始めてから分かる起業の体験記

新会社法で、簡単になったとはいえ、やはり起業は面倒なことが多い。体験して始めて分かったことなどの話をします。

WBS 4月24日放送のメモ (バイオ燃料と食糧問題)-2

2008-04-25 23:31:41 | WBS

     技術はトップでもシステムで負ける日本

新潟の長岡技術科学大学では、長年酵素を研究してきた森川教授は、“トリコデルマ・リーセイ”というカビをつくり、そのカビを培養してセルラーセ酵母を作った。
この酵母はセルロースを効率よく糖類に変えることができる。

セルロースとして使えるのは、稲わら、杉、ひまわり、さらにキノコ栽培で使用済みの廃菌床など食糧以外のものであり期待される研究だ。

反面、このようなセルロース系原材は異物も多く、採れた糖類にもエタノールを発酵する段階で不要な糖類も混ざるため、大量生産にはコストと時間がかかってしまうという課題も多いという。

アメリカ政府では早くも商業化へ動き出していて07年から4年間で3億8500万ドルの補助を決めている。
日本は遅れをとるのだろうか・・・。

京都府木津川市にある研究所では世界トップレベルの次世代バイオ燃料に関する開発が進められている。

財団法人地球環境産業技術研究機構「RITE」のバイオ研究グループは069月、ホンダと共同でセルロース系原料のバイオエタノール製造技術を開発したと発表し注目を浴びた。

RITE菌”と名付けられた菌はもともと異物があっても発酵スピードが早いとされてきたが、遺伝子組み換えによって改良型“RITE菌”は世界初の技術を可能にしたという。

今までは、セルロース系からの発酵でエタノールを作る場合、混合した糖類を別々に分解する手間がかかっていた。
ところが、この改良型“
RITE菌”は同時に分解するため発酵までの時間が短縮され、コストを大幅に削減できる。

グループを率いる湯川博士は、基礎要素は日本がトップレベルなのに、実用化における全体のシステム化でアメリカに負けたと悔しさを滲ませる。
何としてでも再度追い越さなければならないという。

ホンダは、次世代バイオ燃料の海外での生産に向け大規模な実証実験を始めた。
しかしながら、アメリカは国ぐるみで開発を進めており、ホンダと
RITEが世界をリードできるかは微妙である。


最近、このような環境に関する話を筆頭に、日本政府の腰の重さが指摘されます。
CO2削減目標も、企業依存でかけ声中心の今のやり方では、達成は厳しそうです。

ガソリンが下がった上がったなど実に低次元の争いをしていることに気がつかないのでしょうか?

WBS 4月24日放送のメモ (バイオ燃料と食糧問題)-1

2008-04-25 12:39:59 | WBS

     食糧を使わない次世代バイオ燃料開発へ

世界中に広がる食糧危機、その原因の一端を作っているのは、バイオ燃料といわれている。

環境に優しいということでアメリカなどが力を入れているが、原料に食糧の穀物を使うため、食糧不足に拍車をかけている。

この課題の解決に新たな可能性を研究する日本企業の現状を見る。

ホンダは、稲わらや雑草を原料とする次世代バイオ燃料の本格生産へ向けて新たな実証実験施設を埼玉県和光市に建設することが明らかとなった。

ホンダと共同研究をする財団法人地球環境産業技術研究機構「RITE」によると数年後に海外での大規模生産を目指し、既に国内の商社や石油会社とも共同事業化について話し合いを進めているという。

主食ともなるトウモロコシからバイオ燃料を生産するアメリカへの批判は高まっており、次世代バイオ燃料の開発競争も起きている。
ホンダが大量生産に成功すれば世界の注目を集めると見られている。

現在のバイオ燃料は、サトウキビやトウモロコシを原料に糖類(グルコース)をつくり、その糖類を発酵させエタノールを作っている。

それに対して次世代タイプは、原料に“ソフトセルロース”と呼ばれる食糧ではないわらや木くずを利用する。
しかし、技術的なハードルが高く、また生産コストも高くなるため企業の関心は低い。

この次世代バイオに対して政府も実用化に向け本格的に動き出した。
食糧ではないバイオマス利用の実用化に向けて事業企画を公募、実現すれば助成金や減税の対象とする考えだ。