小日向白朗学会 HP準備室BLOG

小日向白朗氏の功績が、未だ歴史上隠されている”真の事実”を広く知ってもらう為の小日向白朗学会公式HP開設準備室 情報など

多額の消費税還元を受けているにもかかわらず、さらに、増額を求める経団連の狂気

2023-10-21 | 小日向白朗学会 情報
 2023年10月17日、日本経済新聞『PB黒字化未達なら「消費増税の検討を」』とする記事が掲載された。
『……
関西経済連合会は17日、中長期的な税財政のあり方に関する提言を発表した。財政健全化のために国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)を2025年度に黒字化する政府目標について、達成できなければ消費税率の引き上げを検討することなどを求めた。
関経連は提言にあたって、現在の消費税率10%のままではPBの黒字化はできないとする試算をまとめた。黒字化の早期達成には消費税率を15%程度にする必要があると指摘。対国内総生産(GDP)比の債務残高を安定的に逓減させるには18%程度までの引き上げが必要とした。提言では年金の支給開始年齢を原則70歳に引き上げることなども求めた。
消費増税について、関経連の常陰均副会長(三井住友信託銀行特別顧問)は同日の記者会見で「一時的に経済を下押する可能性がある一方、現役世代の社会保険料の抑制や将来不安の払拭にもつながる」と指摘。「いつ、どうやるのかについては足元の状況やその影響についてよく吟味する必要がある」とした。
……』
 またまた、関西経済連合会が不快な提言をしたものである。この件に関しては、『防衛三文書による防衛予算と消費増税のカラクリ -日本経済が活力を失ったわけ-』で示したことであるが、防衛費増額のため令和9年までに実施する法人税増額は、消費税を15%にすることで、納付した金額以上の還付金を受け取る手はずになっているのである。
 GDPの半分を占める消費に、消費税というキャップをかぶせて、GDPが伸びるわけはないことは常識である。それを関西経済連合会トップが知らないわけはない。
 これによって日本から、武器でも、自動車でも、精密機械でも、農産物でもなんでも輸出する企業は、政府により利益が保証されるということになるのである。加えて、海外で安い労働力で生産した場合には、さらに利益が上乗せされることになる。これでは日本国民の生活は早晩立ち至らなくなる。
 ここで、再び、湖東先生の消費税に対する意見をよく吟味する必要がある[i]。
『……
湖東先生の考える一番いい徴税方法は、「あるところから取って、ないところから取らない」「あるところから取ったものを、ないところに分配する」という発想である。 
湖東―― 所得税のように「持っている人に課税」したら取れますよね。
 「ある人から取って、ない人にまわす」。これはアダム・スミスの租税原則です。アダム・スミスはイギリスの経済学者で、18世紀の市民革命期の租税思想を代表した人です。この人の考え方は、現在でも通じるものです。
■アダム・スミスの4大原則
〔1〕公平性の原則:各人の能力に応じて、公平に租税を負担すること。
〔2〕明確性の原則:租税は恣意的であってはならない。支払の時期、方法、金額は明確でなければならない。
〔3〕便宜性の原則:納税者が支払うのに、納税者の便宜をはかること。
 〔4〕最小徴税費の原則:徴税のための費用が租税を上回ると“暴政”を招くので、徴税費は少ないほど良い。
「税負担は能力に応じて払いなさい」「能力の高い人は高い負担、能力の低い人は低い負担」というのがアダム・スミスの考え方です。ドイツのワイマール憲法にも、税金は資力に応じて払うべきとありますし、フランス革命のきっかけは徴税問題です。
 昔から「ないところから税を取ろうとすると、暴動が起こりますよ」と知っているんです。消費税は「ないところから取って、あるところにまわす」。これを、あるところから取るようになれば、ある程度は下にもまわるはずです。
……』
また、次のようにも述べておられる。
「……
消費税が導入され“貧富の格差”が広がった。消費税率が上がれば、さらにこの差は広がる
今から33年前の1989年に消費税が導入された。それと同時に国は「法人税と所得税」の最高税率を引き下げた。さらに相続税の最高税率も引き下げている。
富める者の税負担を引き下げ、貧しき者からは「赤字であっても税の徴収を可能」にしたのだ。これによって、貧富の格差は大きくなった。
消費税の導入前は「法人税や所得税」という、儲かったところから税金を徴収していた。しかし、消費税導入後は赤字企業からも徴収する。しかし、ない金は払えない!
 そして税金の滞納が増えた。当たり前である。
10年前から経団連が「消費税19%」を提言している
税率が上がれば、さらに格差は広がる。2012年に経団連(日本経済団体連合会)が消費税19%を提言している。
このときの提言というのは、「消費税率を2014年4月に8%、2015年10月に10%へ引き上げ、その後、2017~2025年度の間、税率を毎年1%ずつ引き上げ、最終的に19%とする」だった。
昨年10月、岸田総理が「消費税には触れない」と発言しており、今すぐの「増税」はない。しかし経団連や財務省の説明は、「国の基礎財政を維持するためには消費税率を上げる必要がある」と言っている。
今、最も税収が多いのが消費税だ。これが「19%」になれば、国民の税負担は単純に倍になる。
そしてトヨタが過去最高の業績を上げても輸出還付金が貰えるように、輸出大企業への還付金も倍になる。
消費税率が上がれば、輸出大企業の税負担は減り、国民の税負担が増すのだ。
……』
岸田政権は、2023年10月19日に「期限付き所得減税の検討指示」している[ii]。
「馬鹿も休み休みにしてほしい」。
自由民主党の裏選対である統一教会問題、巨額の防衛予算など、自民党政権の存続を脅かす問題から国民の目をそらすことができたら、またもとに戻すといっているのだ。
 国民を愚弄するにも限度がある。
以上(寄稿:近藤雄三)

[i] 「絶対におかしい消費税!【2】」税の基本理念が破綻している!「消費税は、弱い者いじめ税!」この“悪税”を廃止にしなければ国民の“幸せ”はない!|ワールドジェットスポーツマガジン (wjsm.co.jp)

[ii] 2023年10月21日、日本経済新聞『首相、期限付き所得減税の検討指示へ 20日与党幹部に』https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA19AIY0Z11C23A0000000/

hment/)。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「自由民主党は売国政党だ!」と絶叫するジャーナリストが現れた ―国際政治アナリスト伊藤貫氏の主張―

