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万葉集をわかりやすく解説~棚なし小舟~

2020-03-16 07:17:04 | 地域と文化
万葉集をわかりやすく解説~棚なし小舟(おぶね)
作者:高市黒人(たけちのくろひと) (巻1の58番歌)

いづくにか 舟泊(ふなは)てすらむ 安礼(あれ)の崎(さき) 漕(こ)ぎ廻(た)み行(ゆ)きし 棚なし小舟(をぶね)
(訳:いったいどこに今ごろは泊っているのだろう、安礼(あれ)の崎(さき)を漕ぎ廻っていたあの棚なし小舟は。)

・・・解説・・・
 情景が思い浮かぶような浮かばないようなそんな歌ですが。
「棚なし小舟」とは舟縁(ふなべり)の横板もない、粗末な小舟のことをいいます。また、「廻(た)む」とは巡るという意味です。
この歌は、大宝2年(702年)10月、持統太上天皇が三河国(今の愛知県東部)に行幸した時、お共についた高市黒人が詠んだ歌です。
夜、旅寝の床で、昼に見かけたいかにも頼りない粗末な船が、今度はどこで舟泊まりをしているのかを思っているのです。
それはそのまま天皇のお供してを旅をする我が身の拠り所のなさ、不安定さを思い重ね合わせたのだと思われます。
高市黒人は、眼前から遠ざかり消えて行ってしまうものを詠むことが多いと言われています。
黒人の淋しさは、故郷がなつかしいとか、妻が恋しいとかをことさら言うのではないのです。
空しさ、不安が漠然としてつかみどころのないことが、私たち現在人にも通じるところがあるのかもしれませんね。





 

奈良の隠れた観光スポット

2020-03-16 06:38:01 | 旅行
奈良の隠れた観光スポット~一度は行って欲しい場所~
新型ウイルスの関係で、家に閉じこもったままって大変ですよね。
桜の便りもちらほらと耳にするようになるとやっぱりどこかへ行ってみたですよね。
そこで、案外知られていない奈良の観光スポットをご紹介します。
・日本書紀が名付けの親の「蜻蛉の滝」
近鉄吉野線大和上市駅から杉の湯行きのバスで「西河」下車、そこから歩いて10分くらいのところにあきつの小野公園があります。
この公園が蜻蛉(せいれい)の滝の入口となっています。滝の周辺には遊歩道が設けられ、いろいろな角度から滝を眺めることができます。また、この遊歩道ですが、青根ケ峯への登坂の道でもあります。
蜻蛉の滝は、高さ50mの水量豊かな滝で、雄略天皇を虻から救った蜻蛉(トンボ)伝説から命名されたと伝えられています。また、この滝ですが、天気の良い日には虹がかかることから虹光(にじっこう)の別名もあります。
飛沫が太陽の光に映えて虹を浮かびあがらせる様子は何とも言えない美しさがあり、「紀伊半島自然100選」に選定されています。
この滝には、滝の上、中ほど、下の3ケ所に滝見台がありますので、すぐそばから滝を眺めることができますし、山々に囲まれた滝のマイナスイオンを浴びると日頃の疲れを癒してくれます。春は桜、夏は川涼み、秋は紅葉、冬の冷え込んだ日には樹氷とシーズン通して楽しむことができます。
基本情報
 吉野郡川上村西河 TEL0746-52-0111(川上村役場)

   

・鶯(うぐいす)の滝
鶯の滝は、春日山原始林の北東端付近にあり「佐保川」の源流部に位置する春日山中で唯一見ることのできる滝です。
この滝ですが、奈良公園や若草山に人気が集まり隠れたスポットとなっていますが、江戸時代には名所として知られていて、高さは8メートルほどの小さな滝ですが、水が枯れることがなく、いつでもしっかりとした水量がありますし、春日山のうっそうとした森に包まれて昼間でも薄暗く、涼しいマイナスイオンたっぷりの空間となっていますので、すごく落ち着いた気持にさせてくれます。
この滝の名前の由来ですが、水の流れ落ちる音が鶯(うぐいす)の鳴き声に似ていたことにちなんだものとされています。
鶯の滝は、JR奈良駅、近鉄奈良駅から「春日大社本殿」行きで終点で下車、東に歩いて約90分~120分のところにあります。また、春日奥山エリアのスポットの中ではドライブウェイ沿いからのルートも整備されていますので、初心者の方でも歩きやすい道ですが、歩きやすい恰好で訪れることをおすすめします。また、雨天時や雨上がりには増水することもありますので注意してください。
基本情報
 奈良市川上町306 TEL0742-22-0375

         

・桃尾の滝(布留の滝)
桃尾の滝は、「布留の滝」として古今和歌集にも詠まれる景勝地で、JR天理駅、近鉄天理駅から奈良交通バスで上滝本下車、歩いて10分ほどで行くことができます。
「布留の滝」として古今和歌集に詠まれた歌が「今はまた 行きても見やば 石の上 ふるの滝津瀬 跡をたづねて(後嵯峨天皇)」です。
地元では古くから布留(ふる)の滝として親しまれ、春は新緑、夏は納涼、秋は紅葉と四季折々の表情を見せてくれますのでシーズンを通して楽しむことができます。
滝の落差は約23mあり、春日断層にある滝の中では最大の規模で滝からさらに登った場所には古来からの名刹、竜福寺があります。寺が隆盛を極めたころは、桃尾の滝は行場として利用されていたと伝えられています。
滝つぼの左側には、不動三尊磨崖仏が彫られており、鎌倉中期の秀作とされています。また、これを目的に来る方もいます。
基本情報
 天理市滝本町 TEL0743-63-1001(天理市観光協会)