マリエンブルク城は、私の住む町ハノーファーの国王ゲオルク五世が19世紀の後半に、夏の居城兼狩猟用離宮として建てさせました。同時にこのお城は、彼の伴侶であるマリーの39歳の誕生プレゼントでもありました。それでマリエンブルク (マリーのお城) という名前なのです。130室もの部屋を持つお城は135mの小山の上に建っています。 このお城にはマリー女王と娘が数年住んで、政治的理由からハノーファーを離れた後、約80年間にわたり、管理人だけが住んでいました。終戦直後は、お城の所有者の家族の他に東欧地域からの引揚者が一時的に住んでいたそうです。
遠景 1 ・ 遠景 2
馬車 (自動車) の衝突避け
周り 1 ・ 周り 2
周り 3 ・ 周り 4
2012年から2014年にかけて、何度か娯楽映画やドキュメンタリー、そして連続テレビドラマの舞台として撮影されました。今日では、マリエンブルク城を訪れる観光客や見学者は年20万人を超しています。
昨年 (2018年) の11月まで、お城は、ハノーファーの王位継承権のある王子 エルンスト・アウグスト・ジュニアの個人所有でしたが、建物のあちこちが傷んできているので、その修理費を考えると、個人で所有することはもはや出来ない、ということで、ニーダーザクセン州がただ同然の象徴的な価格で買い取りました。エルンスト・アウグスト・ジュニアは、「手放してすっきりした。」 という感想を述べたそうです。
入城門 1 ・ 入城門 2
内部 1 ・ 内部 2
内部 3 ・ 内部 4
内部 5 ・ 内部 6
内部 7 ・ 内部 8 ・
内部 9
城内にある王家の馬屋が、こんにちレストランになっています。レストランといってもセルフサーヴィスの簡単な食堂といった感じです。
食堂の内部
その食堂の、中庭に出されたテーブルで昼食を食べました。
テーブルからの景色 ・ ヴァイツェンビール
飲み物はノンアルコールのヴァイツェンビールです。ほんの数種類しかない、提供出来る料理の中からハンガリー風シュニッツェル (叩いて薄く延ばした、トンカツのような料理) を選びました。
このハンガリー風シュニッツェルは、シュニッツェルにパプリカと玉葱とトウモロコシが入ったソースをかけてあり、昔はツィゴイネル・シュニッツェルと呼ばれていたのです。ところが最近世界中にはびこるポリティカル・コレクトネスのせいで、「ツィゴイネル = ジプシー」 という言葉は使えないのだそうです。
料理は見るからに不味そう。熱々ではなく生温かいだけなので、すぐに冷めてしまいました。
ハンガリー風シュニッツェルと新ジャガイモ
豚肉の味が良くなく、衣は揚げ油でベチャベチャですが、ツィゴイネル・ソースは少しましな味がします。
最近収穫した新ジャガなので皮ごと食べるのは良いのですが、芋肉がグニャグニャで軟らかく、ホクホク感もポテト特有の美味しさもありません。
マリエンブルク城は大変立派なお城なのに、ガストロノミーに関しては全くいけません。まさに一見の訪問客用に料理した感じで、客に美味しい料理を提供しようという熱意がうかがえないのです。これ程不味い食事は久しぶりです。
マリエンブルク城は自宅から車で30分ほどですが、お城の見学に来ることはあっても、ここではもう二度と食事をすることはないでしょう。
[2019年9月]
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