2023-10-21 | 小日向白朗学会 情報
 吉田茂は、サンフランシスコ講和条約締結と同時に日米安保条約を締結する。その後、昭和27(1952)年2月28日に「行政協定(日米地位協定)」、昭和29(1954)年2月19日に「日本国における国連連合の軍隊の地位に関する協定(国連軍地位協定)」により、日本の主権(自衛隊指揮権、航空管制権、電波権)をアメリカに売渡してきた。アメリカは、日本を冷戦という世界戦略の極東部分として保持し続けるため、CIAが資金を提供して昭和30(1955)年11月15日に保守合同を行い新に結党した自由民主党に政権を維持させることにした。この二つの協定は、自由民主党が政権を維持するための最高機密であった。このことは「小日向白朗学会 HP準備室BLOG」 下記スレッドとして、その詳細を書いてきた。
ところで、自由民主党が最高機密としてきたCIA資金のことを暴露するジャーナリストが現れた。それは伊藤貫氏である。特に同氏の「伊藤貫の真剣な雑談 第四回」[i]では自由民主党がCIAから資金援助を受けていたことを報告している。伊藤氏の「自由民主党は売国政党」であるということは絶対に正しい。ただし事実認識に誤りがある。
 第一が、CIAが自由民主党に資金提供をした核心的な理由は自由民主党が「自衛隊指揮権」をアメリカに譲渡したことである。この部分は、「行政協定」締結当時から、この事実が明らかになった場合には政権が持たないということで、秘密にされてきたことなのである。これにより、日本は独自の安全保障政策を考えることも、実施することもできない国になってしまった。伊藤氏も独自な安全保障がないことを憤慨しているが、そもそも、日本政府は安全保障を考えることを放棄したアメリカの属国なのだ。伊藤氏が云うところの属国日本に自主性を求めること自体が間違いなのである。
 ところで、アメリカが自衛隊指揮権を握ることにこだわりを見せたのは、アメリカの戦略の下で自衛隊を朝鮮半島や台湾に派兵するためであった。その際に障害になったのが日本国憲法の存在であった。そのため自由民主党は、アメリカの意向を受けて、憲法改正を行ったうえで自衛隊を海外派兵させることを結党主意書にうたったのである。したがって、自由民主党を結党させた理由は、あくまでも自衛隊指揮権を握るアメリカの意向によるものなのである。
そもそも、日本国憲法はGHQの強い意向を受けて施行されたものであった。ところが、冷戦構造及び朝鮮戦争でアメリカの世界戦略が大幅に変更となったことから、今度は、自主憲法制定という、それまでとは180度異なる理由を持ち出さざるをえなかったのである。しかし、自由民主党が主張する「GHQによる押し付け憲法」であることから「自主制定憲法へと改正する」という論理は間違いがある。日本がサンフランシスコで連合国と講和を結んだ中に次の文言がある。
『……
第十九条
(d) 日本国は、占領期間中に占領当局の指令に基づいて若しくはその結果として行われ、又は当時の日本国の法律によつて許可されたすべての作為又は不作為の効力を承認し、連合国民をこの作為又は不作為から生ずる民事又は刑事の責任に問ういかなる行動もとらないものとする。
……」
 日本は講和に際して、GHQが行った対日政策をすべて受け入れることを約束している。従って「GHQによる押し付け憲法」であっても、受け入れることを拒否することはできないのだ。さもなければ講和条約違反となり、国連憲章中にある敵国条項(53条、第107条)に抵触して懲罰を受ける可能性すらあるのだ。
 第二が、保守合同の原因は、昭和30(1955)年10月13日に社会党左右両派が社会党(鈴木茂三郎委員長、浅沼稲次郎書記長)を再統一したことであった。
昭和26(1951)年当時の社会党は、サンフランシスコ講和条約を巡って、講和条約賛成派の社会党右派と講和条約反対派の社会党左派に分裂していた。その後、保守政権による再軍備や改憲に対抗するために反対運動を推進した社会党左派が選挙毎に議席をのばしていたが、社会党右派は党内の対立があって明確な主張を出せなかったため選挙で議席が伸び悩んでいた。ところが昭和30年に社会党が再統一を成し遂げたことで、いよいよ、社会党を中心とする野党が政権を奪取する可能性が生まれた。そして社会党が政権を取った場合に社会党は、日米安全保障は期限が到来するまで継続するものの、国内法である行政協定は政権移譲とほぼ同時に破棄、若しくは段階的解消して日本の国権を取り戻す政策に転じることは明白であった。その結果、アメリカはせっかく手に入れた「自衛隊指揮権」を手放さざるを得ないという事態を避けるために、日本の国内政治に干渉し、分裂している保守二党を合同させてアメリカの制御が可能な政権与党を作ることとした。そのため自由民主党が長期政権となったのである。その様子は『CIA秘録』[ii]に記載がある。中でも「第12章「別のやり方でやった」自民党への秘密資金」で、特に詳しく述べている。
『……
一九五八年から六〇年代初頭までの間、「アメリカ政府は、日本の政治の方向性に彫響を与えようとする四件の秘密計画を承記した。左翼政治勢力による選挙を通じての成功が、日本の中立主義を強化し最終的には日本に左翼政罹が誕生することを懸念したのである。アイゼンハワー政権は一九五八年五月の衆院議員選挙の前に。少数の重要な親米保守政冶家に対しCIAが一定限度の秘密資金援助と選挙に関するアドバイスを提供することを承認した。援肋を受けた日本側の候補者は、これらの援助がアメリカの実業家からの援助だと伝えられた」。
 「重要政治家に対する控え目な資金援助計画は、その後一九六〇年代の選挙でも継続された」と国務省声明は述べている。
 「もう一つのアメリカによる秘密工作は、極端に左翼的な政治家が選挙で選ばれる可能性を減らすことを狙ったものだった。一九五九年にアイゼンハワー政権は、より親米的な『責任ある』野党が出現することを希望して、穏健派の左翼勢力を野党勢力から切り離すことを目指した秘密工作の実施をCIAに認証した。この計画での資金援助はかぎられていて一九六〇年には‐七万五千ドル-、一九六〇年代初期を通じて基本的に同じ水準で続けられた。一九六四年までには、リンドン・ジョンソン政権の要人も、日本の政治か落ら付きを増し日本の政治家に対する秘密の資金援助の必要がなくなったと確信するようになっていた。さらに、資金援助計画は、それか暴露された時のリスクか人きいというのか多数意見になっていた。日本の政党に対する資金援助計画は一九六四年の初期に段階的に廃止された」
……』
 自由民主党は、保守合同を行う前からCIAから資金援助を受けていた。そして「日米安保条約」を締結する下準備として、支持基盤を安定させるために昭和33年(1958)年5月22日に行われて第28回衆議院議員総選挙を勝利する必要があった。そのため「CIAが一定限度の秘密資金を援助することと選挙に関するアドバイス」をおこなったのである。その結果、総選挙では467議席中287議席を獲得したことで政権は安定することになった。残る課題は、革新勢力を分断して再び政権を奪い取ることを断念させることであった。そこでCIAは「穏健派の左翼勢力を野党勢力から切り離すことを目指した秘密工作の実施」を行うことにした。分断工作に使用した資金は1960年に7万5千ドルで、その後、「一九六〇年代初期を通じて基本的に同じ水準で続けられた」というのである。したがって、1960年から数年はCIA資金が投入されていたことになる。これが1960年1月に西尾末広、片山哲、水谷長三郎によって結党した民主社会党なのである。つまり伊藤氏が云うところの「社会党に注入されたCIAの資金」とは、野党分断工作費用だったのである。そして、民社党の流れをくむのが労働組織連合(日本労働組合総連合会)である。そのため連合は、今でも野党分断工作をおこなって自由民主党を補完する工作を精力的に行っているのだ。

