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【経営四字熟語で目から鱗が落ちる】2-04 重考高盛 一見ムダも活かし方がある 繰り返し思考して、よりよい判断に繋げる

2024-07-13 12:01:00 | 【心 de 経営】 徒然草に学ぶ

  【経営四字熟語で目から鱗が落ちる】2-04 重考高盛 一見ムダも活かし方がある 繰り返し思考して、よりよい判断に繋げる    


 
  四字熟語というのは、漢字四文字で構成された熟語であることはよく知られています。お恥ずかしいながら、その四字熟語というのは、すべてが中国の故事に基づくものとばかり思っていましたが、実はそうではないことを発見しました。
 経営コンサルタントという仕事をしていますが、その立場や経営という視点で四字熟語を”診る”と、今までとは異なった点で示唆を得られることが多のです。「目から鱗が落ちる」という言葉がありますが、四字熟語を講演や研修の場で用いたり、自分の仕事や日常会話に活かしたりするようにしましたら、他の人が私を尊敬といいますとオーバーですが、自分を見てくれる目が変わってきたように思えたことがあります。
 四字熟語の含蓄を、またそこから得られる意味合いを噛みしめますと、示唆が多いですので、企業経営に活かせるのではないかと考えるようにもなりました。これを「目鱗経営」と勝手に造語し、命名しました。
 以前にも四字熟語をご紹介していましたが、一般的な意味合いを中心にお話しました。このシリーズでは、四字熟語を経営の視点で診て、つぶやいてみます。以前の四字熟語ブログもよろしくお願いします。
  第2章 思考力を高めてビジネス全快
 四字熟語の中には、物事の発想や思考に関する熟語もあります。「理科系の人は理屈っぽい」とか「あの人に理屈でまくし立てられますと、太刀打ちできない」などという言葉をしばしば耳にします。
 たしかにビジネスの世界では、上手に説明ができなかったり、自分が主張していることが相手に正確に伝わらなかったりすることが多く、自分の非力さを痛感することが多いです。
 四字熟語の中に、思考に関して示唆ある熟語が想定以上に多くあります。その中には、相手の言っていることを正確に理解できるようになるための示唆を与えてくれるものがあります。どの様に発想したら、相手に自分の思いをわかっていただけるのかを感じ取らせてくれる四字熟語もあります。思考力のハウツー本としてではなく、四字熟語の中に、思考力を高めるヒントを見つけていただきたいと思います。
■2-0 4 重考高盛 一見ムダも活かし方がある
 ~ 繰り返し思考して、よりよい判断に繋げる ~


