北近畿経済情報

北近畿各都市の経済ニュースを紹介。

国道162号バイパス、17日に全線開通 小浜

2009-07-03 | 小浜市

北陸中日新聞(7月3日付)

---
17日に全線開通 小浜の国道162号バイパス

福井県が工事を進めてきた小浜市の阿納尻地区と田烏地区を結ぶ国道162号阿納尻-田烏バイパス(全長7.9キロ)が17日、全線開通する。生活、観光の両面で飛躍的に利便性が高まるが、沿線が抱える課題も一層表面化しそうだ。

バイパスは1991年度に着工し、完成した工区ごとに供用。今回、田烏地区の「奈胡崎トンネル」(1,027m)と「かんにゃ橋」(42m)を含む1.6kmが完成、全線開通となった。事業費は供用済みの区間を含め約142億円。

バイパスの区間は若狭湾を臨む景勝地で、阿納、犬熊、志積、矢代、田烏の各地区には多くの民宿がある。近年オーナーの高齢化や後継者のサラリーマン化が進み、海水浴客の減少もあって、民宿の数は減っている。さらにバイパスは海岸のそばの集落内を通らず、かすめるように南側の山沿いに建設された。

このため、観光客の素通りを懸念する声が出ており、かつて民宿を営んでいた70代の女性は「設備投資をしてにぎわう民宿と、そうでない民宿との格差がこれまで以上に広がるのでは」と話す。

一方、バイパスはこれまでのつづら折りの峠道からの通行を解放し、沿線住民の悲願だった市中心部への移動の大幅な時間短縮を可能にする。中心部に通いやすくなる半面、園児の減少で、市がバイパスの完成後に閉園の意向を打ち出している田烏保育園の存廃問題も現実味を帯びる。

地元の田烏地区から存続の要望や署名を受け取った市は「住民の生活スタイルが変わることで意識にも変化があるかもしれない。時期を見て、話し合いの場を持ちたい」(民生部)としている。

---