 以上を踏まえたうえで、伊藤氏の今後の矛先について考えてみる。伊藤氏は自由民主党を「売国政党」と厳しく糾弾していたが、その甲斐あってか、最近の同党中枢は長期政権を維持してきたことの限界を感じて外交防衛利権を移転させることを準備している。つまり、伊藤氏は、今後、外交防衛利権を持ち逃げしようとしている自由民主党とその相手国に論点が移っていくことは確実である。しかし、いまだ伊藤氏からは公表されていない。僭越ではあるが、このスレッドで、今後の展開を纏めてみる。
 そもそも日本の安全保障は、朝鮮戦争を継続することを前提にして法体系が組み立てられてきた。そのため、万が一に朝鮮戦争が終戦となると、自由民主党の存続も外交防衛利権もすべて消滅する可能性があった。このことを一番熟知しているのが二つの協定を締結した自由民主党なのである。そこで自由民主党は、ひそかに外交防衛利権の移転を開始している。それが2023年1月11日に署名し同年10月15日に効力が生じた「日英円滑化協定」である。同協定については「「日英円滑化協定」は「国連軍地位協定」のスペア -自由民主党は イギリスにも国家主権を売ると決めた-」でその詳細を記載済みである。問題は、自由民主党が防衛利権を持ち逃げする先が、選りに選って、イギリスなのである。
 当のイギリスであるが、実は、驚くなかれ、日本は幕末に日英修好通商条約(1858年8月26日)を締結したときからイギリスの属国となっていたのである。
 その実態については、一九九八年刊行のオクスフォード『イギリス帝国史』講座に詳細が記載されている。それによればイギリスは、自由貿易帝国主義論を枠組みとして「公式帝国」と「非公式帝国」という概念を用いてイギリス帝国の盛衰を説明している。
 まず自由貿易帝国主義論の定義であるが、イギリス本国にあるマンチェスター綿業資本を中心とする工業及び製造業の利害からイギリスの海外膨張、自由貿易政策との関連性を中心に議論したものである。その結論としては、一九世紀イギリスの海外膨張を巡る基本的な戦略は「可能であれば、非公式支配による貿易を、必要ならば、軍事力による公式の領土併合によって」自由放任主義(レッセフェール)のもとで自由貿易を世界各地で強要することにあった。それと同時に「イギリスの通商業者、製造業者のために新たな市場を確保するのは政府の仕事である」という確信のもと、自由貿易帝国主義政策を世界各地で積極的に推進していた。これが当時のイギリス外交であった。 
 そのうえで、イギリスの植民地を二種類に分類していたことを説明している。イギリスの植民地であったインド、オーストラリア、シンガポールなど国際法で認められた植民地を「公式帝国」(Formal empire)と規定している。ラテンアメリカ諸国、中国、オスマン帝国、日本などの諸国は政治的には主権を持つ独立国であっても経済的にイギリスの圧倒的な影響下にある国々を「非公式帝国」(Informal empire)としていた。ここで重要なことは、イギリスは、公式か非公式を問わず植民地を統治する手法が上手く機能したことからこそ覇権を維持することができた。その手法とは、単に経済的利益獲得ばかりではなく本国から現地に派遣した植民地担当者が現地に駐在して十分に機能したこと、現地植民地社会のエリート層が政治的に積極的に協力したことであった。そして、世界の低開発地域を、原料や食糧の第一次産品供給国にすると共に、さらには資本やサーヴィスの輸出先に仕立てイギリスを中心とする世界経済体制に組み込むという世界戦略であった。日本の場合は、明治元年に薩長が設立した明治政府であり、その閣僚のことである。
 日本がイギリスの「非公式帝国」つまり「属国」であったことの証拠となる資料がある、それは1859年4月28日付『ガジェット紙』である。同紙には「……昨年の八月二五日に、女王陛下と日本の大君(注:「the Tycoon of Japan」江戸幕府をこのように呼んでいた)は、それぞれの全権公使によって修好通商講和条約を合意し署名した。前記の条約の批准書が交付されたならば女王陛下は、直ちに日本の大君の領土で権能と管轄権を有するであろう……」としている。つまり、イギリスは、治外法権を取得することで日本を配下に置いてきた。近年、自由民主党政権がしばしば用いる「国際社会の法と秩序を尊重する」ということは、実は、イギリスが日本を支配下に置く方便なのである。
その実態を如実に表している組織がある。それは、イギリスが1865年に、中国と日本で発生したイギリス国民に対する訴訟及び上告を処理する目的でイギリス高等領事裁判所(The British Supreme Court for China and Japan)を設立している([iii])。この英語表記からわかる通り、同裁判所が受け持つ地域は、中国と日本であった。つまり、日本と中国はイギリスの非公式帝国であったことは明らかである。そして、この裁判所の英語表記から日本(Japan)の文字が外され「The British Supreme Court for China and Corea」となるのは、1894(明治27)年日英通商航海条約を締結後、国内法の整備などの経過処置が必要であることから1900(明治33)年になってからであった。これはイギリスがインド防衛のために日本の陸海軍を利用するため、日本の主権国家として扱って日英同盟を締結するための下準備であった。それは、主権国家同士が締結した条約は、たとえ片方に不利な条件であっても尊守することを求めるという過酷なものであった。これで日本は日露戦争を回避することができなくなり、莫大な戦費の借り入れと、多くの戦死者を出すことになった悪魔のレトリックなのである。
 ところでこの裁判所の名称の変遷からイギリスと朝鮮との関係も見えてくる。1883(明治16)年に、イギリスは朝鮮と朝英修好通商条約を締結するが、同年、同裁判所の所轄に朝鮮の名称が追加されている。また朝鮮の英語表記から朝鮮が削除されるのは1910(明治43)年で、日本が朝鮮を併合した年なのである。イギリス帝国史から見た場合に、日本も朝鮮もイギリスの非公式帝国であるが、便宜上、朝鮮の支配を日本に移し替えたということである。
 そして、極東で最後まで治外法権が維持されていたのは中国であった。中国が同権利を回復するのは1943年1月11日に「中国における治外法権の返還に関する中英条約」(Treaty for the Relinquishment of Extra-Territorial Rights in China)を締結するまで待つことになる。イギリスが、中国の主権を回復することに同意したのは、蒋介石が率いる重慶政府を対日戦に参加させるためであったことは明らかである。ここで述べた『非公式帝国』は、もはや、イギリス帝国史では常識である。知らないのは、日本国民だけなのである。
 戦前の日本とイギリスの関係であるが、イギリスは自国の権益である中国及び満州に、日本が独自の論理で介入したことに対してアメリカと組んで懲罰を加えることにした。その結果が広島長崎に対する原爆投下であり、8月15日の敗戦なのである。日本は、昭和21年11月3日公布し、昭和22年5月3日施行した日本国憲法とは、イギリスの利権であった満州に日本が介入した結果、厳しい懲罰を受けたことに対する厳粛な反省に立脚したものであったことから、戦後の日本のあるべき国際関係とは、国際紛争という利権争いに、いかなる国とも「与しない」ことを誓ったものなのだ。軽々しく憲法改正を口にする輩は、イギリスの苛酷な懲罰の歴史を無視しているか、忘れている。憲法前文を改正せずに、条文を変更するという姑息な手段で憲法を改正することは愚かの極みである。イギリスの属国であった日本は、イギリスによる苛酷な使役と懲罰の歴史を見つめなおす必要がある。

 それを、自由民主党は、よりによって、またもやイギリスに安全保障を委ねようとするということは狂気の沙汰なのである。また、別の見方をすれば、アメリカと自由民主党の関係が明らかになってきたことで、ご本尊のイギリスが乗り出してきたということでもある。
  いずれにしろ、これで、また、日本は、イギリスに「骨の髄までしゃぶられる」ことになるのだ。

 優秀なジャーナリストである伊藤貫氏は、現代の日本は、治外法権の国であって国家主権のないアメリカの属国であることから、日本が独自の安全保障を試みるというのは単なる絵空事にしか過ぎないことを暴露されており、これは称賛に値する。
 同氏は、売国政党である自由民主党が外交防衛利権をイギリスに売り渡そうとしていることを察知しているはずであるから、今後は、イギリスの世界的な悪巧みを暴露していただけることになるはずである。期待して待ちたい。
以上(寄稿:近藤雄三)

[ii] ティム・ワイナー『CIA秘録 上巻』文芸春秋(2008年11月20日)182頁。

[iii]「Supreme Court of China and Japan, establishment」The North-China Herald, 29 July 1865。(http://www.law.mq.edu.au/research/colonial_case_law/colonial_cases/less_developed/china_and_japan/supreme_court_establishment/)。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

消費税という名前の亡国政策、34年前に導入し順調に嵩上げして19%にまで持っていきたい反日亡国奴がいる不思議!

2023-10-15 | 小日向白朗学会 情報
 行きつけの小さな下町の文房具屋さんのお話です。この町へ引っ越してきたのはかれこれ2年半くらい前のことです。雑用係の私はお得意さんに出す請求書用の封筒や諸経費の領収書を張り付けておくスクラップ帳などを求めて近くをうろつきました。そこで、やっと一軒の文具店を見つけました。二間ほどの間口の半分はシャッターを閉じたまま、さらに残りの半分のスペースにも頭が届くか届かないところまでシャッターを引き下ろしていて、この店本当にやる気があるのかな…といぶかしく感じたものでした。やっと探したということあり、仕方なく店に入り、封筒とスクラップ帳を求めたのです。金額は失念してしまいました。でも優しいおばさんが丁寧に対応してくれました。
 そしてつい最近のことですが、同じく封筒とスクラップ帳を買いに出かけました。封筒が200円、スクラップ帳が430円、併せて630円、消費税を入れると693円でした。領収書に693円と書き入れてくれました。でも、例のインボイス制度導入に伴う登録番号の記載はありません。消費税率や消費税額の表示もありませんでした。特に何も言わなかった私におばさんはこう言ったのです。「630円頂きます。」私は「えっ?」「損しないでよ、商売やってるんだから。」と言い返しました。
 私は一瞬のうちに理解しました。国税が今月からスタートさせたインボイス制度に対応していないお店なので、私に「消費税の二重払い」をさせては申し訳ないと思われたおばさんが暗黙の裡にとられた商売の良心の表れだったのです。領収書には693円、でも私が支払ったのは630円。登録番号がないので消費税控除が受けられない私のために「630円頂きます」と言われたのだと思いました。
 小さな小さな下町の文具店のおばさんのお話です。こういう市井の平々凡々とした心優しい人々、私も含めてですが、こんな人々に、こうした気遣いを強要する国税とはいったいどこのお役所なのでしょうか。そうだ、きっと日本の国税ではない、それは“大企業国”のお役所に違いない。その理由は簡単、消費税は日本の国民総最貧民化政策以外の何物でもなく、景気冷却装置以外の何物でもないことは明白ですから。その証拠に“大企業国”の対外窓口組織である経団連は19%にまでもっていこうとされているではないですか。しかも、消費税の総税収の4割、いや失礼4分の1は経団連所属の大企業群(輸出事業会社)に還付されてしまう仕組み、というよりこれが目的で作られた仕組みでしょう。労働市場の流動化多様化という方法で格差拡大を積極推進し、加えて零細事業者を日本国から一掃殲滅してしまい、未曽有のリセッションに誘導しようとしている方たち、こうした日本国民に敵対する亡国奴たちが実行する政策、それが消費税制度です。こうした反日亡国の輩霞が関や永田町、それに大手町辺りを大手を振ってうろついている不思議、すでに都市伝説といってもいいのではないでしょうか。
 私も最近ネットで知ったのですが、湖東京至先生という税理士の先生が非常にわかりやすく消費税のからくりをご説明・披露してくれていらっしゃるのでネット検索してみていただけたら幸いだと思います。
 それにしても、消費税を廃止するだけで私たち一般市井の民の懐が温まるのに、そして、景気回復の特効薬である消費が活発化するのに、そして好況に向かって失われた34年を取り戻すことができるのに…そうすれば税収だって増えるのに…こんな簡単なことをしない政府はもう要りません。だれか、代わって・・・!! (文責:吉田)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

