春の大和路の仏様たち~璉珹寺・阿弥陀如来立像~
5月にしか会えない仏様
奈良町の一角にある小さな寺院が璉珹寺(れんじょうじ)です。
璉珹寺には、毎年5月の1か月間だけ一般に公開される秘仏・阿弥陀如来立像が祀られているのです。
木造の仏像に胡粉(ごふん)で白く塗られており、女身の裸形に袴をつけただけという仏像です。
寺院の縁起によれば、璉珹寺は聖武天皇の勅願によって行基菩薩が建立、紀有常公が再興したとされており、「紀寺」の跡とも伝わっています。
本尊阿弥陀如来立像は光明皇后をモデルとしているとも言われ、一条天皇の后である彰子が仏門に入り上東門院となった後、恵心僧都に作らせたとも言われています。
当時、女性は仏になれないとされていたのです。そこで、あえて女身とはっきり分かる仏様を形に表し、「南無阿弥陀仏」と念仏を唱えれば、女性も必ず仏になれると願いを掛けたのではないかとのことです。
指と指の間にある膜も大きく、困っている人を漏らさず救うということです。
「妻を亡くされた男性が仏様に手を合わせ、涙を流されることもあります」と住職の下間景甫さんは言います。
下間さんは一般家庭から嫁いで住職になられた方で、仏様の導き、縁を感じていますとおっしゃっていました。
副住職には長女の旦那さんでオランダ出身のヨルダンさんが就任されていて、千年以上続くお寺を後世につないでいます。
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