東京 DOWNTOWN STREET 1980's

東京ダウンタウンストリート1980's
1980年代初頭に撮影した東京の町並み、そして消え去った過去へと思いを馳せる。

千代田区神田須田町

2011-05-22 21:22:30 | 千代田区
須田町は、かつて東京でも最も繁華な場所としてその名を知られた町であった。だが、私の少年時代(昭和四十年代)でももうそれはあまりピンと来ないイメージでもあった。それは、東京中に路線を張り巡らせていた都電の路線がこの交差点にかなりの数が集中して、一大ジャンクションになっていたからであった。東京メトロ銀座線の神田駅の地下道が不自然に長くこの交差点まで延びているのも、ここが要衝であった痕跡である。ここで取り上げているのは、淡路町に近い一角と、柳原通り沿いの一角のみ。柳原通り沿いは、看板建築の多い一角として知られた辺りでもあった。撮影日は1982年1月31日と2月1日。現在の画像は2011年5月18日、6月5日撮影。

一丁目1番。西定商店,総合食品と書かれている通り、店内には壜詰など多数が並んでいる。本格的な蔵造りというわけではないが、側面が土蔵塗りでしかも黒いのは貴重。土蔵造りの黒いものを江戸黒といった歴史がある。隣は第一洋服。後ろに見える高い煙突は銭湯だろう。この町が生活していた証し。この一角でりそな銀行の大きなビルが建っている。


一丁目13番。蕎麦の名店まつや。池波正太郎に愛されたことで知られる。この店の佇まいは変わらない。庶民的で美味しい蕎麦も...。左隣は都屋、左隣はTN商会。まつやだけが変わらない。


二丁目13番。工具の黒田栄次郎商店、そして海老原商店。今は海老原商店から右が残っている。建築総覧には海老原商店、昭和3年築、正面デザイン黒沢画伯、施工鴻池組、看板建築と記載されている。右隣はT氏宅、これも要覧に掲載されており、大正12年築とのこと。


二丁目13番。屋号が見えるのは源商店のみ。仕舞た屋風でもあるが、緑青色の看板建築がずらりと並ぶ光景。その源商店と右隣がマンションになっている。


二丁目15番。伊關電機、お弁当のまりっぺ、舘ネーム店、都築商店と並ぶ。繊維の町柳原らしい感じ。マンションが建っているが、一階には伊關電機に舘ネーム店が並んで入っている。


二丁目15番。左から裏地、ボタンの中條、柴田ミシン商会、岡昌裏地ボタン店、隣のビルの一階はナラ洋服店と見える。岡昌裏地ボタン店だけが全く変わらない。岡昌裏地ボタン店、休日の表情も良かったので画像追加。


というところまで。須田町交差点界隈には昭和初期とおぼしきビルもあるのだが、何故かこんな感じで撮影している。画像追加2011年6月5日。


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