花追い放浪記

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シマサクラガンピ コウの花図鑑

2021-07-21 | コウの花図鑑

7月に見つけた野草の花(大分県)

 

シマサクラガンピ(島桜雁皮)

Diplomorpha pauciflora (Franch. et Sav.) Nakai var. yakushimensis (Makino)

 

ジンチョウゲ科 ガンピ属 
花期 : 7~8月
生育地 : 低山の岩場、崖、林内、林縁
分布 : 徳島県、高知県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県
RDB指定 : 環境省カテゴリ:なし  大分県:準絶滅危惧種

長崎県や佐賀県に分布しないこの植物を初めて見たのは、大分県南部の山だった
ガンピの仲間である事はすぐにわかったが、花がキガンピそっくりなのに葉が互生している
ガンピかな? と思ったが、ちょっと雰囲気が違って見えた

よくわからないが、きっとガンピだろうという事で整理していたが、後にシマサクラガンピだという事を知った

花だけ見ていると、長崎県や佐賀県で頻繁に目にするキガンピそのものだ
ただ、シマサクラガンピの花は有毛だが、キガンピは無毛なので、よく見れば違うとわかる
ちなみに、大分県ではキガンピは絶滅危惧ⅠB類なのだ!
長崎県では見飽きているキガンピだが、大分県ではまだ見つけられないのも当然だったのである

大分県のレッドデータによると、シマサクラガンピは、森林の伐採や林道開発で,生育地の消滅が懸念されるとの事
県内分布は、豊後水道後背地域,大野川上流域,祖母・傾山地,北川上流域と記されている

シマサクラガンピの樹高は2~3mとされているが、私が見た岩場では、岩を這いぎみに生えていてやや矮性だった
葉は卵形~披針形で互生する

シマサクラガンピの葉、花序、若い枝には多少毛があり、ガンピと比べるとずいぶん少ない印象だが、
毛の多い少ないは、個体差が大きいと思っているので、有毛無毛の区別とはちょっと次元が違うと考えている
なので、ガンピとシマサクラガンピの決定的な違いはなに?と聞かれると困ってしまう
ちなみに、花がそっくりなキガンピは葉が対生で無毛なので、すぐに区別できる
なお4裂する花弁に見えるものは、萼片だ

参考までに、黒髪山系で撮影したガンピの画像を添付する

ガンピは非常に毛深い印象がある

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