来必ず禍根を生む」としました。

 午後3時55分、採決。修正案、政府原案とも、民・維・共・社・行田邦子委員・薬師寺みちよ委員の反対、自公の賛成多数で修正可決しました。

 おそらくあす9日の本会議で可決し、衆に回付され、10日ないし11日の本会議で成立するはこび。9月30日(水)施行。

 民主党の津田弥太郎さんは附帯決議案で、朗読に25分間ほどかけるすさまじい項目数の附帯決議をつけ、最後まで気を吐きました。附帯決議は50項目だったそうです。

 この後、「同一労働同一賃金推進法案」(189衆法22号)は、民共社反対、自公維賛成多数で可決しました。

 牧山弘恵(牧山ひろえ)さんが附帯決議案を朗読しました。牧山さんも7分くらいかけました。

 ◇

 専門26業務派遣労働者が、派遣先で、「お茶くみ」などの違法な扱いを受けていた場合は、10月1日にみなし雇用(みなし労働契約)され、正社員に転換することを義務付けていた、2012年改正を無力化するのがねらい。2012年改正は当時野党の自公も賛成していました。

 短期的には10・1みなし雇用プログラムの無力化ですが、中期的には正社員ゼロ法案と言えます。

 派遣労働者をかえれば、会社内の特定の職を2年でどんどんかえることがなり、正社員を派遣労働者におきかえる、常用代替が可能になります。

 3度目の提出となったこの法案は5月12日(火)に衆議院本会議で審議入り。6月19日(金)に衆委員会で可決し、緊急上程され、本会議で可決。参では7月8日(水)に審議が始まりましたが、「漏れた年金」集中審議を続けるなど、民主党、維新の党、共産党、社民党などの必至の抵抗で、「9月1日施行」を過ぎるところまで、健闘しました。

 しかし、数の力のもと、野党は力尽きました。

 筆者も2年1か月前のエントリー記事からいっかんして反対し続けてきましたので無念です。

【再追記 2017年4月17日】

 以下の記事を書きました。

[法律の執行状況]改悪労働者派遣法施行1年半で平均月給2200円減る、製造業ですら1400円減、主犯は「パソナ」ではなく「経団連」だったか?

【再追記おわり】

このエントリー記事の本文は以上です。

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[当ブログ内エントリーから全文引用おわり] 

このエントリーの本文記事は以上です。 

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公認心理師法案、参議院文教科学委員会でも可決、あす9日成立へ

2015年09月08日 12時07分56秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

[画像]公認心理師法案を挙手による採決で全会一致で可決した、参議院文教科学委員会、2015年9月8日午後12時2分ごろ、参議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

 参議院文教科学委員会(水落敏栄委員長)は平成27年2015年9月8日(火)、午後12時2分ごろ、

 「公認心理師法案」(189衆法38号)を全会一致で可決しました。

 あす平成27年2015年9月9日(水)午前10時から開かれる見通しの、参議院本会議(山崎正昭議長)で採決され、可決し、成立する見通し。

 来週の9月15日(火)、18日(金)ごろに、天皇陛下が公布し、官報に全文が告示される見通し。

 それから2年以内の政令で定める日に施行するため、平成29年2017年春ごろに施行するとみられます。

  きょうの審議では、まず、午前11時50分ごろ、衆議院の福井照・文部科学委員長が参議院に来て趣旨説明しました。

  質疑は希望制で、日本共産党の田村智子文教科学委員が、山下貴司衆議院議員らに「相談者がスクールカウンセラーに精神科受診の有無を言いたくない場合があるが、公認心理師ではどうなる」と問うと、山下さんは「法案の42条のことだが、公認心理師が要支援者に対して主治医の有無を聞くことまで求める法案ではない」と答弁しました。

 田村さんの「スクールカウンセラーの労働時間と社会保険加入状況について地域によってかなりの格差がある」との問いに対しては、文部科学省で義務教育を担当する初等中等局長が答弁しました。田村さんが「スクールカウンセラーに学校に行かなくてもいいと言える権限はあるか」と問うと、下村博文文部科学大臣は「この時期は自殺も多い時期なので、無理をしなくてもいいんだよと言えるようにしたい」と答弁しました。
 
  質疑は共産党のみで、同党も含めて、全会一致でした。斎藤嘉隆さんの朗読による、附帯決議が採択されました。

 [法案全文を衆議院ウェブサイトから全文引用はじめ]

   公認心理師法案
目次
 第一章 総則(第一条―第三条)
 第二章 試験(第四条―第二十七条)
 第三章 登録(第二十八条―第三十九条)
 第四章 義務等(第四十条―第四十五条)
 第五章 罰則(第四十六条―第五十条)
 附則
   第一章 総則
 (目的)
第一条 この法律は、公認心理師の資格を定めて、その業務の適正を図り、もって国民の心の健康の保持増進に寄与することを目的とする。
 (定義)
第二条 この法律において「公認心理師」とは、第二十八条の登録を受け、公認心理師の名称を用いて、保健医療、福祉、教育その他の分野において、心理学に関する専門的知識及び技術をもって、次に掲げる行為を行うことを業とする者をいう。
 一 心理に関する支援を要する者の心理状態を観察し、その結果を分析すること。
 二 心理に関する支援を要する者に対し、その心理に関する相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うこと。
 三 心理に関する支援を要する者の関係者に対し、その相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うこと。
 四 心の健康に関する知識の普及を図るための教育及び情報の提供を行うこと。
 (欠格事由)
第三条 次の各号のいずれかに該当する者は、公認心理師となることができない。
 一 成年被後見人又は被保佐人
 二 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して二年を経過しない者
 三 この法律の規定その他保健医療、福祉又は教育に関する法律の規定であって政令で定めるものにより、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して二年を経過しない者
 四 第三十二条第一項第二号又は第二項の規定により登録を取り消され、その取消しの日から起算して二年を経過しない者
   第二章 試験
 (資格)
第四条 公認心理師試験(以下「試験」という。)に合格した者は、公認心理師となる資格を有する。
 (試験)
第五条 試験は、公認心理師として必要な知識及び技能について行う。
 (試験の実施)
第六条 試験は、毎年一回以上、文部科学大臣及び厚生労働大臣が行う。
 (受験資格)
第七条 試験は、次の各号のいずれかに該当する者でなければ、受けることができない。
 一 学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)に基づく大学(短期大学を除く。以下同じ。)において心理学その他の公認心理師となるために必要な科目として文部科学省令・厚生労働省令で定めるものを修めて卒業し、かつ、同法に基づく大学院において心理学その他の公認心理師となるために必要な科目として文部科学省令・厚生労働省令で定めるものを修めてその課程を修了した者その他その者に準ずるものとして文部科学省令・厚生労働省令で定める者
 二 学校教育法に基づく大学において心理学その他の公認心理師となるために必要な科目として文部科学省令・厚生労働省令で定めるものを修めて卒業した者その他その者に準ずるものとして文部科学省令・厚生労働省令で定める者であって、文部科学省令・厚生労働省令で定める施設において文部科学省令・厚生労働省令で定める期間以上第二条第一号から第三号までに掲げる行為の業務に従事したもの
 三 文部科学大臣及び厚生労働大臣が前二号に掲げる者と同等以上の知識及び技能を有すると認定した者
 (試験の無効等)
第八条 文部科学大臣及び厚生労働大臣は、試験に関して不正の行為があった場合には、その不正行為に関係のある者に対しては、その受験を停止させ、又はその試験を無効とすることができる。
2 文部科学大臣及び厚生労働大臣は、前項の規定による処分を受けた者に対し、期間を定めて試験を受けることができないものとすることができる。
 (受験手数料)
第九条 試験を受けようとする者は、実費を勘案して政令で定める額の受験手数料を国に納付しなければならない。
2 前項の受験手数料は、これを納付した者が試験を受けない場合においても、返還しない。
 (指定試験機関の指定)
第十条 文部科学大臣及び厚生労働大臣は、文部科学省令・厚生労働省令で定めるところにより、その指定する者(以下「指定試験機関」という。)に、試験の実施に関する事務(以下「試験事務」という。)を行わせることができる。
2 指定試験機関の指定は、文部科学省令・厚生労働省令で定めるところにより、試験事務を行おうとする者の申請により行う。
3 文部科学大臣及び厚生労働大臣は、前項の申請が次の要件を満たしていると認めるときでなければ、指定試験機関の指定をしてはならない。
 一 職員、設備、試験事務の実施の方法その他の事項についての試験事務の実施に関する計画が、試験事務の適正かつ確実な実施のために適切なものであること。
 二 前号の試験事務の実施に関する計画の適正かつ確実な実施に必要な経理的及び技術的な基礎を有するものであること。
4 文部科学大臣及び厚生労働大臣は、第二項の申請が次のいずれかに該当するときは、指定試験機関の指定をしてはならない。
 一 申請者が、一般社団法人又は一般財団法人以外の者であること。
 二 申請者がその行う試験事務以外の業務により試験事務を公正に実施することができないおそれがあること。
 三 申請者が、第二十二条の規定により指定を取り消され、その取消しの日から起算して二年を経過しない者であること。
 四 申請者の役員のうちに、次のいずれかに該当する者があること。
  イ この法律に違反して、刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して二年を経過しない者
  ロ 次条第二項の規定による命令により解任され、その解任の日から起算して二年を経過しない者
 (指定試験機関の役員の選任及び解任)
第十一条 指定試験機関の役員の選任及び解任は、文部科学大臣及び厚生労働大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
2 文部科学大臣及び厚生労働大臣は、指定試験機関の役員が、この法律(この法律に基づく命令又は処分を含む。)若しくは第十三条第一項に規定する試験事務規程に違反する行為をしたとき又は試験事務に関し著しく不適当な行為をしたときは、指定試験機関に対し、当該役員の解任を命ずることができる。
 (事業計画の認可等)
第十二条 指定試験機関は、毎事業年度、事業計画及び収支予算を作成し、当該事業年度の開始前に(指定を受けた日の属する事業年度にあっては、その指定を受けた後遅滞なく)、文部科学大臣及び厚生労働大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 指定試験機関は、毎事業年度の経過後三月以内に、その事業年度の事業報告書及び収支決算書を作成し、文部科学大臣及び厚生労働大臣に提出しなければならない。
 (試験事務規程)
第十三条 指定試験機関は、試験事務の開始前に、試験事務の実施に関する規程(以下この章において「試験事務規程」という。)を定め、文部科学大臣及び厚生労働大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 試験事務規程で定めるべき事項は、文部科学省令・厚生労働省令で定める。
3 文部科学大臣及び厚生労働大臣は、第一項の認可をした試験事務規程が試験事務の適正かつ確実な実施上不適当となったと認めるときは、指定試験機関に対し、これを変更すべきことを命ずることができる。
 (公認心理師試験委員)
第十四条 指定試験機関は、試験事務を行う場合において、公認心理師として必要な知識及び技能を有するかどうかの判定に関する事務については、公認心理師試験委員(以下この章において「試験委員」という。)に行わせなければならない。
2 指定試験機関は、試験委員を選任しようとするときは、文部科学省令・厚生労働省令で定める要件を備える者のうちから選任しなければならない。
3 指定試験機関は、試験委員を選任したときは、文部科学省令・厚生労働省令で定めるところにより、文部科学大臣及び厚生労働大臣にその旨を届け出なければならない。試験委員に変更があったときも、同様とする。
4 第十一条第二項の規定は、試験委員の解任について準用する。
 (規定の適用等)
第十五条 指定試験機関が試験事務を行う場合における第八条第一項及び第九条第一項の規定の適用については、第八条第一項中「文部科学大臣及び厚生労働大臣」とあり、及び第九条第一項中「国」とあるのは、「指定試験機関」とする。
2 前項の規定により読み替えて適用する第九条第一項の規定により指定試験機関に納められた受験手数料は、指定試験機関の収入とする。
 (秘密保持義務等)
第十六条 指定試験機関の役員若しくは職員(試験委員を含む。次項において同じ。)又はこれらの職にあった者は、試験事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
2 試験事務に従事する指定試験機関の役員又は職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
 (帳簿の備付け等)
第十七条 指定試験機関は、文部科学省令・厚生労働省令で定めるところにより、試験事務に関する事項で文部科学省令・厚生労働省令で定めるものを記載した帳簿を備え、これを保存しなければならない。
 (監督命令)
第十八条 文部科学大臣及び厚生労働大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、指定試験機関に対し、試験事務に関し監督上必要な命令をすることができる。
 (報告)
第十九条 文部科学大臣及び厚生労働大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、その必要な限度で、文部科学省令・厚生労働省令で定めるところにより、指定試験機関に対し、報告をさせることができる。
 (立入検査)
第二十条 文部科学大臣及び厚生労働大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、その必要な限度で、その職員に、指定試験機関の事務所に立ち入り、指定試験機関の帳簿、書類その他必要な物件を検査させ、又は関係者に質問させることができる。
2 前項の規定により立入検査を行う職員は、その身分を示す証明書を携帯し、かつ、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。
3 第一項に規定する権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
 (試験事務の休廃止)
第二十一条 指定試験機関は、文部科学大臣及び厚生労働大臣の許可を受けなければ、試験事務の全部又は一部を休止し、又は廃止してはならない。
 (指定の取消し等)
第二十二条 文部科学大臣及び厚生労働大臣は、指定試験機関が第十条第四項各号(第三号を除く。)のいずれかに該当するに至ったときは、その指定を取り消さなければならない。
2 文部科学大臣及び厚生労働大臣は、指定試験機関が次の各号のいずれかに該当するに至ったときは、その指定を取り消し、又は期間を定めて試験事務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
 一 第十条第三項各号の要件を満たさなくなったと認められるとき。
 二 第十一条第二項(第十四条第四項において準用する場合を含む。)、第十三条第三項又は第十八条の規定による命令に違反したとき。
 三 第十二条、第十四条第一項から第三項まで又は前条の規定に違反したとき。
 四 第十三条第一項の認可を受けた試験事務規程によらないで試験事務を行ったとき。
 五 次条第一項の条件に違反したとき。
 (指定等の条件)
第二十三条 第十条第一項、第十一条第一項、第十二条第一項、第十三条第一項又は第二十一条の規定による指定、認可又は許可には、条件を付し、及びこれを変更することができる。
2 前項の条件は、当該指定、認可又は許可に係る事項の確実な実施を図るため必要な最小限度のものに限り、かつ、当該指定、認可又は許可を受ける者に不当な義務を課することとなるものであってはならない。
 (指定試験機関がした処分等に係る審査請求)
第二十四条 指定試験機関が行う試験事務に係る処分又はその不作為について不服がある者は、文部科学大臣及び厚生労働大臣に対し、審査請求をすることができる。この場合において、文部科学大臣及び厚生労働大臣は、行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)第二十五条第二項及び第三項、第四十六条第一項及び第二項、第四十七条並びに第四十九条第三項の規定の適用については、指定試験機関の上級行政庁とみなす。
 (文部科学大臣及び厚生労働大臣による試験事務の実施等)
第二十五条 文部科学大臣及び厚生労働大臣は、指定試験機関の指定をしたときは、試験事務を行わないものとする。
2 文部科学大臣及び厚生労働大臣は、指定試験機関が第二十一条の規定による許可を受けて試験事務の全部若しくは一部を休止したとき、第二十二条第二項の規定により指定試験機関に対し試験事務の全部若しくは一部の停止を命じたとき又は指定試験機関が天災その他の事由により試験事務の全部若しくは一部を実施することが困難となった場合において必要があると認めるときは、試験事務の全部又は一部を自ら行うものとする。
 (公示)
第二十六条 文部科学大臣及び厚生労働大臣は、次の場合には、その旨を官報に公示しなければならない。
 一 第十条第一項の規定による指定をしたとき。
 二 第二十一条の規定による許可をしたとき。
 三 第二十二条の規定により指定を取り消し、又は試験事務の全部若しくは一部の停止を命じたとき。
 四 前条第二項の規定により試験事務の全部若しくは一部を自ら行うこととするとき又は自ら行っていた試験事務の全部若しくは一部を行わないこととするとき。
 (試験の細目等)
第二十七条 この章に規定するもののほか、試験、指定試験機関その他この章の規定の施行に関し必要な事項は、文部科学省令・厚生労働省令で定める。
   第三章 登録
 (登録)
第二十八条 公認心理師となる資格を有する者が公認心理師となるには、公認心理師登録簿に、氏名、生年月日その他文部科学省令・厚生労働省令で定める事項の登録を受けなければならない。
 (公認心理師登録簿)
第二十九条 公認心理師登録簿は、文部科学省及び厚生労働省に、それぞれ備える。
 (公認心理師登録証)
第三十条 文部科学大臣及び厚生労働大臣は、公認心理師の登録をしたときは、申請者に第二十八条に規定する事項を記載した公認心理師登録証(以下この章において「登録証」という。)を交付する。
 (登録事項の変更の届出等)
第三十一条 公認心理師は、登録を受けた事項に変更があったときは、遅滞なく、その旨を文部科学大臣及び厚生労働大臣に届け出なければならない。
2 公認心理師は、前項の規定による届出をするときは、当該届出に登録証を添えて提出し、その訂正を受けなければならない。
 (登録の取消し等)
第三十二条 文部科学大臣及び厚生労働大臣は、公認心理師が次の各号のいずれかに該当する場合には、その登録を取り消さなければならない。
 一 第三条各号(第四号を除く。)のいずれかに該当するに至った場合
 二 虚偽又は不正の事実に基づいて登録を受けた場合
2 文部科学大臣及び厚生労働大臣は、公認心理師が第四十条、第四十一条又は第四十二条第二項の規定に違反したときは、その登録を取り消し、又は期間を定めて公認心理師の名称及びその名称中における心理師という文字の使用の停止を命ずることができる。
 (登録の消除)
第三十三条 文部科学大臣及び厚生労働大臣は、公認心理師の登録がその効力を失ったときは、その登録を消除しなければならない。
 (情報の提供)
第三十四条 文部科学大臣及び厚生労働大臣は、公認心理師の登録に関し、相互に必要な情報の提供を行うものとする。
 (変更登録等の手数料)
第三十五条 登録証の記載事項の変更を受けようとする者及び登録証の再交付を受けようとする者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を国に納付しなければならない。
 (指定登録機関の指定等)
第三十六条 文部科学大臣及び厚生労働大臣は、文部科学省令・厚生労働省令で定めるところにより、その指定する者(以下「指定登録機関」という。)に、公認心理師の登録の実施に関する事務(以下「登録事務」という。)を行わせることができる。
2 指定登録機関の指定は、文部科学省令・厚生労働省令で定めるところにより、登録事務を行おうとする者の申請により行う。
第三十七条 指定登録機関が登録事務を行う場合における第二十九条、第三十条、第三十一条第一項、第三十三条及び第三十五条の規定の適用については、第二十九条中「文部科学省及び厚生労働省に、それぞれ」とあるのは「指定登録機関に」と、第三十条、第三十一条第一項及び第三十三条中「文部科学大臣及び厚生労働大臣」とあり、並びに第三十五条中「国」とあるのは「指定登録機関」とする。
2 指定登録機関が登録を行う場合において、公認心理師の登録を受けようとする者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を指定登録機関に納付しなければならない。
3 第一項の規定により読み替えて適用する第三十五条及び前項の規定により指定登録機関に納められた手数料は、指定登録機関の収入とする。
 (準用)
第三十八条 第十条第三項及び第四項、第十一条から第十三条まで並びに第十六条から第二十六条までの規定は、指定登録機関について準用する。この場合において、これらの規定中「試験事務」とあるのは「登録事務」と、「試験事務規程」とあるのは「登録事務規程」と、第十条第三項中「前項の申請」とあり、及び同条第四項中「第二項の申請」とあるのは「第三十六条第二項の申請」と、第十六条第一項中「職員(試験委員を含む。次項において同じ。)」とあるのは「職員」と、第二十二条第二項第二号中「第十一条第二項(第十四条第四項において準用する場合を含む。)」とあるのは「第十一条第二項」と、同項第三号中「、第十四条第一項から第三項まで又は前条」とあるのは「又は前条」と、第二十三条第一項及び第二十六条第一号中「第十条第一項」とあるのは「第三十六条第一項」と読み替えるものとする。
 (文部科学省令・厚生労働省令への委任)
第三十九条 この章に規定するもののほか、公認心理師の登録、指定登録機関その他この章の規定の施行に関し必要な事項は、文部科学省令・厚生労働省令で定める。
   第四章 義務等
 (信用失墜行為の禁止)
第四十条 公認心理師は、公認心理師の信用を傷つけるような行為をしてはならない。
 (秘密保持義務)
第四十一条 公認心理師は、正当な理由がなく、その業務に関して知り得た人の秘密を漏らしてはならない。公認心理師でなくなった後においても、同様とする。
 (連携等)
第四十二条 公認心理師は、その業務を行うに当たっては、その担当する者に対し、保健医療、福祉、教育等が密接な連携の下で総合的かつ適切に提供されるよう、これらを提供する者その他の関係者等との連携を保たなければならない。
2 公認心理師は、その業務を行うに当たって心理に関する支援を要する者に当該支援に係る主治の医師があるときは、その指示を受けなければならない。
 (資質向上の責務)
第四十三条 公認心理師は、国民の心の健康を取り巻く環境の変化による業務の内容の変化に適応するため、第二条各号に掲げる行為に関する知識及び技能の向上に努めなければならない。
 (名称の使用制限)
第四十四条 公認心理師でない者は、公認心理師という名称を使用してはならない。
2 前項に規定するもののほか、公認心理師でない者は、その名称中に心理師という文字を用いてはならない。
 (経過措置等)
第四十五条 この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。
2 この法律に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な事項は、文部科学省令・厚生労働省令で定める。
   第五章 罰則
第四十六条 第四十一条の規定に違反した者は、一年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
2 前項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
第四十七条 第十六条第一項(第三十八条において準用する場合を含む。)の規定に違反した者は、一年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
第四十八条 第二十二条第二項(第三十八条において準用する場合を含む。)の規定による試験事務又は登録事務の停止の命令に違反したときは、その違反行為をした指定試験機関又は指定登録機関の役員又は職員は、一年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
第四十九条 次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
 一 第三十二条第二項の規定により公認心理師の名称及びその名称中における心理師という文字の使用の停止を命ぜられた者で、当該停止を命ぜられた期間中に、公認心理師の名称を使用し、又はその名称中に心理師という文字を用いたもの
 二 第四十四条第一項又は第二項の規定に違反した者
第五十条 次の各号のいずれかに該当するときは、その違反行為をした指定試験機関又は指定登録機関の役員又は職員は、二十万円以下の罰金に処する。
 一 第十七条(第三十八条において準用する場合を含む。)の規定に違反して帳簿を備えず、帳簿に記載せず、若しくは帳簿に虚偽の記載をし、又は帳簿を保存しなかったとき。
 二 第十九条(第三十八条において準用する場合を含む。)の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。
 三 第二十条第一項(第三十八条において準用する場合を含む。)の規定による立入り若しくは検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は質問に対して陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をしたとき。
 四 第二十一条(第三十八条において準用する場合を含む。)の許可を受けないで試験事務又は登録事務の全部を廃止したとき。
   附 則
 (施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、第十条から第十四条まで、第十六条、第十八条から第二十三条まで及び第二十五条から第二十七条までの規定並びに第四十七条、第四十八条及び第五十条(第一号を除く。)の規定(指定試験機関に係る部分に限る。)並びに附則第八条から第十一条までの規定は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
 (受験資格の特例)
第二条 次の各号のいずれかに該当する者は、第七条の規定にかかわらず、試験を受けることができる。
 一 この法律の施行の日(以下この項及び附則第六条において「施行日」という。)前に学校教育法に基づく大学院の課程を修了した者であって、当該大学院において心理学その他の公認心理師となるために必要な科目として文部科学省令・厚生労働省令で定めるものを修めたもの
 二 施行日前に学校教育法に基づく大学院に入学した者であって、施行日以後に心理学その他の公認心理師となるために必要な科目として文部科学省令・厚生労働省令で定めるものを修めて当該大学院の課程を修了したもの
 三 施行日前に学校教育法に基づく大学に入学し、かつ、心理学その他の公認心理師となるために必要な科目として文部科学省令・厚生労働省令で定めるものを修めて卒業した者その他その者に準ずるものとして文部科学省令・厚生労働省令で定める者であって、施行日以後に同法に基づく大学院において第七条第一号の文部科学省令・厚生労働省令で定める科目を修めてその課程を修了したもの
 四 施行日前に学校教育法に基づく大学に入学し、かつ、心理学その他の公認心理師となるために必要な科目として文部科学省令・厚生労働省令で定めるものを修めて卒業した者その他その者に準ずるものとして文部科学省令・厚生労働省令で定める者であって、第七条第二号の文部科学省令・厚生労働省令で定める施設において同号の文部科学省令・厚生労働省令で定める期間以上第二条第一号から第三号までに掲げる行為の業務に従事したもの
2 この法律の施行の際現に第二条第一号から第三号までに掲げる行為を業として行っている者その他その者に準ずるものとして文部科学省令・厚生労働省令で定める者であって、次の各号のいずれにも該当するに至ったものは、この法律の施行後五年間は、第七条の規定にかかわらず、試験を受けることができる。
 一 文部科学大臣及び厚生労働大臣が指定した講習会の課程を修了した者
 二 文部科学省令・厚生労働省令で定める施設において、第二条第一号から第三号までに掲げる行為を五年以上業として行った者
3 前項に規定する者に対する試験は、文部科学省令・厚生労働省令で定めるところにより、その科目の一部を免除することができる。
 (受験資格に関する配慮)
第三条 文部科学大臣及び厚生労働大臣は、試験の受験資格に関する第七条第二号の文部科学省令・厚生労働省令を定め、及び同条第三号の認定を行うに当たっては、同条第二号又は第三号に掲げる者が同条第一号に掲げる者と同等以上に臨床心理学を含む心理学その他の科目に関する専門的な知識及び技能を有することとなるよう、同条第二号の文部科学省令・厚生労働省令で定める期間を相当の期間とすることその他の必要な配慮をしなければならない。
 (名称の使用制限に関する経過措置)
第四条 この法律の施行の際現に公認心理師という名称を使用している者又はその名称中に心理師の文字を用いている者については、第四十四条第一項又は第二項の規定は、この法律の施行後六月間は、適用しない。
 (検討)
第五条 政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、この法律の規定の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
 (試験の実施に関する特例)
第六条 第六条の規定にかかわらず、施行日の属する年においては、試験を行わないことができる。
 (登録免許税法の一部改正)
第七条 登録免許税法(昭和四十二年法律第三十五号)の一部を次のように改正する。
  別表第一第三十二号の次に次のように加える。
   八の二 公認心理師法(平成二十七年法律第   号)第二十 登録件数 一件につき一万五千 
     八条(登録)の公認心理師の登録                  円
 (文部科学省設置法の一部改正)
第八条 文部科学省設置法(平成十一年法律第九十六号)の一部を次のように改正する。
  第四条第十二号の次に次の一号を加える。
  十二の二 公認心理師に関する事務のうち所掌に係るものに関すること。
 (厚生労働省設置法の一部改正)
第九条 厚生労働省設置法(平成十一年法律第九十七号)の一部を次のように改正する。
  第四条第一項第八十九号の次に次の一号を加える。
  八十九の二 公認心理師に関する事務のうち所掌に係るものに関すること。
  第十八条第一項中「第八十七号から」の下に「第八十九号まで、第九十号から」を加える。
 (アルコール健康障害対策基本法の一部改正)
第十条 アルコール健康障害対策基本法(平成二十五年法律第百九号)の一部を次のように改正する。
  附則第七条のうち厚生労働省設置法第四条第一項第八十九号の次に一号を加える改正規定中「第四条第一項第八十九号」を「第四条第一項第八十九号の二」に改め、第八十九号の二を第八十九号の三とする。
  附則第七条中厚生労働省設置法第十八条第一項の改正規定を削る。
 (内閣の重要政策に関する総合調整等に関する機能の強化のための国家行政組織法等の一部を改正する法律の一部改正)
第十一条 内閣の重要政策に関する総合調整等に関する機能の強化のための国家行政組織法等の一部を改正する法律(平成二十七年法律第   号)の一部を次のように改正する。
  第十一条のうち厚生労働省設置法第四条第一項第八十九号の次に一号を加える改正規定中「同項第八十九号」を「同項第八十九号の二」に改め、第八十九号の二を第八十九号の三とする。
  第十一条のうち厚生労働省設置法第十八条第一項の改正規定中「「第八十七号から」の下に「第八十九号まで、第九十号から」を加え、」を削る。
  附則第二十八条のうちアルコール健康障害対策基本法附則第七条のうち厚生労働省設置法第四条第一項第八十九号の次に一号を加える改正規定の改正規定及び同法第十八条第一項の改正規定を削る改正規定中「第四条第一項第八十九号」を「第四条第一項第八十九号の二」に、「第四条第一項第八十九号の二」を「第四条第一項第八十九号の三」に、「八十九の二」を「八十九の三」に、「八十九の三」を「八十九の四」に、「改め、同法第十八条第一項の改正規定を削る」を「改める」に改める。
  附則第二十九条中「第四条第一項第八十九号」を「第四条第一項第八十九号の二」に、「同項第八十九号」を「同項第八十九号の二」に、「同項第八十九号の二」を「同項第八十九号の三」に、「八十九の二」を「八十九の三」に、「八十九の三」を「八十九の四」に改め、「、第十一条のうち厚生労働省設置法第十八条第一項の改正規定(同項中「第八十七号から」の下に「第八十九号まで、第九十号から」を加える部分に限る。)」を削る。