防衛三文書による防衛予算と消費増税のカラクリ -日本経済が活力を失ったわけ-

2023-10-14 | 小日向白朗学会 情報
 1.防衛三文書による防衛予算
 いよいよ自由民主党は「伸るか、反るか」の大博打に打って出る以外に方法はなくなってしまった。そもそも、日本政府は2022年に起きたロシアによるウクライナ侵攻を、軍事増強する絶好の機会ととらえ、中国が台湾に侵攻すると同時に尖閣諸島にも侵攻が起こるという相関関係を恰も因果関係と錯覚させるイメージ操作を行ったうえで「防衛三文書」を作成し、莫大な防衛予算を獲得することに成功した。
 そして、防衛力を安定的に維持拡充する目的で『我が国の防衛力の抜本的な強化等のために必要な財源の確保に関する特別措置法』を制定し、万全な体制をめざした。
 その実際については、財務省「新たな国家安全保障戦略等の策定と 令和5年度防衛関係予算について」[1]でつぎの様に述べている。
『……
令和9年度には防衛費とそれを補完する取組を合わせ、現在の国内総生産(GDP)の2パーセントに達するよう予算措置を講じます
 抜本的に強化された防衛力は、令和9年度以降も将来にわたり維持強化していく必要があり、国家の責任としてこれを安定的に支えるためのしっかりした財源措置が不可欠です。令和9年度以降、防衛力を安定的に維持するためには毎年度約4兆円の追加財源の確保が必要となります
令和9年度の整備計画対象経費を8.9兆円としている中、令和4年度の同経費5.2兆円との差額である約4兆円に対して、裏付けとなるしっかりとした財源が毎年度必要となる。
その財源確保に当たっては、国民のご負担をできるだけ抑えるため、あらゆる工夫を検討した結果、(1)歳出改革、(2)決算剰余金の活用、そして、(3)様々な取組により確保した税外収入等を防衛力整備に計画的・安定的に充てるための新たな資金制度「防衛力強化資金」の創設により、必要な財源の約4分の3を確保することとしている。
それでも足りない約4分の1については、総理から、「将来世代に先送りすることなく、令和9年度に向けて、今を生きる我々の将来世代への責任として対応すべきもの」として、「税制措置での協力をお願いしたい」旨表明された*3。(図表5:令和9年度に向けて新たに必要となる防衛費をまかなう財源)
その上で、令和4年度の中期防対象経費(5.2兆円)から令和5年度の整備計画対象経費(6.6兆円)への増額(1.4兆円程度)の財源については、歳出改革(0.2兆円程度)と税外収入(1.2兆円程度)により確保している
 また、令和5年度に防衛力強化のための財源として確保した税外収入の総額は4.6兆円程度であり、このうち、前述の1.2兆円程度を超える分(3.4兆円程度)は防衛力強化資金に繰り入れ、令和6年度以降の財源として活用することとしている。
与党税制調査会では防衛力強化に係る財源確保のための税制措置に関する議論が行われ、最終的に取りまとめられた与党税制改正大綱では、税制措置について、令和9年度に向けて複数年かけて段階的に実施することとし、令和9年度においては1兆円強を確保することとされた。具体的な税目については、法人税、所得税、たばこ税が対象とされ、措置の施行時期は、令和6年以降の適切な時期とされた
……』
 つまり、令和6年度予算からは、法人税、所得税、たばこ税を中心に、令和9年度までに1兆円強に達するまで段階的に増税を行うと言っているのだ。ただし令和5年度は、新設した防衛力強化資金に3.4兆円があり、毎年1.2兆円ずつ取り崩しても約3年分は手当済であることから令和9年度に本格的な増税を行うと間に合うように制度設計されている。
 また、令和9年度においては1兆円強を財源確保策は、復興特別所得税とたばこ税でそれぞれ2000億円程度、法人税で7000億~8000億円を想定している[2]。
 軍備拡張を、法人税で賄うのはドイツが19世紀末に採用した方法である。
1897(明治30)年4月、ヴィルヘルムⅡ世が「世界の至るところで、我々はドイツの市民を保護しなければならず、また、世界の至るところでドイツの名誉を守らなければならない」と制海権確保を最優先するという演説を行ったことから始まった海軍拡張計画があった。この時の財源は、クルップなど重工業を中核とする会員数2万名を誇る「ドイツ植民地協会」であった。同協会が、海軍に協力したのは、戦艦建造という長い時間と莫大な費用を必要とする政策が動き出すことで会員企業は大きな受注を獲得できるためであった。
 本年、日本政府が防衛費確保のためには法人税により確保しようとすることは、正しいし、経団連(日本経済団体連合会)も大賛成であるに違いない。

 2.経団連が唱える不思議な消費増税
 2023年9月12日、朝日新聞デジタル『財源「消費増税も」 経団連、少子化対策で提言』に次のような記事が掲載されている。
『……
 経団連は11日、2024年度税制改正に向けた提言をまとめ、発表した。岸田政権が進める「異次元の少子化対策」など社会保障政策の財源をめぐって消費税を取り上げ、「中長期的な視点からは、引き上げは有力な選択肢の一つ」とした。景気への影響などを考慮しながら、政府に幅広く議論するよう求めた。
……』
 この発言の趣旨から、経団連は、法人税による増税は認めるものの、GDPの50%以上をしめる消費に課税すべきであると言っているのである。
消費税は、平成元(1989)年4月1日、日本ではじめて消費税が導入されました。その後、国民の反発を受けながらも、1997年に5%、2014年に8%と段階的に引き上げられ、2019年10月には10%(飲食料品や新聞は軽減税率適用で8%のまま)まで引き上げられた。そうである。日本が失われた30年と云われるのは消費税の歴史でもある。
 日本経済の中心的な存在である経団連は、日本のGDPが拡大することを抑制する政策を提言しているのだ。変わった経済団体である。
そもそも、経団連が発足することになったのは、昭和20年8月に軍需省がアメリカ軍の接収を避けるため椎名悦三郎が岸信介の命を受けて商工省(後の経産省)に移管したことから始まる。これに伴い、昭和21(1946)年8月に、軍需省から商工省へ移管した電力や鉄鋼を中心とする民間企業団体が設立した経済団体連合会(経団連)を起源とするものであり、もともとが岸信介を中心とする満洲人脈による組織なのだ。

