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【経営四字熟語で目から鱗が落ちる】2-08 蓄積堅裾 塵も積もれば山となる 蓄積を広い裾野にして内容を豊かにする

2024-08-10 12:01:00 | 【心 de 経営】 経営四字熟語

  【経営四字熟語で目から鱗が落ちる】2-08 蓄積堅裾 塵も積もれば山となる 蓄積を広い裾野にして内容を豊かにする   


 
  四字熟語というのは、漢字四文字で構成された熟語であることはよく知られています。お恥ずかしいながら、その四字熟語というのは、すべてが中国の故事に基づくものとばかり思っていましたが、実はそうではないことを発見しました。
 経営コンサルタントという仕事をしていますが、その立場や経営という視点で四字熟語を”診る”と、今までとは異なった点で示唆を得られることが多のです。「目から鱗が落ちる」という言葉がありますが、四字熟語を講演や研修の場で用いたり、自分の仕事や日常会話に活かしたりするようにしましたら、他の人が私を尊敬といいますとオーバーですが、自分を見てくれる目が変わってきたように思えたことがあります。
 四字熟語の含蓄を、またそこから得られる意味合いを噛みしめますと、示唆が多いですので、企業経営に活かせるのではないかと考えるようにもなりました。これを「目鱗経営」と勝手に造語し、命名しました。
 以前にも四字熟語をご紹介していましたが、一般的な意味合いを中心にお話しました。このシリーズでは、四字熟語を経営の視点で診て、つぶやいてみます。以前の四字熟語ブログもよろしくお願いします。

  第2章 思考力を高めてビジネス全快
 四字熟語の中には、物事の発想や思考に関する熟語もあります。「理科系の人は理屈っぽい」とか「あの人に理屈でまくし立てられますと、太刀打ちできない」などという言葉をしばしば耳にします。
 たしかにビジネスの世界では、上手に説明ができなかったり、自分が主張していることが相手に正確に伝わらなかったりすることが多く、自分の非力さを痛感することが多いです。
 四字熟語の中に、思考に関して示唆ある熟語が想定以上に多くあります。その中には、相手の言っていることを正確に理解できるようになるための示唆を与えてくれるものがあります。どの様に発想したら、相手に自分の思いをわかっていただけるのかを感じ取らせてくれる四字熟語もあります。思考力のハウツー本としてではなく、四字熟語の中に、思考力を高めるヒントを見つけていただきたいと思います。
■2-0 8 蓄積堅裾 塵も積もれば山となる
 ~ 蓄積を広い裾野にして内容を豊かにする ~


 経営戦略というのは、その方法を一歩誤ると企業の存続すら危うくすることもあり得ます。それにより、時には社会的に大きな影響を及ぼすこともあります。そのようなことに陥らないように、企業では、経営理念を実現するために、深謀遠慮により、内外の経営環境を踏まえた上で戦略を立案し、それを実行して行き、経営の安全性を高めたり、成長に重点をおいたりという、その企業の置かれている状況に応じた経営判断をして行きます。
 独立起業した直後の企業では、その企業における経験が、ノウハウとなって蓄積されていることは少ないかもしれませんが、一般的には長短あれども企業としての経験があります。ところが、常に目先だけで経営を行い、深謀遠慮がなければ、いつつまずくかわかりませんし、経験が蓄積されて行きません。
「一暴十寒(いちぼうじっかん)」という四字熟語が孟子に出てきます。「暴」は「爆」という漢字と同じで、「日にさらして暖める」という意味で、「一日中暖め続けても、十日も冷やしてしまっては、せっかく暖めたことが無駄になってしまう」という意味になります。多少の努力は、後に怠けてしまうと意味がないと言うことで、継続して努力しなければ成果は上がらないことの例えとして用いられます。
「継続は力なり」という言葉がありますが、経験を重ねていくには、継続すると言うことも大切であるということの必要性を説いています。しかし、単に継続するだけで、自分達の過去の経験という財産を活かしませんと、過去の経験という価値あることが、「宝の持ち腐れ」になりかねません。
 日本のコンビニエンスストアというのは、コンビニ先進国のアメリカからそのノウハウに高いロイヤルティを払って日本に定着させ、それを育ててきました。今や、そのノウハウを先生であるアメリカ企業が欲しがるまでに高度化されてきました。
 その契機となったのが、レジシステムに蓄積されている販売データの活用です。顧客の属性と、売上の商品、時間や天候等その他の要因を複合分析することにより、顧客の購買特性をあぶり出し、それに基づく品揃えや仕入タイミング、テンポ陳列等々、小売業に関する戦略立案の知恵を蓄積でいたのです。
 「継続は力なり」という表現を借りて、「蓄積は力なり」ということを、私は経営コンサルタントになった初期から唱えてきています。
 例えば、日々の営業活動というのは、コンビニで言えば、POSシステムによるレジデータに相当します。POSシステムは、私が初めて渡米しました1970年代にすでにアメリカでは導入している企業がありました。日本のコンビニのレジシステムが今日のように高いレベルで利用され始めたのは1980年代に入ってからと言えます。私は、1970年代から営業日報の改革とその活用について、コンサルティングしてきました。
 当時は、まだパソコンが今日のように一般的ではありませんでした。営業日報とか業務報告書とかいう文書は、「○月○日の営業日報」のように、一般的には、日にちを基準に作成します。従いまして、一つの顧客の商談を時系列的に見るためには、過去の日報ファイルを何冊も引っ張り出してこないとできません。有能な営業管理職というのは、自分の部下の商談履歴をいかにたくさん記憶しているかにかかるいっても過言ではないほど、営業管理職の記憶力頼りでした。
 それを、レコード単位の管理に変更し、他の管理帳票と連動して利用できるように有機的な繋がりを持たせる形にし、「営業設備」と呼ぶようにしました。パソコンの時代が到来しますと、その方法がぴったりと営業設備にマッチしますので、パソコンで商談記録を管理するようにしたのです。
 それにより、営業活動の履歴を時系列的に見ることができるようになりました。顧客別に商談の流れが明確になりますので、流れのどこに、どの様な問題点があるのかが見えてきます。行動分析にも利用でき営業パーソン別の行動活動の効率性を分析して、その面からの部下へのアドバイスをしやすくできました。販売管理システムと連動させますと、どのような商品・サービスが、どの様な地域で、どのくらい売られているのか、マーケティング資料と営業活動を連動して分析することにより、どの地域で、どの様なお客様に、どの商品・サービスを、どの様に紹介したら営業成績を上げることができるか、見えてきますので、営業管理者も部下へのアドバイスが具体的になります。
 営業活動システムを、販売管理システムや財務管理システムとも連動させることにより、営業パーソン毎の粗利率だけではなく、経費状況を加味した営業利益率を算出することができます。営業パーソン一人一人が、どのくらいの経費を遣って、どれだけの利益を上げているのかという数値は簡単に出てきます。切り口を変えますと、商品・サービス毎の利益率も算定できますので、品揃えや商品戦略にも活用できます。
 「蓄積堅裾(ちくせきけんきょ)」というのは、蓄積することにより、裾野が広がり、固まりますので、仕事が効率よく、効果的に進められるということに繋がるということを教えてくれています。

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