     理 由
 近時の国民が抱える心の健康の問題等をめぐる状況に鑑み、心理に関する支援を要する者等の心理に関する相談、援助等の業務に従事する者の資質の向上及びその業務の適正を図るため、公認心理師の資格を定める必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

[全文引用おわり] 

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参・憲法審は「二院制」をテーマに、参・民主党の理想と、参・自民党の腐敗が顕著に きょうの国会

2015年09月07日 15時07分43秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

【平成27年2015年9月7日(月)参議院憲法審査会】

 今国会は月曜日も忙しかった印象で決算審査もフィニッシュし、残り平日は2日間となりました。

 参・憲法審は、2月25日(水)、3月4日(水)、5月27日(水)に開かれ、4回目、初の月曜開催となりました。

 この委員会(審査会)は今国会で謎を呼ぶ運営となっており、集団的自衛権の「賛成派」の百地章さんと「反対派」の水島朝穂さんを呼んだ参考人質疑が「憲法とは何かについて」。

 参は院の構成が変わっていないのに、「憲法とは何か」を議題にしたことで、安倍晋三内閣の解釈改憲と憲法改正に向けて、二大政党間で緊張が高まっているのではないかとみられてきました。

 きょうの審査会の冒頭、柳本卓治会長(自民党)は「幹事(理事)が協議した結果、この審査会のテーマは「二院制」をテーマにすることにしました」としました。

 集団的自衛権をめぐる、第2章「戦争の放棄」と第3章「基本的人権」が話題になる中、おもに第4章「国会」をテーマにすることになったわけです。逃げたと言う人もいるでしょうが、私はそれでいいと思います。

 各会派の意思表示。

 参議院自民党は愛知治郎さんが代表して、「参議院自民党政策審議会に参議院のあり方検討チームを設けた」とし、「両院とも公選である以上は、衆参の優劣ではなく、機能の違いが重要だ」とし、参は衆に劣っていないので、参が必要だという、日本最大の既得権益者団体である参自(114人)の独自の解釈を開陳しました。

 民主党・新緑風会は、金子洋一さんが「我が党の基本姿勢は2005年憲法提言(=このエントリー記事最後に全文引用転載)から不変だ」とし、「首相主導の政権運営をはかり、今日の複雑な財政・行政・社会システムに対応して、参は法案審査だけでなく、国政調査や、決算・行政監視機能を高めるべきだ」と語りました。

 この後の、自由討議では、牧山弘恵さんが「平成元年1989年以降、参では野党が多数派のねじれ現象がたびたび生じている」と指摘し、「平成25年2013年の通常選挙でねじれがなくなったが、次にねじれが発生したら参有害論が再び出てくる」としました。

 このように、参民は、二院制と、両院協議会に関する主張をしました。

 次世代の党の江口克彦さんも「ねじれ国会で決められない政治にならないよう対応する必要がある」と語りました。

 一方、参自は、自らの利権を保とうとする詭弁を繰り広げました。

 丸山和也さんは、「海外で The Member of the House of Councillors  という名刺を見せると、なんだこれは、と言われてしまう。英訳を、The senetar に格上げしてほしい」とし、「衆の優越という言葉は憲法に書いていない。私たちは衆の優越という言葉を使わないようにした方がいい。貴族院復活とまでは言わないが」と述べ、自分の地位に拘泥する見苦しい発言をしました。24時間マラソンの理想はどこへ・・・

 赤池誠章さんは「教科書を調べてきた」とし、「国会についての記述はあるが、参に関する記述は少ない」とし、「教科書で参について教えるよう学習指導要領を改正すべきだ」としました。1期生の阿達雅志さん、豊田俊郎さん、石田昌宏さんらも、志のない、自分の地位を守るための発言に終始しました。参・自に就職したという意識しかないのでしょうか。あるいは、先輩たちがそうとう悪いのか。一人の日本国民として、参・自の1期生には本当に残念です。

 これに先立つ、愛知さんの発言によると、参・自の政審は、皇族による本会議傍聴をぬけぬけと検討していることも明らかになりました。

 維新の党も、「維新は一院制を主張してきたが、チェックアンドバランスの観点から、道州制移行後に道州の代表者を参に送るという考え方もある」としました。

 一方、「二院制」のテーマに反発したと思われる発言もありました。

 日本共産党の仁比聡平さんは「二院制の参に求められていることは戦争法案の廃案だ」、社民党の福島みずほさんは「参・憲法審は憲法の適合性を判断するところであり、今求められているのは戦争法案だ」としました。 

 参自がこのような態度では、選挙制度も、議会改革も進むわけがありません。政権交代ある二大政党政治が進化する過程で、与党の政府外議員が何も言えなくなるのは、英国二大政党政治の歴史からみると、当然です。ただ、日本には、参があります。

 政権交代ある二大政党政治のもとでの、参のあり方については、21世紀の日本政治の長い課題になります。

【同日 衆議院】

 本会議、委員会、審査会はありませんでした。

きょうの国会は以上です。

[以下、民主党の2005年の憲法提言を民主党ウェブサイトから、全文引用します。] 

