4月1日、日経新聞の記事です。昨夜も福島県で震度5弱の地震がありました。いつ起こっても不思議でない状況となってきました。
(引用) 「千年に一度」の最大級の地震を想定した今回の推計は、従来想定をはるかに上回る衝撃的な数字が並ぶ。ただ内閣府検討会は「次に起こる地震の予測ではなく、近い将来発生する恐れが高いわけでもない」として、慎重な対応を呼びかけている。「適度に恐れる」ことが重要で、避難で人命を守ることを最優先し、「地震に強い国づくり」を着実に進めることが求められる。
昨年の東日本大震災は、日本で初観測されたマグニチュード9級の巨大地震だった。これを受け中央防災会議は従来の防災対策の抜本的見直しに着手。同会議専門調査会は同9月、(1)甚大な被害をもたらす最大級の津波は避難によって人命を守ることを優先(2)頻度の高い津波は防波堤などを整備し人命と財産を守る――と、2段階の対策を求める報告書をまとめた。
東日本大震災級を想定した今回の推計に対しても、防波堤などハード面の対応だけで備えるのが不可能なのは明らかだ。
今後は防災教育や訓練の充実などソフト対策を充実させるとともに、津波避難ビルの指定や避難経路を示す標識の整備、住宅耐震化などを総合的に組み合わせることが重要になる。長期的には、沿岸住民に高台移転を促すなど、津波による街の壊滅を避ける土地利用方法の転換も必要になる。
特に、南海トラフ沿いの地震は、想定震源域と陸地との距離が東北太平洋岸よりも近く、短時間で津波が到達する可能性もある。被害を最小限に抑えるには、沿岸部に住む人々が地震の際に避難を最優先する意識を強く持つことも欠かせない。
昨年の大震災で得た「最大級を想定せよ」との教訓を生かすために、息の長い取り組みが必要だ。(終了)