 3.消費税のからくり
 消費税のカラクリに付いては湖東京至『輸出大企業の還付金・上位20社 湖東レポート』[3]が、その本質を突いている。
『……
消費税の4分の1が輸出大企業に還付されている。売上金が落ちても、還付金は増大している

元静岡大学教授で税理士の湖東 京至先生のレポート

ウクライナ侵攻やコロナ禍のあおりを受けた物価高で、材料費や生活必需品の高騰が続き、中小企業者や国民の生活はひっ迫し続けています。
コロナ禍による給付金や支援金もなく、赤字のため所得税や法人税の負担は少ないのに、消費税だけは納税しなければなりません。
消費税は、赤字でも納めなくてはならない「第二所得税」「第二法人税」といわれるように、中小業者いじめの酷税です。
そのため、消費税の滞納発生額は一番多くなっています。
ところが、トヨタなど輸出大企業は円安のおかげで輸出売上が伸び、消費税の還付金が軒並み増えています。
上記の表1は、2021年4月から2022年3月期の各社の還付金を推計したものです。
我が国の製造業上位20社の還付金合計は1兆7千億円を超えています。
トヨタの売上高はそれほど伸びていないのに、円安で輸出割合が高くなっているため、還付金は6千億円になっています。

 
税収が赤字の税務署の管内には、輸出大企業がある

2022年3月期の輸出還付金の合計額は、政府統計がまだ出ていませんが、筆者(湖東先生)が推定するとおよそ6兆6千億円になります(国税分と地方消費税の合計)。
これは、政府の消費税収予算26兆円(国税・地方消費税の合計)の25.4%に相当します。つまり、消費税の4分の1が輸出大企業に還付されていることになります。
各社の還付金額を国税庁・税務署は公表しませんし、企業も発表しません。
 上記の表に示した還付金額は、筆者が各社の決算書などから推定計算したものです。ただ、国税庁は毎年、税務署ごとの還付金額を公表しています。消費税の還付金額のほうが、徴収税額を上回る税務署が全国で11カ所ありました。
……』
 そうなのである。消費税の4分の1は輸出大企業に還付されているのだ。その総額は2021年度1兆7074億円である。
 ここで、岸田内閣が消費税を10%から15%に引き上げた場合に、還付を受けている大企業が受け取る総額はいくらになるのか。
 2兆5611億円である。
 その差額は8537億円となる。
 この8000億円という数字は、どこかで見覚えのある数字である。
そうである。防衛費増額に伴う法人税を増税して確保する7000億~8000億円なのである。
 岸田政権は、経団連と談合して、防衛費増額に伴う法人税徴収分に見合う消費税還付をおこなおうとしているのだ。つまり防衛費増額は、消費者が賄うことになるのだ。

 岸田、汚いぞ。
 経団連、汚いぞ。
 経団連を中心とする経済界が防衛費負担増を受入れるふりをして、消費税還付でそっくりそのまま日本政府から返してもらうのである。

4.岸田政権の大嘘
2023年9月26日、自由民主党はホームページに「税収増の成果を国民に還元 岸田総理が経済対策の方向性示す」とするコメントを掲載した。
『……
岸田文雄総理は9月25日、記者団に対して政府与党が来月中に取りまとめる経済対策の方向性について説明し、「成長の成果である税収増等を国民に適切に還元する」として、成長力強化に向けて賃上げ税制の減税制度を強化し、持続的な賃上げを実現する考えを強調しました。
 岸田総理は経済対策の目的について「物価高に苦しむ国民に成長の成果を適切に還元し、日本経済が長年続いていた『コストカット型経済』からの転換を図る」と表明。各種の給付措置に加え、税制や社会保障負担の軽減等を行い「熱量あふれる新たな経済ステージへ移行する方向感を明確かつ確実にする」と決意を示しました。
……』
 白々しい嘘である。
国民が長く続く物価高に苦しむなか、即効性のある「所得税減税」や「消費税減税」「ガソリン税減税(トリガー条項発動)」などは見られない。ネット上では「偽減税」という言葉も飛び交っている。
 全くその通りである。

 やはり、自由民主党は、自衛隊指揮権、電波権、航空管制権という日本の主権をアメリカに売渡すことで、70年の長きに渡り国内政治を牛耳ってきた。そのうえ、さらに莫大な防衛利権を手に入れるため、無理やりに周辺諸国を仮想敵国に仕立て上げて、まんまと、国民を騙したうえに、今度は、その予算を、少子化対策のため消費税を15%にするという虚言を弄して、またまた国民を騙して賄おうとしているのだ。

 自由民主党は、もはや狂気の沙汰である。
 さらに、自由民主党の分身である犯罪者集団統一教会に対して解散命令を裁判所に求めることにしたが、本当に統一教会を解散するときは自由民主党もなくなるときである。
 単なる裁判の長期化を狙ったものでしかない。

最後に前述の湖東京至先生の極めつけの至言を一つ[4]。
『……
大企業が「フランスの最高傑作品」と「消費税」を褒め称える理由。それは企業に還付金を与えられるから
湖東―― フランス政府が自国の輸出企業を応援するために、「直接税」だった付加価値税を、無理やり消費税という「間接税」にしたことで、錯覚を起こしやすい税金にしてしまった。
 フランスは輸入が多くて、輸出が少ない。クルマのルノーもなかなか売れない。それで悩んで考えた末に、「一生懸命やっている輸出企業を応援しようじゃないか」となった。応援するにはどうしたらいいかというと「税金をまけること」ですよね。
でも、「GATT(関税及び貿易に関する一般協定)」という協定で法人税を下げることが禁止されている。「じゃあ、間接税ならいいんじゃないか」ということで、本来、シャウプ博士が考えた「直接税」であった付加価値税を「間接税」として導入したんです。
 これは「大企業に還付金を与えるために考え出したもの」です。
……』
以上(寄稿:近藤雄三)
 

[2] 読売新聞オンライン『自衛隊施設の整備費、建設国債1・6兆円充当へ』https://www.yomiuri.co.jp/politics/20221212-OYT1T50207/

