☆ それでも輸入石炭に頼らなくてはならない
既にこの半年で、輸入石炭の価格が国産石炭価格を追い抜いている。
ただ、この輸入石炭の価格上昇は、高いなら国産を使うという単純な話ではなく、事態は深刻である。
新興国の経済発展に伴い世界的に石炭の需要が急増。最大の供給国である中国、インドが自国で消費し輸出に回さなくなったことが大きいといわれ、今のままでは石炭不足に陥る危険性があるからだ。
それでは、全てを国産でまかなえるかというと、それも非現実的。
埋蔵量こそ50億トンとも推定されているが、生産コストが高くどうしても輸入に頼らざるを得ない状況という。
特に今回の高騰はオーストラリアの水害や、中国の大雪による生産量の落ち込みの影響もあり、通常生産に戻れば価格が落ち着く可能性もあるからだ。
いづれにしても、石炭が不足する状況は変わらない。日本が採るべき道は、輸入先の国と協力して高い採掘技術を磨き、生産能力を高めること。それを期待されているはず。
そのためにも国内の炭鉱での採掘は継続されていかなければならない。これは、一産業の問題ではなく、国がエネルギー戦略としてとらえるべき重要な課題といえる。
以前、金の採掘の話にもありましたが、日本が資源小国というのは、どうも物理的に資源が無いわけではなく、経済的な観点から資源を採らなくなったからのようです。
何か安い方安い方と流れたため、食料の自給率を減らしてしまったことに似ていて、最近、自由主義経済が良かったのか考えさられることが多くなりました。