Bankの秘密基地

個人日記兼つれづれなるままに

MIDリート投資法人(3227)

2009年08月20日 | 国内上場REIT
 (前期決算)

 当法人は旧松下興産の資産を引き継いだREITでスポンサーは独立系だが、松下との
関係が深いのが特徴だ。大阪を中心に不動産を賃貸しており、他のREITと違うのはこ
の投資地域が関西特化である点だろう。またポートフォリオもツイン21ビル、松下
IMPビル、イオン津田沼ショッピングセンターの3つの物件でNOIの大半をかせいでい
る。OBP(大阪ビジネスパークの依存度が70%とかなり高い) 主要テナントがパナソニ
ック、パナソニック電工、イオン、コナミスポーツなどの大口が多いのが特徴だが、
これは良し悪しだ。1口当たりの分配金は11309円と前々期との比較では439
円の増加となったが予想数字との比較では営業収益は若干の未達となった。稼働率が
0.2%ダウンしたこと、大口テナントであるパナソニックとの賃料交渉が減額で決
着したことが売上げの減少につながった。但し、利益面ではコスト削減などのプラス
効果もあり予想よりは良かったというのが前期である。LTVは40.5%と悪くない数字。


 (今期予想)

 一方で、前期決算発表と同時に今期・来期の業績予想の下方修正を発表した。大き
くわけて2つの要因がある。一番大きいのは金融費用の増加だ。8月に200億円の
借り換えを予定しており、来年の4月には110億円、さらに来年の8月には235
億円のリファイナンスが予定されている。それによって融資関連費用が、前期128
百万だったのが今期には286百万円、来期には346百万円と増加し続けるのが、
その理由だ。2番目はNOIの低下に繋がる賃料水準の低下。パナソニックとの賃料交渉
によって年間89百万円の賃料下落が見込まれている。前期は賃料改定後、3か月分
が反映されたが、今期はフルにマイナスの寄与が予想されている。松下とのつながり
が深いといっても資本関係もないのでこの辺はシビアだ。気になるのは稼働率の状況
もしかりで期末の稼働率は96.2%と比較的高い数字になってはいるものの、イオン
やパナソニック電工ビルなどの稼働率100%の一棟貸し物件の底上げがあるが、マルチ
テナントビルを抜き出して稼働率を計算すると92.9%に低下する。またこの数字
は過去3期継続して低下しており懸念される点だ。

 分配金は今期8665円と2644円減少する予想。来期予想もしているが、
8524円と141円の減少予想。ここも2期予想をしているが、来期の予想数字は
堅いという感じがしない。来期の稼働率が上昇することを前提に組んでいるので業績
修正のリスクは低いとは言えないだろう。


 (成長戦略)

 成長戦略ははっきりいって守りだ。外部成長が困難である今、内部成長だけで分配
金の成長は難しい。幸いなのはR&Iの格付けがAであること。物件は大阪に集中してい
ても優良テナントを囲い込んでいることなどは評価できる。但し、スポンサーのクレ
ジットが良くないのは確かで金融費用の増加で業績が悪化するリスクが比較的高い。
この資産規模だとMAによる資産成長を狙うべきだが、やはりスポンサーが独立系とい
うのがネックだ。身売りするのが最も良い戦略だと思うが、果たして動くかどうかは
全く不明。ポートフォリオの内容からすると買い手はあると考えられる。現状の株価
は可もなく不可もなく。若干利回りが同規模のREITと比較して低いような気もするが、
ボラティリティの範囲内だろう。まあとりあえず潰れないということで持っている人
は持ってても良いような気がする。因みに保有している。長期保有という観点からは
このREITは......微妙..

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