[4]『絶対におかしい消費税!【2】」税の基本理念が破綻している!「消費税は、弱い者いじめ税!」この“悪税”を廃止にしなければ国民の“幸せ”はない!」

https://www.wjsm.co.jp/article/public-Economy/a312

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

台湾有事を煽った自由民主党外交政策の大失態 -日本の宗主国アメリカは中国と和解済み-

2023-10-05 | 小日向白朗学会 情報
 2023年10月4日、TBSが『中国が歓迎 アメリカ超党派議員団が訪中へ』を配信した。
『……中国政府は4日、アメリカの超党派議員団が近く中国を訪問することを認めたうえで「歓迎する」とのコメントを発表しました。
  アメリカのブルームバーグ通信は2日、与党・民主党の議会上院トップのシューマー院内総務が来週、超党派議員団を率いて中国を訪問し、習近平国家主席との面会も模索していると伝えていましたが、中国外務省は4日、コメントを発表し「訪問を歓迎する」としました。
コメントでは、「今回の訪問がアメリカ議会の中国に対する客観的な理解を深め、両国の立法機関の対話と交流を促進し、両国関係の発展にプラスとなる要素をもたらすことを望む」としています。
 アメリカと中国は対立する一方で、6月のブリンケン国務長官訪中など対話を活発化させつつあり、中国としても今回の訪問歓迎で対話への意欲を示した形です。
 米中をめぐっては、来月、アメリカで開かれるAPEC=アジア太平洋経済協力会議の首脳会議にあわせて、バイデン大統領と習主席の会談が実現するかが焦点となっていて、今回の議員団の訪中が米中首脳会談の地ならしとなるか注目されます。
……』
 事の経緯をかいつまんで説明する。ロシアはウクライナへ軍事侵攻に連動するかの様にペロシが台湾を訪問したことで、台湾有事がいよいよ真実味をおびてきた。この事態に日本政府は「防衛三文書」を策定し仮想敵国をロシア、中国、北朝鮮として、莫大な防衛予算を獲得することにした。ところが2023年2月16日に、ブリンケン国務長官が訪中して「One China Policy」を追認することになった。
 これにより日本政府が防衛三文書決で決めた仮想敵国が消滅してしまうという大失態をしてしまった。
 ところが、日本政府は、アメリカの核の傘を背景に、台湾有事と尖閣諸島防衛に対処する計画を立てた。ところがアメリカは上海コミュニケで確認した「One China Policy」に回帰し中国とは戦わないことを再確認した。
つまり、アメリカは台湾有事も、尖閣列島問題でも中国と軍事力で対立することはない。
 そもそも台湾有事を煽ったのは、アメリカ下院議長であった民主党員でもあったペロシである。それが、今度は、民主党議会上院トップのシューマー院内総務が訪中し米中が対立を回避すると言い出しているのだ。
日本政府は、アメリカに「はしご」を外されたのだ。
 それも、よりによって「東京電力福島第一原子力発電所の建屋内にある放射性物質を含む水について、トリチウム以外の放射性物質を、安全基準を満たすまで浄化した水」を放流するというのである。これで日本政府に敵国と指定された中国政府は、今後、どのような対応に出るのかは自ずと明らかである。
さっさと「放流水」サンプルを関係国に提供して誤解を解くことは当たり前であろう。

 どうする自由民主党!
 もはや、これまで通りに国民を騙し続けることは不可能だ!
日本政府がどのようなきれいごとを云おうと「防衛三文書」で決定した防衛予算の根拠はない。

米中関係は下記のタイトルで掲載済みである。
以上(寄稿:近藤雄三)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「日英円滑化協定」は「国連軍地位協定」のスペア -自由民主党は イギリスにも国家主権を売ると決めた-

2023-10-03 | 小日向白朗学会 情報
 筆者はこれまで、自由民主党がアメリカと「日本国における国連連合の軍隊の地位に関する協定(国連軍地位協定)」と「行政協定(日米地位協定)」を締結したことにより、日本の主権(自衛隊指揮権、航空管制権、電波権)をアメリカに売渡してきたことを書いてきた。そのアメリカは、日本を冷戦という世界戦略の極東部分として保持し続けるために、二つの協定を締結した自由民主党に政権を維持させることに決めた。その結果として自由民主党が長期政権を維持することができたのである。
 尚、「日本国における国連連合の軍隊の地位に関する協定」(国連軍地位協定)に付いては「令和4年日本国国防方針」批判(第五回) -国防権のない日本の危険な外交と国防-」(クリックで遷移)で詳しく述べておいた。また、「アジアのためにアメリカに直言・・・富士ジャーナル7.'71の22Pからも参考願いたい。
 さて本題であるが、次の新聞記事をお読み願いたい。2023年1月11日、朝日新聞デジタルは『「過去1世紀で最も重要」日英首相、円滑化協定に署名 安保協力強化』とする記事を配信した。
『……
岸田文雄首相は11日午後(日本時間同日夜)、ロンドンでスナク英首相と会談した。自衛隊と英軍が共同訓練などで相互に訪問する際の法的地位などを定める「円滑化協定」に署名。両政府は安全保障上の協力を強化し、中国や北朝鮮に対する抑止力を高めたい考えだ。
 日本が円滑化協定を結ぶのは昨年1月の豪州に続いて2カ国目。協定によって、自衛隊と英軍が相手国で共同訓練などを行う際、船舶や航空機、隊員の出入国手続きが簡略化される。協定には事件や事故が起きた際の対応なども定められている。
 日本は日米豪印4カ国の枠組み「クアッド」と、米英豪の安全保障協力「AUKUS」の連携を重視している。今後、協定によって、大規模な共同訓練がより行いやすくなる。
 日英は近年、安保協力関係を深めている。2017年に燃料などの物資を融通し合う「物品役務相互提供協定(ACSA)」を締結。21年には英海軍の最新鋭空母「クイーン・エリザベス」を中心とする空母打撃群が、米海軍横須賀基地(神奈川県)に寄港し、海上自衛隊や米海軍と大規模訓練を実施し、昨年11月には群馬県などで英陸軍と陸上自衛隊が共同訓練を行った。昨年12月にはイタリアとの3カ国で、航空自衛隊の次期戦闘機の共同開発でも合意した。
 岸田政権は昨年12月に改定した安保関連3文書に、「同盟国・同志国との連携」を盛り込んだ。首相は英国訪問の前に訪れたフランスとは、今年前半に外務・防衛担当閣僚会合(2プラス2)の開催をめざすことで一致し、イタリアとも外務・防衛当局間の協議を新設することを決めた。英国との円滑化協定は、東シナ海や南シナ海で海洋進出を強める中国に対抗するため、英国にも関与を強めてもらう狙いがある。
 英首相官邸も11日、円滑化協定を結ぶと発表し、「英軍の日本への配備を可能にする、過去1世紀以上で日英間の最も重要な防衛協定」と意義を強調した。スナク氏は声明で、世界情勢の見通しや脅威や課題の理解などを両国が共有していると指摘した上で、「競争が激化する世界で民主主義社会が協力することが、これまで以上に重要になっている」と述べた。
……』
 日本政府が締結した協定は「日英円滑化協定(Japan-UK Reciprocal Access Agreement)」という名称である。実は同様の協定である「日米地位協定」があまりにもひどいものであることから、その影響を避けるため「円滑化」と表現を緩めた軍事協定なのである。
 名称はともあれ条文を検討してみる。最も注目すべき項目は「日英円滑化協定」第四条である。
『……
第四条
3 この協定は、千九百五十四年二月十九日に東京で署名された日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定に基づいて国際連合の軍隊として行動する間の連合王国の軍隊が実施するいかなる活動についても適用しない
……』
とある。この条項に中にある「国際連合の軍隊の地位に関する協定」とは1953(昭和28)年に朝鮮派遣国軍との間に締結した「日本国における国連連合の軍隊の地位に関する協定(国連軍地位協定)」である。これまで幾度となく取り挙げてきたあの「朝鮮派遣国連軍」のことなのである。つまり、日本とイギリスが締結した「日英円滑化協定」は「国連軍地位協定」が有効な間は適用しないというものである。では「日英円滑化協定」はいつから効力を発するのであろうか。その答えは「国連軍地位協定」(第二十四条、第二十五条)のなかにある。そのベースとなっているサンフランシスコ平和条約第六条には次のように明記されている。
『……
第六条
連合国のすべての占領軍は,この条約の効力発生の後なるべくすみやかに、且つ、いかなる場合にもその後九十日以内に、日本国から撤退しなければならない。但し、この規定は、一又は二以上の連合国を一方とし、日本国を他方として双方の間に締結された若しくは締結される二国間若しくは多数国閻の協定に基く、叉はその結果としての外国軍隊の日本国の領域における駐とん又は駐留を妨げるものではない。
……』
 また、国連軍地位協定には次のように規定されている。
第二十四条
 すべての国際連合の軍隊は,すべての国際連合の軍隊が朝鮮から撤退していなければならない日の後九十日以内に日本国から撤退しなければならない。この協定の当事者は,すべての国際連合の軍隊の日本国からの撤退期限として前記の期日前のいずれかの日を合意することができる。
第二十五条
 この協定及びその合意された改正は,すべての国際連合の軍隊が第二十四条の規定に従つて日本国から撤退しなければならない期日に終了する。すべての国際連合の軍隊がその期日前に日本国から撤退した場合には,この規定及びその合意された改正は,撤退が完了した日に終了する。』

