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【小説風】竹根好助の経営コンサルタント起業 エピローグ 0-1

2024-06-14 12:01:00 | 【小説風 傘寿】老いぼれコンサルタントの日記

  【小説風】竹根好助の経営コンサルタント起業 エピローグ 0-1 

 

■ 【小説風】 竹根好助の経営コンサルタント起業 

 私は、経営コンサルタント業で生涯現役を貫こうと思って、半世紀ほどになります。しかし、近年は心身ともに思う様にならなくなり、創業以来、右腕として私を支えてくれた竹根好助(たけねよしすけ)に、後継者として会社を任せて数年になります。
 竹根は、業務報告に毎日のように私を訪れてくれます。二人とも下戸ですので、酒を酌み交わしながらではありませんが、昔話に時間を忘れて陥ってしまいます。それを私の友人が、書き下ろしで小説風に文章にしてくれています。
 原稿ができた分を、原則として、毎週金曜日に皆様にお届けします。

◆ エピローグ 0-1

「お母さん、お父さんは書斎にいるの?」
「そのはずよ。どうして?」
「久しぶりに濃茶でも入れてやろうかと思ってさ」
「それは喜ぶんじゃないかしら。もう、一ヶ月以上は茶会にも行っていないからね」
 経営コンサルタントを四十年近くもやってきた竹根は、最近は経営コンサルタント協会の理事長の仕事以外は、特段に仕事をするわけでもなく、書斎に閉じこもって原稿を書くことに余念がない。七十年近い人生の総まとめをしているようである。ビジネス書は何十冊も出版してきたが、最近は、ビジネス書の良い面である箇条書きを入れたり、図版を取り入れた小説を書いて、気軽に経営とは何かを伝えたいと考えている。
 小説を書く契機となったのは、竹根の腹心の部下の一人が、「コンサルティングというのは、推理小説のように、企業がどのように変化していくのか、変化の先を推理するのが楽しみです」という一言であった。
 閑雲野鶴(かんうんやかく)、空に浮かぶ雲、野に遊ぶ鶴のように、何者にも拘束されず、自然を相手に悠々と生活を楽しむことをこの年になっても夢見ているが、それができない竹根でもある。
 若い頃から、お茶が好きで、経営コンサルタント業が忙しくなった三十代後半からは息抜きのために洗心会という会で、毎月茶会を開いている。お茶の会というと茶道の流儀に基づき、作法がうるさいが、竹根が会長を務める洗心会というのはお茶を介した交流会のようなものである。竹根は、下戸であるので、宴会やパーティなどの形式ではなく、経営者や企業幹部を集めるための口実として茶会を催している。
 最近は、若い人もメンバーに加わり、大企業から零細企業までの経営者や管理職たちとの交流が盛んになってきた。
「ツッくん、おじいちゃんにお茶が入りましたって言ってきてちょうだい」
 ツッくんこと、田澤翼は、竹根の娘である由紗里の長男である。まだ、小学校に上がったばかりであるが、父親の田澤充雄に似たのか、慎重だが闊達な子供である。父親の充雄は、日本国際航空のパイロットをしているので、飛行機をイメージして翼と名付けられた。
 由紗里は、自分の父親を男性の理想像のように思って今日まで育ってきたこともあり、翼には自分の父親の話を良くするようである。そのために、小さい頃から翼は竹根のことを「ジージ」と言っては、あとを追ってまつわりついたりして育った。翼の父親は、仕事で数日から、長いときには十日くらい家を空けることがある。そのために、竹根のうちに母親に連れられて来ることが多かったこともある。
 翼に手を引かれて、仕事を無理矢理中断させられて竹根がリビングにやってきた。指定席の籐いすのアームチェアは、還暦の祝いに妻のかほりと由紗里が買ってやったものである。以前より、リクライニング付きのアームチェアをほしがっていたので、これが届いてからは座って読書をすることが多い。竹根の手油で、アーム部分を中心にぴかぴかしている。翼が、竹根にお世辞を言って何かをせがむときに、アームチェアの手入れをすることも貫禄をつけるのに一役をかっている。
 アームチェアの背を垂直に近く立てて、座面の高さを調節すると、由紗里が点てたお茶に手を伸ばす。いつも手順が決まっている。両手のひらに茶碗を抱くようにして、茶碗を観る。もう、何千回と見ているだろうに、何も言わずに繰り返す。一すすりすると目を閉じて、茶を味わうようである。
 たとえ、由紗里の茶の入れ方がうまくいかないときでも、決して文句を言わない。時々、「うまいな!」と言うことがあるが、多分その時には茶が上手に入った時であろう。目を開けると、茶を飲むのではなく、茶碗に見入るのである。
「おじいちゃんはまた茶碗を観ているね」と母親に声をかける。これも、竹根が茶を飲むときの定例になっている。
「そのうちに、茶碗に穴が開いてしまうよ」と妻のかほりが言うと、翼は不思議そうな顔をして「何で茶碗を観ていると穴が開いてしまうの?」と疑問に持つ。小さい頃から、竹根に「なんでー」と聞きながら知識や知恵をつけてきた翼である。
 五歳の子供にわかるわけではないのに、その言葉の意味をかほりが説明するが、翼は一向に納得しない。そのうちに、竹根に質問を向ける。
「おじいちゃん、じっと茶碗を観ていると穴が開くなんて、そんなことないよね」
 その言い方も二、三歳の頃と変わらない。竹根は、ただ笑って翼の頭を撫でるだけである。翼は、竹根にそうされると自分の主張が認められたと思って、黙ってしまう。
「お父さんは、なんで経営コンサルタントになったの?」
 かねてから、父親に聞いてみたいと思っていた由紗里の疑問である。
 お茶を飲むときには、口数の少ない竹根だが、由紗里に向かって、四五年ほど前の昔を振り返りながら思い出をポツリポツリと語り始めた。

