作者 大伴旅人(おおとものたびと) 巻五 八二二番歌
わが園(その)に 梅の花散る ひさかたの 天(あま)より雪の 流れ来るかも
訳:わが庭に梅の花が散る。天涯の果てから雪が流れ来るよ。
解説
今更ですが、「令和」の出典となったのは、歌の由来を記す「序文」という漢文の中の一節です。この序文は、書家として著名な中国の王義之(おうぎし)の「蘭亭序(らんていじょ)」の影響があると言われています。永和九年(354年)三月三日、会稽山(かいけいざん)の北の蘭亭に文人たちが集い、曲水の宴が催されました。その時に詠まれた詩に付された序文が「蘭亭序」です。「梅花の歌」の序文には「蘭亭序」と似ている文言もありますが、旅人は「蘭亭序」の文章を模倣したのではなく、志ある文人たちが集い、理想の宴を開いたというその理念を受け継ぎました。「梅花の歌」が詠まれた宴です。
その宴の主人が、大伴旅人です。旅人の歌は、天から雪が降ってきたかと見まがうような、純白の梅の花の散る美景を捉えた歌で、この歌は序文とも対応しています。序文には、中国には「落梅(らくばい)の篇」という詩があるといい、それに擬(などら)えて我々は「短詠」(短歌)を作ろう、とあります。この「落梅の篇」とは、古代中国の「梅花落(ばいからく)」という楽府詩(がふし)を指していると言われています。「梅花落」は、辺境に身を置く者が正月の梅花を見て故郷や家族を思うという内容で、都から離れた太宰府の官人たちの境遇と通じるものがあります。漢語では「落」は「散る」という意味であり、「梅の花散る」はすなわち「梅花落」を翻訳した言葉であると考えられます。旅人はこの「梅花落」の詩を理解し、さらに蘭亭のような理想の宴を、日本で実現させたのです。
万葉集ゆかりの木~梅の花~
万葉集には梅の花の歌が沢山あります。奈良にも梅の名所が何カ所かあり、毎年賑わっています。その中でも知らているのが月ケ瀬の梅林です。
万葉の時代も現在も同じで、初春を真っ先に感じることが出来る花と言えば「梅の花」です。梅の花の開花を合図に、桃の花が咲き、桜の花が咲きと春が深まっていきます。梅の花は春の足音をいち早く私たちに教えてくれる花です。
月ケ瀬の中央には渓谷美を描きながら五月川が流れ、その両岸に梅樹が立ち並びます。これが「月ケ瀬梅渓」です。大正11年には名勝地として指定され、シーズンにはこの梅三昧の景色を目当てに、川沿いを散策する人が多く見られます。また、無数の梅が咲き競う姿にはまばゆさを感じながら、真福寺や天神社沿いの道を歩くのもよいです。見ごろは毎年だいたい同じで、2月中旬から3月です。詳しくはhttps://narashikanko.or.jpまでまた電話でのお問い合わせは、0743-92-0300(月ケ瀬観光会館)。
【コーセー】清肌晶 パーフェクトクレンジングオイル 330ml | |
コーセーコスメポート | |
コーセーコスメポート |
KOSE コーセー ソフティモ スピーディ クレンジングオイル 230ml | |
コーセーコスメポート | |
コーセーコスメポート |
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます