①天然ガス価格の推移
https://pps-net.org/statistics/gas
電源構成
2022年
化石燃料70%以上(石炭約30%ガス約30%石油約2・9%その他)
原発5・6%
国内の2023年度の自然エネルギー電力の割合と導入状況(速報)
https://www.isep.or.jp/archives/library/14885
電気代の高騰は、主に天然ガス価格の高騰による部分が大きいと言えます。
以前は、天然ガス発電は割安だと言われていました。
①の価格推移の表を見ると2000年頃までは価格は安く推移していました。その後は2倍から3倍。極端に高騰した時期は4倍近く。今でも3倍近い価格です。
ヨーロッパは、更に極端で2022年10倍に高騰しています。この年は、特にイギリスからは聞くも涙の話が聞こえてきました。電気代が高すぎておばあちゃんが、冬の夜を「湯たんぽ」で過ごしているというのです。さすがに、その後価格は下落しましたが2000年以前の安かった時期に比べると数倍です。例えば、ドイツの経済不振の大きな原因になっています。
脱原発が盛んなときに価格表に出てきたガス発電のコストは、2倍から3倍になっています。この部分が電気代に反映されて電気代が高騰しています。当たり前ですけれどガス価格が高くなれば発電コストも高くなります。
といって比較的割安な石炭火力を増やすことは、国際的な非難を浴びます。結果、ガス発電に依存するしかありません。やはり日本人の原発アレルギーは酷く、特に一部野党や左巻き新聞は、いまだに脱原発を主張していると思います。これが電気代をより高くする理由です。
脱原発は、ドイツで完全に失敗しドイツの電気代はヨーロッパで1番高くなりました。これがドイツ製造業の国際競争力を失わせました。もう、ドイツ国内で生産しては赤字になるのでドイツ製造業のドイツ国外への流出が続いています。日本でも起きた「製造業の海外流出=産業空洞化」が、今ドイツで起きています。
国のエネルギー政策は、合理的に経済性まで含めて真剣に議論するべきだと言うことです。ドイツの脱原発は、国民的議論がされたわけではありません。日本のマスコミが書いているのは見たことがありませんが、環境極左と言うべき勢力が「脱原発ユートピア」の幻想を、マスコミに刷り込んでドイツ国民をだまして、実現しました。ほとんど「脱原発宗教」と同じです。日本で脱原発を言う人は、「宗教」の部分だけ引用して、なぜ脱原発が決まったのかは、一切説明しません。
ドイツの環境極左がドイツ国民をだましたのと、同じことを日本の脱原発を主張するグループもしています。
「電気代が、どれほど高くても構いません!」と言うのは、亡国を主張するのと、ほぼ同じです。それは、ドイツの現在の苦境を見れば明らかです。
天然ガスは需給により価格が変動するものであり電力に利用するのは、価格の変動を直接受けると言う当たり前のことを、最近の電気代の高騰が示しています。
結局、安定した大容量の電源としては天然ガスは不向きであり、石炭火力か原子力発電しかありません。これは昔から変わらず同じです。
政府もこの事情を国民に粘り強く説明するべきでしょうね。国の大きな政策を選挙の票を気にして曲げるのは良くありません。脱原発を言う一部野党は、無責任の極みであると言えます。そもそも、このような事情を知らないのではないか❓と思えます。
だから原発事故を過去に経験したロシアもアメリカも原発を廃止しようという動きはありません。むしろ使用年数を増やしていますし、新設の動きを見せています。石炭は避けたい、天然ガスはダメなら原発しか残らないからです。
原発事故後、新たに作られた「原子力規制委員会」は当然、原発事故を反省して安全基準を厳格化しました。その基準の審査に合格しなければ、原発再稼働は認められません。しかし、再稼働を認められた原発ですら、再稼働が遅れています。もういい加減に「合理的」に考えるべきでしょうね❓
「あつものに懲りてなますを吹く」
いまだに脱原発にこだわるのは、これと同じです。
自然エネルギーの利用には、計上されていないコストが隠されています。送電網の新設です。もし全国で自然エネルギー発電を大規模に行えば、送電網の再整備にどれだけの費用が必要なのかは、聞いたことがありません。そして小規模な発電設備をたくさん作れば維持管理費も膨大に膨れ上がります。自然エネルギーに置き換えるのは、長い時間もかかりますし維持管理費用を厳密に計算しなければ、なりません。簡単にできることでは、ありません。
以上を考えると電気代を引き下げて安定させるには、今稼働していない原発の再稼働を急ぐべきだという結論になります。
その分、主に天然ガスの消費量を削減できますから国富が海外に流出するのを避けることもできます。高い天然ガスを買い続けるのは、「無駄遣い」とほぼ同じです。
「長期の安定したエネルギー供給には、合理的で経済性を考えた議論が必要だ」という、ごく当たり前の結論に至ります。