  <続く>

 

■ バックナンバー

  https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/c/c39d85bcbaef8d346f607cef1ecfe950

 

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【小説風 傘寿】 老いぼれコンサルタントの日記 6月13日 元気な会社 通販・自販機に活路見出す 2b30-4613

2024-06-14 07:11:03 | 【小説風 傘寿】老いぼれコンサルタントの日記

 

  【小説風 傘寿】 老いぼれコンサルタントの日記 6月13日 元気な会社 通販・自販機に活路見出す 2b30-4613 

 平素は、私どものブログをご愛読くださりありがとうございます。

 この度、下記のように新カテゴリー「【小説風 傘寿】 老いぼれコンサルタントの日記」を連載しています。

 日記ですので、原則的には毎日更新、毎日複数本発信すべきなのでしょうが、表題のように「老いぼれ」ですので、気が向いたときに書くことをご容赦ください。

 紀貫之の『土佐日記』の冒頭を模して、「をとこもすなる日記といふものを をきなもしてみんとてするなり」と、日々、日暮パソコンにむかひて、つれづれにおもふところを記るさん。

【 注 】

 日記の発信は、1日遅れ、すなわち内容は前日のことです。

■【小説風 傘寿の日記】

 私自身の前日の出来事を小説日記風に記述しています。

6月13日(木)

 つい最近、「トヨタ!お前までもか」と言ったばかりですが、今度は「日本郵便、お前もか」と言いたいですね。(質の違うことで失礼)
 10月1日から日本郵便が値上げをすると発表、定形封書が、25グラムまでの基本料金が、現行の84円から110円に引き上げられます。

 1994年以来と言いますから約30年ぶりとなります。

 次は、何の価格が上がるのでしょうか。

 私の事業を引き継いでくれた竹根好助ですが、その部下が時々自分の顧問先や元気な会社に私を招待してくれます。私が企業で、何を観て、何を話すか、私の半世紀のコンサルタント経験を盗み取り、コンサルタントとして、それを顧問先に活かしたいという考えのようです。

 竹根の部下が紹介してくれた企業は、えんぽうにあるので、オンラインでインタビューと社内見学をさせていただきました。

◆【成功企業・元気な会社・頑張る社長】 通販・自販機に活路見出す 2b30-4613
 新型コロナウイルス感染症の拡大を逆手に取り、通信販売や自動販売機といった新分野に進出して、業績を伸ばした企業が宮城県にある。後継者が不在だった1945年(昭和20年)創業の老舗パン粉メーカー、K商店から営業譲渡を受け、2014年に設立・営業を始めたK社(仙台市若林区)である。

 事業は3部門で構成。このうち「パン粉卸」部門は、顧客のニーズに合わせたオリジナル生パン粉100種類以上を製造し、宮城県内の飲食店や惣菜店へ自社配送する。「業務用食料品商社」部門は、食用油・調味料・粉・冷凍食品など大手メーカーの商品を飲食店や精肉店などへ自社配送している。さらに「地域商社」部門は、牛たん、かき、ふかひれといった宮城名産の地元食材を活用し、生産者や地元食品メーカーと連携して新商品を創り上げる事業だ。

 コロナ禍前の2020年1月期の売上構成比は、パン粉卸が約35%、商社が約45%、地域商社が約20%。ところが緊急事態宣言で取引先の飲食店が休業に追い込まれ、パン粉卸と商社の2部門は売り上げが大きく減少した。社長のEさんは大幅な減収となり、危機的な状況となったと振り返る。