民主党「憲法提言」
2005 年 10 月 31 日
民主党憲法調査会
民主党「憲法提言」
目次
1. 未来志向の憲法を構想する 1
2. 国民主権が活きる新たな統治機構の創出のために 4
3. 「人間の尊厳」の尊重と「共同の責務」の確立をめざして 7
4. 多様性に満ちた分権社会の実現に向けて 12
5. より確かな安全保障の枠組みを形成するために 14
1
1.未来志向の憲法を構想する
1.憲法論議の土台を明確にし、未来志向の新しい憲法を構想する
多くの国民は、日本国憲法が戦後の平和国家日本の確立と持続に極めて大きな役割
を果たすとともに、人権意識や民主主義をこの国に深く根づかせる土台となってきた
ことを認識している。これを踏まえ、私たちは、日本国憲法の根本規範に基づいて築
き上げてきたものに誇りを持ち、それを堅持しつつ、さらにそれらを強化・発展させ
るために求められるのは何かという出発点に立って議論を進めている。
昨今、憲法論議が徐々に盛り上がってきている状況を、私たちは歓迎している。そ
の中でいま、求められていることは、21世紀の新しい時代を迎えて、未来志向の憲
法構想を、勇気をもって打ち立てるということである。それは、現在の日本国憲法が
掲げる基本理念を踏まえて、それらをいかに深化・発展させるかということであり、
新たな時代にふさわしい「新しい国のかたち」を国民と共有することに他ならない。
2.新しい憲法の構成
そもそも憲法とは、主権者である国民が、国家機構等に公権力を委ねるとともに、
その限界を設け、これをみずからの監視下に置き、コントロールするための基本ルー
ルのことである。同時に、これからの憲法を考えるに際しては、憲法のこうした固有
の役割に加えて、憲法それ自体が国民統合の価値を体現するものであるとともに、国
際社会と共存し、平和国家としてのメッセージを率先して発信するものでなくてはな
らない。未来志向の憲法は、国家権力の恣意的行使や一方的な暴力を抑制すること、
あるいは国家権力からの自由を確保することにとどまらず、これに加えて、国民の意
思を表明し、世界に対して国のあり方を示す一種の「宣言」としての意味合いを強く
持つものである。そしてその構成は、日本国民の「精神」あるいは「意志」を謳った
部分と、人間の自立を支え、社会の安全を確保する国(中央政府及び地方政府)の活
動を律する「枠組み」あるいは「ルール」を謳った部分の二つから構成される。
3.新しい憲法がめざす五つの基本目標
私たちは、こうした二つの性質を合わせ持つ新しい憲法は、以下の五つの基本目標
を達成するものでなければならないと考えている。これはまた、民主党が五年間の憲
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法論議を通じて獲得し、共有した価値でもある。
① 自立と共生を基礎とする国民が、みずから参画し責任を負う新たな国民主権社会
を構築すること。
② 世界人権宣言及び国際人権規約をはじめとする普遍的な人権保障を確立し、併せ
て、環境権、知る権利、生命倫理などの「新しい権利」を確立すること。
③ 日本からの世界に対するメッセージとしての「環境国家」への道を示すとともに、
国際社会と協働する「平和創造国家」日本を再構築すること。
④ 活気に満ち主体性を持った国の統治機構の確立と、民の自立力と共同の力に基礎
を置いた「分権国家」を創出すること。
⑤ 日本の伝統と文化の尊重とその可能性を追求し、併せて個人、家族、コミュニテ
ィ、地方自治体、国家、国際社会の適切な関係の樹立、すなわち重層的な共同体
的価値意識の形成を促進すること。
4.憲法の「空洞化」を阻止し、「法の支配」を取り戻す
私たちは曖昧さのつきまとう憲法解釈が、国際社会の要請や時代の変化に鋭く反応
する気概をこの国の人々から喪失させているのではないかという懸念を抱いている。
その上、日本ではいま、既成事実をさらに積み重ねて憲法の「形骸化」を目論む動きが
ある。
とりわけ、今日われわれが目撃しているわが国の憲法の姿は、その時々の政権の恣
意的解釈によって、憲法の運用が左右されているという現実である。同一の内閣にお
いてすら、憲法解釈が平然と変更されて、いまや憲法の「空洞化」が叫ばれるほどにな
っている。いま最も必要なことは、この傾向に歯止めをかけて、憲法を鍛え直し、「法
の支配」を取り戻すことである。
5.憲法を国民の手に取り戻すために
私たちは、当面する課題として、憲法改正手続法制・国民投票法制の整備にとりかか
らなくてはならない。しかも、国民に開かれた形で、これらの議論を進めていかなけ
ればならない。
未来志向の憲法を打ち立てるに際しては、国民の強い意志がそこに反映されなくて
はならない。しかし、日本ではこれまで、憲法制定や改正において、日本国民の意思
がそのまま反映される国民投票を一度も経験したことがない。私たちは、憲法を国民
の手に取り戻すために、国民による直接的な意思の表明と選択が何よりも大事である
ことを強く受け止めている。
3
6.大いなる憲法論議のための「提言」をもって行動する
ここにとりまとめた「憲法提言」は、その大いなる国民的議論に資するための1つの素
材を提供するものである。
憲法についてそれぞれの想いで意見を発露することは必要だが、それだけでは現実の憲
法を変えることはできない。
多様な憲法論議を踏まえて何らかの改革を行おうとするならば、衆参各院において国会
議員の3分2以上の合意を達成し、かつ国民多数の賛同を得るのでなければならない。政
党や国会議員は、みずからの意見表明にとどまることなく、国会としてのコンセンサスと
国民多数の賛同をどう取りつけていくのかに向けて真摯に努力していくことが求められて
いる。
そもそも、憲法の姿を決定する権限を最終的に有しているのは、政党でも議会でもなく、
国民である。今後はさらに、憲法を制定する当事者である国民の議論を大いに喚起してい
くことが重要である。民主党はその先頭に立って、国民との憲法対話を精力的に推し進め
ていく決意である。
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2.国民主権が活きる新たな統治機構の創出のために
官主導の統治制度と決別して、民主導の新しい統治制度へ移行する。政府の統治機
構については、「国民主権の徹底」と「権力分立の明確化」を基本とし、(1)首相主導
の政府運営の確立、(2)国民の付託を受けた国会の行政監視機能を拡充強化、(3)違憲
審査機能の充実、を柱に検討しとりまとめた。とりわけ、行政監視院の設置や国政調
査権の拡充など議会による行政監視機能の整備を通じて、「議会の復権」もしくは「国
会の活性化」を可能とするための改革提案を行う。
1.首相(内閣総理大臣)主導の政府運営の実現
現行憲法では、第 65 条で「行政権は内閣に属する」となっており、かつ第 66 条第
3 項で内閣はその行使について「連帯して責任を負う」こととなっている。そのため、
全会一致の閣議決定に権限行使が委ねられており、第 66 条第 1 項にいう「首長」とし
ての内閣総理大臣のリーダーシップが強く制限されてきた。
首相(内閣総理大臣)主導の政府運営の確立のため、統一的な政策を決定し、様々な行
政機関を指揮監督してその総合調整をはかる「執政権(executive power)」を内閣総理
大臣に持たせ、執政権を有する首相(内閣総理大臣)が内閣を構成し、「行政権
(administrative power)を統括することとする。
① 憲法第5章(「内閣」)における主体を「内閣総理大臣」とするとともに、第 65 条
における「行政権」を「執政権」に切り替え、首長としての内閣総理大臣の地位
と行政を指揮監督する首相(内閣総理大臣)の権限を明確にする。
② 政治主導・内閣主導の政治を実現するため、内閣法や国家行政組織法など憲法附
属法の見直しを行い、政治任用を柔軟なものにし、首相の行政組織権を明確なも
のにする。
③ 現行の政官癒着の構造を断ち切り、個々の議員と官僚の接触を禁止するなどの「政
官関係のあり方」についてさらに検討し、その規定を明確にする。
2.議会の機能強化と政府・行政監視機能の充実
政府に対する国民のコントロール権限が十分に発揮されるよう、議会の「政府・行
政監視機能」を大幅に拡充する必要がある。このため、議会を単なる法案審議の場と
するのではなく、今日の複雑な行財政システムや対外関係を律することが可能な専門
的情報管理とチェック権能を果たすための仕組みに拡充していく。
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さらに、現行の国政調査権をより活用できる仕組みを確立するとともに、二院制に
ついても、決算・行政監視の充実など専門的・総合的な機能を兼ね備えた参議院制度
の確立を目指すなどの見直しが必要である。ただし、この二院制の見直しに際しては、
分権改革との関連や二大政党システムの確立と併せて検討されるべきである。
① 行政府の活動に関する評価機能をも併せ持った「行政監視院」を設置するなど、専
門的な行政監視機構を整備する。政府から独立した第三者機関とするのか、議会の
下に設置するのかについては、さらに検討を要する。
② 憲法上の規定があいまいなまま現在の行政府が所管しているいわゆる独立行政委
員会については、その準司法的機関としての性格を踏まえ、内閣とは別の位置づけ
を明確にする。その上で、それらに対する議会による同意と監視の機能を整備する。
③ 国政調査権を少数でも行使可能なものにし、議会によるチェック機能を強化する。
④ 二院制を維持しつつ、その役割を明確にし、議会の活性化につなげる。例えば、予
算は衆議院、決算と行政監視は参議院といった役割分担を明確にするとともに、各
院の選挙制度についても再検討する。
⑤ 政党については、議会制民主主義を支える重要な役割を鑑み、憲法上に位置づける
ことを踏まえながら、必要な法整備をはかる。
⑥ 選挙制度については、政治家や政党の利害関係に左右されないよう、その基本的枠
組みについて憲法上に規定を設ける。
3.違憲審査機能の強化及び憲法秩序維持機能の拡充
最高裁判所による違憲判断の事例が極めて少ないことから、わが国の司法の態度は
自己抑制的であり、消極的すぎるとの批判を受けてきた。
司法消極主義の下で繰り返されてきた政府・内閣法制局の憲法解釈を許さず、憲法
に対する国民の信頼を取り戻し、憲法秩序をより確かな形で維持するため、違憲立法
審査を専門に行う憲法裁判所の設置を検討する。
国家非常事態における首相(内閣総理大臣)の解散権の制限など、憲法秩序の下で政
府の行動が制約されるよう、国家緊急権を憲法上明示しておくことも、重ねて議論を
要する。
① 新たに憲法裁判所を設置するなど違憲審査機能の拡充をはかる。
② 行政訴訟法制の大胆な見直しを進めると同時に、憲法に幅広い国民の訴訟権を明示
する。
③ 国家緊急権を憲法上に明示し、非常事態においても、国民主権や基本的人権の尊重
などが侵されることなく、その憲法秩序が確保されるよう、その仕組みを明確にし
ておく。
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4.公会計、財政に関する諸規定の整備・導入
現行憲法では、公会計や財政処理に関する規定が明確ではなく、その責任もあいま
いなまま放置されている。しかし、憲法の基本原理たる国民主権の本来の姿は、税の
徴収と使用に対する国民監視がその根底にあり、この点を明確にすることは憲法の基
本原理にもかかわる重要なことである。官僚や時々の政府の恣意的な財政支出や会計
システムの利用を許さず、税に対する国民監視を強化する意味でも、先の「行政監視
院」の設置と合わせて、公会計や財政責任に関する規定を明確にしておくことが重要
である。また、中央銀行の位置づけについては、引き続き検討する。
① 責任の所在があいまいな現行の国の財政処理の権限については、国会の議決に基づ
いて、内閣総理大臣が行使することを明確にする。
② 内閣総理大臣に、国の財政状況、現在及び将来の国民に与える影響の予測について、
国会への報告を義務付ける。また、予算については、複数年度にわたる財政計画を
国会に報告し、承認を得る。
③ 会計検査院(または新たに設置された行政監視院等)の報告を受けた国会は内閣に
対して勧告を行い、内閣はこの勧告に応じて必要な措置を講ずることを明記する。
5.国民投票制度の検討
現在、憲法改正に係る国民投票制度の在り方について、検討作業が進められている
が、この制度自体は、直接民主主義に関わるものであり、より広汎な検討が必要とさ
れるものである。こうした観点から、例えば、「主権の委譲」を伴う国際機構への参加
や、重大な外交関係の変更などに関して、また特定地域の住民に特別の強い影響を及
ぼす法制度の改革などに関して、国民投票制度の整備を行うことが必要である。
① 議会政治を補完するものとして、国民の意見を直接問う国民投票制度の拡充を検
討する。
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3.「人間の尊厳」の尊重と「共同の責務」の確立をめざして
1.まず、「人間の尊厳」を尊重する
人間は自然の一部であり、命があり、自由な主体性を持っているが故に尊厳がある。
「人間の尊厳」を尊重するとは、自然を守り、命あるものを守り、他者の自由な主体
性をも守ることである。
これを基礎として、現行憲法に明記されている人権保障を踏まえて、さらに新しい
時代にふさわしいものへと進化させていく必要がある。
日本国憲法の根本規範の1つである基本的人権の尊重を、抽象的な権利の主張とし
てではなく、日本社会に暮らす一人ひとりの人間としての「尊厳」を具体的な権利の
主張として受け止める必要がある。
とりわけ、「人間の尊厳」を破壊する暴力については、国家と個人の関係はともより、
個人と個人の私的な関係においても、これを厳格に禁止すべきである。
また、「すべての人間は、生まれながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについ
て平等である」との世界人権宣言第 1 条のこの規定の根底には、「人間の尊厳」(国連
憲章前文)の尊重を人権保障のための第1原理として据える確乎たる思想がある。それ
は今日、国際人権保障体制との協力の下で達成されうるものであることを再確認する。
この普遍的な考えの上に立ち、特に、以下の人権に係る規定を置く。
(1)生命倫理および生命に対する権利を明確にする。
人権保障の根本原理として「人間の尊厳は侵すことができない」という考えのもと、
「生命に対する権利」を明確にする。
① 身体と精神に対する、本人の意思に反したさまざまな侵害を排除する権利である人
体の統合の不可侵、人体とその一部の利用は、無償の提供によってのみ許されると
いう人体要素の無償原則、人体とその一部に関する情報の収集、保存、利用に対す
る個人のプライバシー保護を憲法上明確にする。
② 生殖医療及び遺伝子技術の濫用からの保護を明確にする。
③ 自らの生命や生活に関して、本人自身が決定できる自己決定権については、憲法上保
障する権利の内容を検討し明確にすべきである。
(2)あらゆる暴力からの保護を明確にする。
現代社会における暴力は、配偶者間・親子間・子どもの折檻などのドメスティック・
バイオレンスや、異性間におけるセクシャル・ハラスメント等あるいは国際的な人身
売買など、その関係、形態は多様である。あらゆる「人間の尊厳」を破壊する個人的・
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社会的暴力を厳格に禁止する旨を明確にする。
(3)犯罪被害者の人権を擁護する。
「人間の尊厳」の尊重の観点を踏まえ、何らかの表現で憲法に犯罪被害者の権利を
明確にする。一方で、国家からの人身の自由を大前提とし、死刑制度廃止の是非につ
いても検討をすべきである。
(4)子どもの権利と子どもの発達を保障する。
子どもを独立した人格の担い手として認め、「人間の尊厳」の尊重の観点から、その
権利を明記する。また、「人間の尊厳」の尊重の基盤としての「教育への権利」を明確
にし、良好な家庭的環境で成長するための施策も含め「国及び地方公共団体並びに保
護者、地域等の教育に関する責務ないし責任」を明確にする。
(5)外国人の人権を保障する。
「人間の尊厳」の尊重はすべての人びとに保障されるとの観点に立ち、外国人の人
権及び庇護権と難民の権利を憲法上明確にする。また、公的社会への参画の権利等に
ついて検討する。
(6)信教の自由を確保し、政教分離の原則を厳格に維持する。
信教の自由を「人間の尊厳」の保障に係るものとして位置づけ、かつ宗教団体と政
党との関係、公の機関と宗教的活動との関係などに関して政教分離の厳格な規定を設
ける。
(7)あらゆる差別をなくす規定を検討する。
「差別」は「人間の尊厳」を侵害するものである故に、「差別」はしてはならない。
日本では、法律のレベルにおいても「差別」に対する厳格な規定をするものがあまり
なく、このため人権保障が形骸化しているケースも少なくない。実質的な人権保障が
できるよう、憲法上の規定のあり方を検討すべきである。
(8)人権保障のための第三者機関を設置する。
人権侵害の状況に対する不断の監視と、人権の実現のためのサポートシステムとし
て独立性の高い国内人権保障機関の設置を憲法上明確にする。
2.「共同の責務」を果たす社会へ向かう
