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奈良のお祭り(無形民俗文化財)~国栖奏~

2020-02-14 10:28:01 | 地域と文化
奈良の無形民俗文化財~国栖奏(くずそう)~
 吉野町国栖に伝わる神事で、現在はこの国栖と橿原神宮で行われている皇室ゆかりの行事「国栖奏」をご紹介します。
皇室と国栖奏
国栖奏の歴史は古く、応神天皇に国栖人が歌舞を奏したことが「日本書紀」に記されています。
また、大海人皇子(後の天武天皇)を、国栖人が歌と舞でもてなし、喜んだ皇子が「国栖の翁(おきな)よ」と呼んだことから「翁舞(おきなまい)」とも呼ばれています。
古代から大嘗祭(だいじょうさい)や節会(せちえ)など、皇室の重要な行事で奉奏されてきました。
現在は、浄御原神社と橿原神宮(神武天皇祭)で、年2回定期的に奉納しているそうです。
浄御原神社は天武天皇をおまつりしている神社で、神社横を流れる吉野川の淵は「天皇淵」と呼ばれています。
皇室との深い縁を感じつつ、奉納されているとのことです。
厳かな奉納
旧暦の1月14日、国栖奏は行われます。
当日の朝から保存会と自治会が舞台の清掃や受付、飾り付け等の準備を始めます。
13時、狩衣(かりぎぬ)や烏帽子(えぼし)などの装束に身を包んだ12人が、舞翁2人、笛翁4人、鼓翁1人、歌翁5人の順で参道を歩きます。
道中でお祓いを受け、笛翁がみやびやかに演奏する中、険しい参道を舞殿へと進みます。
舞殿では、祝詞(のりと)の後に一歌、二歌、三歌の順で和歌が謡われ、舞翁が鈴と榊を手に立ち上がり、舞いながらゆっくりと1周回る所作を4回行います。
その後、四歌が謡われ、全員が手を口元に当てて体を反らす「笑いの古風(こふう)」をして演舞は終わります。
厳かな雰囲気の中で響く笛や鼓の音、独特の所作は古くから伝わるものなのです。
伝統を守る
歴史ある神事を出来る限り昔のまま行っており、奉納するご神饌(しんせん・お供え物のこと)は、山菓(さんか・栗のこと)、醴酒(こざけ・一夜酒のこと)、腹赤の魚(うぐいのこと)、土毛(くにつも・根芹のこと)、毛瀰(もみ・赤蛙のこと)を、奉納の度に、地元で準備してお供えするそうです。
明治天皇や大正天皇の前で奉奏した話を聞いており、また私たち自身も平城遷都1300年記念祝典で、当時の天皇皇后両陛下に奉奏する機会が得られたことを光栄に思っていますと保存会の方が語っています。
新しい「令和」の時代も、この地に伝わってきた神事を大切に、守り、継承していきたと話していました。

      



         



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