岐阜・タイヤ・キーパー・専門店・イマージン・50才からのイノベーション それからバトンタッチへ!

岐阜でタイヤ専門店を経営しながら洗車コーティング専門店を開業しさらに事業継承する一部始終を描きます。 

雪が降らないのも社長の責任!

2013年01月22日 | 商人
岐阜地方はタイヤ業界において準降雪地域という区分にされています。
毎年確実に雪が降り積もる北海道・東北・北陸・山陰は降雪地域とされ
それに準じて雪が降る可能性のあるという意味で
このようなになっているそうです。

このような区分と自動車保有台数や新車の登録台数から
メーカーさんは生産本数を予測して各地の販社に割り当て
スタッドレスタイヤの供給を行なっています。
どうやって予測を立てているのか とても興味があります。
コンピューターにいろいろな条件を入れて
複雑な計算で予測を行なっていると思いますが
一度機会があれば尋ねてみたいものです。


一方末端の私たちの予測は すごく大雑把なものです。
過去や昨年の実績を元にして 今年はこれくらいいけるのではないか?
という勘とドンブリ勘定という 上手い表現がありませんので
「センス」と言う意味不明の概念をもとにして初期ロッドを夏前に発注し
それを核にしながら実際の売れ行きに応じて注文を増やしたり減らしたりと調整を
行なって実際の注文に応じて在庫数を調整するやり方です。

一口にタイヤといってもサイズ・パターン・メーカーという要素が
あるわけでしてこのサイズは豊富にあるけれど 別のサイズは品薄とか
特に取り付けが始まる旬の時期になると大もとのメーカーにも在庫がないという
状況がしょっちゅう発生ということになります。
すると各販売店の担当者はメーカー在庫がなくなる前に
自分のお店に仕入れてしまう 言い方を変えると一種の買占めに走るものも出るわけです。


お客様は雪が降るから「今必要」というということになって
在庫がある店に殺到されて その店は売上げを伸ばし
無い店は指をくわえて見ているしかないという きわめて短期の競合が一気に起こります。
商売の優劣が この在庫と言うものに左右されるのです。


ここまでは表面上の話ですが ここからが経営の難しさになります。
まず仕入れたタイヤは その代金を確実に払わねばなりません。
売れてしまえばなんら問題ありませんが 仕入れた商品が売れ残ると
その決済資金を 売上げ以外の内部留保の取り崩しか 他から資金手当てを
行う必要があります。  
そうです商売は売上げや利益も重要ですが 
その資金繰りというキャッシュフローをおろそかにすることが出来ないのです。

資金繰りという部分はほとんどの会社で社長の責任であることは間違いのないことです。
大手や上場企業では桁違いの信用力がありますので 
社長でなくても財務の担当者や予算のスケールが大きい為 特に問題はありませんが
私たちのような零細企業はそうは行きません。
おのずと資金は限りなくわずかです。
そのわずかの資金を回転させる事で支払い資金と必要経費を捻出しているわけです。
売上げは一瞬会社の口座に入金されますが 光よりも早く出て行ってしまうわけです。
すると資金が固定する原因を徹底的に回避する必要があります。
これが在庫の滞貨という問題です。
売りが出て帳面上利益が出ていても それが在庫に変わっているのであれば
手持ちの現金はなくなります。
必要経費を在庫のタイヤで払いますというような物々交換と言う決済方法が取れるなら
それでもいいかもしれませんが すると給料もタイヤの現物支払いとなります。

そんなことは出来るわけはありません。
すると在庫と言うものの怖さ 滞貨というものの怖さを商人は
知らないといけません。
すると仕入れを預かる人たちは 会社の仕入れ力と言う予算の範囲を
知った上で仕入れに当たる必要があります。

社長から「任せるから自由にやりなさい」と言われたとすると
何でも自分勝手に独断でと考え易いものですが
その自由にはおのずと限界があるということを認識する事が大事ですね。
自由だからどれだけでも・・・と言うのは自由の解釈違いです。
自由と言うのにはある一定の範囲があってその枠の中で
権限と責任がセットになっているわけです。

当社は昨年度よりタイヤ課長・キーパー課長と言う役職だけを新設しておりました。
その仕事の役割や範囲と言うものがまだ明らかにされていませんでした。
それを今年から本社という経営の中枢と言う位置づけを明確にして
本社の下に本店・支店を置くという体制に進歩させます。
本社にタイヤ課長・キーパー課長をおいて
その下に店長を置くという 経営の組織図を完成させます。
権限と責任のあり方を明確し業務のあり方を
今ままでの社長が全てと言う超ワンマン体制から
社長の権限の一部を委ねるちょっとワンマン体制にシフトチェンジします。



結果的にスタッドレスシーズンは先行偏り型と言うような 
12月中旬までに実質的な商戦は終了した気配です。
結果から見て仕入れにブレーキをかけるべきところを アクセルを踏んだのが
見込み違いの元と言うのが良くわかります。
しかし あの時点でブレーキを踏む人はおそらくいなかったでしょう。
それは流通在庫として販売店に多数の在庫が余っている状況で確認できます。


その後始末は やはり社長の責任なんです。
雪が降ればスタッフの力のお陰 雪が降らなければそれも社長の責任です。


店を張って商売を構えている矜持は 全てのことに自らの責任を認めるしかありません。
「雪が降らないから・タイヤがなかったから」と言う一切の言い分けは
この商売の世界では通用しません。


楽しいですね~。雪が降らないのも社長の責任なんです。
見込み型商売は「見込み違い」がありえるもので
それも想定内のことです。
従業員さんは良い車に乗っても
社長業は大変です いつまでたってもベンツに乗れません。




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