権利だけで社会は維持できないが、だからと言って、「義務」を強調することで社会
の統合力が高まるわけでもない。「納税の義務」「法に従う義務」などが法的拘束力の
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有する「義務」として、一般に挙げられる。しかし、環境保全の場合のような社会的
広がりを持つ社会共通の切実な課題については、国、地方公共団体、企業その他の中
間団体、および家族・コミュニティや個人の協力がなければ達成し得ないものである。
われわれは、これらの課題に挑戦するものとして、国民の義務という概念に代えて、
「共同の責務」という考えを提示したいと考える。いま、地域(国)や世代の対立を超え
て、人権あるいは環境についてこれを良好に維持する「責務」を「共同」で果たし、
互いに権利を思いやりながら暮らしていける社会の実現を目指すものである。
それはまた、<国家と個人の対立>や<社会と個人の対立>を前提に個人の権利を
位置づける考えに立つのではなく、国家と社会と個人の協力の総和が「人間の尊厳」
を保障することを改めて確認する。
(1)環境優先の思想を宣言する。
より環境を重視するとの観点に立ち、憲法において「地球環境」保全及び「環境優
先」の思想について言及することが望ましい。
(2)人権・環境の維持向上のための「共同の責務」を果たすことから始める。
自然環境の維持・向上は、個人の権利としては馴染みがたく、かつ個人や行政の義
務だけでも果たし得ない。国・企業その他の中間団体並びに家族やコミュニティ及び
国民の「責務」を同時に明確にする。
(3)現在生きる人の利害だけでなく、将来の人々に対する責務も果たす。
世代間の負担の公平を確保し、優れた自然や環境を将来世代へ引き継ぐことの責務
を明らかにして、目先の利害に囚われることなく、「未来への責任」を果たしていくこ
とを明確にする。
(4)公共のための財産権の制約を明確にする。
財産権の見直しを行い、土地資源や自然エネルギー資源、公共的な価値を認めて利
用と処分についての制限を設ける。例えば、都市景観については、適正な制限の下に
調和した土地利用がなされる必要がある。これによって、良好な共同資源の維持の責
務を果たすことができるようにする。なお、憲法において、適正手続の明確化と判例
において曖昧に用いられてきた「正当な補償の下に」という文言の明確化を行い、制
約基準を明確にする。
(5)曖昧な「公共の福祉」を再定義する。
日本社会では、国際人権規約委員会が指摘している通り、「公共の福祉」概念が曖昧
であり、それが人権制約にかかる恣意的解釈を許している。現行憲法に関して言えば、
そもそも、自由権から財産権まで、質の異なる基本権について「公共の福祉」という
同一の用語でもって何らかの制限を課そうとするところに無理があると思われる。個
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人の自由で自律的な人生選択にかかわる基底的な基本権とその他の基本権とを区分し、
その区分に基づいて「公共の福祉」について再定義する必要がある。
すなわち、人権の制約原理としての「公共の福祉」概念については、人権相互の調
整原理と、社会的価値の実現もしくは確保のための「公共の福祉」とを明確に区分し
て再検討する。内面的自由の確保を核とする自由権に対する制約は、これを人権相互
の調整の必要の範囲内でのことに限定し、より厳格な審査基準を設けて公権力による
恣意性を一切排除する必要がある。これに対して、例えば、経済活動に関する権利の
ような社会的権利については、公共目的による「合理的な」制約を認めることも原理
的に可能とすべきである。また特に、財産権に関連し、その財産の性質によっては「公
共の福祉」に服すべき場合がより強く想定されるものについて、その制約原理や基準
を憲法上明確にすることが必要である。
3.情報社会と価値意識の変化に対応する「新しい人権」を確立する
日本国憲法は人権に関する優れた規定を設けている。しかし、急激な社会変化や価
値観の変容に伴い、憲法制定時には予想していなかった権利や利益を保障することの
必要が指摘されるに至っている。21 世紀の新たな時代に求められる「新しい権利」の
構築と憲法上の位置づけについて整理すべきである。とりわけ、高度情報社会にとも
なう社会変動に対応するため、「人間の尊厳」の維持にとって不可欠な権利の確立が求
められており、権利に関する創造的な思考に基づき、新たな提言を行う。
(1)国民の「知る権利」を位置づける。
国民の「知る権利」を憲法上の権利とし、行政機関や公共性を有する団体に対する情
報アクセス権を明確にする。
(2)情報社会に対応するプライバシー権を確立する。
従来「プライバシーの権利」として扱われてきた権利問題も、伝統的なプライバシ
ーの観点からでは捉えきれない新たな問題を提起している。とりわけ、自己情報保護
の観点からの再整理を行い、その権利性を明確にする必要がある。
(3)情報社会におけるリテラシー(読み解く能力)を確保し、対話の権利を保障する。
人は誰でも、コミュニケーションの主体として尊重かつ保障され、他者との交信・
協働が支援される権利を有するという意味の「対話する権利」なるものを組み立てる。
具体的に、現行の行政手続法との関連を踏まえて、行政に対する回答請求権を確立し
て、対話する権利を保障することなどを検討する。同時に、情報リテラシー問題の発
生や生涯学習社会の到来に対応し、人間の潜在能力の開発を支援することを国の責務
とする、「学習権」の概念を確立し、それを明確にする。
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(4)勤労の権利を再定義し、国や社会の責務を明確にする。
価値観、ライフスタイルの多様化を受けて、「労働の権利」及び「職業選択の自由」
の再定義を行う。とりわけ、個々人の職業選択の自由を具現化するための自由な労働
市場の確保、職業訓練機会の保障などに関する国及び企業等の責務を明確にする。
また、報酬を得て行う労働ばかりでなく、無償労働(アンペイドワーク、ボランティ
ア活動)への参加の保障を憲法上、明確にすべきである。
(5)知的財産権を憲法上明確にする。
高度情報化社会により情報の流通が多元化・複雑化している現在、新たな検討課題
として、「知的財産権」を整備する必要がある。知的財産権には、著作上・芸術上の財
産権のほか、広く特許権や商標権などを含む考えもある。こうした知的財産権も含め
て憲法上、明確にしていくべきである。
4.国際人権保障の確立
今日、人権の実現と保障は「国際社会の共通の利益」と認識されており、日本にお
ける人権保障もまた、憲法とともに国際人権規範によって支えられている。国連憲章
は「人権と基本的自由を尊重するよう助長すること」を国際連合の目的として掲げて
いる。また、この目的の実現のために加盟国が国連と協力して共同及び個別の行動を
とることを求めている。そして、そのもとに国連人権委員会を設置して、世界人権宣
言を起草し、国際人権規約を作成した。日本における人権保障もこうした国際規範の
発展とともに展開されている。未批准のまま放置することなく、国際条約に対応する
国内措置を迅速に執ることを通じて、国際基準に見合った人権保障体制を確立する必
要がある。
(1)「国際人権規範」の尊重を明確に謳う。
憲法の中の司法に関する項に、「国際人権法」等の尊重を明確にする。
(2)国際人権規範に対応する国内措置を義務づける。
憲法の最高法規及び条約に関する項に、国際条約の尊重・遵守義務に加えて、それ
に対応する「適切な国内措置」を講ずる義務を明確にする。
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4.多様性に満ちた分権社会の実現に向けて
1.分権社会の創造に向けた基本的考え
現行憲法は、政治的民主化の一環として地方自治について4か条の原則的規定を定
めた。しかし、その後も戦前と同様の機関委任事務制度が長く続いたことをはじめと
して、自治体の組織・運営・財政の全般にわたって国の法律によるがんじがらめの統
制が行われてきた。また、大半の地方自治体関係者もこれに甘んじてきたこと、中央
政府が自らの事務や権限を一貫して肥大させ続けてきたことなどが、真の意味での地
方自治の定着や自治の文化の形成を妨げてきた。これよって、中央集権と画一主義の
弊害が強まり、いまや「分権改革」を求める声が国民世論ともなっている。
中央集権的な行政の形と政策展開は見直すべきである。地域自らの創意工夫が活か
せる仕組みをつくり出し、中央政府を地域の多様な自治体活動をサポートするものに
していくべきである。また、地方に色々な補助金を配分することに多くの人材を投入
することは改めるべきである。中央政府は、自治体の箸の上げ下げまで指示するよう
な管理はやめて、中央政府でしかなしえない仕事に人材も財源も傾斜配分していくべ
きである。
1985 年に制定され、現在ではヨーロッパの 30 か国もの国が批准しているヨーロッ
パ自治憲章には、「公的部門が負うべき責務は、原則として、最も市民に身近な公共団
体が優先的にこれを執行するものとする」という補完性の原理・近接の原理を謳って
いる。コミュニティでできないことを基礎自治体で、基礎自治体でできないことを広
域自治体で、広域自治体でできないことを国で、という補完性の原理を憲法原則とし
て採用し、中央政府(国)と地方政府(自治体)の関係を構想する。
2.「補完性の原理」に基づく分権型国家へと転換する
連邦制はとらず単一国家を前提とする。国と地方の役割分担を明確にし、中央政府
は外交・安全保障、全国的な治安の維持、社会保障制度など国が本来果たすべき役割
を重点的に担う一方、住民に身近な行政は優先的に基礎自治体に配分する。「補完性の
原理」の考え方に基づき、国と基礎自治体、広域自治体の権限配分を憲法上明確にする
とともに、基礎自治体ではなしえない業務や権限は、都道府県ないし道州に相当する
広域自治体が担当する。国あるいは広域自治体による自治権侵害の司法的救済は、最
終的には憲法裁判所が「補完性の原理」を裁判規範として審査するものとする。
13
3.自治体の立法権限を強化する
これまで、特にまちづくりや環境保全などの分野で、国の法令に対する自治体の「上
乗せ・横出し条例」が認められるかどうかなど、条例制定権の限界がしばしば争われ
てきたところであるが、自治体の組織および運営に関する事項や、自治体が主体とな
って実施する事務については、当該自治体に専属的あるいは優先的な立法権限を憲法
上保障する。中央政府は、自治体の専属的立法分野については立法権を持たず、自治
体の優先的立法分野については大綱的な基準を定める立法のみ許される。
4.住民自治に根ざす多様な自治体のあり方を認める
自治体の組織・運営のあり方は自治体自身が決めるという地方自治の本旨に基づき、
基礎自治体、広域自治体において、首長と議会が直接選挙で選ばれるという二元代表
制度の採否を自治体が選択できる余地を憲法上認める。これまでの二元代表制だけで
なく、議院内閣制あるいは「執行委員会制」「支配人制」など多様な組織形態の採用、
住民投票制度の積極的活用なども可能となる。
5.財政自治権・課税自主権・新たな財政調整制度を確立する
地方自治体が自らの事務・事業を適切に遂行できるよう、その課税自主権・財政自
治権を憲法上保障し、必要な財源を自らの責任と判断で確保できるようにする。課税
自主権は、各自治体が自らにふさわしいと考える税目・税率の決定権を含む。自治体
の財政的自立を支えるものとして、現在の地方交付税制度に代えて、新たな水平的財
政調整制度を創設する。
14
5.より確かな安全保障の枠組みを形成するために
1.民主党の基本的考え
①憲法の根本規範としての平和主義を基調とする
そもそも日本国憲法は、国連憲章とそれに基づく集団安全保障体制を前提としてい
る。そのうえで、日本は、憲法 9 条を介して、一国による武力の行使を原則禁止した
国連憲章の精神に照らし、徹底した平和主義を宣明している。
日本国は、国連の集団安全保障が十分に機能することを願い、その実現のために常
に努力することを希求した。そして日本国憲法は、その精神において、「自衛権」の名
のもとに武力を無制約に行使した歴史的反省に立ち、その自衛権の行使についても原
理的に禁止するに等しい厳格な規定を設けている。
このため、自衛権の行使はもとより、国連が主導する集団安全保障活動への関与の
あり方について、不断に強い議論に晒されてきた。しかし、どのような議論を経たに
せよ、わが国の憲法が拠って立つ根本規範の重要な柱の一つである「平和主義」につ
いては、深く国民生活に根付いており、平和国家日本の形を国民及び海外に表明する
ものとして今後も引き継ぐべきである。「平和を享受する日本」から「平和を創り出す
新しい日本」へ、すなわち「平和創造国家」へと大きく転換していくことが重要であ
る。
②憲法の「空洞化」を許さず、より確かな平和主義の確立に向けて前進する
国際平和の確立と日本の平和主義の実現のために、いま、もっとも危険なことは歯
止めのない解釈改憲による憲法の「空洞化」であり、国際社会との積極的な協調のた
めの努力をあいまいにし続ける思想態度である。民主党は、その二つの弊害を繰り替
えしてきたこれまでの内閣法制局を中心とする、辻褄合わせの憲法解釈にとらわれる
ことなく、わが国のより確かな平和主義の道を確立し、国際社会にも広く貢献して、
世界やアジア諸国から信頼される国づくりをめざす。
多角的かつ自由闊達な憲法論議を通じて、①「自衛権」に関する曖昧かつご都合主
義的な憲法解釈を認めず、国際法の枠組みに対応したより厳格な「制約された自衛権」
を明確にし、②国際貢献のための枠組みをより確かなものとし、時の政府の恣意的な
解釈による憲法運用に歯止めをかけて、わが国における憲法の定着に取り組んでいく。
併せて、今日の国際社会が求めている「人間の安全保障」についても、わが国の積極
的な役割を明確にしていく。
15
2.わが国の安全保障に係る憲法上の四原則・二条件
以上の認識の下、いわゆる憲法九条問題について次の「四原則・二条件」を提示す
る。
(1)わが国の安全保障活動に関する四原則
①戦後日本が培ってきた平和主義の考えに徹する
日本国憲法の「平和主義」は、「主権在民(国民主権)」、「基本的人権の尊重」と並ぶ、
憲法の根本規範である。今後の憲法論議に際しても、この基本精神を土台とし、わが
国のことのみならず、国際社会の平和を脅かすものに対して、国連主導の国際活動と
協調してこれに対処していく姿勢を貫く。
②国連憲章上の「制約された自衛権」について明確にする
先の戦争が「自衛権」の名の下で遂行されたという反省の上に立って、日本国憲法
に「制約された自衛権」を明確にする。すなわち、国連憲章第 51 条に記された「自衛
権」は、国連の集団安全保障活動が作動するまでの間の、緊急避難的な活動に限定さ
れているものである。これは、戦後わが国が培った「専守防衛」の考えに重なるもの
である。これにより、政府の恣意的解釈による自衛権の行使を抑制し、国際法及び憲
法の下の厳格な運用を確立していく。
③国連の集団安全保障活動を明確に位置づける
憲法に何らかの形で、国連が主導する集団安全保障活動への参加を位置づけ、曖昧で恣
意的な解釈を排除し、明確な規定を設ける。これにより、国際連合における正統な意志決
定に基づく安全保障活動とその他の活動を明確に区分し、後者に対しては日本国民の意志
としてこれに参加しないことを明確にする。こうした姿勢に基づき、現状において国連集
団安全保障活動の一環として展開されている国連多国籍軍の活動や国連平和維持活動
(PKO)への参加を可能にする。それらは、その活動の範囲内においては集団安全保障活動
としての武力の行使をも含むものであるが、その関与の程度については日本国が自主的に
選択する。
④「民主的統制」 (シビリアン・コントロール)の考えを明確にする
集団安全保障活動への参加や自衛権の行使にかかる指揮権の明確化をはかる。同時
に、「民主的統制」に関する規定を設けて、緊急時における指揮権の発動手続や国会に
よる承認手続きなど、軍事的組織に関するシビリアン・コントロール機能を確保する。
その従来の考え方は文民統制であったが、今日においては、国民の代表機関である「国
会のチェック機能」を確実にすることが基本でなければならない。
16
(2)わが国において安全保障に係る原則を生かすための二つの条件
①武力の行使については最大限抑制的であること
新たに明記される「自衛権」についても、戦後日本が培ってきた「専守防衛」の考
えに徹し、必要最小限の武力の行使にとどめることが基本でなければいけない。また、
国連主導の集団安全保障活動への参加においても、武力の行使については強い抑制的
姿勢の下に置かれるべきである。そのガイドラインについては、憲法附属法たる安全
保障基本法等に明示される。
②憲法附属法として「安全保障基本法(仮称)」を定めること
広く「人間の安全保障」を含めてわが国の安全保障に関する基本姿勢を明らかにす
るとともに、民主的統制(シビリアン・コントロール)にかかる詳細規定や国連待機部隊
等の具体的な組織整備にかかる規定および緊急事態に係る行動原則など、安全保障に
関する基本的規範を取り込んだ「基本法」を制定する必要がある。この基本法は憲法
附属法としての性格を有するものとして位置づけられる。

