始めてから分かる起業の体験記

新会社法で、簡単になったとはいえ、やはり起業は面倒なことが多い。体験して始めて分かったことなどの話をします。

WBS 4月1日放送のメモ (WBS放送20周年 日本の再構築)-2

2008-04-02 19:42:00 | WBS

     今こそグローバル・シフトの時!

出井氏に対して、番組コメンテーター日本総研副理事長 高橋進氏は、グローバル化できる企業はいいが、多くの中小企業が逆にグローバル化の波に海外から攻められ、国内のサービス業は少ないパイの取り合いで日本はピンチになっているという。

高橋氏の意見に理解は示すものの、出井氏はあくまでグローバル・シフトを強調する。
その根拠として、今の日本型輸出が変わってきていることを説明する。

既に20世紀型の集中的に物を送り出す輸出形態はなくなってきていて、今の日本企業の海外戦略は、海外で作ってその国で売るというように海外の成長を伴うバランスに採れたシステムになっているからだ。

それは長い間培ってきた物作りにおける優れたシステムが世界で必要とされているからで、このシステムはサービス産業や農業といった国内産業の隠れた可能性を引き出すという。

日本が愚直に築き上げた物作りにおける優秀なシステムやプロセスは成長する中国やインド、中近東は物以上に欲しがっていて、その形のない価値が日本に眠るグローバル商品として世界の需要が高まると見込んでいる。

しかし、その眠っている優秀なシステムも、環境技術にしろ農業にしろ、まだまとまった形になっていない。
それを日本の力として発揮するためには国が方針として牽引する必要がある。

それができれば、物作りから生まれた、効率が高く環境に優しい日本型資本主義が世界標準として受け入れられることになるだろう。

アジアが急成長する今、その中にいて既に多くの経験を持つ日本は絶好のチャンスの中にいるはずという。


確かに、アメリカがとってきたドルを世界の通貨にすることで世界の主役になるという戦略はもはや終わろうとしているようです。

物作りを実直に続けてきて、省エネや効率を最優先することで培った日本的システムは、温暖化という地球規模の課題を取り組む意味でも世界のスタンダードになる可能性はあります。

勿論グローバル化した大企業に期待することになりますが、中小企業が持つ世界唯一の技術や職人技もその伝承の対象に世界に向けるべきなのかも知れません。


WBS 4月1日放送のメモ (WBS放送20周年 日本の再構築)-1

2008-04-02 12:14:40 | WBS

     日本は真の輸出国家を目指すべき

ソニーの元会長出井伸行氏をゲストに迎える。

今や海外はアメリカ発の世界的金融不安や成長を続ける新興国の国内問題の顕在化といった不安要素が膨らんでいる。
その中にあって外需頼りに経済を成長させてきた日本も内需拡大へのシフトが迫られている。

外国識者からも世界経済にとって日本が国内消費を拡大することが重要と言われている。
さらに、そのための改革を進めるべき政治が主導力を発揮できないでいる現状に批判が集まっている。

輸出頼りの日本だが、国としての経済成長は伸びておらず、世界のGDPに占める日本のシェアは20年前の15.0%から現在10%台と数字的にも日本の国内生産の縮小が証明されている。

内外から求められる内需拡大だが、一方で高齢化社会によってパイが縮小する国内市場に頼るのではなく、成長を続ける世界市場に向けて輸出をさらに拡大して「真の輸出国家ニッポ」を目指すべきだという考え方が出てきている。

出井氏の考えも真の輸出国家へシフトすべきというものである。

出井氏が説明するのは、日本企業は世界に生産拠点を持って生産を伸ばしており、日本企業全体が世界で作っている富の総価は成長しているということ。
見るべきところは、日本の国内生産を示すGDPではなく、日本企業の世界生産、即ちGGC(国家連結価値)だという。

日本の人口は世界の2%しかなく、ここで倍に成長したとしても世界経済に果たす役割は限定される。むしろグローバル化によって世界へ日本の物作りを進出させることのほうが有効。

かつて円安をバックにアメリカへ集中的に物を売って起こった輸出超過を調整するために政府と日銀が行った内需拡大策は資産バブルを引き起こしてしまった。
残ったのは失われた10年だけだった。

今また内需拡大を進める政府の動きが出ているが、バブルのときのように資産を担保に借金して景気を上昇させるようなことはもう考えられないという。