☆ 食糧を使わない次世代バイオ燃料開発へ
世界中に広がる食糧危機、その原因の一端を作っているのは、バイオ燃料といわれている。
環境に優しいということでアメリカなどが力を入れているが、原料に食糧の穀物を使うため、食糧不足に拍車をかけている。
この課題の解決に新たな可能性を研究する日本企業の現状を見る。
ホンダは、稲わらや雑草を原料とする次世代バイオ燃料の本格生産へ向けて新たな実証実験施設を埼玉県和光市に建設することが明らかとなった。
ホンダと共同研究をする財団法人地球環境産業技術研究機構「RITE」によると数年後に海外での大規模生産を目指し、既に国内の商社や石油会社とも共同事業化について話し合いを進めているという。
主食ともなるトウモロコシからバイオ燃料を生産するアメリカへの批判は高まっており、次世代バイオ燃料の開発競争も起きている。
ホンダが大量生産に成功すれば世界の注目を集めると見られている。
現在のバイオ燃料は、サトウキビやトウモロコシを原料に糖類(グルコース)をつくり、その糖類を発酵させエタノールを作っている。
それに対して次世代タイプは、原料に“ソフトセルロース”と呼ばれる食糧ではないわらや木くずを利用する。
しかし、技術的なハードルが高く、また生産コストも高くなるため企業の関心は低い。
この次世代バイオに対して政府も実用化に向け本格的に動き出した。
食糧ではないバイオマス利用の実用化に向けて事業企画を公募、実現すれば助成金や減税の対象とする考えだ。