[全文引用おわり] 

このエントリー記事の本文は以上です。
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手錠したまま出産を上川陽子法相が止めさせる、「受刑者の親と子だから貴重な時間」と山尾志桜里さん

2015年09月04日 17時35分55秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

【平成27年2015年9月4日(金)衆議院法務委員会】

 受刑者が出産するとき、病院の分娩室で手錠をかけたまま出産していたのが、上川陽子法相の指示で見直されたことが分かりました。

 一般質疑。

 上川法相は「手錠をして出産分娩するというのは、女性としては考えられないことが行われてきた」としました。

 民主党の山尾志桜里さんは「受刑者の出産について、病院で過ごす、学び、休む時間は大事だと思う。とくに受刑者とその子は、病院で過ごし2~3日間はとても大事な時間だ」としました。

 報道によると、昨年、妊娠8カ月で覚せい剤取締法違反の実刑で収監された受刑者。刑務官から「手錠をしたままだ」と説明を受けたそうです。これを聞いた内縁の夫が「手錠をしないままにしてほしい」と訴えていたところ、結果的に切迫早産で手錠をしないで出産することになったとのこと。

 これを受けて、上川法相が出産分娩時の手錠をしないよう指示し、法務省矯正局が各矯正施設(いわゆる刑務所)に通達しました。
 こんなこと、考えたこともなかったです。

 この後、きのう本会議で審議入りした「外国人技能実習生の保護に関する法律案」(189閣法30号)が趣旨説明されました。もともと、与党国対・内閣は「日切れ」指定していましたが、9月の審議入りになりました。

【同日 衆議院厚生労働委員会】

 「勤労青少年福祉法を改めた、青少年の雇用の促進に関する法律案」 (189閣法50号、参先議)。

 長妻昭さんの質疑で、最低賃金労働者が450万人いることが分かりました。就業者の1割弱が最賃労働者だったんですね。長妻さんは「最賃労働者の生活実態を把握してからの毎年の最賃改定が必要なのではないか」と語りました。最賃法は岸信介内閣で成立していることから、安倍首相の思い入れは強く、各県別で十数円台のアップが続いています。これも考えたこともなかったですが、現在1割弱が最賃労働者。これは、戦後の浅草のハローワークでは午前9時に開き、午前9時1分にしまる、日雇い労働、いわゆるニコヨン(百円玉2つの十円玉4つ=当時の東京都の最賃240円)がありました。豊かな国アメリカでも最賃労働者は多い傾向にあり、経済というより社会構造、国となりも関係します。

 民主党2009マニフェストの「最賃1000円」は全く世論にならなかったような印象がありますが、やはり、名目ベースで、最賃は全国どこでも、1時間850円以上はないといけないように、肌感覚で持ちます。

 西村智奈美さんは「ブラックバイト、ブラック企業を取り締まるために、私が厚労副大臣時代に、文科省に学習指導要領に労働関係の法令を学ぶ機会をつくってくれないかとかけあった」とし、検討状況をただしました。これに対して、自民党の丹羽秀樹文部科学副大臣は「中教審(中央教育審議会)で検討している」としました。

 なお、この答弁中「雇用について学ぶ機会」と語っていました。雇用とは民法の言葉ですが、経営者目線。福田康夫内閣の2008年労働契約法成立以降は、「労働契約」という言い方をすることにしており、自民党政権の経営者目線が垣間見られました。

 討論無しで採決され、全会一致で可決。散会しました。 

【同日 参議院議院運営委員会】

 本会議の手はずなどを審議したと思われます。ネット中継はありません。

【同日 参議院本会議】

 「ドローン規制の改正航空法(189閣法75号)」が投票総数233、賛成233、反対0の全会一致で可決し、成立しました。公布から3か月以内に施行。

 「内閣官房と内閣府のスリム化の改正国家行政組織法」(189閣法54号)は、投票総数232、賛成217、反対15の共反対、自公民維賛成で可決し成立しました。平成28年206年4月1日(金)施行。平成24年2012年11月2日(金)に野田内閣が藤村官房長官と岡田行革相が主導して閣議決定した「内閣官房および内閣府の本来の機能を向上させるための事務分担の見直しの基本方針」にもとづく検討結果を落とし込んだ法律です。

【同日 法律公布】

 「改正農協法・農業委員会法」が平成27年9月4日法律63号として公布されました。来年4月1日(金)施行。国会では議案番号189閣法71号として、民共反対・自公維賛成多数で衆修正のうえ可決し成立していました。

 「女性の職業生活における活躍の推進法」が平成27年9月4日法律64号として公布され、ただちに施行しました。事業主行動計画は来年4月1日(金)施行。189閣法8号でした。

 なお、いつもは法律と条約の公布しか書いていませんが、きょうのエントリー記事では、政令の公布もご紹介します。

 改正公職選挙法(平成27年6月19日法律43号)により、「公職選挙法施行令を改正する政令」を天皇陛下が平成27年9月4日政令317号として公布なさいました。参院選の合区(合同選挙区)の選挙管理委員の第三セクター役員との兼業について、基準を示したようです。 

