もう十二月ですね。あと数十日寝てればお正月ですよ、一年過ぎるのは早いですねぇ。私は一体何をしてたんでしょうか?というわけで今回の紹介作品は
『新十二生肖』(90)です。
古の中国。邪悪なる魔王が出現し、世界を混乱の渦に巻き込み弱き人々を苦しめていた。そんな世の中を打破しようと観音菩薩の生まれ変わりである少女・ベイマは同じく国中に散らばっている十二支の生まれ変わりを探しに、お供の戌の化身と共に山を下り俗世間へと旅立った。いくつかの困難の末十二支中十一支は見つけ出す事ができたが、最後の一人である蛇の化身は魔王に操られていて彼の参謀役でもあったのだ。ベイマと仲間たちは果たして魔王を倒して世界を平和に導く事ができるのか?!
スタッフ・キャストが日本でもおなじみ
『幽幻道士』シリーズのメンバーなのであのキョンシー・ブームの渦中にいた当時の少年少女であるならば確実に「懐かしい」と思える作品。作品自体は『蜀山』系のいわゆる神怪片でキョンシーものではないけれど、クンフーに化け物、それに笑いも盛り込まれており、
その安定感のある作りに掛け値なしでワクワク・ハラハラでき観賞後の後味もさっぱりした傑作であった。
悪玉の魔王の造形は『孔雀王』(87)を意識したような
特殊メイクに腰巻つけた裸のおっさんではあったが、こちらはボディビルダーを起用しているので見ごたえもあって迫力ははるかにこちらの方が勝っている。
この作品は特撮にも結構予算が掛けられているのか、光学合成の多用はもちろん、魔王の手下のデザインや途中ベイマたちを襲う餓鬼たちにもキチンとメイクが施されていて、数多くのキョンシー映画のような手抜きメイク(白塗りに隈)でないのが好感が持てる。
でも、一番の見所は何といってもベイマを演じた
シャドウ・リュウ(劉致)に尽きると思う。『幽幻道士』シリーズでは
単なる話のかき混ぜ役、一服の清涼剤的存在に過ぎなかった彼女が、
世界を救う為にその身を犠牲に闘う(格闘はしないけど)聖少女を演じていて、最初の水浴シーンから最後の観音様姿になるまでの間私の視線は彼女演じるベイマに行きっぱなしだった。
シャドウ・リュウの少女時代の代表作にしちゃていいんじゃないの?と進言したくなるほどの名演である。
あ~いいたい事はイッパイあるんだけどなぁ。何も言えねぇ…