 対策として、地域商社部門の拡大に注力。18年に開設した東京オフィスをベースに首都圏で営業を強化した結果、楽天市場など大手通販会社の商流を獲得することに成功した。全社売上高に占める構成比も急激に増えた。

 これに加え、仙台市の補助金を活用して自動販売機を試験的に購入。コロナ禍でも成立する「非対面型ビジネス」として、22年春から自販機事業を始めた。とんかつ、かきフライ、牛たんカツなど冷凍フライ商品を販売する自販機と、牛たん、かき、ふかひれ、鯨などを使った商品群を扱う自販機とそれぞれにネーミングしました。3カ月余で仙台市内に7台を設置し、東京都、横浜市、北海道旭川市でも各1台を稼働させ、現在も展開中です。
 この結果、コロナ禍前の売上高を超えるようになりました。

 自販機事業では、新たに東北電力と連携してSDGs(持続可能な開発目標)とフードロスをテーマとしたサステナブル自販機を企画・開発し展開を始めました。経済産業省の「事業再構築補助金」にも採択され、専任部署を設立して事業拡大に取り組む。一方の通販商品の需要は拡大しており、今後も新商品を積極的に提案し、地域商社部門で大幅な売上増を目指す。このほか、市場に出回らない未利用魚を活用した新商品開発や、オリジナル商品を受託生産するOEM(相手先ブランドによる生産)部門の新設も計画している。社長のEさんの夢は膨らむばかりである。

【コメント】

 多角化展開というのは失敗することが多いです。

 同社の場合には、コロナ不況でも3本柱の一本を重点化し、会社を維持する努力をしました。その結果、コロナ禍を乗り切ることができただけではなく、4本目の柱のアイディアを展開し始め、成長を続けています。

 アイディアとタイミングが狂うと、他社の多角化戦略失敗にみられるような結果に繋がりません。多角化展開は、スピードも非常に重要な要素ですので、スピードを上げすぎず、失速も念頭におき、企業体力の予測も鑑み、今後の展開をしてほしいと考えます。

   出典: e-中小企業ネットマガジン

■【今日は何の日】

  当ブログは、既述の通り首題月日の日記で、1日遅れで発信されています。

  この欄では、発信日の【今日は何の日】などをご紹介します。
      https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/c/7c95cf6be2a48538c0855431edba1930
 

  ■【今日は何の日】 6月14日 ■ えんま祭・えんま市 ■ オリンピック大会旗制定記念日 ■ フラッグデー  一年365日、毎日が何かの日

■【経営コンサルタントの独り言】

 その日の出来事や自分がしたことをもとに、随筆風に記述してゆきます。経営コンサルティング経験からの見解は、上から目線的に見えるかも知れませんが、反面教師として読んでくださると幸いです。

 

◆ 一日一善、再思三省、人に優しく 613

「一日一善」

 一日にひとつは良いことをしましょうという運動です。

 ここで重要なことは、継続と積み重ねだと考えます。

「善」とは広辞苑第六版によりますと「道徳の理想」とあります。

 一日一善の本来の趣旨とは異なるかもしれませんが、道徳に固執しなくても良いと考えています。

 私は、「善」とはかならずしも辞書的な意味での善い行いというだけではなく、健康に良いとか、仕事にプラスになるとか、いわゆる建設的な意味での善行であれば「善」であると考えるようにしています。

 本来の意味の「一日一善」ですとなかなか継続できませんが、このように考えますと継続できます。

「本日は一日一善を励行できたか」と反省することで、生活にメリハリが出てくるように思えます。


「三省」

 三回反省するという意味ではなく、「三」とは「たくさん」という意味です。

 論語に「再思三省」とあります。

 何度も考え、何度も自分を振り返ると言う意味です。

 そこには、謙虚に自分を反省する行為が含まれているべきです。

 *

【経営コンサルタントの独り言】

 再思三省とは、内容的には異なりますが「重考高盛」という四字熟語を類似した言葉としてご紹介します。
 「重考」とは、思考を重ねる、ひとつのテーマにじっくりと取り組んで、時や場所を変えたりして繰り返し考えてみることです。
 「高盛」は、思考を重ねると高く盛り上げることができるということです。

■【老いぼれコンサルタントのブログ】

 ブログで、このようなことをつぶやきました。タイトルだけのご案内です。詳細はリンク先にありますので、ご笑覧くださると嬉しいです。

 明細リストからだけではなく、下記の総合URLからもご覧いただけます。
  https://blog.goo.ne.jp/keieishi17

>> もっと見る

■バックナンバー   https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/c/a8e7a72e1eada198f474d86d7aaf43db  

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