【同日 参議院わが国および国際社会の平和安全法制に関する特別委員会】

 午後1時から、政府提出の「2015年日米防衛協力のガイドラインと国内実施の安保2法案」(189閣法72号、189閣法73号)と維新対案5法案(189参法16号から20号まで)の合計7本が議題になりました。中谷防衛相、岸田外相のほか、維新の党の小野次郎さん、柴田巧(しばた・こう)さんも答弁しました。

 社民党の吉田忠智さんは「きょうのここまでの審議を聞いた印象だ」として「民主党の小西洋之さんの度重なる憲法解釈の質問について、政府は同じ答弁を繰り返して、まったく答えていない」と語りました。統合幕僚長の証人喚問を要求。

 これとは別に、昨日の朝日新聞で、山口繁・元最高裁判所長官が閣議決定や法案を憲法違反だと断じました。元最高裁裁判官で、職業裁判官出身者の違憲明言はこれが初めて。ぜひ、山口繁さんに参考人としての話を聞いてみたいですね。

このエントリー記事の本文は以上です。

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労働者派遣法改悪案で「総理、見苦しいよ!」津田弥太郎さん、首相入り質疑 参・厚労委など

2015年09月03日 17時28分05秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

【平成27年2015年9月3日(木) 参議院厚生労働委員会】

 「労働者派遣法改悪法案」(189閣法43号)の総理入り質疑がありました。きょう採決しない条件での開催だったようです。

 安倍晋三首相の後ろには、たくさんの傍聴者がひしめきました。

 自民党の羽生田俊さんは「すべて許可制にすべきだ」とし、今次改正法案で特定派遣業を届け出制から許可制にすることを正当化しました。自民党の質疑は5分で終わりました。

 民主党の津田弥太郎さんは、自民党政府が派遣労働者のためになるとの詭弁を繰り返していることについて、「派遣労働者がこの法改正をのぞんでいるのか」と問うと、安倍首相は「公労使(三者構成)の労政審で決めたものだ」と答えると、津田さんは「総理、見苦しいよ!大勢の中でどう見られているのか。総理自身が当事者の意見を一人も聞いていない」と語りました。


[画像]安倍晋三首相・自民党総裁(左側の1列目の中央に着席)に質問する民主党の津田弥太郎さん(右、起立)、2015年9月3日、参議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

 派遣社員の勘定費目を「物件費」としている企業が一部あるとの指摘について、安倍首相は「人材派遣費にするよう、厚生労働大臣が経済団体に指導する」と明言しました。

 津田さんは「私はわが国が派遣社員をつくる国になっていなってほしくない。必要最低限にしてほしい。正社員で雇用しろ」と語りました。

 午後3時からは、「漏れた年金」の一般質疑があり、たびたび審議がストップしました。

【平成27年2015年9月3日(木)衆議院本会議】

●改正マイナンバー法が成立ーー回付案が衆本で。

 「改正マイナンバーおよび改正個人情報保護法」(189閣法34号)が参議院で修正されたので、回付されました。「漏れた年金」を受けて、日本年金機構をマイナンバーから当分外す修正です。全会一致で回付案に賛成し、成立しました。施行は2年以内。

 今国会での衆先議、参修正、衆回付による、法律の成立は、これで3本目。異例の多さとなっています。会期内にもう数本あるかも?

 本会議ではこの後、

 「確定拠出年金法改正案」(189閣法70号)は共産党の反対、自民党、公明党、民主党、維新の党の賛成多数で可決し、参に送られました。

 「日本カザフスタン投資協定条約」(189条約8号)
 「日本ウクライナ投資協定条約」(189条約9号)
 「日本ウルグアイ投資協定条約」(189条約10号)
 「日本カタール租税協定条約」の(189条約11号)

 の承認を求める件は、共反対、自公民維の賛成多数で承認し、参に送られました。

 「日本ルクセンブルク社会保障協定条約」(189条約12号)

 は、全会一致で承認され、参に送られました。

 「琵琶湖の保全および再生に関する法律案」(189衆法35号)が採決され、全会一致で可決し、参に送られました。

 「PFI法改正案」(189閣法55号)は共反対、自公民維の賛成多数で可決し、参に送られました。担当大臣は甘利大臣。

 「6独法を2独法に統合する、農水省設置法改正案」(189閣法32号)は共反対、自公民維賛成多数で参に送られました。案文の施行日は来月1日に迫っていますが、会期内に成立する見通し。

 そして、別エントリーにすで書きましたが、「公認心理師法案」(189衆法38号)は全会一致で可決し、参に送られました。

 この後、趣旨説明と代表質問。

 「外国人技能実習生の適正な実施と保護に関する法律案」(189閣法30号)

 この法案は政府から3月6日(金)に提出されており、半年たってから審議入りするという、大延長国会(295日間)にふさわしい展開となりました。

 民主党の鈴木貴子さん、維新の党の重徳和彦さん、共産党の畑野君枝さんが質疑し、上川法相、塩崎厚労相、岸田外相らが答弁しました。

【同日 衆議院原子力問題調査特別委員会】

 東京電力の広瀬代表取締役を呼んで、一般質疑がありました。

 菅直人さんが質問。

 広瀬代表取締役は、平成23年2011年3月11日(月)の午後2時46分の東北太平洋沖地震(東日本大震災)のあと、東京電力福島第一原子力発電所は「3時間半後にメルトダウン、炉心溶融していた」と答弁しました。事態の官邸への連絡の不備について、菅さん(当時首相)に問われると、「東電が事実を知ったのは5月だった」とし、計算に時間がかかったという能天気ぶりを発揮しました。

【同日 衆議院議院運営委員会】

 本会議の手はずを確認しました。

【同日 参議院内閣委員会】

 「内閣官房・内閣府のスリム化のための国家行政組織法改正案」(189閣法54号)が審査されました。

 民主党第1次与党期の平成24年2012年11月2日の閣議決定にもとづく、内閣官房・内閣府の整理プログラム。

 当時、岡田克也前副総理(内閣府の行政改革担当大臣兼務)の下で、担当副大臣として総選挙での大臣不在を守った、藤本祐司さんが質疑。

 「岡田大臣から稲田朋美大臣への引き継ぎ事項だったが稲田大臣は法案を閣議決定しなかった」と問うと、有村、赤澤正副大臣は「稲田大臣は問題意識を持っていたことは、当時の発言で分かる」という趣旨の答弁をしました。

 討論では、共産党の山下芳生書記局長(参議院議員団長)が反対討論。賛否はいいのですが、「NSC(国家安全保障局)やTPP本部など官邸主導で戦争立法や自由貿易がすすんでいる」と指摘。この法案は内閣官房のスリム化を主眼にしているので違和感がありました。

 それはさておき、共反対、自公民維の賛成で可決。次の本会議で成立する見通し。来年度スタートの28年4月1日(金)施行。

 大島九州男委員長が取り仕切りました。

【同日 参議院国土交通委員会】

 「ドローンを規制する航空法改正案」(189閣法75号)が全会一致で可決しました。次の本会議で成立。3か月以内に施行。

 広田一委員長が取り仕切りました。

【同日 参議院経済産業委員会】

 一般質疑がありました。

 吉川沙織委員長が取り仕切りました。

このエントリー記事の本文は以上です。

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公認心理師法案が衆議院で可決、参議院へ 全会一致、来週にも成立の見通し【追記有】

2015年09月03日 13時25分08秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

(このエントリー記事の初投稿日時は2015年9月2日正午過ぎ)

【追記 2015年9月24日日 午後3時】

公認心理士法の成立については、次のエントリーに書いてあります。
公認心理師法が成立

【追記おわり】


[画像]公認心理師法案可決の瞬間、衆議院文部科学委員会=真ん中で座っている男性は記録部員(速記者)、奥で座っている男性は大臣。それ以外の全文部科学委員が起立しており、全会一致、2015年9月2日(水)、衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット

 公認心理師法案は、平成27年2015年9月2日(水)の午後12時過ぎ、の衆議院文部科学委員会(福井照委員長)で、自民党の山下貴司さんから趣旨説明されました。

 これは、「ただちに起草すべし」との委員らの動議が出たためです。

 形式上、福井委員長が全員の考えを聞いたうえで法律案の文章をつくったかたちになります。

 この委員会には、自公民維の5党に加えて、社民党も委員を出しています。

 趣旨説明の後、質疑と討論を求めた会派がなく、ただちに採決されました。

 公認心理師法案は、全会一致で「委員長提出法案として、衆議院本会議に提出する」ことが決まりました。

 提出に加わらなかった共産党も採決では賛成したようです。

 あす平成27年2015年9月3日(木)のたぶん午後1時から開かれる衆・本会議で、福井委員長が趣旨弁明。ただちに採決。おそらく全会一致で可決して、同日中に参議院に送られるはこび。

 参議院文教科学委員会は、内閣提出法案の審査をすべてフィニッシュしており、今月27日(日)までの第189回通常国会での可決、成立は確実となりました。

 月末頃に、天皇陛下が公布し、官報に全文掲載。それから2年以内に施行。施行日を定める政令は閣議決定されることになります。

 委員会では「文部科学省と厚生労働省はよく連携し、他省も協力すること」などとした附帯決議がつきました。附帯決議は法律ではありませんが、役所はできる限り配慮します。

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笠浩史さん「五輪招致の際の無償エンブレムで良いという学生の声きけ」、安保は自・維が審議の場で決裂

2015年09月02日 18時06分19秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

[写真]東京五輪の誘致エンブレムをあしらったバッジを示して、公式エンブレム白紙撤回後の対応について主張する、民主党の笠浩文さん、2015年9月2日、衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

【平成27年2015年9月2日(水)衆議院文部科学委員会】

 既に別エントリーで報じたように、「公認心理師法案」(189衆法36号)が自公民維社の5党の動議で起草されました。質疑、討論は省略され、全会一致で可決し、委員長が本会議に提出することになりました。今国会での成立は確実。

 これに先立ち、一般質疑がありました。

●東京五輪、新国立競技場に続いて、公式エンブレムも白紙撤回の事態に、民主党・笠浩文元文部科学大臣「無償ですむ、誘致活動のエンブレムでよい」

 この前日夕方に、武藤敏郎・東京オリパラ組織委員長事務総長が記者会見し、新国立競技場のデザインと見積もりに続いて、公式エンブレムも白紙撤回することを発表しました。デザイナーのS氏のパクリが、グーグル画像検索を駆使してインターネット上の掲示板で検証されたため、S氏が自ら辞退しました。

 これについて、民主党で、元文部科学副大臣の笠浩文(りゅう・ひろふみ)さんが質問。

 笠さんは「新国立競技場とエンブレムの相次ぐ白紙撤回は海外でも厳しい報道がされている」としました。遠藤五輪相は「三社三様の責任がある」とし、S氏、選考委員会、組織委員会にそれぞれ責任があるとしました。組織委の副事務総長は「法的な賠償責任はある。だが、まずはスポンサーへの説明を優先したい」と語りました。

 エンブレムのやり直しについて、笠さんは「今はグーグル画像検索がある、という時代です」とし、身に着けたバッジを示しながら、「招致のときのマークを使う手もある」としました。

 招致活動のエンブレムとは、次のポスターのエンブレムです。


[写真]東京オリパラ招致成功時のポスター、2012年9月、東京・永田町、筆者(宮崎信行)撮影。

 笠さんは、「ちょうど昨日の夕方、学生と話していたら、招致活動を同じエンブレムでいいのではないかという声が多かった。ネット上でも同様ですから、一度ネット検索したら分かります。お金もかからない」としました、五輪相らは「招致活動のエンブレムは無償で配布したものであり、スポンサーとの関係がある」とし、有償のエンブレムにしたいとの意向がでました。

 広辞苑によると、エンブレムとは「象徴、表象、標章、紋章」のことです。

【同日 参議院わが国および国際社会の平和および安全に関する特別委員会】

 「2015年日米防衛協力のためのガイドラインの国内実施2法案」(189閣法72号、189閣法73号)に加えて、維新の党対案(189参法16号から20号まで)の合計7法案が審査れました。

