「北の山・じろう」日記

内容は主に時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

(ロシア)プリゴジン氏とワグネルの戦闘員は今後、どう行動するのか?<2023年6月

2023-06-25 15:12:10 | ロシアと周辺国

ロシア政府、雇い兵組織「ワグネル」が武装蜂起呼びかけと ワグネル部隊の動きに注目集まる
2023年6月24日 11:51
https://www.bbc.com/japanese/66006394

ワグネルの部隊が、国境を越えてロシア南部ロストフ州に移動したのは事実のようです。
「ロストフ州のゴルベフ知事は住民に対し、平静を保ち自宅から離れないよう呼び掛けた。」
と住民に呼びかけているようですから、ワグネルの戦闘員は州内にいると思われます。
国境警備員や国防省の部隊は、それを妨害しなかったようです。もっとも、いるのは徴集兵のようですから戦うのは無理でしょう。
ロシア南西部の地方都市ロストフ・ナ・ドヌの軍施設と飛行場を占拠したと主張しています。
ここは、ロシア軍の南部軍管区司令部があるようです。南部軍管区の司令部を占拠したのであれば、実質的にロシア軍南部軍管区に所属するロシア軍は頭を失った状態にあることになります。ベルゴロド州を見ても分かりますが、ロシア国内にはごくわずかのロシア兵しかいません。仮にワグネルの部隊をロシア軍が制圧しようとしても、そのロシア兵がほとんどいないと思われます。

プリゴジン氏の主張している通りなら、ワグネルの部隊は25000人強の兵士がいます。武装したこれだけの兵士がいるのなら、簡単に制圧するのは無理だと思います。鎮圧用のロシア軍の兵士は、そもそも数が足りないと思います。

おまけに南部軍管区の司令部を占拠されてしまえば備蓄されている武器弾薬もワグネルが入手していると思います。装甲車両などもあるでしょう。軍用飛行場まで占拠していますから、そこにいる航空戦力も事実上支配下にあることになります。

これを考えるとワグネルの部隊が25000人規模なら、ウクライナ領にいるロシア軍を移動させないと現実には対応は出来ないことになります。

そしてロシア軍と政府にとって困るのは・
プリゴジン氏が以下の発言をしている事です。
『23日には、ウクライナでの戦争は「ショイグが元帥になれるよう」開始されたのだと非難。「国防省は国民をだまし、大統領をだまし、いかれたウクライナが我々を攻撃しようとして、NATO(北大西洋条約機構)と一緒になって我々を攻撃しようとしているだとか、そんなでたらめをまきちらしていた」のだと攻撃していた。』
『そもそもロシアへの挑発など何もなく、ロシア国民は最初からうそをつかれていたのだと公然と認めている。』

あくまで批判の対象はロシア軍の幹部ですが・
「戦争目的と理由は、嘘っぱちでロシア国民を最初からだましている」
このようにはっきり言っています。悪いのは噓をついてロシア国民を戦争に引きずり込んだロシア軍幹部だと言っています。あくまで軍幹部の責任を追及していますが、実質的に誰かも批判している事になります。

ロシアのウクライナ軍事侵略には、何の利益もありません。ロシア軍の幹部の中にもそう考えている人間は沢山いると思います。

更には、ロシア軍の上級幹部が随分、移動や降格されています。ロシア軍内部の権力闘争ですね。ロシア政府寄りの人間に置き換えたのだと思います。

そういった軍の上級幹部がプリゴジン氏支持に回れば、一大勢力になる可能性もあります。ロシア政府とロシア軍が単純にプリゴジン氏を反逆者として逮捕拘束しようにも、それを実行するロシア軍部隊は、南部軍管区にはいないでしょう。実質的に25000人の完全武装の護衛兵がいるのと同じです。そしてワグネルの戦闘員は、プリゴジン氏に対する忠誠心が強いです。行動した以上は、裏切りをする兵士は少ないと思います。

おそらくプーチン氏がショイグ国防相とゲラシモフ総司令官をプリゴジン氏に引き渡さないと事は収まらないでしょう。引き渡せばプーチン氏を信用する人間は、政府や軍の幹部からいなくなると思います。

☆今となっては、ウクライナにとってもロシアにとっても害悪でしかないこの戦争を終わらせる方法は三つです。
ウクライナが勝利する。
ロシアが勝利する。
ロシア国内で誰かが武装蜂起してロシア政府とロシア軍の幹部を追放する。

三つしか手段がないから、一番簡単な三番目の手段を始めたと言うことであろうと思います。完全にロシア軍に反旗を翻した以上は、ロシア国内にもある程度の同調者は既にいるのであろうと思います。

これは戦争を終わらせるための行動だと理解するべきでしょうね?そうは言えないから、徹底的にショイグ国防相とゲラシモフ総司令官を批判し追放しようとしているのだと思います。それは実質的に現在のロシア政府の幹部を追放するのと同じです。

ワグネルのトップ、投降を拒絶 プーチン氏が「誤っている」
2023.06.24 Sat posted at 19:46 JST
https://www.cnn.co.jp/world/35205678.html

明確に投降を拒否しました。
クレムリン(大統領府)と保安当局への批判も明確です。
プーチン氏については批判はせず、「大きく誤っている」と発言しました。

事実上のワグネルの武装蜂起状態が継続する事になります。鎮圧しようとするならウクライナ領に展開しているロシア軍を移動させるしかありません。

何もせず放置すれば、徐々に同調者が増えるでしょう。無事では、済まない事になりそうです。そう言う状況だから事実上の武装蜂起に踏み切ったのでしょう。



コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。