恐怖、再び…
複雑な内容。摩訶不思議な内容。最初から読み直した方が無難です。
「ミステリーナイトツアー2008 稲川淳二の怪談ナイト」
http://blog.goo.ne.jp/kiske3/e/852e38a0cb205a8405112075192af477
「ミステリーナイト 1」
http://blog.goo.ne.jp/kiske3/e/5ff981541feacf3d7c3a9e6358329ab3
「ミステリーナイト 2」
http://blog.goo.ne.jp/kiske3/e/fd607a96f48eb94be22c1a717f93a62a
「ミステリーナイト 3」
http://blog.goo.ne.jp/kiske3/e/16254822979932fa219ca062ddaa56de
「ミステリーナイト 4」
http://blog.goo.ne.jp/kiske3/e/120e3d07fe2cf06e81542e36620f3f57
「ミステリーナイト 5」
http://blog.goo.ne.jp/kiske3/e/ada816f8281032e3324a8d1730afe865
「ミステリーナイト 6」
http://blog.goo.ne.jp/kiske3/e/ca98942941a08f284c4e2b6afeb4a58e
騒がしくなった店内はやっと居酒屋の姿を取り戻した。ホテルのバーなら
まだしも、喉の音も聞こえるくらい静かな居酒屋で、男2人で呑んでも
盛り上がらない。呑んでばかりの私達はお腹が減っているのに気づいて、
あまり不味くは無さそうなものを注文した。私達がこの店で不思議な話を
しだしたのも、元々はコー2親子の「老婆」の話からだったのを思い出し、
再び検証しだした。しかし、酒が入っているせいで、すぐに話が脱線して、
ありえない方向に行ったり来たりしながら、笑いながら呑んでいた。
「いや、でもボス。さっきの女性客は時間軸のズレっぽい現象でしたが、
実はあの老婆はボクに憑いて来て、ここにいるかもしれませんねぇ~。
で、変な現象を起こさせている。とか、どうですかね?」
「かもしれんな。もし、そうなら、ババアの目的は何だろう。まあ、
ババアの好きなもん、なすびの漬け物とか注文してやって、あの世とか
異次元とか好きな所に帰ってもらうか。」
私達の声は人が振り向くほど大きくないし、完全に周囲の声に埋もれて
いる。それなのに一瞬、空気の波を感じ、周囲が静かなったような気が
した。この居酒屋の空間は、最初から何者かに支配されているだろうか。
この空気の波をコー2も感じていた。「そろそろこの店を出るべきかも
しれなませんね~」とコー2は言った。気分がすぐれないとか、頭が
重いとかは全く無いが、何か例えようのない空間にいる感じはしている。
「ま、今頼んだこのビール呑んでから出ようか。話は変わるが、」
「………………………………………………………話は変わるが…」
気にするほどでも無いが、2つ離れたテーブルのサラリーマンの上司
らしき人が同じ言葉を同時に言った。その時は偶然として片付けたの
だが、それから連続で私が話す内容の中の一文が、周囲の人の話題と
重なって、同じ言葉を同時に吐くと言うシンクロ現象が起こった。
「コー2兄弟は基本的に短気だから、なかなか難しい事かもしれないが、」
「………………………………だから、なかなか難しい事かも……」
「東京は大阪より仕事があるけど、出来ない奴はどこ行っても、」
「東京は大阪より仕事が……………」
「コー1は東京で頑張っていたけど、彼女と一緒に住むかどうかを、」
「…………………………………………彼女と一緒に住むかどうか……」
など、こんな現象が10回以上もあり、1つのテーブルだけでは無く、
1回事に別々のテーブルから聞こえてくる。わざと話すタイミングをずら
してもシンクロする言葉。各テーブルにとって1回の偶然だが、私達に
とって連続した偶然。もちろん私達は正気でノイローゼでもなく、稲川
さんの公演の雰囲気も引きずってはいない。この言葉の偶然は、不思議な
現象としては大した事は無いが、あまりの数と言葉の一致の正確さに
面白くなってきた私は、再び不思議な怖い話をしようと思った。なぜなら、
話の内容は冬の雪山で起こった恐怖。この話の状況、内容からして、
シンクロする(何者かがさせようとしている)のが難しいからである。
これぞ、肝試し。 ボスヒコ
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