☆ 中国に依存しないでレアアースを求める動き
一方、レアアースの中国依存への不安を解決するため、新たな国へ供給源を求める動きも本格化している。
JOGMEC(石油天然ガス・金属鉱物資源機構)は去年10月ベトナムと共同で手つかずのレアアースが存在すると予測されるベトナム北部ラオカイ省で地質調査を開始した。
採取した土の調査結果でレアアースが含まれていることが判明、今後採掘可能な鉱床の絞り込みを進める。
ただ、同地域は中国との国境も近く、ベトナムとは当然ながら産地の権益競争など課題は多い。
レアアース中国依存の影響は、環境技術の開発でも厳しい状況を生んでいる。
東京工業大学は、今まで難しいとされてきた鉄を使った超電導体を世界で初めて完成させた。この超電導体を作るためにはレアアースが重要な役割を持っていた。
そして、この超電導体の開発論文発表以後、中国から次々と新たな同様の実験論文が発表されている。
中国は使うレアアースの種類を次々変更しながら、より高性能な超電導物質を作り出しているのだ。レアアースを豊富に持つ中国は環境技術開発に有利な立場にたっているといえる。
日本は開発に成功しながらも、厳しい開発競争を迫られているのである。
今後日本はこのレアアースの懸念に対して、持たざる努力として再生技術を駆使、産官民一体となって取り組んでいくことが必要。
このことがうまくいけば、日本独自の循環型社会のモデルを世界に発信できるかもしれない。