ハノーファーにある私の自宅のすぐ近くに、数か所にある市営墓地のひとつ、ゼールホルストがあります。ここは1920年に開設され1960年には正門が移設されて、訪問するのに市電を利用しやすくなりました。
開設時の旧正門 ・ 旧正門を抜けて
敷地の中央部に近いところ
63 ヘクタールの敷地はハノーファー市で最大の墓地で、約3万5千の墓があります。通常の個人の墓の他、ユダヤ人犠牲者の慰霊碑、戦没者やオランダ人徴用労働者の墓が並ぶ場所、そして少ないながらベトナム人や中国人など仏教徒の墓がある所があります。さらに1990年からは立木を墓標にした埋葬箇所もあるのです。
墓石 と 埋葬して間もない墓 (ドイツは土葬) ・ ユダヤ人犠牲者の慰霊碑
戦没者のモニュメント ・ オランダ人徴用労働者の墓
仏教徒の墓
集団埋葬の場 ・ 集団墓木
春は桜、夏は並木道の緑のトンネル、秋は黄葉、冬は雪景色という風に一年中楽しめる墓地です。妻とよく気軽に散歩に行きます。
そして、これまたうちのすぐ近くに〈バイ・ホェルツヒェン〉という小さなホテル・レストランがあります。ドイツ料理を食べさせる、この町ではわりと知られたレストランだそうですが、われわれは10数年前にいちど食事をしたことがあるだけです。
〈バイ・ホェルツヒェン〉 昼 ・ 夜
クリスマスツリー ・ 我々のテーブル
クリスマスの装飾 ・ くるみ割り人形
先日第3待降節の日曜日に、この時期独特のガチョウ料理を食べに行きました。七面鳥をクリスマスに食する国々がありますが、七面鳥はこの国では普通にスーパーでいつも売っています。他にはウサギもクリスマスに食べる動物です。ついでに言えば、ドイツでは大晦日に鯉がテーブルにのぼります。
さて、まず飲み物ですが、歩いて帰宅できるので私もワインを頼みました。私が白、妻が赤ワインです。
前菜として野菜サラダと食用カタツムリ・エスカルゴを注文しました。新鮮野菜のサラダはまぁ普通ですね。エスカルゴを最後に食べたのは二十数年前でしょうか。久しぶりのエスカルゴは熱々度とニンニクの効き具合が物足りなくて失望しました。いずれにしても私にとっては好きな食材ではありません。
新鮮野菜のサラダ ・ エスカルゴ
メインは焼いたガチョウの骨付きもも肉です。付け合わせは紫キャベツの煮込み、焼きリンゴ、そして小麦の団子。焼きリンゴは芯を取ってクランベリーの砂糖煮を詰め、上に泡立てた卵白をのせて表面をバーナーで焼いています。ガチョウの肉が少々硬くてパサパサしていましたが全体的に結構美味しく、地元での外食を久しぶりに楽しみました。このクリスマス料理は繊細な芸術性はないけれども、伝統的料理で典型的なドイツの味です。
ガチョウの料理 ・ 紫キャベツの煮込み
最後はエスプレッソで締めました。
食事の後はサーヴィスをしてくれた経営者の奥さんとお隣さん同士としての雑談と情報交換をしました。何でも70年来この地に住んでいて、レストランを45年間、そしてホテルを18年前から娘と息子を含む家族で営業しているそうです。
〔2018年12月〕〔2024年6月 加筆・修正〕
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