ビタミンP

苦心惨憺して書いている作品を少しでも褒めてもらうと、急に元気づく。それをトーマス・マンはビタミンPと呼んだ。

「Muse細胞」を用いた脳梗塞治療が申請段階へ

2020年09月03日 20時03分28秒 | Weblog

三菱ケミカル子会社、幹細胞で脳梗塞など治療、年度内申請へ 

(2020/9/3 11:00 日本経済新聞 電子版)


 三菱ケミカルホールディングス子会社の生命科学インスティテュート(東京・千代田)は「Muse細胞」(ミューズ細胞)と呼ぶ幹細胞からつくった細胞製品について、早ければ2020年度中に承認申請する。8月までに脳梗塞や皮膚の病気向けの臨床試験(治験)を実施。21年度中にも実用化したい考えだ。
 ミューズ細胞は身体のさまざまな臓器にある間葉系幹細胞の一種。10年に東北大学の出沢真理教授が発見し名付けた。
 臓器がダメージを受けて細胞が壊れると、損傷部位でスフィンゴシン1リン酸という物質がつくられる。同社などによると、ミューズ細胞にはこの物質に反応する受容体があり、この物質が発する信号をたどって損傷部位に移動するという特徴があるという。移動先でその場にある脳や心臓、皮膚などの細胞に変化し、損傷部位を修復するのに役立つとしている。
 同社は健康な人から採取した間葉系幹細胞からMuse細胞を抽出。培養して増やし、凍結保管しておく。脳梗塞などで細胞を必要とする患者にすぐに投与することができる。
 同社は少なくとも脳梗塞と表皮水疱(すいほう)症という皮膚病について、第2段階の治験を終えた。いずれも安全性や効果が見込めることを確認したという。脳梗塞では、梗塞を起こしてから4週間以内の時期に用いると、効果が見込めるとみている。心筋梗塞や脊髄損傷でも第2段階の治験を進めている。
 治験で効果が見込めると確認した病気向けに、まず20年度中にも承認申請する。承認後、ほかの病気にも使えるよう対象を広げたい考えだ。


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副腎皮質ステロイド薬の投与によって死亡リスクが20%低下

2020年09月03日 02時48分35秒 | Weblog

重度コロナ患者の死亡リスク、ステロイド薬投与で20%低下=試験

(2020年09月03日(木)02時21分 NEWSWEEK日本版)

 

[ロンドン 2日 ロイター] - 重度の新型コロナウイルス感染症患者の治療で、副腎皮質ステロイド薬の投与によって死亡リスクが20%低下したことが、世界7カ国で実施された試験で示された。

 ステロイド系抗炎症薬「デキサメタゾン」のコロナ治療での効果は他の試験でもすでに示されており、世界保健機関(WHO)がコロナ治療に関する提言を変更した。

 今回の試験はブラジル、カナダ、中国、フランス、スペイン、米国の7カ国で実施。ステロイド系抗炎症薬ヒドロコルチゾン、デキサメタゾン、メチルプレドニゾロンの少量投与で、集中治療室(ICU)に入院している重症患者の生存率が改善した。

 研究者らは「副腎皮質ステロイド薬を使用しない場合の生存率が約60%であるのに対し、使用した患者の生存率は約68%になる」と指摘。「ステロイド薬は安価で入手しやすい。分析からは重度患者の死亡率低下で効果があることが確認された」と述べた。

 さらに「患者への臨床治療に利用できることが示された」とし、コロナ治療で安全にステロイド系抗炎症薬を使えるとの認識を示した。

 6月には、英国の研究チームがデキサメタゾンについて、コロナ感染症が重症化して呼吸補助が必要になっている患者の回復に大きな効果が確認されたと発表。WHOは重症患者への利用に限るよう呼び掛けていた。

 WHOの専門家は、副腎皮質ステロイド薬の投与によって「患者1000人当たり死者数が87人減少したことが示された」とし、WHOがコロナの重症患者へのステロイド系抗炎症薬の使用を「強く推奨する」という提言に変更したと明らかにした。


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