始めてから分かる起業の体験記

新会社法で、簡単になったとはいえ、やはり起業は面倒なことが多い。体験して始めて分かったことなどの話をします。

WBS 4月10日放送のメモ (架空の顧客でマーケティング)-2

2008-04-11 22:23:44 | WBS

     ペルソナには別の効果もあった

大和ハウス工業の“エディズハウス”のペルソナを作ったのは渋谷にある「(株)大伸社」。ペルソナづくりで国内トップクラスの実績を上げている。

客を物語調で表わすのがペルソナではあるが、全くの想像ではなく、事実に基づいたリサーチからつくった仮想人物であると同社は説明する。

ところで企業がペルソナを導入するメリットは他にもあるようだ。

今まで企業の各部門が別々にユーザーを想定することが多く、部門の協力がしにくかった。
そこへペルソナという特定のユーザーが出てくれば各部門が共通認識を持つことができ、意思決定も早く良いアイデアが生まれるということだ。

大伸社は、ペルソナが企業に共通認識を生むという効果を商品開発以外にも活かせないか考えた。
そこで、看護士が集まらず、離職率の高さに悩む病院とともに人材確保への活用を始めた。

同病院を退職予定の看護士ら複数から綿密なインタビューを行い、その結果を文字にして張り出す。
そして共通する意見をまとめていくとはっきりした人物像が浮かび上がってきた。

そのペルソナによって看護士の本音が明確になり、病院のスタッフ全体が共通の認識を持つことができたという。
ペルソナは多様性社会では必要な手法と言われていて、10年ぐらい前から欧米では活用されている。

日本は平均的趣向が強かったので、今まであまり必要とされていなかったが、好みが広がりを見せる今後、ペルソナの価値は上がってくるだろう。


番組の中で紹介されていた看護士のペルソナを作る方法は、企画などで基本的技術と言われている「KJ法」でした。

アイデアをまとめたり、問題点を明らかにしたりするときに自分でもよく使いますが、KJ法は簡単ながら、視覚的理解ができるという優れた方法ですね。


WBS 4月10日放送のメモ (架空の顧客でマーケティング)-1

2008-04-11 12:12:45 | WBS

     架空の顧客“ペルソナ”を想定した商品づくり

ものが売れない時代、いかに効果的なマーケティングができるかが重要となり、ある手法の可能性が注目されている。

年間売上40億円というカルビーの大ヒットスナック菓子“ジャガビー”は、自然指向や健康を重視する一個人のために商品開発された。

その人は、27歳独身、ワンルームマンションに住む働く女性。料理好きでヘルシーなメニューが好み。趣味はヨガと水泳と健康指向が高い。
実はこの女性は作り出された架空の人物、この想像上の客を“ペルソナ”と呼ぶ。

ペルソナは、個人指向の強い欧米では既にマーケティング手法として活用されており、IBMがヒットさせたノートパソコン“ThinkPad”も特定のペルソナをターゲットに開発された。
その人物像は海外を飛び回るビジネスマン。

ペルソナでユーザーを絞り込むことによって、本当に喜ばれる商品開発ができるといわれている。

「大和ハウス工業」が販売する“エディズハウス”もペルソナを取り入れた。

ペルソナによる架空の家族は足立区の賃貸マンションに住む田崎ファミリー。夫は営業職の33歳、専業主婦の妻は31歳、4歳の娘がいる。
家造りにこだわりたいが、そのために生活を切り詰めたくない。理想の家はシンプルで家族の気配が感じられる開放感ある住まい、とかなり具体的。

田崎ファミリーが気に入るように造られた“エディズハウス”はWeb上だけの販売で、これまで270棟が売れた。

大和ハウス工業の担当者は、これからの住宅は、企業側の押しつけではなく、こだわりを持つ客が的確に気に入る戦略が必要という。