おじいちゃんの小さな疑問集(旧:おもりぽ)

「おじいちゃんがふと抱いた小さな疑問」を、載せさせていただきます。答えや共感や異論があればぜひコメントを!

こぉんなバイトがあったぞ!リポート.6の②

2007年09月04日 | Weblog
【学習塾講師.その②】
 前回紹介させていただいたようないきさつで決まった、学習塾講師についてのコメントの続きです。

 面接に行ってその場で内定をもらい、翌週から学習塾講師のバイトをスタートすることになりました。ぼくが担当するのは、週に2曜日。時間は16時~21時で、90分の授業を3コマ、間10分のインターバルをいれて実施していく方式だったと思います。

 確か、1曜日めは最初のコマは小学生に社会と国語を、90分の時間を半分に区切って教えます。残り2コマは中学生に、国語や英語を。2曜日目も同様で、曜日で対象の学年が違うということだったと、そんな記憶があるのですが…。1年目と2年目で担当が違ったし、何せ20年以上前のことなので、記憶が定かではありません。

 最初の週は、ぼくが担当する授業を塾長が実施するのを見学です。塾長の授業は、見事な授業でした。教えられる子供達と教える講師とキチンと一線が引かれて、決して慣れあいの授業ではありません。教える口調は極めて明瞭。子供達が、「ですます調」ではない言葉使いをすると、厳しく叱ります。通常の声質は明瞭で淡々と、叱る時は大きく短い言葉で、教室全体が凍るような雰囲気をもたらします。

 ある中学3年生の男の子が、教材を忘れてきました。塾長はまず「君の親は何のために授業料を払い、ここにこさせているのだっ!」と怒鳴って教室を凍らせました。だれも目線を上には向けられない状況をつくります。そして、「君の親に今すぐ電話をして了解を取るから、すぐ教材を家から取ってこいっ!」と、彼を家に取りに戻します。

 彼が教材を取りに行っている間も、彼が戻ってからも、教室は全員が塾長が教える内容に集中し、神経を研ぎ澄ませて読み、書き、問題を解くといった状況でありました。塾長自身は怒鳴ったことなどまったく尾を引かず、その後は極めて淡々と、時に冗談も折り混ぜながら授業を進行していくのですが…。

 ぼくは当時は、どくらかというとドラエモン風というより、体型は細く、顎なども鋭利で、目つきなどもスルドイ方だと思っていたので、この塾長のスタイルに近い方向で授業に臨むことにしました。バイトの身としては、子供達と仲良くなり、解り合ったうえで充実した授業をするより、最初から一線を画して緊張感を持って授業を進める方が効率がいいし、一定の成果をあげられると思ったからです。

 翌週から、塾長の後を受けて授業を進めましたが、この作戦はひとまず効を奏したようです。1ヶ月程度たったところで、オーナーと塾長から、「あなたの授業は緊張感もあって、子供たちが静かに熱心に受けていてとても良い」と、褒めてもらえたので。

 一方、講師によっては、やはり子供たちが集中しなかったり、時には騒いで思うように進行できないケースもあったようです。極端な場合は塾長は教室に入るという対処もしていたよう。少なくともぼくの同郷の友人とぼくは、緊張感のあるいい授業との評価を受けていました。

 でも、このスタイルはなかなかにしんどいところがあります。ふざけたり、弱みを見せることが、できないからです。特に中学3年の内容は、補修塾とはいえ結構むずかしい内容もあります。質問されてとまどったり、迷う様子を見せるわけにもいかないのです。特に数学などを臨時で請け負った場合でも、塾長の方針で事前の予習などもできず、結構ヒヤ汗をかいた覚えがありますぅ。

 そんな基本姿勢でこのバイトは、大学2年の途中から、3年の終わりまで、週に2日+夏期講習や春季講習の講師業を継続しました。4年では就職活動もあったので、週1度でシフトをつくってもらい、3年弱の期間継続したことになったはずです。
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 次回、まだまだ学習塾講師のバイトに関するコメントは続きます。子供たちを教えていて、嬉しかったことや、起こった事件など。長期間のバイトには色々な思いが残っているものです。
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