 私たちが何かをしようとしますと、何らかの情報を結合したり、重点順位をつけたり、選択したりをして、判断を行います。しかし、人間の判断というのは、その時の体調や気分などにも大きく左右されがちです。
 判断がぶれないようにするためには、論理的に事実を整理し、それを基にウェイトをかけて判断をするなど論理思考の手法を利用することが多いでしょう。そして沈思黙考して、自分の考えをまとめたり、目先だけの状況に左右された判断をしたりするのではなく、深謀遠慮を忘れてはなりません。
 ある会社で、取締役部長が常務取締役を捕まえて自分の提案をぶつけました。その常務取締役は「いいよ」と部長の提案を受け入れました。その会社における決裁ルートは、役員からの提案は、常務会に提出され、ケースによっては役員会に回されることがありますが、多くはそのまま常務会にて審議され、最終的に社長決裁となります。
 たまたま常務会メンバーの専務取締役が退任したこともあり、常務会は社長と常務取締役の2名で構成されています。部長は、常務取締役の了解を取れていることから、この案件を社長に直接に回しました。社長は、直接部長から提案書が届きましたので、なぜ常務会からの提案ではないないのか部長に状況説明を求めました。
 状況を把握した上で、例え常務取締役の了解を取れていても、決裁ルール通りの手順を踏むように、理由を添えて指示をしました。常務会が招集され、本件の審議をしているうちに、部長の提案内容に変更の必要性が出てきました。常務会では、一部変更で決定となりましたが、社長は念のため、部長から状況を再度確認した後で沈思黙考し、その結果、やはり部長案の原案の方が良いという結論に達しました。ふたたび、常務会を開催して、審議した結果、部長原案に決まり、最終的には、社長決裁も原案通りとなりました。
 一つのテーマでも、時間をおいてから異なった状況下で思考を繰り返していますと、同じ人間であっても考え方や判断方法が異なることがあります。上述の決裁方法では、時間がかかり、スピードの経営の時代にそぐわないという欠点はあります。一方、同じ内容のことを繰り返して検討することにより、異なった結論が出ることがあることを重視する必要もあります。重考をしている内に、ひらめきも出てくるでしょう。名案というのは、必ずしも「一朝一夕(いっちょういっせき)」には生まれません。「一朝」は「一日」、「一夕」は「一夜」という意味で、「一朝一夕」は「一日や一晩という短い時間や期間」を指します。
 いろいろな発想に繋がる可能性があることが「重考」のメリットです。時間がかかるという欠点はありますが、重要案件というのは、重考することにより、判断の正確性を高めることに繋げることも必要です。また、このように、同じテーマで考えを繰り返すうちに、その周辺情報も増え、異なった判断も蓄積され、四職や情報という経験だけではなく、判断方法の裾野も広がり、その結果、自分達の実力を高める、すなわち「重考高盛」が実現されるのです。換言しますと「重考高盛」とは、同じテーマを繰り返し思考することにより、思考法や判断力を高めることに繋がり、時間はかかるという欠点はありますものの、よりよい判断に繋げることができるということです。
 このように一見ムダと思える努力が、陰で別の効果を発揮していることがあります。その好例としてしばしば採り上げられるのが、自動車のステアリングの”あそび”です。蛇足ですが、ステアリングは、自動車の方向操作に使われることから、ハンドリング(操作)、すなわちハンドルという言葉が年長者を中心に使われています。ステアリングに”あそび”と言われる空回りの部分があるために、自動車をスムーズに走らせることができます。ステアリング効果を最小の力で出すためには、”あそび”がない方が良いのです。
 企業の中には、現有商品とは直接関係ない分野の研究をしているところがたくさんあります。例えばフィルムメーカーが、手持ち技術の応用として可能な化粧品の研究をしてきたことから、従来とは異なる化粧品という市場に商品投入をすることができたということは、よく知られています。一件ムダに見える研究が、電子技術の発展で急に市場が縮小した商品の穴埋め効果を発揮し、企業としての存続を強めることができることもあるのです。
 中小企業では、人的ゆとりが少ないために、最小限の人数で仕事をしているために、各社員に”あそび”がありません。そのために、研究開発部門を持てるような中小企業であっても、研究員を会社に貼り付けて、仕事をさせています。技術革新の早い昨今では、技術者が持っている技術も陳腐化してしまいます。それを補うために、各地で開催されています展示会で、情報収集しましたり、他社の商品を目の当たりにしたりする機会がありません。”あそび”を理解できる経営者であれば、技術者にその様な機会を与えられると思います。
 ムダをムダとして終わりにさせない企業が、生き残り、勝ち残れるのではないでしょうか。
「重考高盛」と逆のことを表現しているのが「一刀両断(いっとうりょうだん)」です。「一刀」すなわち一太刀で、「両断」真っ二つに切るということで、「一刀両断」とは、ものごとをためらわず、ばっさりと切って、ずばりと処置するという意味です。ときには、グズグズと「優柔不断」にためらっていないで、思い切って決断することも重要です。
「刀」に関連した四字熟語に「三尺秋水(さんじゃくしゅうすい)」があります。「三尺」は九十センチ程になりますか、刀の標準的な長さと言われています。「秋水」は、秋の早朝などにおけます冷たく澄んだ水のことですが、そのような秋の水のように冴え渡る刀が醸し出す光沢のある冷たさから、刀の切れ味を暗示するときに用いられます。時代劇が好きな方は、暁の決闘シーンなどを想像するのではないでしょうか。
「優柔不断(ゆうじゅうふだん)」は、「優柔」が「ぐずぐずしている」様子を表し、「不断」は、「他に関連することと断ち切ることができない」ということから「ぐずぐずして、自分の意志を決めかねる」ことを指します。「意志薄弱(いしはくじゃく)」にも繋がります。「意志が弱くて決断したり、頑張る気持ちが弱い」ことということから、「一旦決心したことを、持続できなかったり、他人の意見に惑わされやすかったりする」という意味で用いられます。
「首鼠両端(しゅそりょうたん)」も同じような意味です。「首鼠」は、「ネズミが穴から首を恐る恐る出して周囲の様子をうかがう」ということから、「グズグズと判断に迷い、選択肢の中から自分の意志でなかなか選べない」という決断力のないことをいいます。
 それに対して「勇猛果敢(ゆうもうかかん)」な人もいます。「勇気や決断力があり、他の人が尻込みするようなことにも思い切って取り組む」という意味です。


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