☆ ハイブリットカーでも19世紀生まれの技術
一方、やはり昔ながらの技術である“鉛蓄電池”の研究をし続けているのが老舗バッテリーメーカー「古河電池」だ。
スズキ自動車が出したハイブリットカーは、当時珍しく昔ながらの“鉛蓄電池”を使っていた。
販売が振るわず3年前に生産中止となったが、古河電池では、今もその蓄電池の可能性を追求し続けている。
クルマのバッテリーとして一般的に使われている鉛蓄電池も19世紀フランスのプランテが発明したものだ。
殆どが鉛でできているため、リサイクル率は90%以上になり、環境に優しいバッテリーといえる。
しかしながら、充電の受け入れが苦手で耐久性でハイブリットカーには不向きとされてきた。
古河電池では、この問題を改善し充電能力を各段に向上させた新商品“ウルトラバッテリー”を開発した。
特殊なコンデンサーによって繰り返しの充電に強くしたもので、従来の鉛蓄電池に比べ寿命は4倍になった。
ハイブリットカーでの走行実験では、燃費、CO2排出量ともニッケル水素電池と遜色ない性能を示した。
同社は並行して一般車向けウルトラバッテリーも完成していた。
アイドリングストップでも性能を落とさないため、CO2削減につながるものとして、環境規制が厳しくなる自動車メーカー向けにサンプル提供を始めた。
開発担当者は、古い技術もブレークスルーすれば、次世代の用途に大きな展開が期待できるという。
もはや過去のものと考えられていたかつての技術、まだまだ磨けば光る原石の技術が現代に蘇るかもしれない。
今のように物が溢れていなかったころの技術は、自ずとシンプルで無駄のない構造な訳ですね。
でも考えてみれば、その技術の性能を各段に上げる現代の技術と知恵は大した物で、むしろそのことに感心しました。