安倍晋三元総理が積極的平和主義という意味不明の言葉を使ったが、その後の彼の政治から判断して軍事力の均衡による防衛、あるいは戦争回避という意味だったと思います。岸田文雄総理はあまりこの言葉を使いませんが、敵基地攻撃能力を持つなどと言っていますから、軍事力均衡論だと思います。
現実を見てみましょう。ロシアは、ウクライナ戦争を始めれば、アメリカがウクライナを軍事支援することは予測できたと思います。それでもロシアはクリミア半島や親ロシア派が多いウクライナの東・南部をロシア領にする考えに執着していました。戦争してでもと考えていたと思います。
確かにロシアはアメリカと直接戦争していません。しかし、実質、ロシアとアメリカは戦争していると思います。アメリカはアメリカ軍人ではなく、ウクライナ軍人が戦っているという形になっているだけです。
アメリカが戦争に参加したからロシアは戦争をやめたかというとやめていません。恐らくクリミア半島を死守すると思います。ウクライナも必死に奪還につとめます。アメリカは提供する武器弾薬のレベルを上げます。戦争は拡大します。
軍事力均衡論は愚論です。別の理由で現実戦争はおこります。
中国は確かにアメリカと直接戦争しないかもしれません。しかし台湾問題、南シナ海問題、東シナ海問題を見ていると中国の威圧は恐るべきものがあります。話合いどころか、その先は戦争しかないと思うほどの威圧です。
中国はすでに多くの南沙諸島の島を力で管理下においていますが、フィリピンは耐えがたいでしょう。戦争が始まる恐れが大きいと思います。中国とフィリピンは戦争を始めます。アメリカはフィリピンを軍事支援します。そうなることはわかっていると思うのに、中国は南沙諸島は中国の島だという考えに執着し、戦争を始めます。
台湾問題もしかりです。
やはり、軍事力均衡論は愚論です。別の理由で現実戦争はおこります。
岸田総理の防衛力・アメリカとの同盟強化、防衛費GDP2%に増加は確実に日本を戦争に誘導します。平和維持ができる訳がありません。
明治以降の戦争の経験知識・反省を活かし、戦争についてよく考え、武器弾薬では平和づくりは不可能という現実を悟り、憲法第9条(戦争の放棄)の知恵をかみしめ、中国の脅威などに対応してほしいと思います。