今年2度目の観劇はこちらっ!
三島由紀夫最後の戯曲と言われている舞台に行ってきました。
わたしがちょっぴり苦手で敬遠していた三島由紀夫作、宮本亜門演出作品です。
確かカンボジアから帰国後すぐ、この舞台のことを知りました。
三島も宮本亜門演出も苦手だし…でも主演は鈴木亮平さんだし、なにより大好きなアンコールワットの話だし…
と迷ったんですが、ちょうどセディナで割引チケットが出てたので行ってきました。
当日引換チケットだったので、席がどのへんかわからないうえ、
演出の都合上、一部見えないお席になります。
とACTシアターチケットブースのお姉さんに言われ、ちょっと残念に思ったのですが入ってみると
めちゃめちゃ前の席でした
しかも、確かに見切れたけど全然気にならない程度。
ラッキーでした
会場ロビーには鈴木亮平等身大パネルが(笑)
アンコールクッキーも売っていて懐かしかったです。
会場に入ると、アンコールワット第一回廊で見たレリーフ(天国と地獄の地獄部分、乳海攪拌)と
思われるものが舞台にドーンっとあり、開演するとカンボジアのお線香が焚かれ、クメール伝統音楽、舞踊が
始まりました。
これで一気にカンボジアの世界へ誘われたように感じました。
こういうところ、すごく上手な演出だなぁ、と思いました。
この舞台はジャヤヴァルマン7世がアンコールトム・バイヨンを作るまでのお話。
三島作品は表現が難しいことに加え、時代背景であったり、バイヨン遺跡のことを観聞きした人でなければ
理解が難しいであろう作品だと思いました。
また、一人ひとりのセリフも長く、特に主役は出ずっぱりなので本当に大変だと思いました。
このジャヤヴァルマン7世は民にも慕われていたアンコール王朝で最も偉大だといわれている王様です。
この王が隣国・チャンパとの戦いに勝利し帰還し、バイヨン建設を思いつくところから話は始まります。
それと同くして、若く美しく力強い王はライ病の兆候が出始め…。
病魔に侵され進行するに従ってバイヨンが完成していく。
というのが概ねのあらすじ。
余談ですが、ジャヤヴァルマン7世は実はライ病で亡くなったわけではなかったという説が現在は出ています。
また、アンコールトムの中にはライ王のテラスという遺跡もあります。(なので最初聞いた時、こっちが舞台の話
なのかと思ってました)
セリフ回しの難しさに加え、登場人物の心情を理解するのも1回では難しいかなぁ、と思ったけど
総じて興味深く面白かったです。
鈴木亮平さんは予想通り見事にカリスマ性のあるライ王を演じ切っていて素晴らしかったです。
前回は北大路欣也さんが演じたらしいです。そちらも観てみたかったなぁ。
神保さんの宰相は本当に憎らしいし(「悪の権化」らしいです)、鳳蘭さんの王太后も威厳があったし
キャスティングもよかったなぁ、と思いました。
終演後、20分程度のアフタートークがありました。
司会進行のTBS高野アナウンサーに呼ばれ、鈴木亮平さん、神保悟志さん、吉沢亮さんが登場!
「出演者のみなさん、相当お疲れだと思います」と登場前に高野アナが言ってたのを受け、亮平さんは
「全然疲れてないですよー!」
と、にこやかに登場。
その後、亮平さんのリクエストで会場の照明を落とし、夜のバイヨンを体験したり
筋トレの話に花を咲かせたり、三島文学の難しい話になったり、濃い20分でした。
最後に、高野アナより「会場のお客さん限定1名様から質問を受けます。作品について何か聞きたい方~?」
と言われ、亮平うちわを手作りしていた女性が指名され、
「あの~亮平さんに質問なんですけど…ずっと気になってたんですけど…ムダ毛処理はどうされてるんですか?」
という作品とは全く関係ない質問が
高野アナも「最後にそれですか」と崩れ落ちてました(笑)
注釈をすると、上半身裸の場面が多く、足も出てる衣装だったので気になったのかなぁ、と思います。
でも、「えっとですね、元々ムダ毛が全然なくて、何も処理してないんですよ~。思春期は悩みましたね。
女性ホルモンが多いんですかね」
と笑顔で真面目に答える姿がとってもステキでした
今回観劇して、三島作品も宮本亜門演出作品も悪くないなぁ、と思いました。←上から目線になってるよ
機会があればまた違う作品も観たいと思います。
〈キャスト〉
ジャヤ・ヴァルマン七世 鈴木亮平
第二王妃 倉科カナ
第一王妃 中村 中
石工のちに若棟梁 吉沢亮
村娘 大野いと
芋洗坂係長
澤田育子
市川勇
市川しんぺー
宰相 神保悟志
王太后 鳳 蘭