花追い放浪記

登山や野草観察のブログです
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ツクシクガイソウ コウの花図鑑

2021-07-24 | コウの花図鑑

7月に見つけた野草の花(熊本県)

 

ツクシクガイソウ(筑紫九蓋草) 
  Veronicastrum sibiricum (L.) Pennell var. zuccarinii (Koidz.) H.Hara

 

オオバコ科 クガイソウ属 
花期 : 7~8月
生育地 : 草原
分布 : 阿蘇地方、大分県、宮崎県
RDB指定 : 環境省カテゴリ:絶滅危惧Ⅱ類 大分県:絶滅危惧ⅠA類 熊本県:絶滅危惧ⅠA類

雨の降りしきる阿蘇へ希少なツクシクガイソウを見に行った(2021年7月23日)
作業道沿いに生えているツクシクガイソウは、どれも花を終えていたが、日当りの悪い場所に一株だけ花が残っていた
今年はどの植物も花を咲かせるのが早いらしく、シデシャジンやタチフウロも花の盛りであった

ツクシクガイソウを観察していると、雨が強くなってきた
まだ見たい植物があったのだが、早めに撮影を切り上げて帰宅する事にした

ツクシクガイソウの花穂は、ずいぶん長いもので、下から順次花を開花させるようだ

離れたところから花だけ見ていると、ヤマトラノオやヒロハトラノオと区別がつかないかもしれないが、葉を確認すると
輪生しているので、一目瞭然

それに、花穂に顔を近づけて花をよく見てみると・・・

花糸の基部に柔毛が密生する(ヤマトラノオやヒロハトラノオには毛はない)

ツクシクガイソウは、九州の極限られた地域のみに分布する大陸系遺存植物
茎や葉に毛が密生するのが特徴だそうだが、私が見た個体は、茎には毛が顕著なのだが、葉にはごく短い毛がまばら
についている程度であった
地元ではケクガイソウと呼んでいるという記述も見られた

そして、花柄がほとんどない事も特徴として挙げられるのだが、【ほとんど】とはどの程度なのか?
クガイソウの花柄をネットで確認したが、たしかに下図のツクシクガイソウと比較すると長いようだ