起きて半畳 寝て一畳

株式投資の記録を中心に、日々感じた事や考えたこと、読んだ本のことなどなど

ソニー 日韓断想⑤

2005年07月13日 19時35分48秒 | 本・司馬遼太郎
【7月13日の市場概況】日経平均終値:11,659円(-32円)
 日経平均株価は3日ぶり反落。前日に続き1万1700円に近づく水準では戻り売り圧力が強かった。
 マツダは続伸し連日の年初来高値を更新。

【株式投資の記録:7月13日】
 ①ソニー(06/16買建@3,920-*1,000株))
  @3,950で全部返済しました。2万円ほどの儲けです。(神様に感謝!)


【司馬遼太郎:日韓断想⑤(文春文庫「以下、無用のことながら」より)】
 昨日の続きです。
  『』が原文です。

  『ここで気分転換のために近景をのべる。私の友人に在日朝鮮人がいて、ときどき散歩を共にする。疲れると、そのあたりの喫茶店に入ってコーヒーを飲む。この友人は「光復(1945年)のとき二十八、九歳だったから、大いに政治に熱中し、中年になって熱が冷めた。あるとき、話題がかれの母国の国語のことになった。
「キタ(平壌)は、日本語を一掃しましたよ。いっさい使っていない」
「日本語って、どんな日本語です」
「日本製の漢語」
 というので、私は首をかしげた。朝鮮民主主義人民共和国という国号そのものが「朝鮮」をのぞいてぜんぶ日本人が明治維新後につくった西洋語の対訳語なのである。民主主義も人民も共和国もそうである。』

  『韓国にもそういう傾向があるらしい。republicの対訳を辛亥革命のとき中国は「民国」と訳したが、韓国は日本訳の共和国よりもそのほうを採った。私がもし日本人でなく宇宙人なら、
「どちらでもいいことじゃないか」
 といったろう。が、侵略の前科をもつ日本人だから、いくら友人に対してでもそうは言えなかった。が、べつなことをいった。』

  『「中国は、清末以来、日本が明治維新後、訳した西洋語の漢語を無制限に導入したよ。特に新中国樹立後はその傾向は圧倒的になった。私が一九四一、二年に習った中国語ではschoolは学堂だったが、新中国は日本式に学校とあらためた。私はphilosophyのことを理学と習ったが、いまは日本式に哲学になっている。しかも未来にむかって刻刻導入してゆくいきおいだ。高分子化学、免疫化学・・・・・。科学用語はぜんぶそうだといっていい」』

  『漢字は文明なのだ、と私はいった。
「逆説的にいえば、漢字は中国だけの"文化"だったが、三国時代の古い朝鮮で使用され、さらに日本でも使われることによって"文明"になったといえる。"文明"は他の文化圏で使われなければ文明でないのだ。新中国の中国人も本能的にそういう道理を知っているのではないか」』2

  『朝鮮・中国・日本は、漢字をつかいつづけてきたということで世界でも特異な文明圏なのである。アメリカなどは、この三国が漢字民族だということで、意識の底ではおなじグループだと思っているのではないか、ともいった。
「文明は、その運動律として交流がある。交流なくして文明などは成立しないし、その国の進歩もない。日本が憎いという感情はわかるが、本来共用されるべき文明まで拒否することはない」
 そこまでいって、
「そんな弱いことを言っていては、国の体質はつよくならない」
 とまで言おうと思ったが、遠慮をした。』
コメント
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