●分裂確実の維新の党との政府自民党の修正協議、質疑のかたちで打ち止めの見通しーー自民党側筆頭理事。

 質疑はまず、自民党側筆頭理事の佐藤正久さんが「きょうは維新の党の対案を中心に質問します」と切り出しました。

 これに先立つ今週日曜日、維新創設者の橋下徹さんが、大阪地域政党として分離独立する考えを示しましたが、おととい月曜日に、松野頼久代表が民主党の岡田克也代表と党首会談をひらき、今月末に「協議機関」をつくることになりました。このため、同党の国会議員は分裂することになりました。

 佐藤さんは「私は政党間での修正協議にも参加しています」とも付け加えました。そのうえで、佐藤さんは「NSC法の改正案は維新対案に入っておらず、別に定めるとある。しかし、法律は公布から6か月以内に施行するのに、それまでに成立する保証がない」「極めて不明確だ」などと厳しく批判しました。答弁者の維新議員とは事前の打ち合わせがなかったようで、答弁がたびたび立ち往生しました。

 民主党は中谷防衛相、岸田外相らに対して政府2案を質疑しました。

 公明党の理事で元外務副大臣の荒木清寛さんは、維新に質問しましたが、法案の問題点を指摘しました。「政党間協議を実りあるものにしたい」という表現で締めくくりました。

 これにより、自民党は維新に対して、修正協議の打ち切りを宣言したものと考えられます。やはり、もっとも緊迫する通常国会の最終盤に分裂するような政党は、与党であれ、野党であれ、求心力を失います。このため、政府原案のまま採決されてしまうという危機的な局面を迎えつつあります。私も参加した「8・30国会10万人全国100万人大行動、包囲デモ」では、中央ステージで、坂本龍一さんから「法案成立後も行動すべきだ」という趣旨のスピーチがあったと、後でテレビでみました。その言葉の重みを感じます。

 参考人質疑を来週8日(火)の午後1時から行うことを全会一致で議決して散会しました。

【同日 衆議院内閣委員会】

 「PFI法改正案」(189閣法55号)が共反対、自公民維賛成で可決しました。

 この法案は、国営仙台空港を「コンセッション方式」で運営するにあたり退職公務員を派遣するなどの内容です。質疑に先立ち、仙台空港への委員派遣視察もありました。

 共は反対討論で「公務員は全体の奉仕者とする憲法15条をゆがめる」としました。

 1970年代くらいから、日経新聞では1面トップで「民活」「PFI」「PPP」といった文字が踊り続けてきました。アベノミクス第3の矢成長戦略ですが、既得権益者に報いるには、規制を変えないのではなく、規制を小刻みに変えて、仮に抗議があれば「公布された法律に書き込まれていた」とはねのければいいのであって、情報の囲い込みが既得権益者の利益になると感じることが多いです。「コンセッション方式」とはいったいぜんたい何なのでしょうか。

【同日 衆議院農林水産委員会】

 「独立行政法人改革の農林水産省設置法改正案」(189閣法32号)が共反対、自公民維賛成で可決しました。

 6法人を2法人に統合する内容です。施行日は来月1日(木)に迫っています。

【同日 衆議院厚生労働委員会】

 一般質疑のあと、「勤労青少年福祉法あらため青少年の雇用の促進などに関する法律案」(189閣法50号=参先議)が審議入りしました。来月1日(木)に施行日が迫っています。質疑はあさって4日(金)の午前9時から。

【同日 衆議院財務金融委員会】

 「国際開発金融機関」に関する参考人質疑がありました。何かと思ったら、AIIBといって、「アジアインフラ投資銀行」についてでした。今世紀になってから証券会社が「Invest Bank」を自称することが増えていますが、アジア・インフラ・インベスト・バンクを中国共産党が呼びかけ、イギリス、ドイツなどが出資して設立する計画があります。これについて、専門家から話を聞いて、質疑しました。

【同日 公布】

 おととし、平成25年2013年11月22日(金)に両院承認されていた「日本コロンビア投資協定条約」が、平成27年9月2日条約5号として公布されました。同日付官報が報じました。なお、外務省の日本・コロンビア2か国間外交のサイトによると、コロンビアは8月12日(水)に国内手続きが完了したと日本外務省に伝えてきており、条約は9月11日(金)に発効するようです。条約では、内国待遇や最恵国待遇のあり方などが盛り込まれています。

 「矯正医官の兼業およびフレックスタイム特例法」が平成27年9月2日法律62号として公布。3か月以内に施行。 

 このエントリー記事の本文は以上です。

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民主党、「来年4月1日施行」への修正を逆提案 労働者派遣法改悪法案、傍聴者が詰めかける

2015年09月01日 17時52分16秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

[画像]参議院厚生労働委員会、2015年9月1日、参議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

【平成27年2015年9月1日(火)参議院厚生労働委員会】

 「労働者派遣法改革法案」(189閣法43号)について、共産党の小池晃さんの質疑からやり直しとなりました。このパターンは平安特でも最近ありました。

 午後からの新しい順の質疑で、民主党の津田弥太郎さんは「自民党の福岡高麿筆頭理事から9月30施行に修文したいという話があった。しかし国民への周知を考えると、来年4月1日とすべきだ」との提案がありました。

 これは現行の2012年改正法(民主党政権)の「10月1日プログラム」を発動させ、みなし労働契約(みなし雇用)を違反がある派遣先企業に強制化させるのを目的とした日程感です。これに対して、自民党は9月30日までの施行にこだわると思われ、最終盤攻防が激化しています。

 多くの傍聴者が詰めかけたようです。

 
[画像]上段に多くの傍聴者が詰めかけた、参議院厚生労働委員会、参議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

 頼もしい限り。

 きょうは維新対案(自公修正)の「同一労働同一賃金推進法案」(189衆法22号)も議題となりました。

【同日 衆議院環境委員会】

 一般質疑の後、環境委員長が本会議に提出するスタイルの法律案が起草されました。

 「琵琶湖の保全および再生に関する法律案」(189衆法おそらく35号)で、自公民維生の5党に動議により起草されました。

 自民党の槙原秀樹さんが趣旨説明。民主党の田島一成さんが共産党の10分間の質疑に対して答弁しました。

 法律案は全会一致により、環境委員長が本会議に提出し、可決し、参議院に送られるはこびとなりました。

【同日 参議院内閣委員会】

 「内閣官房と内閣府のスリム化のための国家行政組織法改正案」(189閣法54号)が趣旨説明されました。7月7日(火)に衆議院で可決していましたが、「マイナンバー」「女性の活躍」があり、審議入りが遅れていました。

【同日 参議院国土交通委員会】

 延長国会になってから提出された「ドローン規制のための航空法改正案」(189閣法75号)が趣旨説明されました。

このエントリー記事の本文は以上です。
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9月1日施行阻止で、労働者派遣法改悪法案、参議院での成立は無くなる、10・1に向けて攻防続く

2015年09月01日 05時21分35秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

 平成27年2015年9月1日(火)になりました。

 今国会に提出され、参議院で審議中の「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律等の一部 を改正する法律案」(189閣法43号)の「附則第一条 この法律は、平成二十七年九月一日から施行する。」 の期間を越えました。

 現時点で未成立なので、法案上の「9月1日施行」を阻止することに成功しました。

 ただ、現行労働者派遣法(2012年民主党政権下で成立・施行)の「派遣先企業で、専門26業務の派遣労働者に他の仕事を頼むような違反があった場合は、正規雇用に転換する、みなし雇用規定」のプログラムが発動するのは来月10月1日(木)。よって、自民党政権は改正法案を9月30日までに施行すれば目的を達することができます。いずれにせよ、法案の修正が必要になり、仮に自民党が参議院で強行採決しても、衆議院に回付され、衆議院本会議での採決が必要なことは確実になりました。回付のプロセスは正直、1日程度で済んでしまうのですが、今月27日(日)に迫った会期末までギリギリの攻防が続くことになります。

 きょうの日経新聞の、実業界の個別企業の動向を報じる3ページの最後に「パソナが9月1日からAI(人工知能)を活用したIT業務効率化サービスを始める」という記事があり、ドキッとしましたが、これはどうやら個別企業のAIによるIT業務効率化を実現するための技術者を派遣する、という新事業のようでした。ただ、「9月1日」「10月1日」をみすえた動きが派遣業界にあるような気がします。

 同新聞のほかのページには、非正規雇用者1183人(そのうち、専門26業務の派遣社員146人を含む)へのアンケート調査が載っていました。これによると、法案に「反対」が20%、「どちらかといえば反対」が47%、「どちらかといえば賛成」が28%、賛成が4%となっています。反対の理由は「派遣社員の地位が下がる」「人が変われば会社は同じ業務を派遣社員に任せ続けることができるようになるから(常用代替)」、「26業務の人が契約更新されない可能性があるから(雇い止め)」となっています。賛成の理由は「派遣元会社に無期限で雇用される可能性が高まったから」「原則1年の派遣期間が3年に延びるから(一般派遣から特定派遣へ)「課が変われば3年以上同じ会社に勤めることができるから」となっています。

 これまで専門26業務の派遣社員で「10・1」を見すえて、企業に正社員雇用され、「給料が下がった」「転勤がある」という人もいるようです。世の中で数千人いるのか、数人いるのか分かりませんが、そういう人は必ずいます。

 今国会廃案は難しいと言わざるを得ませんが、「みなし雇用」か「雇い止め」の動きで軟着陸して、再改正は可能です。異論はありますが、私は均等待遇が実現すれば派遣労働の諸問題は根本的に解決するのではないか、と考えています。複雑さによって、労働者が分断され、民主政治の危機を迎えています。

 きょう午前10時からも参議院厚生労働委員会があります。シンプルであることが間接選挙制の眼目であるとの考えを、私としてもより強調していこうと考えています。最後まであきらめずに頑張りましょう

このエントリー記事の本文は以上です。
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次世代の党中山恭子さん、安保法案に「がっかりした」と発言 参・拉致問題に関する特別委員会

2015年08月31日 15時29分19秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

[画像]質問する中山恭子さん、2015年8月31日、参議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

【平成27年2015年8月31日(月) 参議院北朝鮮による拉致問題などに関する特別委員会】

 一般質疑が開かれました。

 まず、山谷拉致相が、100日以上前になる、5月のワシントン出張について報告。

 トップバッターの自民党議員は「国会も大詰めに近づいた中、きょうの委員会開催にこぎつけた委員長はじめ与野党の筆頭理事にお礼申し上げます」と切り出しました。

 次世代の党は、党首選を先週金曜日告示、来週月曜日投票で行うはずですが、中山恭子さん1人しか立候補しなかったと報じられています。安保法案(189閣法72号、189閣法73号)の採決前には正式に党首になるでしょうが、「自衛隊法改正案にはがっかりした」と発言しました。

 自衛隊法改正案は、安保2法案のもっとも土台となる部分の改正条文のことです。

 次世代の党は、政府自民党との修正協議のうえでの賛成に前向きだとみられます。衆議院本会議での採決は、起立採決だったため議事録に記録が残っていませんが、安保法案に賛成したとみられます。

 中山党首の安保法案「がっかり」発言ですが、内閣官房参与(旧大蔵省出身)時代にとりくんだ拉致問題について、「北朝鮮内に、拉致被害者がまとまって住んでいた場合は、自衛隊が北朝鮮領内に乗り込んで、邦人(拉致被害者)を保護して、取り返せるものだと思っていた」として、北朝鮮から警察権を付与されないと自衛隊が北朝鮮領内に入れない法案だと知り、がっかりしたという話でした。

 あくまでも、北朝鮮拉致に関する発言ですが、安保法案について「がっかりした」と新党首が発言したことは、参議院における安保法案修正協議に影を落としそうです。

 ただ、この「拉致特別委」ですが、衆参に別々に設置している必要はないと考えます。参議院には衆議院にない「ODA特別委」もあり、外務省の国会対応が多岐に渡っています。そもそも特別委員会は形式上、会期終了ごとに「廃止」されて、会期召集日に「新設」されていることになっています。やはり衆参どちらか「廃止」すべきでしょう。そのときにマスコミ報道などを受けて、ネットウヨらが誤った煽動をしないように、民主政治の担い手である、有権者の質も問われると考える昨今です。

【同日 参議院情報監視審査会】

 特定秘密保護法や改正国会法にもとづき、非公開で開かれました。

【同日 衆議院】

 審議はありませんでした。

 このエントリー記事の本文は以上でございます。

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