 したがって「日英円滑化協定」が実際に動き出すのは、朝鮮戦争が終戦となった時なのである。
日本の安全保障政策は、朝鮮戦争を継続することが前提で組み立てられていた。そのため朝鮮戦争が終戦となると駐留アメリカ軍の根拠が失われるとともに「行政協定」が有名無実のものとなってしまうのだ。それに伴い「有志国」、つまり、「国連軍地位協定」を締結した12か国(日,オーストラリア,カナダ,フランス,イタリア,ニュージーランド,フィリピン,南アフリカ,タイ,トルコ,イギリス,アメリカ)は解体することになる。
自由民主党は、近い将来、朝鮮戦争が終戦となり朝鮮派遣国連軍の撤退が始まることを予想していて「日英円滑化協定」を締結した。そして、朝鮮戦争終了と同時に、イギリス軍の武官文官が日本に進駐してそれまでアメリカが日本統治に利用していた日米合同委員会の機能をそのままイギリスに引き渡すために締結した協定なのである。つまり、日本としては宗主国が変わるだけで、自由民主党はこれまで通り日本の主権を売渡すことで政権を独占し、防衛外交利権を維持することが許されるのだ。
つまり「日英円滑化協定」とは自由民主党が政権を維持するためだけに締結されたもので、日本の主権が回復するわけではない。これまで通り日本の主権(自衛隊指揮権、航空管制権、電波権)をアメリカだけではなく、イギリスにも売渡すことに合意しているのだ。
唯一の救いは「日英円滑化協定」第二十九条の次の条項である。
『……
第二十九条
3(a) 各締約国は、他方の締約国に対して六箇月前の書面による通告を行うことにより、いつでもこの協定を終了させることができる
……』
で、六か月前に書面により通告することで協定が終了できることであろう。
自民党政権を下野させて、新たな政権が破棄を通告すればよいということになる。

 尚、「日本国における国連連合の軍隊の地位に関する協定」(国連軍地位協定)に付いては次に掲げる主題で幾度となく纏めてきた。
」(寄稿:近藤雄三)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

3S政策の破綻と終焉かと思いきや、まだまだ続きそう

2023-10-03 | 小日向白朗学会 情報
 帝国データバンクは10月2日にジャニーズ離れする企業CMの調査結果を公表している。それによると…『自社のテレビCMなど広告や販促物にジャニーズタレントを起用した上場企業65社のうち、9月末時点で放映中のCMなどを「中止する」と表明した企業は19社、契約期間満了後に「契約を更新しない」などの対応を表明した企業は14社判明した。この結果、65社のうち過半数の33社が「起用の見直し」対応を表明し、9月末までの1週間で1社の純増にとどまった。・・・(ジャニーズ事務所の)経営の分離や社名変更などの具体的な再建策が掲示されれば、起用企業における続投表明や、既に見直しを行った企業が「再起用」へと方針転換するケースも出てくる可能性がある。』…だそうである。
 戦後二度と起き上がれないように日本人愚民化を狙って推し進めた3S(スポーツ、スクリーン、セックス)政策の鬼っ子ともいえるジャニー喜多川氏の男の子たちをターゲットとした夥しいセックス加害が露呈され、その悪質さと巧妙さが世の常識人たちに多大な嫌悪感を惹起している。けれども、「こんなこと、ほかでも結構あるんじゃないの」とか、「あそこの芸能プロは、ジャニーズどころじゃないのだって、みんな知っているはずなのに、ターゲットが女だから問題にならないのかね」などの見方もあって、なかなか、戦後GHQの大政策3Sは収まりそうにない。これからも…引き続き、愚民化政策は健在であろう。もうすでに、十分に「愚民」になっているのに、と思うのは私だけだろうか。(文責:吉田)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする